2012年3月25日日曜日

3/24 Jリーグ第3節 VS川崎フロンターレ @等々力陸上競技場


■川崎フロンターレ 0 - 1 セレッソ大阪
川崎フロンターレ:なし
セレッソ大阪:キム ボギョン(75')

フォーメーション
■川崎フロンターレ
GK:21 西部洋平
DF:15 實藤友紀 5 ジェシ 33 森下俊 8 小宮山尊信
MF:14 中村憲剛 19 柴崎晃誠 6 田坂祐介 13 山瀬功治
FW:10 レナト 17 小松塁
SUB:27 安藤駿介 2 伊藤宏樹 3 田中裕介 20 稲本潤一 16 楠神順平 9 矢島卓郎 11 小林悠
交代:田坂→矢島(76') 山瀬→楠神(81') 實藤→田中(81')
警告:レナト(22') 小松(44')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 7 キム ボギョン 8 清武弘嗣 10 ブランキーニョ
FW:9     ケンペス
SUB:1 松井謙弥 23 山下達也 5 舩津徹也 13 柿谷曜一朗 18 横山知伸 26 村田和哉 11 播戸竜二
交代:ブランキーニョ→柿谷(74') 清武→村田(85') 村田→山下(90'+5)
警告:丸橋(57') 藤本(63') 藤本(90'+4)
退場:藤本(90'+4)

ナビスコでは逆転負けとなったがリーグでは1勝1分けで迎えた第3節は川崎戦。
開幕2連勝の川崎は4-4-2の布陣で昨シーズンまでセレッソにいた小松と新加入のレナトが先発FWに入る。
一方のセレッソは扇原が戻りダービーと全く同じメンバー。

■川崎の攻撃・セレッソの守備
川崎の攻撃
今シーズンの川崎をはじめて見るのだけど、FWに入るレナトが引いてボールを受けに来てそこへ中村憲剛や柴崎などボランチからボールを入れるというのが攻撃のスタートの様子。
セレッソはそのレナトにマンマーク気味に山口をつける。
また山口が引っ張り出された時は扇原がマークにつくなど、レナトを自由にさせないというのは徹底されていた。
またもう1人のFW、今シーズンセレッソから移籍した小松はスペースに流れてなんぼの選手なんで、その時に小松が中央からサイドに流れたりするのだけど、そこは元チームメイトということで小松の見かけに騙されたりはしない。
なので、立ち上がりはセレッソがペースを握る。

■セレッソの攻撃・川崎の守備
セレッソの攻撃
山口がマンマーク気味にレナトにつくのでボールを奪った時にボランチの位置が扇原1人になっている事も多い。なのでこの日のセレッソはキム・ボギョンと清武の両サイドの2列目がボランチの位置まで下りてきてボール運びに加わる形も見られる。
今シーズンはSBを上げる為にSHが引くという形はあったが、ここまでガッツリとボランチの位置にまで下りてくるシーンはほとんど無かったので、バランスを考えてやらないのかと思っていたけどそうでは無いらしい。
SHが引いてそのスペースをSBやブランキーニョが出ていく形でセレッソはペースを握り何度かチャンスを作っていた。

■川崎の攻撃・セレッソの守備2
川崎攻撃の変化
そこで川崎は少しやり方を変える。
レナトが引いてくる回数が減り、その代わりに両サイドの山瀬と田坂が中央のレナトの後ろのスペースにサイドから入ってきてそこにボランチの中村憲剛からボールが入るようになる。
セレッソは山口がレナトに引っ張られているのでそのスペースには扇原1枚だけになっており、そこを起点にされて川崎がペースを取り戻し始める。

■セレッソの攻撃・川崎の守備2
中盤のスペースで詰まるセレッソ
また、セレッソはそこでボールを奪ってもSHが下りてくるスペースが川崎の両SHも入っている事で詰まっており、そこでミスパスやボールロストをしてしまいそこから川崎のショートカウンターという形が増えてくる。
セレッソが中央の狭いスペースを抜けることができると、その後ろには大きなスペースがあるので一気にゴール前まで進出することができるものの最終局面ではブラジル人ザゲイロ丸出しのジェシが高さと強さで跳ね返される。

前半の終盤は中盤でボールロストをしてそこからのスペースに流れる小松へのショートカウンターという形で危ない場面を何度も作られてしまう。

あと、セレッソは相手CKからのカウンターという形を持っているが、川崎はそれをショートコーナーを使ってやらせないってのもやってきた。

■川崎の攻撃・セレッソの守備3
低い位置でブロックを作るセレッソ
ショートカウンターを浴び続けた前半の終盤を踏まえてセレッソは後半から早く低い位置でブロックを作って守る形にして、セレッソは山口をレナトにマンマークでつけたまま4-4のブロックをつくってカウンターで狙う。
川崎は押し込むシーンが増えるものの、セレッソのブロックの中で変化を付けるようなプレーは皆無で、突っ込んではボールを失うとういうプレーを繰り返す。
もしかしたらレナトが変化をつけられる選手なのかもしれないけど、そこは山口がきっちり抑えていたので使えず、中村憲剛はブロックの外、山瀬と田坂は足下で受けようとするだけになっていたのでほとんど怖さは感じなかった。

■柿谷曜一朗
柿谷の突破
どちらも決定機を作れないまま時間だけが経過するという展開の中、セレッソは効果的なプレーが出来ていなかったブランキーニョに代えて柿谷を投入。
そしてその1分後にスローインを受けた柿谷の実に柿谷らしいファーストタッチから清武とのワンツーでサイドを崩し、またクロスのタイミングもずらすというこれも柿谷らしいプレーからキム・ボギョンが決めてセレッソが先制する。
ファーストタッチのボールの置き場所でプレッシャーをかけにくる柴崎に仕事をさせず、清武とのワンツーでジェシを外し、中を見ながらドリブルのコース取りとクロスのタイミングで森下を外しながらキム・ボギョンへのクロスを選択した、本当に柿谷らしいプレーだった。

■試合終盤
その後川崎は田坂に代えて矢島、山瀬に代えて楠神、實藤に代えて田中と次々と交代カードを切るも川崎は同じ事の繰り返しでセレッソを崩すプレーを見せる事ができず、セレッソはコンディションが万全では無い清武に代えて村田でカウンターを狙う。

ロスタイムには藤本が2枚目のイエローカードで藤本が退場になるも山下を入れて最後のFKを防ぎ切り1-0でセレッソが勝利した。

■その他
この日の試合で、マンマークを付ける事もある、SHがボランチの位置に下りることを認める、ということが新たに見えた。

清武のコンディションを高めながら、また選手が代わったことで連携面でもまだ万全の状態ではない中、こうやって勝利をつかめた事は本当に大きい。
また内容的にはまだまだなんだけど、何となく勝っているわけでもなく、試合を重ねるごとにチームの全体像も少しずつ見えてきながら着実に勝ち点を重ねられている。
開幕3試合で勝ち点7なんてここ数年のセレッソでは考えられないぐらい(笑)

あと、余談だけど65分にケンペスがオフサイドを取られたシーンで解説の為に書かれたスカパーのラインが酷かった(笑)
スカパーの酷いライン(笑)
オフサイドだろうなという感じではあるけど、この線はルール知ってる?ってレベルです。いくらなんでも斜めすぎるし、線の後ろに小宮山もいるぞ(笑)

2012年3月23日金曜日

3/20 ヤマザキナビスコカップAグループ第1節 VSジュビロ磐田 @ヤマハスタジアム


■ジュビロ磐田 2 - 1 セレッソ大阪
ジュビロ磐田:松浦(59') 前田(88')
セレッソ大阪:ブランキーニョ(38')

フォーメーション
■ジュビロ磐田
GK:21 八田直樹
DF:5 駒野友一 22 菅沼駿哉 4 千代反田充 13 宮崎智彦
MF:8 ペク ソンドン 6 ロドリゴ ソウト 26 松岡亮輔 11 松浦拓弥
FW:14 押谷祐樹 18 前田遼一
SUB:31 竹重安希彦 24 チョ ビョングク 33 藤田義明 23 山本康裕 10 山田大記 7 小林裕紀 30 阿部吉朗
交代:ペク ソンドン→山田(HT46') 押谷→阿部(79') 松浦→山本(90'+1)
警告:千代反田(51')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸
MF:6 山口螢 7 キム ボギョン 8 清武弘嗣 10 ブランキーニョ 18 横山知伸
FW:9 ケンペス
SUB:1 松井謙弥 23 山下達也 5 舩津徹也 13 柿谷曜一朗 25 黒木聖仁 26 村田和哉 11 播戸竜二
交代:キム ボギョン→村田(80')
警告:山口(43') ブランキーニョ(52')

リーグ戦から中2日でのカップ戦という事で大幅にメンバーを入れ替えてきた磐田に対してセレッソはダービーで足首を痛めた扇原以外はメンバーの変更はなし。
清武・山口・扇原のU-23組は代表の試合を入れると11日間で4試合目なので休ませても良いのでは?という気もするが、そこはブラジル人という事でそういう事はしないらしい(笑)。
清武はキャンプ期間中はずっと別メニューでいきなり実戦から入っているからという事もあるからだろうけど。

■セレッソの仕組み
セレッソ攻撃の仕組み
前半は立ち上がりからセレッソが押し込む展開となる。
今シーズンは、SHとボールサイドのボランチがSBに絡む事でサイドでのボール運びを助け、また昨シーズンまでのSBまかせだった攻撃の横幅も逆サイドのSHが逆サイドで開き気味のポジションをとる事で作っている。
そしてダービーからは中央に入るブランキーニョが中央からサイドに流れるプレーを頻繁に見せ始め、鳥栖戦の様に狭いスペースで潰される場面も少なくなってきた。

また2列目自体も昨シーズンまでのように低い位置からポジションレスになってという事はないが、低い位置では清武とキム・ボギョンが頻繁にポジションチェンジをする事で相手を混乱させ、さらにバイタルエリアの最終局面では2列目の3人がポジションレスになるという昨シーズンまでの良さを残しながら中盤でのバランスも確保しようとしている。

セレッソの守備
先の様な形でセレッソは磐田を押し込む事ができていた。
なので、磐田が4-4のブロックでボールを奪っても前田・押谷の2トップと中盤以下の距離が空いてしまっている。
そして今シーズンのセレッソは前線からの守備も意識付けされているので、前の4人とボランチの2枚で磐田にボールを落ち着けさせず、前線にまでなかなかボールを運ぶ事が出来ない。

セレッソのプレス
磐田に落ち着けさせない為の前線の4人+ボランチの守備。
先ずは1トップ+2列目の3人でボールホルダーにチェックに行き、ボランチの2枚がバランスをとっているのだけど、マイナスのパスが入った瞬間に全体に一気に前に出る。
特に磐田のボランチのところにマイナスのパスが入るとセレッソボランチの山口か横山が一気にプレスをかけて自由にさせない。

なので磐田はなかなか前田の足下にボールを入れることもできず、駒野を前に出す事もできていなかった。

■前半の試合展開
という訳で、磐田はシュートまでも持っていけずセレッソがボールを支配する時間が続く。
ただ、セレッソも決定機まではなかなか作れてはいなかったが、38分に磐田の守備の連携ミスからブランキーニョが決めてセレッソが先制。
ダービーに引き続きゴール近くで角度が無い所から落ち着いてニアを抜いた。

■後半の磐田の変化
後半の磐田
磐田は後半開始からペクドンソンに代え山田を投入。
これで磐田は4-4-2から4-2-3-1になり前田のワントップ+2列目の右から山田、松浦、押谷という形になりこれで一気に磐田が蘇る。
先ず中盤の人数が増えた事でプレスをかけにくくし、右サイドに入った山田がサイドから中央に入ってボールをキープする事で駒野を上げる時間を作る。
そして山田が中央に入っていく分真ん中の松浦がサイドに流れる。
これは試合開始時からそうだんだけど同サイドの清武のコンディションがとても万全とは言えない状態で、山田が中に入り、中から松浦が出ていき、後ろから駒野が上がってくるという状況になるのでその起点となる山田を捕まえる事ができなくなってしまった。

そしてその山田が右サイドから中央に入ってきてスルーパスを左サイドに流れていた松浦に通して同点に。
そして時間の経過と共に全体的に足が止まるセレッソに対して今度は裏へ抜けた山田を起点に右サイドからのクロスを前田が決めて磐田が逆転し。
その後終了間際にブランキーニョのCKからケンペスが合わすもポストに跳ね返され、2-1で磐田の勝利となった。

■その他
前半はセレッソ、後半は磐田と45分で全く異なる様相を見せた試合となったが、結果を分けたのはコンディションだったかと思う。
まあソアレスはそんな事は承知でほぼメンバーを代えずにこの試合に臨んだのだろうから、ペースを握っていた前半に1点しか取れなかったのが原因か。
それにしても清武のコンデションはかなり悪かった。
立ち上がりから全く走れていなかったし、ボールを持っても普段通りのボールタッチは数えるほどしか見れなかった。
中盤の枚数を増やしてその起点となった山田を捕まえきれなかった、守備がはまらなかったのはそこに原因があった様に思う。
ただ、セレッソに捕まえさせず前半にはほとんど機能していなかった磐田を一気に動かした山田のポジショニング等は本当に素晴らしかった。
山田が、駒野も、逆サイドも一気に動かした。

コンディションの悪かった清武を90分使ったソアレスの采配は、それだけでなく足が止まっているのに交代枠を2枚も残したままでもありこの試合だけで考えるととても肯定できるものではなかった。
ただ清武については、2月頭のU-23の遠征でケガをしてそこからずっと別メニューでぶっつけ本番の様に開幕戦を迎えたという状況なので、あれだけキャンプでハードトレーニングしてた監督だけにキャンプに参加出来なかったエースに対しては何らかの狙いがあったのだろう。
ただ、やっぱり休ませる時は休ませたほうが良い様には思うけどね。

あと試合を重ねる度にどんどん良くなっていく山口螢は本当にスゴい。

2012年3月19日月曜日

3/17 Jリーグ第2節 VSガンバ大阪 @大阪長居スタジアム


■セレッソ大阪 2 - 1 ガンバ大阪
セレッソ大阪:ブランキーニョ(19') ケンペス(90'+4)
ガンバ大阪:パウリーニョ(27')

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:17 酒本憲幸 3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 7 キム ボギョン 8 清武弘嗣 10 ブランキーニョ
FW:9 ケンペス
SUB:1 松井謙弥 24  金聖基 5 舩津徹也 13 柿谷曜一朗 18 横山知伸 26 村田和哉 11 播戸竜二
交代:ブランキーニョ→村田(78') 清武→柿谷(82')
警告:山口(45')

■ガンバ大阪
GK:1 藤ヶ谷陽介
DF:21 加地亮 2 中澤聡太 15 今野泰幸 4 藤春廣輝
MF:17 明神智和 7 遠藤保仁 10 二川孝広 11 パウリーニョ
FW:9 ラフィーニャ 37 イ スンヨル
SUB:29 木村敦志 5 丹羽大輝 8 佐々木勇人 14 倉田秋 23 武井択也 25 阿部浩之 20 佐藤晃大
交代:イ スンヨル→倉田(70') 二川→阿部(76') パウリーニョ→佐藤(90'+1)
警告:明神(68')

ホーム開幕戦はダービー
ACL・開幕戦のホーム2連戦を連敗したガンバはラフィーニャとパウリーニョの2トップからラフィーニャとイスンヨルの2トップでパウリーニョを左サイドに置くという形に代えてきた。
一方のセレッソは開幕戦と全く同じメンバー。違う点は開幕戦はスタートから15分ぐらいまでは右に清武、左にキム・ボギョンだった2列目を、右にキム・ボギョン、左に清武という
それ以降の並びでスタートした事ぐらい。
ちなみにこの試合に向けて長居の芝の長さを津守と同じ長さにカットしたらしいです。

■ガンバの攻撃
ガンバの攻撃の形
ACL、開幕戦とボールを運ぶことから苦労しているガンバ。
ACLでは2列目で使った遠藤を開幕戦ではボランチに戻し、この試合ではさらに左SHにパウリーニョを落として並びを変えたガンバはやっぱりなかなかボールを運べない。
きっとイメージとしてはSHがポイントになってSBを引き出す。あとは二川が中央に入り、イスンヨルが下りてきて、遠藤や今野からボールを引き出そうとしているのでは無いかと思うんだけど、前へボールを運べないので結局は低い位置からのロングボールが増える。
ロングボール
ただ、神戸戦でもそうだった様にロングボールを競り合える佐藤はベンチなのでそのロングボールのほとんどはただただボールを失う事にしかなっていなかった。

■ガンバの守備
ガンバの守備
しかし守備の意識は少し高まっていた様子で、神戸戦やはDFラインの4枚とボランチの2枚だけで守っていたが、この日は二川とパウリーニョもきちんと両サイドに戻って4-4で守ろうという意識はうかがい知れた。

ただ、神戸戦でも2失点したようにセットプレーの守備はかなりヒドイ。
去年まではどうだったかを忘れてしまったけど、ガンバのセットプレーの守備は基本的にマンツー。さすがに神戸戦でのCKの時の様に前に3人残してマンツー以外はニアポストに遠藤のみを立てるという形から、ニアに遠藤とイスンヨルの2人を立てるという形にはしてきたもののセレッソはマンツーの部分で何度もマークを外していた。

立ち上がりのFKでも一番大外で明神が扇原を外してしてセレッソが決定的な形を作っていた。

■セレッソの進化
セレッソ攻撃の進化
セレッソはメンバーも形も鳥栖戦と同じ。鳥栖戦では前半の4-2-3-1の時は、両SH・ボランチとケンペスの距離が離れすぎていたのでポストも厳しく、ブランキーニョは狭いスペースでほとんど何も出来ていなかったんだけど、この日は2トップにしてからそうなった様に、サイドでSB・SH・ボランチが持った時にケンペスが近寄って来てブランキーニョはケンペスのいたスペースに入る。またはブランキーニョがサイドの関係に近付いて、ケンペスは中央に残る。
という形も見られるようになって来ていた。
この形が4-2-3-1でできるようになれば非常に大きい。
バイタルエリアで近い距離でプレー
前回も書いたようにここまでボールを運ぶ事ができるようになれば両サイドからSHが中央に入ってくるのだけど、この時にキム・ボギョン・清武・ブランキーニョの3人が近くでプレーできるようになる。
去年までの様な「低い位置でも高い位置でもどこでも3シャドーがサイドや中央に自由に動いて近い距離でパス交換を行う」という訳ではないのだけど、相手のバイタルのところに来れば「2列目の3人が近い距離で自由に動く」形が見られ始めている。

■試合の流れ
試合はセレッソがCKからのカウンターで先制する。
これは実はトレーニングでやっている形。
CK守備ゾーン
セレッソのCKの守備は去年と変わらずゾーン。
ただ去年はニアポストにSBを置いて、ニアからマルチネス(ファビオロペス・小松)・扇原(マルチネス)・茂庭・上本・SBという並びだったんだけど、SBの選手の位置が変わっている。そして去年までは前線は基本的に1枚(乾・ピンパォン・倉田)だったのだけど今シーズンは2枚。これがカウンターをやる上でのポイントになっている。
CKからのカウンター
実はこの形はキャンプでもチャレンジしていた。
この形がハマリセレッソが先制。

しかしその後パウリーニョの一発で同点に追いつかれてしまうも、試合はほぼセレッソの流れ。
清武に少しU-23の疲れが見られるものの、同じくU-23代表組の山口が素晴らしいポジショニングやカバーリング、さらにボールを奪ってからの展開等獅子奮迅の動きを見せていた。

■後半
後半のフォーメーション
ガンバは後半にイスンヨルを2トップからトップ下に落とす。
これで守備はもう少し安定する様になり、さらに攻撃も多少はマシになった。(セレッソの特にU-23組に疲れが見られ始めた影響もあるけど。)
しかしその時間も長続きせずにキム・ボギョンを中心に再びセレッソペースに。

終盤のフォーメーション
後半の中盤すぎからはガンバは倉田と阿部、セレッソは足の止まり始めていたブランキーニョに代えて村田を入れて2トップにし、さらに清武を柿谷に代え攻め立てる。

それが実りロスタイムについに柿谷とキム・ボギョンがボールを運び、酒本のクロスをケンペスが頭で合わせて2-1。

ダービーは内容も結果もセレッソのものとなった。

■その他
最後の局面ではなかなか合わなかったりと連携の面ではまだまだな部分もあるけど、この試合で前回の鳥栖戦よりも確実に進化している部分も見ることが出来た。
特にキャンプや鳥栖戦では全く見る事ができなかった2列目の3人の絡みの形がぼんやりだけど見え始めてきている。
まだもう少し時間はかかるとは思うけど、徐々に見え始めてきている。

ケンペスはスピードはそれほど無い感じだけど、十分な強さがある。

そして山口螢は本当に素晴らしい。
今まで、「津守ではライオンなのに試合ではウサギになってしまう」と言われていた選手が、長居で、ダービーでライオンの強さを見せてくれた。

可能性も見えたしダービーにも勝った。
ホント素晴らしいゲームだったと思う。
それにしてもケンペスの決勝点にはしびれた(笑)

それと・・・先制点を上げた後みんなで喜びにいってしまったので全員が戻る前にキックオフされて実はちょっと危なかったよね(笑)
2点目の時はサスガに1人センターサークルにいたけど(笑)

2012年3月12日月曜日

3/10 Jリーグ第1節 VSサガン鳥栖 @ベストアメニティスタジアム


■サガン鳥栖 0 - 0 セレッソ大阪
サガン鳥栖:なし
セレッソ大阪:なし

フォーメーション
■サガン鳥栖
GK:1 赤星拓
DF:15 丹羽竜平 5 キム クナン 20 呂成海 3 磯崎敬太
MF:28 高橋義希 14 藤田直之 8 水沼宏太 10 金民友
FW:22 池田圭 11 豊田陽平
SUB:12 奥田達朗 4 小林久晃 13 犬塚友輔 16 國吉貴博 18 野田隆之介 19 岡田翔平 9 トジン
交代:水沼→岡田(76') 金→野田(81') 池田→トジン(83')
警告:豊田(56') 丹羽(80') 呂(86') 岡田(90'+2)

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 7 キム ボギョン 8 清武弘嗣 10 ブランキーニョ
FW:9 ケンペス
SUB:1 松井謙弥 23 山下達也 5 舩津徹也 13 柿谷曜一朗 26 村田和哉 11 播戸竜二 16 杉本健勇
交代:ブランキーニョ→播戸(54') 丸橋→舩津(84')
警告:丸橋(40') キム ボギョン(88')

2012シーズン開幕戦はアウェーでJ1初昇格のサガン鳥栖戦。
ディフェンスリーダーの木谷とボランチの岡本をケガで欠く鳥栖は、CBにはマリノスからレンタル加入のキム・クナン、ボランチには高橋が入り、また中盤の右サイドには今期加入の水沼宏太が入る。フォーメーション図は一般的には鳥栖は4-2-3-1で池田が2列目の中央に入る様に書かれている事が多いが、実際は豊田の周りを動く2ndトップ的な役割だったので2トップにしました。
一方のセレッソは清武が開幕にギリギリ間に合ったのでキャンプでやってた2トップでは無く4-2-3-1となりボランチにはU-23コンビ。シャドーの両サイドはスタート時点では右に清武、左にキム・ボギョンだったが途中からサイドを入れ替えてプレーしていたので逆にしました。

■鳥栖のロングボール作戦
鳥栖のロングボール
最初にペースを握ったのは鳥栖。
セレッソはキャンプでも高い位置からのプレッシングを徹底してやっていたし、試合前の監督のコメントでも前プレの事を言っていたのだが、鳥栖はGKやCBから早いタイミングでロングボールを入れる事でそれをさせない。
鳥栖のロングボールのターゲットは豊田。もう圧倒的に豊田に放り込んでくる。
セレッソは最終ラインでは藤本が、最終ラインの手前では扇原がマッチアップする事になり両方ともそれほど圧倒的に豊田が競り勝つ訳ではないのだけど、ヘディングで競る豊田を追い越し裏へ抜ける池田やフォローに入るボランチでセカンドボールを狙う事を徹底してくるのでやりたいことができなかった。

■鳥栖の守備
鳥栖の守備ブロック
鳥栖の守備方法は4-4で2ラインを作り、またそれだけでなく2トップも献身的に守備に入る。
後で詳しく書きますが、セレッソは攻撃の時に必ず最終ラインに3人を残すのでその最終ラインに対して豊田が簡単にボールを前に出させないようにし、池田は最終ラインの前にいるボランチにつく。
サイドでの追い込み
次にセレッソは攻撃の起点となるSBにボールを出すんだけど、SBにボールが入れば必ず2人でチェックに行き、池田が中盤のブロックへ、豊田がボランチへとスライドする。
セレッソは去年までのやり方だとそういう場合はシャドーが下りたりサイドに集まったりなど人数をかける事で打開しようとしてきたが、今シーズンはそのやり方を取らないのでそこからなかなかボールを運ぶ事ができず立ち上がりは完全に鳥栖ペースとなった。
キムジンヒョンが何度かスーパーセーブで救ってくれたけど、やられてもおかしくない場面は数回あった。

■セレッソの対応策1
裏のスペースへ
さっき書いたように今シーズンのセレッソはシャドーが集まったりボランチの位置まで引いたりすることはほとんどない。けどその代わりに裏への意識が強まっている。
って事で鳥栖の高い位置で作るコンパクトなブロックの裏を狙う清武やボギョンへSBからロングボールが見られるようになる。
これで立ち上がりの圧倒的な鳥栖ペースから徐々にセレッソも持ち直す。
サイドでポイントを作る
そして次に、さっき書いたSBにボールが入った時に鳥栖が人数をかけて潰しに来る場面で両サイドの清武やキム・ボギョンがSBの近くに下がりボランチの1枚が寄る事で何とかポイントをつくろうとする。
サイドチェンジ
そしてここ起点を作ると鳥栖はブロック全体をサイドに寄せてくるのでそこから逆サイドに大きなサイドチェンジを見せるようになる。

裏を狙い始めた場面ぐらいから清武とボギョンのサイドを入れ替えていたのだけど、両サイドの中盤はサイドにはっていて更にポジションも固定しているし、また比較的低い位置で起点を作っているので、トップまでは距離がありケンペスにボールを収めたりや、中央のブランキーニョの所はスペースがなく中央を崩すのは厳しい状況だったが、サイドを使ってボールを運べる様になりボールも持てるようにはなってくる。
そしてそのまま前半は0-0で終了する。

■セレッソの対応策2
2トップ
後半は交代なしでスタートし、前半の終盤と同じくボールを持てるようにはなってきたが中央は崩せないのでシュートの数も増えない。
って事で54分にブランキーニョに代えて播戸を投入し2トップにする。
サイドでボールを運ぶ
2トップで行ったのはサイドを使ってのボール運びで、最終ラインのボランチとCBとの関係はボランチがCBの間に下りてという明確な形では無かったもののSBとSHの関係はキャンプでやっていたものと同じ形だった。
前半の中盤以降に行なっていたSB、SH、ボランチの関係に加え2トップにすることでFWとの距離も近くなる。(近付いてももう1枚のFWが中央に残る事ができる)
サイドから中央へ
サイドで起点を作り、2トップになった事で予め空ける事ができたバイタルエリアのスペースに清武がドリブルで侵入したり逆サイドのキム・ボギョン、ボランチの山口や扇原が入って行く事ができるようになりチャンスを作れるようになってくる。

がしかし、鳥栖が集中力の高いディフェンスで人数をかけて守り、決定的な場面もGK赤星のスーパーセーブで結局はスコアレスドローで終了となった。

■その他
スコアレスドローとなった緒戦ですが、鳥栖がJ1初昇格でしかもハッキリとしたチームなのでかなりの熱戦でした。
前半は去年までと同じフォーメーションでしたがやり方がかわっていたので、ブランキーニョと前半のケンペスはちょっとかわいそうだったかなと。
ボランチの扇原の所でほとんど起点になれていなかったのでスペースは狭いままだったので、特にブランキーニョは一番損をしていた様に思います。

あと今回見た鳥栖の印象としては、もしかしたら開幕戦ということやショートカウンター対策でロングボールを増やした可能性はあるかとは思いますが、あれだけ徹底して続ける事ができるし、守備もきっちりブロックを作れて挟み込みやアタックに行けるのでそこそこはやれると思いました。
ただ、ブロックの中に入ったボールへのプレスは早いけど、外からドリブルで侵入してくる選手への対応はもう少しかなと。
あと今回の様なやり方で行くときっと豊田はゴールが減ると思うので、その分池田が得点を取れるかどうかってのがポイントになるんじゃないかと思いました。

試合終了後のキム・ジンヒョンのコメントにもありましたが去年までの攻めてる時は2バック状態から最終ラインには必ず3枚残るように変わったってのはこんな感じです。
最終ラインに3人残す1
最終ラインに3人残す2



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