2011年9月28日水曜日

9/27 ACL Quarterfinal 2st Leg VS 全北現代モータース(韓国)  @Jeonju World Cup Stadium(韓国・全州)


■全北現代モータース 6 - 1 セレッソ大阪
全北現代モータース:エニーニョ(31') イ ドングッ(49') イ ドングッ(55') イ ドングッ(64') キム ドンチャン(76') イ ドングッ(90'+1)
セレッソ大阪:小松(72')
フォーメーション
■全北現代モータース
GK:21 キム ミンスク
DF:4 キム サンシク 16 チョ ソンファン 25 チェ チョルスン 33 パク ウォンジェ
MF:8 エニーニョ 10 ルイス エンリケ 13 チョン フン 26 ソ ジョンジン
FW:3 シム ウヨン 20 イ ドングッ
SUB:41 イ ボムス 11 イ ソンヒョン 15 キム ドンチャン 18 フアン ボーウェン 5 ソン センジュン  9 ジョン ソンフン 19 クルーノ ロブレク
交代:ソ ジョンジン→キム ドンチャン(72') ルイス エンリケ→クルーノ ロブレク(81') エニーニョ→イ ソンヒョン(後半41')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:2 扇原貴宏 3 茂庭照幸 4 藤本康太 32 尾亦弘友希
MF:9 ファビオ ロペス 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン 17 酒本憲幸 23 倉田秋
FW:11 播戸竜二
SUB:1 松井謙弥 5 中後雅喜 6 山口螢 7 大竹洋平 14 丸橋祐介 15 小松塁 31 杉本健勇
交代:キム ボギョン→中後(13') 中後→小松(57') 清武→大竹(67')

ACL準々決勝2ndレグ。ACLは登録ポジション順、背番号順に記載されるので実際のポジションとは全く関係ない。ただ全北の3番は前の時はDF登録でACLのプログラムにもDFになっているにもかかわらず今回の公式がFWなのでそのままにしました。(実際のポジションもCBなので多分AFCのミスかと)
1stレグを4-3で勝利でこの試合は引き分け以上で勝ち抜けだったので、どうしても勝ちたい一戦だったんだけど結果は1-6と悔しい敗戦となってしまった。いつもなら時系列順に書いてますが、この試合はちょっと書き方を変えます。

■6-1というスコア
この試合セレッソは全く自分たちのサッカーができなかった。
立ち上がりに過剰なまでの激しいプレー(もはやラフプレー)でキムボギョンに襲いかかりゲームから出されてしまい、そしてその後は腰が引けた様なサッカーになってしまった。
ただ、そのラフプレーだけが原因ではなく、全北はさすがに4回目の対戦という事もありセレッソの弱点を的確に突いてきた。
その激しいプレーも含めて彼らのストロングポイントをセレッソの弱点にぶつけて来た。

■セレッソのサッカー
最初に「セレッソはどうしたかったか」から。
セレッソの特徴はご存知の様にシャドー。乱暴な言い方をすれば、セレッソのサッカーはシャドーがいかに良い形でプレーできるかから考えられている。
セレッソ シャドーのスペースを作る仕組み
なのでセレッソは、攻撃の起点が他のチームに比べるとかなり低く設定されていてボランチもDFラインに入ってビルドアップをはじめ相手を引き出そうとし、ボールを持てば両サイドバックは同時に一気に高い位置を取り相手の横幅を広げようとする。
これでシャドーが自由プレーする為のスペースを作る。
このスペースでシャドーは引いたり同サイドに集まったりして自由に動く。

セレッソ 相手の陣形を崩す
シャドーが自由に動くという事は、例えば4-1-4-1などのゾーンで守ろうとしていてもそのゾーンに2人以上の選手が同時に入って来る事になる。なのでそうなると相手もそのゾーンを崩して守る事になってしまう。
シャドーには狭いスペースでパス交換ができドリブルでも目の前の相手をかわすテクニックがある選手を3人置いているのでそこで崩してしまう事ができればもちろん最高なんだけど相手の陣形を崩しているので、もしそこでボールを奪われたとしても相手はSHやCHなど適切な位置に適切な選手を置く事ができていない。なのでそこで相手が陣形を整える前にプレッシャーをかけてしまい苦し紛れにだしたパスを対人に優れたCB等で相手の攻撃を止める事ができる。
こうやってセレッソは去年リーグ2位の失点数と魅力的な攻撃をつくりだしていた。

■セレッソの弱点
セレッソを止めるにはシャドーを自由にプレーさせない事。
その方法は大きく分けて2つあり、1つは低い位置にブロックを固定させてしまい最終局面でのプレーを制限する方法ともう1つはシャドーにボールが入る前のボランチと最終ラインのところで潰してしまう方法。
ブロックを下げるとボールを自由にまわされてしまうのでサンドバッグ状態になってしまう危険性があるし、高い位置から行くとこの前の山形の様にそこをかわされると一気に攻め込まれてしまうのでどちらの方法も一長一短なんだけど、全北は後者を選んで来た。
全北 ボランチを狙う
シャドーにボールを入れさせない為にCBとボランチのところにプレッシャーをかける。
特にこの日のメンバーの中で一番ボールを運ぶ能力・シャドーにボールを届ける能力が高いキムボギョンのところにはセレッソの前線を多少あけてでも、ファールでも良いのでとにかく潰す。その証拠に立ち上がりのキムボギョンに対するファールで出たイエローカードはCBとSBによるものだった。

実は同じ様な狙いで神戸にもやられてるんだけど、ただこの日の全北のプレッシャーは荒さ、激しさともにJリーグではまず見られないものだった。そしてもう1つ違ったのは神戸はCBに対してプレッシャーに来たけど全北はボランチに対して来た。

プレスの相手をボランチに定めた事で3つの効果があった。

1つはCBからのクリアで時間を使わせなかった。
きっとCBにプレッシャーにいっていれば足下に自信の無いCBは大きくボールを蹴ったはず。セレッソはボランチを飛ばしてCBからシャドーへ直接ボールが入る事はほとんどない。CBにはその能力が無いしそこはそれほど優先していない。だからボランチがCBの近くまで寄る。だからCBにプレッシャーに行くとCBはボールを大きく前方に蹴る事が増える。
この試合、全北は立ち上がりで勝負を決めたかったはず。なぜならハードなプレッシングはたとえフィジカルに優れた韓国チームとはいえ長時間は厳しい。そしてアジアの審判のレベルをかんがえればある程度時間がたってしまってからだとレッドカードになるようなプレーでも早い時間であればイエローで済む可能性が高い。なのでCBが大きく蹴りだして時間を使われる事が少なかった。

2つめはSBの裏のスペースを使えた事。
CBに行くとSBはまだ上がっていない可能性が高い。だけどボランチに入ればSBは上がる。その結果ボールを奪ったあとにSBの後ろのスペースを使う事ができていた。

3つめはイドングッを守備に疲弊させずに済んだ事。
イドングッはそれほど守備ができる選手では無い。なのであまり守備をさせたく無い。
ただチームでボールを奪えばセレッソのCBに付かれたとしてもボールを収める能力はあるし、シュートまでもって行く事も出来る。また横からのボールでも競り勝てる。
イドングッを激しく守備に参加させない事でこの能力を存分につかう事ができていた。

全北は多分この3つを狙ってて、自分たちとセレッソを比較した時に最大のストロングポイントになるであろうフィジカルをボランチにぶつけてきたんじゃないかと思う。

どこまで狙ったものかはわからないけども、セレッソの中で全北にとってもっとも気をつけなくてはいけなかったボギョンは前半7分にして顔面骨折で交代を余儀なくされてしまったし、さらにこれによってセレッソの若いメンバーは萎縮してしまったので全北はゲームプランをよりやりやすい状況になった。
そしてセレッソは最後までその流れを止める事ができなかった。

またシャドーにボールが入っていないので相手の陣形も崩せておらずほとんどの時間帯で全北の攻撃をCBがもろに受けてしまう形になってしまっていた。

またリーグでも相手に研究された為に幾度と使っていた「厳しい時間帯は全体的にブロックを下げて守る」方法も、その後ボールを運べないのでほとんどの時間でガマンするしかなく通用しなかった。


■その他
ACLというセレッソにとって史上最大のプロジェクトは6-1というスコアで幕を閉じた。
セレッソにとってセレッソを応援しているものにとって忘れられない試合になった。
相手のプレッシャーは良い悪いは別にして未知の領域のものだったし、ここまでフィジカルを押し出された事もなかった。
相手はボランチを狙って来ている事は開始1分でわかるレベルだったのに。
それならボランチのポジショニングを動かしたり、シャドーの1枚をもっとはっきりボランチの位置に落としたらよかったんだろうし、CBからシャドーへのパスを狙ったり直接裏のスペースを狙ったりすればよかったんだろうけど未知のプレッシャーの前にそれが出来なかった。
多分今思えば出来た事も沢山あったんだろうけど、何もできなかった。
「させてもらえなかった」って事なんだけど、落ち着けばできるであろう事もできていなかった。

播戸が言っていたように、一言でいえば経験不足って事なんだろう。だってこの強度を知らなかったんだから。

そしてクラブもACLを控えていたのに清武をU-22に出してケガをさせたし、ボギョンもU-22に出した。
Aマッチデーでもない時のアンダーの代表に主力選手をだした。
この強度を知っていて本気でACLを取るつもりならそのタイミングで出さなかったと思う。
ここはACLがあるので別の時に出すからといった様な条件をつけて交渉する事はできたはずなのに。
そういう意味ではクラブもACLの厳しさを知らなかった。
ここも播戸が言っていた通りだ。

控えメンバーについてもそうなんだろう。
ケガの清武を起用した。起用するという判断をクルピにさせた。

セレッソで唯一ACLを知っている播戸が、しかもチャンピオンになってる播戸が、「若い」「経験不足」って言ってる事はそういう事なんだろうし本当に「力がたりない」んだと思う。

ただこれで本当のACLを知った。
選手もクラブもサポも皆が知った。
これを知ってどうするのか。選手もクラブもサポもどうするのかって事なんだと思う。

そして選手もクラブもサポもACLにこれからも出て行かなきゃいけないって事は強く感じたと思う。
なのでこれからのリーグ、ナビスコ、天皇杯で見せなきゃいけないと思う。
ここに戻って来る為に。
ちょっと切り替えるのに時間はかかったけど今は本当にそう思う。

ACLのベスト8まで来て本当に良かった。
グループリーグやガンバに負けていたら本当のACLを知る事ができなかった訳だし。
そしてACLを取った浦和やガンバは本当にスゴいって事を心から思った。

2011年9月25日日曜日

9/23 Jリーグ第27節 VSモンテディオ山形 @キンチョウスタジアム


■セレッソ大阪 6 - 0 モンテディオ山形
セレッソ大阪:播戸(24') 藤本(28') 酒本(46') 扇原(49') ファビオ ロペス(85') 大竹(87')
モンテディオ山形:なし

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 17 酒本憲幸 32 尾亦弘友希
MF:2 扇原貴宏 5 中後雅喜 9 ファビオ ロペス 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:11 播戸竜二
SUB:1 松井謙弥 14 丸橋祐介 20 高橋大輔 22 上本大海 7 大竹洋平 25 黒木聖仁 31 杉本健勇
交代:茂庭→上本(58') 倉田→大竹(64') キム ボギョン→黒木(70')

■モンテディオ山形
GK:1 清水健太
DF:14 宮本卓也 32 前田和哉 22 園田拓也 13 石川竜也
MF:6 宮崎光平 19 秋葉勝 33 山﨑雅人 5 下村東美 28 太田徹郎
FW:18 大久保哲哉
SUB:16 植草裕樹 2 小林亮 3 石井秀典 8 船山祐二 9 古橋達弥 24 伊東俊 10 長谷川悠
交代:大久保→長谷川(HT46') 秋葉→船山(59') 太田→伊東(70')

久しぶりにキンチョウスタジアムに戻っての試合は監督を含め馴染みの選手が多い山形戦。
前回は震災後のJリーグ緒戦で4-3-3だったけど前線の両サイドも守備に戻ってとにかく後ろを固めるというある人がみれば確実にアンチフットボールという徹底っぷりだったけど、残留争いまっただ中の山形は夏に広島から山﨑を獲得して4-4-2に代わっている。
一方のセレッソは2日前にあったU-22の試合で日本代表・韓国代表に計4人を排出していた中、扇原とキム・ボギョンは先発に入れてきた。
金曜日開催とはいえ翌週のミッドウィークにはACLの2ndレグがあるので主力を休ませるような展開にしたいのだけど…

■山形の4-4-2
山形 攻撃の仕組み
4-3-3から4-4-2に変化していた山形。違いは2トップの1枚に入った山﨑がCFの大久保の近くでプレーをしているという事。その分中盤の選手が少なくなっているのでCFへ入るタイミングが早くはなっているのだけど、そこにボールを供給するのは両サイドが主だという部分は同じ。

山形の守備陣形
大きく変わっていたのは守り方。前回はリトリートがメインだったけど、今回はボールを失えば先ず一旦全員戻ってハーフウェイあたりからセレッソボランチの前で4-4-2のブロックを作る。前に人が増えている分守備の位置も前になっていた。
ただ、残留争いまっただ中でどうしても勝利が欲しいからなのか、一旦ボランチやDFなど後ろでボールを落ち着けた時に山形はプレッシャーに出てくる。
ボランチが空く
最初はそのプレスで何度かボールをとれてたり、ビルドアップが制限できていたりしてたが、倉田の動きが素晴らしく、倉田・SBを使って縦パスが入った後にボランチが前向きでフリーでボールを受けるという場面が時間の経過と共に見えるようになってきていたので「リスキーだな…」と思っていたら案の定前向きでフリーでボールを受けた扇原からの崩しで播戸が先制する。

セレッソ 局面に人数を集める
山形は最初のプレスから連動してその他の選手も出てくるんだけど、最初にかわされてボランチが前向きでボールを持っているので人数をかけて局面打破をしてくるセレッソを捕まえきれていない。なので最後はボギョンからのスルーパスに抜け出したファビオロペスのクロスをマーカーの視界から逃げるように上手くファーに膨らんだ播戸が合わせた。

しかもその4分後には尾亦のCKを藤本がフリーであわせて2-0に。
山形はセットプレーはマンツーで、藤本康太のマーカーは元セレッソの前田だったんだけど藤本を少し離し気味だったので、大外から中に入ってくる藤本を捕まえられていなかった。

結果論なのかもしれないけど、山形の最初の守備は失敗だったと思う。
山形にすればどうしても先制点が欲しかっただろうし、後ろでコントロールされるのを嫌がったのだろうけど、セレッソからみれば簡単にブロックから飛び出して食いついてくれるのはありがたい。
さっきも書いたように、最初のプレスをきっかけに山形は人数をかけてくる。だけど、局面に人数をかけてボールを動かすのはセレッソの得意技。なので近い距離でのパス回しでそのプレスをかわしてしまい山形はもはやせっかく作った陣形保てていないという状況になる。
結局はこの最初の食いつきがブロックを崩すきっかけになってしまっていた。
また、陣形が保てなくなるとせっかくボールを奪ってもそこから攻撃につなげる事が難しくなる。
せっかくボールを取っても自分たちがやりたい形になってないんだから当然そうなる。
なので、0-0の時から山形はコレをやる必要はあったのかなと。
山形とすれば、もしかしたら清武もいないのでコレでいけると思ってたのかも知れないけど、セレッソにはまだ倉田がいるので。

って事でこのブロックを崩すプレーで良かったのは倉田のプレー。
ボランチの近くに下りたり、ボギョンやファビオロペスの近くにポジションを取ったりとセレッソのシャドーらしい流動的なポジショニングでポイントを作り、また遅れて寄せてくる相手をドリブルでかわしたりなどシュート以外の場面でのプレーは本当に良かった。(2点目は倉田のシュートからのCKだったけど)

■後半
後半開始時
後半から山形は大久保に代えて長谷川を入れる。
山形は狙ってきた事が出来ておらず、1-0ならまだ例えば入ってくるまで待ってブロックを維持するとか、4-2-3-1に代えてCBの前に2枚を固定してとにかくバイタルを埋めるとかやり方はあったのだろうけど、2-0のビハインドではそれをやった所でかなり厳しい。

山形には何かできる事はあるのか?もう手が無いんじゃないか?とどう変化してくるかに注目していたのだけど、それを見られる前にキックオフからの流れでキム・ボギョンにボールを運ばれてしまいファール。そのFKからさらに失点をしてしまう。
公式記録では酒本の得点になったが、再び前田が藤本に振り切られてしまった失点だった。

もうこうなると山形にできる事はほとんど無い。
山形は前半より少し前からきていたが結局は同じやり方で、そのプレスをかいくぐられて扇原に決められて4-0。
セレッソは広島戦で腰を痛めた茂庭、前半に足を痛めさらにこの連戦を引っ張っていた倉田、肩を痛めておりさらに2日前にU-22に出ていたボギョンを、故障あけの上本、期待の大竹、黒木と交代させる余裕の展開。

さらに終盤にはファビオロペス、大竹と新加入の2人が決めるという最高のながれで6-0の快勝となった。

■その他
中1日でボランチで90分プレーした扇原。
JAGSではエレガントとまでいわれてたけど、パスの精度も高くチームの起点となっていた。
けど、1つ注文。
特に先制後なんだけど扇原のポジションでは、ポジショニング、受け方、パスコースでもっと相手を押し込む事ができる。
すぐに追加点を上げたし流れが楽勝ムードになったので全く問題ではないんだけど、それが出来ればどんな相手にも対応できる。
マルチネスとの最も大きな違いはそこなのでその意識を高めて欲しい。
またPKで初ゴールを決めた大竹。この日のプレー中にも徐々にセレッソの距離感を掴んできてくれているようで良かったです。

最後に結局U-22で足を痛めてしまい欠場となった清武。
ACLには帯同するようだけど、使うのはきっと難しいだろう。
なのでもうアンダーには行かなくてもいいよ。

2011年9月19日月曜日

9/18 Jリーグ第26節 VS大宮アルディージャ @熊谷スポーツ文化公園陸上競技場


■大宮アルディージャ 0 - 0 セレッソ大阪
大宮アルディージャ:なし
セレッソ大阪:なし
フォーメーション
■大宮アルディージャ
GK:1 北野貴之
DF:32 杉山新 4 深谷友基 34 片岡洋介 26 村上和弘
MF:6 青木拓矢 17 上田康太 13 渡邉大剛 16 金久保順 11 藤本主税
FW:37 ホドリゴ ピンパォン
SUB:21 江角浩司 14 坪内秀介 20 金 英權 23 金澤慎 18 橋本早十 9 石原直樹 29 清水慎太郎
交代:ホドリゴ ピンパォン→石原(58') 金久保→橋本(75') 藤本→清水(88')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 17 酒本憲幸 32 尾亦弘友希
MF:5 中後雅喜 9 ファビオ ロペス 16 キム ボギョン 23 倉田秋 25 黒木聖仁
FW:11 播戸竜二
SUB:1 松井謙弥 14 丸橋祐介 24 金 聖基 33 高橋祐太郎 26 村田和哉 19 永井龍 31 杉本健勇
交代:中後→杉本(63') 播戸→永井(70') 尾亦→丸橋(82')

ACLから中3日で、U-22の3人が抜け、大竹・上本・高橋大輔・マルチネス・小松を欠く厳しい状態で迎えた大宮戦。スタメンもベンチも総力戦の様相。
一方の大宮も東をU-22、ラファエルとイ・チョンスを故障で欠いている。
U-22にレギュラークラスをしかも1週間前から招集するというのはどうなんだ?という所もあるけど、まあ仕方がない。
ちなみにホームでの大宮戦は豪雨の後でピッチの所々で水たまりができていた例の試合。

■マッチアップ
大宮のブロック
大宮は攻撃の時はピンパォンの1トップだけど守備の時は4-4-2で3ラインのブロックを作る。
メンバーが代わっているもののセレッソの組み立てはボランチからはじまるという事でマッチアップはCBはほぼ無視してピンパォンと藤本はボランチにあたる。
またDFラインは高めに設定し2ラインの間を閉めて、シャドーにスペースを与えないという狙い。

セレッソ シャドーが下りる
大宮とセレッソのやり方を比較するとポゼッションはセレッソになる。
セレッソは大宮のブロックを崩すために、まず中後がDFラインに入り攻撃の起点をさげ、シャドーが下りてくる事でMFのラインの前にポイントを作る。
セレッソ 相手MFラインを引き出す
MFの前でポイントを作れば大宮のMFのラインを引き出す事ができる。そしてそうなるとセレッソが一番使いたいDFラインとの間も広げることができる。
立ち上がりはこの形で何度かボールを運ぶ事に成功し相手を押し込む形にできていた。

ラインを上げる大宮と裏を狙うセレッソ
間を使われたくない大宮は全体的にラインを上げる事でスペースを消しに来る。
ただそれもセレッソにすれば想定内ということで今度は播戸や酒本への長いボールで相手のDFラインを下げにかかる。
大宮はファール気味に荒く来るもののここまではいつもどおりの形でゲームを支配していた。
後ろでポイントを作る、シャドーが下りてくる、サイドバックが上がる、詰まればやり直す、まあいわばいつも通りこの形を続ければ問題ないという状況に持っていくことができていた。

ただちょっと気になるのは時間の経過と共にボールを奪う位置がすこしずつ低くなってしまっていた事。いわば前でプレッシャーをかけられなくなっていき、また意図して後ろに下がっている訳ではないので行って来いみたいな展開になり始めていた。
まあ大宮の攻撃の精度が低いのでそれほど問題にはならなかったのだけど、これが続くと押しあげられなくなり前線と間延びしてしまう。間延びしてしまうと相手を押し込めなくなりカウンターを受けるし、さらに前でいけなくなってとなってしまうのだけど…

■嫌な予感は的中
大宮のブロック2
前半途中からボールを奪う位置が低くなってしまった事でSBが低い位置まで下がらなければいけなくなって相手を広げる方法の1つである裏狙いが少なくなってくる。
そうなると大宮は思い切ってブロックを前にあげられるようになり、またFWと藤本のプレスの関係が少し変わったのでセレッソがボールを運べなくなってくる。

セレッソ 杉本を投入
なのでセレッソはシャドーでポイントが作れるように、中後を杉本に代えてボギョンをボランチ、杉本をシャドーに入れてくる。
ただ、前でミスが増えてきていたのであまり改善されない。
さらに、播戸に代えて久しぶりの出場となった永井を投入するも変えられず、終盤に疲れの見える尾亦に代わった丸橋のクロスから杉本が合わせるもクロスバーにあたり0-0のまま終了。
後半は大宮の雑な攻めに助けられた形だった。

■その他
この試合はメンバー的な部分もあったけどコンディション面が大きかったかもしれない。
前半途中からシャドーも含めた前の選手の足が止まり始めた。
なのでこの状態ならドローでもそれほど悪くはないかと。
ただ、大宮は荒い。

この試合久しぶりだった尾亦。
立ち上がりから積極的に縦に走り、精度の高い左足もなんどか見せていた。そして守備にも奮闘していた。ただミスが多かったので丸橋よりもというプレーまでは見せられなかった。まあ元々のポジションが違うからなんだけど、組み立てに絡む回数、中盤とのパス交換は丸橋の方が上なので。

U-22が21日に試合があるので、23日の山形戦はこの日欠場だったU-22日本代表の3人にあわせてU-22韓国代表のボギョンも使えない可能性が高い。
なのでいよいよ大竹が躍動してくれることを期待して…

2011年9月17日土曜日

9/14 ACL Quarterfinal 1st Leg VS 全北現代モータース(韓国)  @大阪長居スタジアム


■セレッソ大阪 4 - 3 全北現代モータース
セレッソ大阪:播戸(29') 清武(56') キム ボギョン(64') 清武(81')
全北現代モータース:イ ドングッ(6') イ ドングッ(45+1') チョ ソンファン(58')

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:2 扇原貴宏 3 茂庭照幸 22 上本大海
MF:9 ファビオ ロペス 13 清武弘嗣 14 丸橋祐介 16 キム ボギョン 17 酒本憲幸 23 倉田秋
FW:11 播戸竜二
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 32 尾亦弘友希 5 中後雅喜 6 山口螢 7 大竹洋平 31 杉本健勇
交代:播戸→大竹(68') 丸橋→尾亦(74') ファビオ ロペス→杉本(86')

■全北現代モータース
GK:21 キム ミンスク
DF:4 キム サンシク 16 チョ ソンファン 17 イム ユファン 33 パク ウォンジェ
MF:7 キム ヨンウ 8 エニーニョ 10 ルイス エンリケ 18 ファン ボーウェン 26 ソ ジョンジン
FW:20 イ ドングッ
SUB:41 イ ボムス 25 チェ チョルスン 11 イ ソンヒョン 15 キム ドンチャン 5 ソン センジュン 9 ジョン ソンフン 19 クルーノ ロブレク
交代:エニーニョ→チェ チョルスン(61') ルイス エンリケ→ジョン ソンフン(73') キム ヨンウ→キム ドンチャン(76')

ACL準々決勝の相手はグループリーグでも戦った全北現代。1stレグはホームでの試合となる。
グループリーグでの対戦を思い出してみると、ホームでは相手がメンバーを落としてきたという事で前線はデカい9番と速い15番の組み合わせ。その15番は守備の時には中盤のラインに入って4-5-1の形で2ラインを組んでいた。
アウェーではイ・ドングッを1トップに置いた4-1-4-1。印象に残っているのはトップのイ・ドングッと8番のエニーニョ。特にエニーニョは同サイドでやりあった高橋大輔を圧倒していた。
しかし、ディフェンスの時はイ・ドングッも9番もあまり守備には積極的ではなく、さらに2ラインもかなりいい加減なのでライン間にはスペースがあった。
なのでポゼッションを高めて後ろから作って相手を押し込んでいければ何とかなりそうである。

メンバーは、セレッソは広島戦で開始早々腰を痛めた茂庭と、同じく広島戦で後半から入り逆転勝利の原動力となった播戸とキムボギョンの2人が先発。茂庭以外は広島戦の後半の形。
一方全北はGKが八百長問題で去りホームで出場していた21番、中盤にホームでの試合に後半開始から出てきた18番。あとCBの17番はホームで後半から出てきた選手。中盤の10番のルイス・エンリケは前回出ていなかった選手(17番はベンチにはいた)。2試合共にでていた15番はベンチスタート。

■全北の仕組み
全北の守備
全北は4-1-4-1で自陣で2ラインを作り間に4番を置く形。メンバーが若干代わっているものの守り方はアウェーの時と同じで、ゾーンに入ってくる選手にフィジカルを生かして激しく当たる。長居での試合で中盤を支配されたからとった形でホームでは勝ったので同じ形にしてきたんだろうけど、大きな問題点があったので実はアウェーでの試合も中盤は支配できてた。そして後で書くけど、この日もやっぱり同じだった。

全北の攻撃の仕組み
全北の攻撃の中心はイ・ドングッ、エニーニョ、ルイス・エンリケの3人。
イ・ドングッへの縦パスが攻撃の合図というのは変わらないがそこに絡む選手、絡み方が前回とは違っていた。
前回は8番のエニーニョはサイドに張っていて、イ・ドングッに絡むのはスピードある15番だけという形だったんだけど、今回はサイドのエニーニョ、センターのルイス・エンリケがどんどんポジションチェンジをしてサイドに中央に自由に動きまわってイ・ドングッをサポート。で、空いた左サイドのスペースには左SBが上がってくる。また右サイドは中盤の26番は開きっぱなしなんだけどそこにSBが上がってきて2対1を作るなどかなり前がかりになっており、そのバランスを取るために18番が中盤に残るという形になっていた。

そして失点したのもその形。
イ・ドングッのポストプレーからルイス・エンリケとのワンツーで簡単に抜けられてしまった。
この局面では一旦はボールを奪い返すもののイ・ドングッに2回縦パスが入っておりさらにルイス・エンリケにボールが入ったことでCB2枚ともルイス・エンリケにいってしまった。

■全北の4-1-4-1
全北 スペースをつくってしまう4番
見るのは2回目となる全北の4-1-4-1。きっちりゾーンを作って守備陣形を作るんだけど相変わらず中盤にスペースがポッカリ空いてしまう。
その要因となっていたのは4番の選手のポジショニング。
4番の選手は俗に言うアンカーのポジションのはずなのに、直接関係ない場面でもなぜかどんどん動きまわりゾーンの外まで出てきてしまったり、なんだったら人数が足りているにもかかわらず味方のポジションにまで勝手に行くという、味方の守備なんて全く信用していないのか?と思わせるほどのメチャクチャっぷり。

セレッソが前半に同点に追いついた場面も、4番がなぜか左SBのところまで勝手に遠征し自分の受け持ちゾーンを失った左SBの選手が迷子になる。そこをキム・ボギョンと中央から流れてきた清武のワンツーで突破しグラウンダーのクロス。それを中央で播戸が決めて同点に追いついた。

ただ前半のセレッソは、真ん中にスペースがあるのに最初からサイドにより気味だったり、ファビオロペスも間ではなく裏やDFラインの所を狙うシーンが多く、この同点シーンと清武の決定機以外はそれほどこの4番が勝手に空けてくれるスペースを使えている訳ではなかった。

前半のロスタイムにGKからのロングフィードをイ・ドングッが競り勝ちそのこぼれ球をもう1度イ・ドングッにダイレクトで打たれてしまい丸橋がブロックするもゴールにすいこまれてしまい1-2とビハインドで前半終了となった。

■後半
全北 後半の形
全北は後半から動いてくる。
メンバーは同じだけどさすがに全北の監督もこのまま4番1枚ではヤバいって事で守備ゾーンでは前に入っていた18番をボランチの位置に下げて4番と18番をダブルボランチにおく4-2-3-1に変えてくる。

セレッソ SBを使って組み立てる
ただそうなると図のようにサイドバックの所がフリーになる。こうなれば得意の形。
セレッソは左サイドが最初の基点になることが多いので左サイドで基点を作って右サイドに展開したり、またそのサイドチェンジがを見せながらも左SBの所で人数をかけて数的有利を作ったりして相手を押し込み始める。

そして酒本が得たCKを清武が決めて2-2の同点。
ゾーンで守る全北のCKに前半から繰り返していたアウトスイングボールでゾーンの外側で合わせた得点だった。
それにしても清武は頭も強い。

しかし直後のCKで再び2-3とリードを許す。
同じくゾーンで守るセレッソに対して1人ずつ後ろにつけていた選手をそれぞれ前の選手の前に動くという形でゾーンの2番目にいた扇原の前で合わされてしまった。
ちなみにこの日のゾーンの配置はニアポストに丸橋、並ぶのはニアからファビオロペス、扇原、茂庭、上本、酒本の順番。

しかしSBを使ってボールを運べる運べるようになったセレッソ。そうなると全北は2ボランチにしているにも関わらず相変わらずゾーンは適当なので中央も使えるようになってくる。
で、ファビオロペスが倒されたFKを26番がペナルティエリア内の壁で手でたたき落としてPKを獲得。そのPKをきっちりボギョンが決めて3-3の同点に追いつく。

この前後から選手交代が相次ぎ、全北は右SBの入れ替え、セレッソにとって怖かったエニーニョ、ルイス・エンリケを下げてデカくて強い9番、スピードのある15番とホームでの試合にでていた2人を投入。
一方のセレッソは足をつらせた播戸に変えてセレッソデビューとなる大竹、疲れからか走り負ける場面も見られ始めた丸橋に代えて尾亦を投入。

全北 終盤の形
で、ここから全北は2トップも自陣に戻り守備をして、奪えばイ・ドングッと9番にロングボールねらいになる。

しかしここで酒本のCKからトリックプレーで清武が決めセレッソがついに逆転する。
何度かやってる形だけどなかなか決まらない形で、いかにもやりそうな雰囲気だったんだけどセレッソはきっちりハメたし全北は対応できなかった。

そしてのこり約10分。ロングボール一辺倒の全北を杉本の投入や酒本、扇原のポジションを調整して必ず最終ラインでは1人あまる形にするなどで凌ぎ切り、ホームでの1stレグは乱戦を制した。

■その他
ある種セレッソらしい試合となったホームでの1stレグ。
しかし、イ・ドングッのポストプレーは実に正確でキープ力もあった。茂庭と上本という対人に絶対的な強さを誇る両CBを相手にしても問題なくポストプレーを見せていた。そして、前回出ていたエニーニョは知っていたが、出ていなかったルイス・エンリケも同じようにスピードもテクニックもありボールを持って仕掛けられられる選手で、さらにエニーニョよりも強さもあるよい選手だった。
イ・ドングッのポストが全てのスタートなのは変わりなかったがルイス・エンリケが入る事によってアクセントがついて攻撃面ではグレードアップしていた。
ただ、守備のグダグダ加減は相変わらずなのでアウェーの2ndレグでも十分ゴールは奪えるはず。清武の過密日程は気になる所だけど、必ず勝ち抜いて欲しい。

ここ2試合ベンチには入っていたが展開が悪くつかえなかったのでこの日がセレッソデビューとなった大竹。
テクニックなど光るものを見せていた。
あとはボールの受け方。
セレッソのシャドーで大切なのは裏でもなく足下でもなくその間でボールを受けるプレー。
そこさえ身につけてくれれば十分できるはず。
そしてそれが身につけばきっと大竹自身もセレッソに来て良かったと思えるはず。

2011年9月12日月曜日

9/10 Jリーグ第25節 VSサンフレッチェ広島 @長居スタジアム


■セレッソ大阪 5 - 4 サンフレッチェ広島
セレッソ大阪:清武(46') 播戸(55') 播戸(57') キム ボギョン(72') 播戸(77')
サンフレッチェ広島:ミキッチ(22') 髙萩(33') 佐藤(44') 佐藤(90+1')

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸 22 上本大海
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 9 ファビオ ロペス 13 清武弘嗣 23 倉田秋
FW:31 杉本健勇
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 5 中後雅喜 7 大竹洋平 16 キム ボギョン 20 高橋大輔 11 播戸竜二
交代:茂庭→藤本(8') 山口→キム ボギョン(HT46') 杉本→播戸(HT46')

■サンフレッチェ広島
GK:1 西川周作
DF:24 森脇良太 8 森﨑和幸 4 水本裕貴
MF:14 ミキッチ 6 青山敏弘 35 中島浩司 16 山岸智 15 髙萩洋次郎 9 李忠成
FW:11 佐藤寿人
SUB:34 中林洋次 19 盛田剛平 22 横竹翔 28 丸谷拓也 17 服部公太 20 石川大徳 10 ムジリ
交代:李→ムジリ(62') 森脇→横竹(69') 青山→丸谷(78')

インターナショナルマッチウィーク開けの試合はホームでのサンフレッチェ広島戦。
アウェーでの試合は逆転で勝利したものの広島が退場者を出してしまいちょっと消化不良のところもあったが、どちらのチームもボールを大切に運ぶタイプのチームなので個人的には最も期待している一戦である。
清武を代表に出していたセレッソの前節からの変更点はトップに播戸に代わり杉本のみ。
ただ、マルチネスはまだ間に合わないけど高橋大輔とキムボギョンがベンチに戻ってきた。
あとは清武がU-22にも招集されたのでACL明けから不在となるのでその代わりを務めるであろう大竹のセレッソデビューなるかって所。
一方、李を代表に出していた広島は森崎浩司がサスペンションの為、ボランチに青山と中島。あとは前回対戦時には不在だった水本が戻ってきている。
前回対戦時は徹底して前からプレッシングをかけることでペースを掴み逆転勝利となった為に今回もセレッソは前から行くことが予想されるが、トップの杉本と2列目中央のファビオロペスでそれができるのか、また広島はどう対策を練ってくるのかがポイントか。

■サンフレッチェ広島
以前も書いたように広島は守備と攻撃で布陣を変える。
茂庭がケガ開始直後に腰を痛めて藤本と交代になったので以後はCBの右が藤本、左が上本。
広島 ボール保持時
広島はボールを持ってる時はボランチの中島がCBに下りてきて両ウイングバックが前に出て4-1-4-1になる。
ボールをつなげるCBにして後ろでボールを落ち着ける。そこから繋いでいっても良いし、両サイドを高い位置に上げているのでサイドチェンジからミキッチでもよいし、前線の3人で裏を狙うという手もある。
ボールを持った時に非常に効果的な選手を置いているし、それを活かすために形を変える。
広島 守備時
一方守る時は原則リトリート。
ボールを持った時につなげる選手を真ん中に入れているのでどうしても守備に不安が残る。なので両サイドにはっていた2人が絞ってきて、両サイドが落ち5バックの様な形になる。簡単に言えば人数をかけて守る。
こういう形で守ればどうしてもボールを奪う位置が低くなるので攻撃が大変になるんだけど、ボールをつなげる選手を後ろに置いているので問題にはならないって所。

■主導権争い
セレッソ プレッシング
前回はセレッソは前線から強烈なプレッシングをかけて広島のビルドアップの自由を奪い、さらに人数をかける前に攻めきってしまった事で効果を上げたのでこの日もそれを狙う。
ただ、この日の前半はこれは全く機能しなかった。
原因はトップに入った杉本。最前線にいる杉本がプレッシングの時に最初に行くんだけど、そのプレッシングに行くタイミングが全く合っていなかったししかもルーズだった。やろうとしていた事からみるとここはかなり徹底してトレーニングしていた様にみえるのだけど中途半端にプレスに行ってはかわされたり、ただ前に立っているだけのプレッシャーになってしまっていた。
でもその練習をしてきたので、杉本が行けば次にファビオロペスが行く、でファビオロペスが行けばその後ろもどんどん行かざるをえない。だけど最初のところで簡単にかわされたりパスを出されたりしてしまう。
プレッシングをかわされる
なので図の様な状態になってしまい、ボランチの前で全くフリーにしてしまう。
ここを喰いついてしまうと後ろを空けてしまうし喰いつかなければボールを運ばれてしまうしと厳しい状況になっていた。
もう1人目がこの状態なら残りの9人は杉本を見捨ててしまったほうが良かったぐらい。

サンフレッチェ セレッソの前プレ対策?
で、ここは広島を継続的に追いかけている訳ではないので定かではないんだけど、前回よりも3バックから4バックに変わるタイミングが遅いような気がしたんだけどどうなんだろう。遅いというか一拍置いてたというか。
もしかしたら、前回対戦時に前からプレッシングに来られて厳しい状況になったのでその対策として後ろの人数を増やしたのかな?とも考えたんですが、もしおわかりの方がおられましたら教えて下さい。

■前半
試合展開は最初に書いたように試合開始直後に茂庭が腰を痛めて交代。
で、広島は引いて守るのでボールは運べるんだけど、人数がいるので崩せない。で、プレスが機能不全をおこしてるので相手にも簡単にボールを運ばれてしまう。
そんな中ジンヒョンの判断ミスでミキッチのクロスがゴールに直接入って失点。
さらに中途半端プレスから33分に高萩、ロスタイムに佐藤寿人ともう広島のためにプレスしてるんじゃないのか状態で0-3とかなり厳しい前半となってしまった。

■エース登場
後半の形
最悪とも言っていい前半だったので、セレッソはその最も大きな要因になってしまっていた杉本を播戸に、3点ビハインドなのでを山口とケガ上がりだけど前に行けるボギョンを投入。
ボランチは右に扇原、左にボギョンという形へ。
茂庭の負傷で1枠を既に使っていたのでここで交代枠を全て使い切るという思い切った采配を見せる。
そして開始早々清武が左足でミドルを決める。
前半何も出来なかったセレッソのエースがエースたる所以を見せた。
そして一気にセレッソが55分、57分と播戸の頭連続で同点にまで追いつく。

■播戸竜二のプレッシング講座
播戸投入後のプレッシング
播戸投入後のステイ
チームを生き返らせる勢いを与えたのはエース清武のゴールだったけど、そこからチームを機能させたのは播戸の守備。
播戸の守備は杉本と違い前から行ける時ははっきり行く。そして行けない時は行けないとはっきりと味方に合図を出す。なのでチーム全体で前から行くタイミング行かないタイミングが統一されるようになる。
前からプレッシングをかけて限定できていれば後ろずいぶん楽になる。
これで前でボールをとれれば即チャンスだし、取れなくても相手が苦し紛れに出したボールを扇原・ボギョンのところで取れれば相手を押し込んで攻める事ができる。
これで完全に生き返ったセレッソがゲームを支配。

さらに播戸のポストからボギョン、酒本のクロスから3度播戸でハットトリックと大爆発。3点目はこれぞ播戸というゴールだった。
こうなれば後はしっかりブロックを下げて守る。
ロスタイムに佐藤寿人に1点を返されるも、5-4で劇的な逆転勝利となった。

■その他
この試合のキーポイントだったのはやはりファーストディフェンダー。
前節の浦和戦でも杉本は軽い守備ばかりしていたから心配だったが、前半はその心配通りの内容だった。
杉本はこの試合のビデオを何度も繰り返し見て、自分と播戸の何が違ったのかを理解して欲しい。得点シーンじゃなくって相手がボールを持ってるシーンを何度も何度も見なきゃいけない。

次はACL。
できればこの2試合で大竹は使っておきたかったけど、最悪の前半となりながらも連勝で迎えれるのは大きいかと。
その後は清武も扇原も螢もいなくなっちゃうんだけどまずはACLのホームを確実に勝ちたいなと。

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