2011年8月31日水曜日

8/28 Jリーグ第24節 VS浦和レッズ @長居スタジアム

■セレッソ大阪 3 - 1 浦和レッズ
セレッソ大阪:山口(48') 扇原(87') 倉田(90'+1)
浦和レッズ:高崎(78')
フォーメーション

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸 22 上本大海
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 9 ファビオ ロペス 13 清武弘嗣 23 倉田秋
FW:11 播戸竜二
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 32 尾亦弘友希 7 大竹洋平 25 黒木聖仁 19 永井龍 31 杉本健勇
交代:播戸→杉本(71') ファビオ ロペス→永井(90'+2) 倉田→藤本(90'+5)

■浦和レッズ
GK:18 加藤順大
DF:5 高橋峻希 4 スピラノビッチ 17 永田充 14 平川忠亮
MF:6 山田暢久 13 鈴木啓太 11 田中達也
FW:10 マルシオ リシャルデス 24 原口元気 31 デスポトビッチ
SUB:1 山岸範宏 3 宇賀神友弥 26 濱田水輝 27 小島秀仁 16 高崎寛之 15 エスクデロ セルヒオ 29 マゾーラ
交代:田中→エスクデロ セルヒオ(60') デスポトビッチ→高崎(60') 山田→小島(69')

週2試合ペースの5連戦の最終戦はホーム長居での浦和戦。
ここまでの4試合を2分2敗と勝利なしなのでこの試合は是非勝ちたいところ。
セレッソの先発は前節マリノス戦と全く同じ。マルチネス・ボギョンを欠く中、中後までケガでベンチ外となり先発のボランチは扇原と山口のユース出身コンビでベンチには黒木が入る。前節の内容から例えば清水戦のように扇原と山口の並びを逆にする事も考えられたんだけど全く同じにしてきた。またこの夏にFC東京より加入した大竹が初めてベンチに入った。
一方の迷走中だと評判の浦和は、柏木・山田というプレーメーカーをサスペンションで欠くという厳しい陣容。スタメンは田中達也がMF登録になっているがデスポトビッチとの2トップで中盤の前は右にマルシオ左に原口、またボランチは鈴木啓太と山田暢久というセレッソと対象的なベテランコンビになっていた。

■マッチアップ
浦和 守備の形
浦和がセレッソに対してとった守り方は上図。
前からプレッシングに行く事はほとんどせず、田中とデスポトビッチの2トップは先ずハーフウェー当たりまで引いてそこから守備を開始。なので、深い位置から攻撃を組み立てるセレッソと当たるのは扇原と山口のダブルボランチになる。
そして、マルシオと原口の両サイドが丸橋と酒本をマンツーマンで押さえ、真ん中は鈴木啓太と山田暢久の2人が見て、最終ラインはスペースを開けないように4人が並ぶ形。

なので、セレッソの後ろは繋ぎたい放題である。
後ろでボールを落ち着ける事が出来ればセレッソの両SBは高い位置をとるので原口とマルシオも押しこまれてしまい浦和にとっては厳しい状態である。

■セレッソビルドアップ
セレッソ 攻撃の仕組み
前節は若手ボランチコンビによるビルドアップが全く上手くいかなかったセレッソ。
浦和とマリノスの守り方の違いによる部分も大きいんだけど、この試合はかなり改善されていたというか練習の後が見えた。

マルチネスがいた時はダブルボランチの役割は原則マルチネスがビルドアップの中心でその相方はサポートとカバーリングになる。で、そのマルチネスはDFラインに入るのはモチロンだけど、さらには丸橋が上がった後の左サイドのスペースに入ったりして自身がフリーになるように動く。
だけどその代わりに入っている扇原は散らすパスにはセンスを感じさせるものの自分が受ける為の動きはまだまだそのレベルには無い。なのでシャドーが下りてきたりして助けてあげないといけないんだけど、前節は山口がそのスペースを埋めてしまうのでビルドアップが停滞してしまっていた。

で、この試合は先ずダブルボランチの役割も少しかわっていた。
今までのマルチネスと中後のビルドアップの分担が8:2だとすれば、扇原と山口はほぼ5:5、まあ得手不得手の関係で若干扇原が多いかという感じなので6:4ぐらいの、どちらかに任せっぱなしという訳ではなくどちらかがDFラインに降りたらどちらかがそのサポートに入るという相手やこちらの状況によって変わるという形になっていた。
そして、シャドーの動きも徹底されていた。
ボランチがボールを持てば必ずシャドーの1枚が下りてくる。ボールを持ったボランチの横ぐらいには必ず下りていき、それに合わせて残りの2枚もスライドする。
このシャドーの動きが停滞すればピッチサイドでクルピが手をぐるぐる回すとそれを見て動き出すので、「シャドーも」、というかこっちこそ徹底されていた。

浦和は、セレッソのCBとボランチ2枚の4人に対して、2トップ、DFラインの前でどんどん動きまわってポジションを代えるシャドーに付いているのはボランチ2枚なんでセレッソがボールを落ち着ける所はどこもかしこも数的不利。なので中盤はセレッソが支配するようになる。

なので、最終ラインにはスペースを埋める人がいるもののセレッソが何度か決定的なチャンスをつくるんだけど、最終的な局面でミスで逃したり何とか防いで浦和が耐えるという展開になる。

■浦和の攻撃
立ち上がりから厳しい状態になっていた浦和だけど、実はGKを含めた後ろの選手は比較的つなげる選手が揃っている。
セレッソは押し込んだ立ち上がりにボールを失えば何度か前からプレッシングに行くものの上手く回避されてボールを運ばれる場面も見られた。
浦和 攻撃の仕組み
で、ボールを奪ってからの浦和の攻撃は上図。
柏木が不在という事が関係しているのだろうけど、浦和で攻撃に参加してくるのは、右SBの高橋と攻撃的な中盤に入るマルシオと原口、そして2トップの2人という5人。時々左SBの平川が上がってくるものの、前にいる原口は突破力があるのでそのジャマになってはいけないと基本は自重気味なので、攻めるのはこの5人だけである。

しかも攻撃に参加する5人のうちの右SBの高橋はボールを運ぶ役割は担っているようだけど、そこから何かがあるという訳では無くむしろパスミスが目立つぐらい。なので局面で出てくるのは前の4人だけ。
で、多分高橋が運んだボールをデスポトビッチと田中の2トップで収めてマルシオか原口って事を狙っているんだろうけど、デスポトビッチはそんなにどうにか出来そうな感じはない。
なので、結局は原口頼みになっている。
原口はもはやスラムダンクの「それでも仙道なら…」状態。

ただ、前半はセレッソにいくつかあったチャンスを決められず0-0で終了となる。

■後半
前半決めきれなかったセレッソだけど後半の立ち上がりにゲームは動く。
ジンヒョンのスローから山口が受けファビオロペスへ縦パスを入れる。
ここから下りてきたファビオロペスと扇原、ファビオ、倉田、ファビオをつなぎ中央へクロス。そこにボランチから飛び込んだ山口が合わせて先制する。
浦和はこのパス交換に全くついていくことが出来ていなかった。
また、山口は以前よりボランチの位置から飛び出すプレーが得意だと言っていたが、今まではその前段階のプレー、パスを受ける、パスを出すといったビルドアップのプレーに安定感が無かったのでなかなかその良さを出すところまでいかなかったんだけど、このシーンでは前段階からゴール前へというキレイな流れでプロ初ゴールを上げた。

60分〜
たまりかねた浦和は2トップを下げて高崎とエスクデロを投入。
エスクデロを左サイドに置いて1トップ高崎でその下に原口という形に変えてくる。
浦和で一番何かを起こせそうな原口が真ん中で若いボランチコンビ(といっても原口と同世代なんだけど)とマッチアップする事が多くなるんだけど、セレッソ自慢のCBコンビが高崎を押さえ、もう1枚はカバーリングポジションを取りながらも原口もきっちり見ているという流石の状態。

ただ流石にこうなると浦和がボールを持ってセレッソはカウンターという構図になる。

しかし播戸と交代で入った杉本が狙い通りのカウンターで得た決定機を外した後、浦和に同点に追いつかれてしまう。
きっかけはマルシオに釣り出された扇原。
77分でシャドーに疲れが見えてきた時間ではあったが、スピラノビッチからマルシオへの縦パスに扇原がそこまで出なくても良かった高い位置まで行ってしまい、同じく途中出場の小島に簡単に叩かれてで完全に入れ替わられてしまう。その小島が運んだボールを原口が強引に相手をかわしてシュート。ジンヒョンが何とか弾くもののそのこぼれを高崎に詰められ1-1となる。
「それでも原口なら…」の原口が決めてしまうのだからさすがである。

ただ、普通に落ち着けばセレッソの方がキチッとできている。
って事で失点直後は浦和が勢いに乗って攻め立てるも再び徐々にセレッソペースへ。
87分に清武から丸橋へのサイドチェンジからファビオロペスへ、そのファビオロペスがマイナスの優しいパスを上がってきた扇原が決めて2-1。
扇原はファーストタッチをミスしていたので危なかったが、体制を崩しながらのシュートはキレイな弧を描いてクロスバーを舐めるようにゴールに吸い込まれた。

さらに91分、再び前がかりになる浦和の裏のスペースをついて抜けだしたファビオロペスがループシュート。そこシュートはクロスバーに跳ね返されるも倉田が押し込み3-1。

4戦勝利なしと厳しい状態だったセレッソが、若手ボランチの活躍で嬉しい勝利となった。

■その他
この日は機能した扇原と山口のダブルボランチ。
本文中にも書いたように浦和のやり方に依る部分も大きかったけど、トレーニングの成果がしっかりみられる活躍だった。

またこの日3ゴール全てに絡んだファビオロペス。
まだまだ謎の部分が多い選手だったけど、この日のプレーぶりは献身的で運動量豊富でコンビネーションをしっかり取れるプレーぶりを見せた。
1人で何とかしてしまえる様な選手ではないものの、この試合ではセレッソのやり方にしっかり合っていた。
ボギョンが帰ってきた時に好調の播戸や成長著しい杉本、ピンパォン放出後に1トップのレギュラーだった小松を差し置いてトップに入れるべきかどうかという部分はあるけど。

で、浦和である。
正直浦和はかなり厳しい。
攻撃は分断していて原口まかせだし、この試合でいえば守備のマッチアップも捕まえどころがあってなかった。
ホントにどうするんだろう。

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