2011年4月30日土曜日

4/29 Jリーグ第8節 VSアルビレックス新潟 @キンチョウスタジアム

■セレッソ大阪 1 - 1 アルビレックス新潟
セレッソ大阪:乾(42')
アルビレックス新潟:ブルーノ ロペス(3')

フォーメーション

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:20 高橋大輔 3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介
MF:5 中後雅喜 10 マルチネス 7 乾貴士 13 清武弘嗣 23 倉田秋
FW:ホドリゴ ピンパォン
SUB:1 松井謙弥 2 扇原貴宏 17 酒本憲幸 32 尾亦弘友希 6 山口螢 15 小松塁 19 永井龍
交代:高橋→酒本(66') 倉田→小松(66') 中後→山口(85')

■アルビレックス新潟
GK:21 東口順昭
DF:14 藤田征也 4 鈴木大輔 3 千葉和彦 24 酒井高徳
MF:36 菊地直哉 15 本間勲 6 三門雄大 9 曺永哲
FW:11 ブルーノロペス 10 ミシェウ
SUB:22 渡辺泰広 2 大野和成 19 長谷部彩翔 32 小林慶行 8木暮郁哉 23田中亜土夢 18 川又堅碁
交代:菊地→小林(29') 三門→川又(68') 酒井→大野(84')

Jリーグがキンチョウスタジアムに帰ってきた。
実際はまだ1年経っていないけどもうずっと昔から使ってたように感じるし、新しさも快適さもとなりの長居の方が上なのになぜか居心地の良いココに帰ってきた。そしてココでは一度も負けた事が無い。新潟はセレッソにとって決してやりやすいチームではないが、ここはきっちりと勝ってリーグ初勝利をあげたい所。(平松市長が来た試合は勝った事がないけど(笑))

■新潟の守りと攻め
新潟のフォーメーションは4-4-2というか4-4-1-1
実際、開始直後に失点をしてしまうのだけど、新潟はセレッソを実に良く研究してきていた。
守備のときはDFとMFで4-4のブロックを作り2トップがボランチを見る。DFの4はペナルティエリアの幅でゾーンを作り、高い位置をとる両SBのケアはあくまで両SH。DFの4枚と中盤センターの2枚でシャドーのスペースを徹底的に消しにかかる。
そしてボールを奪えばセレッソの右サイドを徹底的に突くのだけど、そのメカニズムもかなり良く整理されていた。

新潟の攻撃


位置関係上11番のブルーノロペスが茂庭、10番のミシェウが藤本とマッチアップする状況になっている事が多いのだけど、ボールを奪うとミシェウがボールを受けに下がり、同時にブルーノロペスが茂庭と一緒にサイドに流れて行く。
この状態で藤本がミシェウについて行ってしまうと最終ラインの中央にスペースを作ってしまう事になるので完全に着いて行く事ができずミシェウをフリーにしてしまう。
だけど実はこのミシェウは新潟の攻撃の優先順位1位ではなく、あくまで最初に狙うのはサイドに流れて行ったブルーノロペスでダメならミシェウという順番になっている。
ブルーノロペスにボールを入れられる状況だと、ここにボールをいれて新潟のストロングポイントでもある左サイド曺永哲と酒井がサポートに入り崩しにかかる。
実際開始3分の先制点もこの形でボールを奪った酒井がサイドに流れるブルーノロペスにパスを入れ猛然とオーバーラップ。ボールを受けたブルーノロペスがポイントとなり上がって来た酒井との壁パスで抜け出して簡単に決められてしまった。
またこのやり方が非常に効果的だったのは、もしブルーノロペスがダメならミシェウを使ってにボールを繋いでくるという選択肢も2番目に残されていた事。これが非常に効果的で前半の立ち上がりから新潟にペースを握られる事となった。

しかしセレッソも前半途中から前回とうってかわってピンパォンがサイドに流れたり裏を狙ったりするプレーを徐々に見せはじめボールを保持しサイドを使ってチャンスを作れるようになってくる。
左SBの丸橋が多分チームで一番オフサイドにかかっていたのではないか?と思わせるセレッソらしいといえばセレッソらしいけど、SBだったら中央が全て見えてるのにそんなにオフサイドになったらいかんやろという状態でなかなか崩しきれる場面は少なかったのだけど、前半終了前にピンパォンが去年のアドリアーノを思わせるスーパードリブルで突破しスルーパスを受けた乾が実はキンチョウ初ゴールを決めて1-1の同点として前半終了。
スコアは1-1だけど新潟の方がやりたい事ができている印象だった。

後半もボールを持つセレッソとカウンターを狙う新潟と同じ様な展開で始まる。
勝ち点3が欲しいセレッソは66分にサイドの対応で苦労していた高橋→酒本、倉田→小松と同時投入し2トップにする。
ここから試合はカウンターの応酬といったどちらも縦に速くいったりきたりという展開になり小松が何度か見せ場をつくるものの両チームのGKがビッグセーブをみせ1-1のまま終了となった。

■ピンパォンとクルピのこだわり
この試合では前節よりも良くなっていたピンパォンだけど、そのプレーの特性や後半のチャンスの数から「ピンパォンの1トップは厳しい」「スタートから2トップにすればどうか」といった意見がTLなどでもさらによく見るようになってきた。
確かにピンパォンはまさにフットサル出身の選手という感じで、ボールは収まらないし、足下で欲しがるし、軽いプレーは多いし、動きは小さいのでオーソドックスな1トップでは厳しい。
そして、ここ2戦のクルピの発言を受けてクルピの意図がよくわからなくなっている人も多いのではないかと思う。

ただ、去年も同じ様な事をいわれていた時期があり、クルピ就任後のここ数年の流れまでを含めて総合的に考えると少し意図が見えるように思う。(インタビューなどではそこまで踏み込んでおらず噛み合ない会話になってしまっているので確証はないんだけど)

クルピがこだわっているのはきっとトップの枚数では無く2列目を含めたMFでゲームをコントロールするという事なのではないか。
その為、2列目を1枚削らざるを得ない2トップをスタートからする可能性はかなり低く、あくまでオプションの1つなのではないかと思う。
そもそも2トップにすると、この試合や前節の山形戦、昨年もの試合もそうなのだけど、基本的な守備のやり方が成立しずらくなりカウンターの応酬みたいな展開になってしまう事が多くなる。2トップにするという事は前に人を増やすという事で縦にボールが入るタイミングも早くなるのでこれは確実にそうなる。もし2トップにするなら攻撃/守備ともにSBだったりのやり方を変えなきゃいけない。
クルピはそれは全く考えていないんじゃないかと思っています。
だからこれまでもカウンターの応酬になっても良いぐらいゴールが欲しい時にしか2トップにしていないのではないかと。

で、クルピがピンパォンに求めているのはシューターとしての能力。
今までのプレーを見ても、つなぎとか収めるなどといったプレーはあまりパッとしていないけどシュートに関する意欲は非常に高いしシュートまでも速く、バリエーションも豊富っぽい。
香川真司がいなくなってからのセレッソの課題はシュートであり決定力が一番だと考え(実際にそうだと思う)ピンパォンにはその部分を求めているのではないかと思う。

がしかし、選手も含めてそのあたりの見極めがまだ出来ていないので、横から見てるとピンパォンの1トップに疑問を持ち、クルピはそうは思わないと答えるといった状況になっている。
実際どうなのかはもう少し様子を見てみるしかないのですが、クルピは後藤健生さんのいった「究極の0トップ」に近いものをイメージしてるのかも知れないなという事です。

具体的にそれならこんな感じかな?というイメージはあるけど、それを書き出すとココまで以上の長さになってしまいそうなのでまた別の機会にします。
ってかもしそうなら、一度登録だけでも、FW:乾、MF:ピンパォンとかにしてみたらどうなのだろう?

2011年4月25日月曜日

4/24 Jリーグ第7節 VSモンテディオ山形 @NDソフトスタジアム山形

■モンテディオ山形 0 - 0 セレッソ大阪
モンテディオ山形:なし
セレッソ大阪:なし

フォーメーション

■モンテディオ山形
GK:16 植草裕樹
DF:14 宮本卓也 32 前田和哉 3 石井秀典 2 小林亮
MF:19 秋葉勝 17 佐藤健太郎 8 船山祐二
FW:11 北村知隆 18 大久保哲哉 7 宮沢克行
SUB:1 清水健太 22 園田拓也 26 山田拓巳 5 下村東美 24 伊東俊 29 廣瀬智靖 9 古橋 達弥
交代:宮沢→伊東(71') 北村→廣瀬(76') 船山→古橋(84')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:20 高橋大輔 3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介
MF:5 中後雅喜 10 マルチネス 7 乾貴士 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン
FW:ホドリゴ ピンパォン
SUB:1 松井謙弥 2 扇原貴宏 17 酒本憲幸 32 尾亦弘友希 23 倉田秋 15 小松塁 19 永井龍
交代:清武→倉田(63') キム ボギョン→永井(63') 乾→小松(89')

Jリーグがついに再開。やっと日常が戻ってきた。
再開初戦は何かと縁がある山形。クルージュでCLに出ていたウーゴが震災で退団、GK清水、左SB石川、CF長谷川が欠場しているがチームのやり方がはっきりしておりやりにくい相手だという事には違いが無い。ただ、今のセレッソなら勝ち点3を獲らなきゃいけない相手ではある。
セレッソはマルチネスが先発に復帰しベンチスタートになったのは倉田。20日の全北戦の出来を考えれば妥当な所だけど、山形相手ならボールを持てるだろうから、組み合わせや試合全体の流れから考えたら乾・ボギョン・倉田で行って状況をみて早めに清武というパターンの方が面白そうかなという気もするが、まあ何にせよシャドーの選択肢が増えたというのは昨シーズンから考えると嬉しい悩み

■引いた相手を崩す
山形は大久保1枚だけを残してリトリートを徹底してくる。ゾーンも比較的低め、マルチネス・中後の位置へのプレスもほとんどなくとにかくシャドーのスペースを埋めてくる。ボギョンや清武が引いてきても付いてこないし、早いタイミングで乾が間で受けて得意のタッチで前を向いてもゾーン全体を後退させてとにかく最後のスペースを消す事を徹底してくる。

山形のリトリート
昨シーズンの夏、暑さで対戦相手の動きが厳しい時にもこのような形で対応された事はあったがその時は負けておらず、またマルチネスが病み上がりということを考えればガンガンマルチネスにプレスをかけられるよりもまだやり易いかとは思ったが、乾の個人技などでシュートまで持っていくもののなかなか崩せない。
その原因がはピンパォンのポジショニングとシャドーの関係性。
まずピンパォンの動きが小さい。ここまで見てきたピンパォンの特性であれば、もっとシャドーとポジションを入れ替わったり、サイドに流れたりなどシャドーも含めた流動性でスペースメイキングをして欲しい所なのに、中央2CBの前でほとんど動かない。これでDFラインの4人がポジションを崩すこと無くしっかり対応し、山形の中盤3枚がシャドーをみて、両SBがつくる幅は両サイドのFW登録の選手が戻って作るブロックを揺さぶることができていなかった(Jスポーツの解説をしていた山本昌邦が珍しく的確な解説をおこなっていた(笑))
次にシャドーの関係性だけど、キャンプで見たときから感じていたことだが、ボギョンと清武は比較的プレースタイルが似ている。この2人の特徴はボール運びで、動きながら前線と絡むプレーを得意とする。ただ、この試合ではマルチネスまで比較的自由にしてくれるのでボール運ぶことには苦労することはほとんどなく、さらにピンパォンが動いてくれないので最終ライン手前で誰かと乾が絡むしか変化をつけられそうもない。また乾が絡んでもしっかり最終ラインの4人がペナの幅でスペースを消して待っているのでよっぽどのプレーを見せないと決定的な形にならないという、ボールを持てているにも関わらずゴールが遠いという状態で前半が終了する。
ただ、山形もトップに1枚いるだけでその1枚も茂庭と康太という1対1に抜群の強さを見せるコンビが見張ってるので全く何かが起こせそうにも無い前半だった。

■前線での変化
メンバーの変更なしで後半開始。ハーフタイムの指示があったのか少しボギョン・清武も前線で少ないタッチでのパス交換に加わるようになる。58分にはやり直しから中後の縦パスが乾へ入り清武とのパス交換から決定的なチャンスを作るものの決めきれない。

実線:人の動き・点線:ボールの動き

なかなか崩しきれない展開の中、セレッソが先に動く。
清武・ボギョンに代え倉田・永井を同時投入し、永井とピンパォンの2トップにする。
ここから倉田が決定的なチャンスを2度迎える事になるのだけど、この交代でピンパォンが引いたり流れたりといったプレーを見せるようになった事と、清武・ボギョンと倉田の特徴の違いで決定的なチャンスを作っていた。
倉田は引いてきてボールを受けるプレーも見せるけど、前線でも同じようにボールを受けることができる。またそこから乾のように抜け出すプレーもできるので前線で変化をつけれるポイントが2ヶ所になった。そこにピンパォンが動くようになりボールに絡めるようになっていた事が要因となっていた。(ただ、2トップにするといつもの守備のやり方が難しくなるのでどうしても中盤でスペースができてしまう事になるのでなんどかピンチも作られてしまっていた。)
結局この決定機を決めきれず終了間際にも小松が先にでてしまいオフサイドでチャンスをフイにしてしまいそのまま終了。
まあ平たくいえば締まらない試合となってしまった。

■その他
メンバーを固定して戦うクルピでは難しいのかもしれないけど、折角シャドーにレギュラークラスが4人(村田もいれれば5人)いるのだから、誰がレギュラーというわけではなく相手や状況によって使い分けるようになってほしい。最初にも書いたけど、きっと山形相手ならスタートから倉田を使ったほうが良かったと思う。誰が出ても決定的な仕事はできるので早めの交代もできるんだから。
あとクルピは良かったと言っているようだけど、前半のピンパォンは厳しい。前線で収めるようなプレーを求めてはいけない事ももはや知ってる(去年の人もそんなプレーはできなかったし)けどフタになられると厳しい。引いたり流れたりしてシャドーと絡み、裏を狙ってバイタルを広げるとかは最低してもらわないと。
あと康太は自作自演もあったけどトータルで見たらしっかり出来ていた。まあこの日の山形ならね。

2011年4月23日土曜日

4/20 ACL VS 全北現代モータース(韓国) @Jeonju World Cup Stadium(韓国・全州)

■全北現代モータース 1 - 0 セレッソ大阪
全北現代モータース:イ・ドングッ(77')
セレッソ大阪:なし

フォーメーション


■全北現代モータース(韓国)
GK:1 ヨム・ドンギュン
DF: 3 シム・ウヨン 4 キム・サンシク 16 チョ・ソンファン 30 ジョン・グアンファン 33 パク・ウォンジェ
MF:8 エニーニョ 11 イ・ソンヒョン 13 チョン・フン 15 キム・ドンチャン
FW:20 イ・ドングッ

SUB:6 ジン・ギョンソン 9 ジョン・ソンフン 14 カン・スンジョ 17 イム・ユファン 18 フアン・ボーウェン 19 クルーノ・ロブレク 21 キム・ミンスク

交代:ジョン・グアンファン→カン・スンジョ(59')エニーニョ→クルーノ・ロブレク(60')キム・ドンチャン→ジョン・ソンフン(76')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 9 ホドリゴ・ピンパォン 13 清武弘嗣 14 丸橋祐介 16 キム ボギョン 20 高橋大輔 23 倉田秋

SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 10 マルチネス 15 小松塁 17 酒本憲幸 19永井龍 32 尾亦弘友希

交代:上本→藤本(46')ホドリゴ・ピンパォン→マルチネス(70')倉田→小松(70')

ACL4戦目は連戦となる全北戦、今回はアウェー。
セレッソは前回と全く同じスタメン、ベンチにはマルチネスが復帰。
一方の全北は前回はリーグとの絡みで大幅にメンバーを落としていたとの事で、前回のメンバーからCBの3、右SBの30,右SHの11,セカンドトップの15を残して7人を入れ替えて来た。またフォーメーション上は4番がアンカーの4-1-3-2と記したけど、セレッソがボールを持てばセカンドトップの15番は中盤のラインに入り4-1-4-1になっていた。ちなみに久しぶりにちゃんとみたイ・ドングッは昔はもっとかわいらしい顔をしていたのにすっかりオッサンになっていた(笑)

■全北現代の真の実力は?
前回対戦からメンバーを大幅に入れ替えた全北。守備時のシステムもちょっといじっておりDF登録の4番をアンカーに入れた4-1-4-1になっていた。4番が普段はどこのポジションの選手なのかを知らないので想像でしかないけど、監督が前日会見でも中盤の攻防と言っていた様なので、きっと長居での対戦で中盤でかなりやられた事でセレッソ対策としてDF/MFの2ラインの間に置いて来たのではないかと思われる。
ただやり方はメンバーが代わっててもやり方は基本的に同じで、激しいプレッシングから20番のイ・ドングッかサイドへという形。左サイドの8番ブラジル人が前回はいなかったタイプの選手でテクニックがありゴールへの意識も高い中心選手でこの8番経由で攻めて来る。

立ち上がりは予想された通り前回同様ハイペースで入ってくる。しかし相手のやり方を知ったのはもちろんセレッソも同じなのでハイペースにも惑わされる事無くしっかりとした入りができていた。ただ、全北の8番と高橋大輔のマッチアップのところはちょっと危なそうな感じは最初からあった。

そして全北の守備時4-1-4-1ですが、前回同様このブロックの精度はやっぱりそれほど高くない。一応、人は並べて4-4の間に4番がおり入ってくるシャドーには対応するんだけど、複数が入ってくると中途半端な寄せになるし、プレスも前には来るんだけどそもそも4-4で挟み込もうという意識も低く15分ごろからはリズム良くボールを回せるようになってくる。

しかしこの日はいかんせんミスが多く、前回の前半20分すぎから後半途中までの様な完全にペースをつかむ展開とまではいかない。ペースをつかめないのはミスが多いからで、特にビルドアップの途中、「ハーフウェイすぎぐらいまで」とポゼッションサッカーでは最もやってはいけない場所でのミスパスや不確実なプレーが多く、せっかく前に運び出したボールなのにまた全体で下がって守備をしないといけないという状況が何度もあった。
セレッソの守備については後で詳しく書くが、ボールを持って相手を崩しにかかる場面も多くつくるものの、途中のボールロストでまた戻らなきゃいけないと場面も多いというアップダウンの激しいもったいない展開になってしまっていた。

こういう展開でもセレッソはチャンスを作れていたので、ここで1つでも決めれていたらかなり楽にはなったのだけど点が入らない。0-0の状態が続くと苦労するのは当然ボールをもってサッカーをする方になる。徐々に疲れが見え始め運動量が低下し始める。
そこで先に動いたのは全北、60分に8番からロブレクを投入し前回唯一効果的だったパワープレーへの準備を着々と始めだす。
ここでセレッソは高さ対策もあったのか、70分にマルチネス、小松を2枚投入。HTに大海から康太の交代もあったのでクルピにしては珍しくなんと70分で3人の交代枠を使い切る。が、結果的にはこの交代は失敗だった。ケガ/病気あけのマルチネスのコンディションがかなり悪く、落ちてきた流れを立て直せない。
そして76分にセカンドトップの15番から前回も出ていたデカい9番と交代させパワープレーに入ってこようかとした77分にスローインから高橋のサイドをロブレクに破られ深い位置からグラウンダーのマイナスクロスを9番がスルーし後でフリーで待つイ・ドングッに決められついに失点してしまう
前半から8番とのマッチアップで、相手は右利きなのにはっきり縦を切りすぎて中にカットインされて危ないシュートを打たれる等不安定さを見せていた高橋がついにやられてしまった。
この時間帯は前半から続く中途半端なボールロストでかなり疲弊しており、スローインからで数的不利も何も無かったのだけど入れ替わられた高橋を誰もサポートに行けずえぐられた場所からクロスを入れられる形となってしまった。

その後もゴール前までボールを運び、終了間際にはボギョンが決定的なシュートを打つ場面もあったが、結局はそのまま試合終了。1-0のまま敗戦となってしまった。


■セレッソの守備方法
セレッソは守備方法にも特徴がある。まあ攻撃のやりかたが他とは違うということはボールを失ったときの形ももちろん異なるので、特徴的になってしまうのも当然なんですが・・

ボールポゼッション

まずボールを持っているときは上図のようになっている。
ここで特徴的なのは両SBとシャドーのポジショニング。
セレッソの両SBのポジションはかなり高い。なのでDF2-MF8なのだけどセレッソの両SBは相手を広げるという重要な役割を担っている為、両サイドが同時に中盤の位置まで上がっている。
そしてシャドーは3人が自由に動き回り、3人が同サイドに集まる事すら多くある。
ポゼッション/攻撃については別の機会に書くことにするけど、基本的にはこの様な形になっている事が多く、この形でボールを失った時は、両サイドが上がっているために後ろに広大なスペースがあることになり、この形でボールを失った場合、相手はまず、バックラインの後ろのスペースにFWを走らせカウンターを狙ってくる事が多い。

この対応方法が何週か前のサッカーマガジンの守り方特集にあった「即時」なんだけど、いくら茂庭と上本のCBコンビがスピードがあり抜群の1対1の強さがあったとしても全てフリーでやられるときついので、ボールを失った瞬間に、シャドーも含めた前線が速い攻守の切り替えで先ず前線からボールホルダーにプレッシャーをかけ、ここでボールを奪えなくとも簡単に、フリーで相手に蹴らせないようにする。
そしてさらに、シャドーが3枚同サイドに寄ってる時は逆サイドにも大きなスペースがあるという事になるので、そこを使わせないためにボランチの1枚がそこのスペースをカバーに入る事になっている(下図)(この部分もかなり重要なのにサッカーマガジンでは触れてくれなかった)
ボランチのスペースカバー

こうして、プレス&カバーで取りきれてしまえば最高なんだけど、やはり取りきれない場合も多い。そうなると相手を遅らせながら下かりしっかり守る形に持っていく(下図)
ブロックを下げる
で、この試合厳しくなってしまったのは、このブロックを下げてボールを奪ってから最初のポゼッションの形に持っていくまでの間でミスが相次いだこと。その段階でのミスをしてしまうと、サッカーマガジンでいう即時も、スペースカバーも何も出来ないのでまた急いでブロックを下げなければいけない。
このアップダウンによる疲労が得点が入らない事によってさらに大きくなり、厳しい形となってしまった。

■その他
これでグループ3位となってしまい、一喜一憂するメディアは「勝ち抜け危機」といった報道もあったけどそれほど悲観することはないと思う。全北の前回と今回が別チームとしてみてもこれで全チームとの1周りが終わったわけだけど、このグループ内ではセレッソのサッカーが頭一つ抜けていた。また、後残っているのは、アウェーのアレマとホームの山東戦だし、2勝すれば相手の結果に関わらず勝ち抜け決定、山東-全北戦の結果如何では1勝1分でも勝ち抜けが決定となるのでチーム状態から考えても十分可能な範囲内だと思う。
ただ、心配なのは実はこの4試合で3点しか取れていない事。
いくら内容が良かってもゴールが無いと勝てないわけだし、特にアジアの戦いでは低レベルな審判や必要以上にラフな戦い方をしてくる相手など何が起こるかわからない。
今週末からいよいよJリーグも再開されるのでそこでしっかり状態を上向きにし、是非グループ突破をして欲しい。

2011年4月9日土曜日

4/5 ACL VS 全北現代モータース(韓国) @長居スタジアム

■セレッソ大阪 1 - 0 全北現代モータース
セレッソ大阪:乾(53')
全北現代モータース:なし

フォーメーション


■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 9 ホドリゴ・ピンパォン 13 清武弘嗣 14 丸橋祐介 16 キム ボギョン 20 高橋大輔 23 倉田秋

SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 17 酒本憲幸 25 黒木聖仁 26 村田和哉 15 小松塁 19永井龍

交代:ホドリゴ・ピンパォン→小松(89') 清武→村田(89') 乾→藤本(90'+3)

■全北現代モータース(韓国)
GK:21 キム・ミンスク
DF:3 シム・ウヨン 6 ジン・ギョンソン 17 イム・ユファン 30 ジョン・グアンファン
MF:11 イ・ソンヒョン 14 カン・スンジョ 15 キム・ドンチャン 23 ハ・ソンミン
FW:9 ジョン・ソンフン 28 パク・チョンフン

SUB:1 ヨム・ドンギュン 29 イ・グアンヒョン 32 キム・ジェファン 34 キム・ミンハク 18 フアン・ボーウェン 27 キム・ジウォン 19 クルーノ・ロブレク

交代:パク・チョンフン→フアン・ボーウェン(46'HT) ハ・ソンミン→クルーノ・ロブレク(57') イ・ソンヒョン→キム・ジウォン(73')

震災後始めての国内公式戦はACLグループ首位の全北現代戦。
セレッソのスタートは公式記録ではなんと2DF-8MF(笑)ケガのマルチネスの位置にボギョンが一列落ち、シャドーには清武が復帰(あえて復帰)なので実際は何も変わっていないんだけど、セレッソのキャラクターがよく出ているなと。
震災の影響でリーグ戦が行われない中チームのリズムは良くなっているのか。またキャンプで好印象だった村田が初めてベンチに入っておりデビューなるか。
一方の全北現代。実はこのチームは06年のクラブワールドカップの時(バルサが出ていた時)に生で見た事がある。神戸のボッティがいたと思うが何人か選手も残っていたりなりより監督が代わっていない様子。当時の印象としては激しいプレッシングでボールを奪ってサイドに展開しクロスで中央にあわせるという良くも悪くも当時の韓国的なチームだった印象があるが・・・

■試合をコントロールするのは
直前のリーグ戦からはメンバーを落として来たらしい全北。このチームのやり方は知らないのではっきりした事はわからないが、この日のスタメンも初戦の山東戦や2戦目のアレマ戦にはほとんどのメンバーが出場しているようなのだけどどうなんだろう?(ただ久しぶりに李東国は見たかった)
全北のやり方ははっきりしているようで、守備の時は4-4を作りながらも2トップの1枚もそこに加勢して激しいプレスをかける。そこで取ったボールは、先ずデカい9番をめがけてそこに小さいけどすばしっこそうな15番が絡み速く攻める。一気に行けない場合は両サイドの28と11はスピードがあり縦に仕掛けてクロス、中には2トップの9,15と中盤の23、14のどちらか1枚が前線に飛び出してくるという形のようだ

立ち上がりはのセレッソは全北のこのやり方に少し苦労していた。
まあとにかく9番がデカくて強い。前線中央ではさすがに茂庭と大海がマークにつくのでそう簡単にヘディングはさせないんだけど、サイドに流れてくる場面もありそこに2列目から飛び出してくる選手もいるので少し押し込まれる様な形も多く見られた。
ただ、全北のプレスはそれほどきっちり出来てる訳でもないのでこの時間帯でも何度かチャンスを作る事はできていたのだけど、カウンターを受けた時のボギョンのポジショニングが曖昧で怖さもあった。

しかし20分すぎからセレッソが完全にペースを握りだす
ポイントは縦パスが入りだした事。
これによりセレッソは前線にボールを運ぶ事ができるようになり最大のストロングポイントである、「シャドーの流動的な動きとパス交換」ができるようになる
全北はその流動的で速いパスワークについていけず、53分に中後→ボギョン→倉田とつながりピンパォンのヒールで乾が抜け出し落ち着いて先制点を上げる

ただ、このやり方は美しい反面効率は悪い。後から長いボールでどかんと行った方が話しが早いんだし。
試合を支配し攻め続けている時間帯にチャンスを作りながらも1点しか決められずにいた結果、試合終盤に全北は長身のロブレクを投入しパワープレーを徹底。疲れの見えて来た前線がボールの出所に行ききれずゴールに近い位置でヘディングをされる場面も増え危ないシーンも何度か作られたものの、ジンヒョンのセーブや体を張ったディフェンスで防ぎきり1-0でセレッソが勝利。ホーム2試合ながらも1巡目を首位で折り返す事となった。

■相手を食いつかせるパス回し
この日のセレッソはシャドーがボランチの位置に降りて来てボール運びに参加するという形が数多く見られた
スペース作り
後からボールを繋いでいくチームのボール運びの原則は数的有利。セレッソの場合シャドーが降りて来てというのが特徴なんだけど、今シーズンはそこが上手くいっていなかった。去年も夏すぎに同じ様な事になっていたのだけど、キャンプで上手くいきすぎていた事でシャドーはそれほど助けなくても前に運べるだろうと少し過信していたのかもしれない。その結果厳しい縦パスを入れる事になり、それが「連携不足」と言われる(見える?)形で現れていたんじゃないだろうかと思っている。
それがこの試合はマルチネスに代わりボランチに慣れていないボギョンが入っていた事が原因なのか、トレーニングでの意識付けが成功しているのかはわからないけど、倉田、清武、乾の誰か1枚は必ず降りていくように徹底されておりそこで数的有利を作りボールがスムーズに運べるようになっていた。

で、前にデカいのや強いのがいない場合、ボールを後から繋いでいくには相手のブロックを1つずつはがしていかなければいけない。その時に効果的なのが俗に言う「相手を食いつかせるパス」なんだけど、これを繰り返し行いながら相手のブロックを崩す(=相手の選手間の距離を広げてスペースを作る)必要があり、この試合はそのプレーが久しぶりに良い形で見られていた。

32分のプレー(点線=人の動き・実線=ボールの動き)
32分のプレーは一度高橋に出たパスが降りて来た倉田へ出てそこから→清武→倉田へリターンという場面ですが、この一連の流れの中でも、先ず倉田が降りてきて後で数的有利を作り、清武へのパスで相手2人を食いつかせてスペースを作るという素晴らしい流れ。結果倉田のドリブルシュートで終わったけど、スペースを作って仕掛けているので色々な選択肢があり全北は完全に捕まえきれていなかった。

先制点(点線=人の動き・実線=ボールの動き)
先制点の場面も同じ様な形で、ボギョンから降りて来た倉田→前を向いてピンパォンへ→ヒールで乾へ、と自分たちで作ったスペースをうまく使い完全に相手を崩しきった場面だった。
ここまでの流れで食いついてやられていた事もあり、この場面では相手があまり食いついていなかったのだけど、食いついてこなければ前を向く事が出来るのでまたチャンスも広がっていく。まあフリーで前を向いてるんだからそりゃチャンスも広がるってものなんですけどね。

このような形がよく見られていてゲームをコントロールでいていた時間帯も多くあったけど、立ち上がりや終盤にはコントロールを失っていた時間帯もあったわけですが、そういう時間帯に必要なのは「やり直し」。これはこの1枚1枚相手を崩していく代表でもあるバルサのプレーをみればよくわかる。
最も攻撃的なサッカーを見せるといわれているバルサだけど、実はバックパスが最も多いチームでもある。
とにかく詰まったら後に戻し、そこからまた相手を食いつかせるパスを入れるってのを何度も何度も繰り返す。
もちろんバルサの方が技術レベルが高いので少々厳しいパスでも通しちゃうんだけど、ビルドアップの段階では無理なパスはほとんど出さない。なぜなら無理なパスを出してしまいボールを失ってカウンターってのが繰り返されるとゲームのコントロールが出来なくなってしまうから。

この試合終盤は動き回っていたシャドーの足が止まっていた事もコントロールできなくなった理由ではあるけど、無理なパスを出すぐらいなら一度後に下げる、そこでも厳しければアジアの中では足下の技術も高いジンヒョン(ポカもあるけど)まで戻してやり直す事が重要だと思う。

■その他
今シーズン初スタメンだった清武だけど、やっぱり清武の良さはボールを運べる事だと再確認した。乾をアタッカーとすると清武はプレーメーカー、前で勝負ももちろん出来るんだけど特性的には乾よりも少し低い位置が最も活きる。このプレーができる選手はあまりいないのでスゴく貴重な選手だなと。あと、この日の倉田のプレーはかなり良かった。やっぱりこの選手はボールを受けるのが上手い。

個人的にはこの手間のかかるメンドクサイやり方が大好きです。なので2トップにした方がって意見をTLでも多く見ましたけど、そこに出ていた2トップは個人的にはどうかな?と思っていましたし、これからもきっとそう思います。多分その方が手っ取り早いんですけどね。プロクラブだから結果ってものわかるけど、プロクラブだからこそ結果以外のってのもあるかなと思っています。まあこの勝利で見えてきたものもあったので良かったです。

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