2014年2月28日金曜日

Jリーグ 第1節 vs サンフレッチェ広島 プレビュー


2014年3月1日14時00分:ヤンマースタジアム長居
予想スタメン
いよいよ2014シーズンJリーグ開幕戦。
このオフシーズンに最も注目を集めたクラブ セレッソ大阪は今シーズンからヤンマースタジアム長居と名前が変わるホームスタジアムに2012年2013年のチャンピオンチームサンフレッチェ広島を迎えます。
両チームともACLに出場しているので2/25にACLのグループリーグ初戦、さらに広島は昨シーズンのチャンピオンチームとして2/22にスーパーカップも行っていますが、やはりリーグの開幕戦は特別な感じがします。

セレッソのスタメンはACLのスタメンがベースになりそうですが、フォルランが主力組に入って調整しているとの情報がありますので杉本に代わっていよいよフォルランが長居のピッチに立ちそうです。

一方の広島は、柏、高萩、森崎、清水、柴崎と多数の負傷者を抱えている中、柴崎は練習には合流したもののベンチスタートが濃厚で、ACL北京戦でボランチに入った丸谷が引き続きボランチに、またミキッチもコンディションが悪いとの事でファンソッコが右WBに入りそうです。

チームとしての熟成度が高くここ2シーズンで最も強いチームである広島は、昨シーズンまでは自陣の低い位置でしっかり人数をかけて守る事がメインでしたが、今シーズントライしているのが前線からの守備。
これまでは両WBを下げて5-4-1で守っていましたが今シーズンは3-4-3の形のままでシャドーがSBにまでプレッシングをかけるシーンがスーパーカップでは見られていましたし、また宮崎のキャンプでも試合前に相手がどのポジションでボールを持てば誰がプレッシャーをかけに行くかをチェックしていました。

セレッソとしては再現したいのは昨シーズンの32節キンチョウスタジアムでの対戦。
ジリジリとしびれる様な試合でしたがセレッソは狙い通りの形で勝利し、チームのしての成長を感じさせる試合でした。
今回の開幕戦でセレッソが柿谷とフォルランの2トップで挑むならポイントになるのは青山をどうするか。
来週開催される日本代表の試合に柿谷、山口と共に選出された青山はJリーグを代表するボランチで、広島のサッカーにとって最も重要な選手の1人です。
4-1-5になった広島に対してそのままの4-4-2だとこの青山は浮いてしまう事になり、ここを自由にさせてしまうと広島の攻撃が躍動してしまうので柿谷かフォルランのどちらか1人はかならず青山を見る形にしないといけません。
ここを封じる事が出来れば、昨シーズンはJリーグで最も多く裏に抜ける形でゴールを決めた柿谷と、ミドル・ロングレンジからのシュートで世界的に有名なフォルランとの2トップで広島の固い守備を打ち破る事ができるはずです。

明日はおそらく初めてJリーグの試合を見る人も多数訪れる事かと思います。
そもそもサッカーをスタジアムで初めて見るという人も多いかもしれません。
小難しい事を書きましたが、はっきり言って広島は強いです。
だてに2連覇してるわけじゃありません。
広島のサッカーは例えるなら合気道みたいなサッカーで、こっちが不用意にしかけるとズバッとやり返されます。
なのでジリジリとした時間も続くと思いますが、セレッソの選手も広島の選手もどちらも仕掛けるタイミングを見計らっているので、どのタイミングで仕掛けて行くかに注目してください。
仕掛けていく時は一気にスピードアップするのできっと心躍るはずです。
初めて見る方、久しぶりに見る方はとにかく楽しみましょう!

2014年2月26日水曜日

2/25 ACL グループE第1節  VS 浦項スティーラーズ(韓国) @スティールヤード


AFC CHAMPIONS LEAGUE 2014

GROUP STAGE
25-02-2014 19:30 KST
Pohang Steelyard, Pohang, KOREA REPUBLIC10,426
POHANG STEELERS (KOR)101st Half11CEREZO OSAKA (JPN)
12nd Half0
Ext. Time
Penalty Kick
95 minutesBAE CHUN SUK
Cold8 degrees C
Lineups
POHANG STEELERS (KOR)CEREZO OSAKA (JPN)
1GKHWA YONG
3DFKWANG SUK 16
5MFKIM TAE SOO (C) 55  42
7MFKIM JAE SUNG 13
12FWKIM SEUNGDAE 77
13DFWON IL
17DFKWANG HOON
18FWMOO YUL
22DFDAE HO
26FWCHAN HO 90  89
29MFLEE MYUNG JOO
2DFOHGIHARA TAKAHIRO 81
4DFFUJIMOTO KOHTA
5MFHASEGAWA ARIAJASURU
6MFYAMAGUCHI HOTARU (C)
8MFKAKITANI YOICHIRO 11
13FWMINAMINO TAKUMI 62
14MFYUSUKE MARUHASHI
17MFSAKEMOTO NORIYUKI
20FWSUGIMOTO KENYU
21GKKIM JIN HYEON
23DFYAMASHITA TATSUYA
Substitutes
2DFHEE CHUL
6DFKIM JUNSU
14FWBAE CHUN SUK 61  55
15FWSHIN YOUNG JOON 90
28MFSON JUNHO
31GKDA SOL
34MFLEE GWANGHYEOK 77
1GKTAKEDA HIROYUKI
3DFSOMEYA YUTA
7DFARAIBA TORU
9FWNAGAI RYO
10FWFORLAN 62
11MFKUSUKAMI JUMPEI
26MFAKIYAMA DAICHI
Not Eligible
Not Playing
Team Officials
LIM JEONGMIN (Team Manager)
HWANG SUN HONG (Head Coach)
AHN HOJIN (Team Manager)
RANKO POPOVIC (Head Coach)
Referee
BENJAMIN WILLIAMS (AUSTRALIA)
Assistant Referees
MATTHEW CREAM (AUSTRALIA)
HAKAN ANAZ (AUSTRALIA)
Fourth Official
JARRED GAVAN GILLETT (AUSTRALIA)
Fifth Official
Match Commissioner
DR. TU XILIANG (CHINA PR)
Legend:
 Goals Own goal Penalties Missed Penalties Red Cards YellowCards
 2nd Yellow (Red card) Substitution MVP
スターティングメンバー
いよいよ2014シーズンが開幕。
2013シーズンの4位を受け初戦はACLグループステージ、アウェイで昨シーズンKリーグチャンピオンでありFAカップのチャンピオンでもある浦項スティーラーズとの一戦となる。

セレッソのスタメンは、宮崎キャンプ終盤に左足を痛めた影響で注目のフォルランはベンチスタート。4-2-3-1で柿谷を1トップ、杉本が右SH、長谷川がトップ下に入る。
またキャンプでは別メニュー調整が多かった昨年のレギュラーCBは無事戻り、未だクラブから正式加入のリリースは無いが、ACLの選手登録は済んでいるカチャルはメンバー外となっている。

一方の浦項は正直全くわかりません。
知っているのは、セレッソにとって特別な選手の1人であるファンソンホンが監督をやっている事。元神戸ですが神戸時代はほとんど出番が無く小薮似のルックスしか覚えていないペチョンソクがいる事。ぐらいで、昨年もACLに出ており広島と同グループで1勝1分と広島から勝ち点4を取っているらしいですが、全く覚えていません。

Kリーグのチームとしてはパスを繋ぐチームだとの事ですが、その分野はセレッソも得意な所なのでゴリゴリ来るチームよりはやりやすい所ですが・・・


■パスを繋ぐ展開なら
立ち上がりの浦項の守備
立ち上がりの浦項は前からガツガツ来る訳ではなく、慎重に2トップを含めたフィールドプレーヤーが一旦自陣に戻り4-4-2のブロックを作る守備を見せます。
セレッソのサッカーを研究してきたのでしょう。セレッソのCBはビルドアップ能力に欠けるという事でそこは放置、守備のスタート地点はボランチからでボランチからの縦パスを入れさせない、またSBもビルドアップに絡んでくるという事でSBにボールが入ればSHが出て行くという形を取っていました。
セレッソのビルドアップ
立ち上がりを大事に入ってきた浦項は徐々に慣れてきたのか5分すぎ頃から、バックパスや体の向きが悪い状態でボールを受けた時には2トップがCBにまでプレッシャーをかけにいくシーンも見られるようになります。
そこで前回セレッソがACLに出た2011年は札幌に所属していた為にACLは全くの初出場となる山下が2つほどミスをしてしまいますが、セレッソはCBを両サイドに広げて間にボランチが落ちる3バックにして2トップの守備を外し、2トップとMFラインの間でボランチのもう1枚と下がってきた長谷川、丸橋が上がってそのスペースに下がってくる南野などといった形で相手の守備ポイントを外してセレッソがボールを繋ぎペースを掴んでいきます。

そしてゲームが動いたのは前半11分。
スローインからの展開で浦項の守備が少し前がかりになった中、丸橋から扇原を飛ばして1つ向こうの山口にパスを通すと、ルーズになっていたCBの間を柿谷が裏へ飛び出しそこに山口から一気にロングパス。少しボールが短かったので柿谷がボールを受けた時には浦項CBに追いつかれてしまいますが、それを実に柿谷らしいボールタッチで相手の体勢を崩すと芸術的なループシュートをきめてセレッソが先制します。

その後も攻撃では後ろからしっかり繋ぐビルドアップと、素早く縦にボールを入れる速い攻撃という緩急をつけた幅広い戦い方を見せ、セレッソのボール回しについていけない浦項が前半だけで3枚のイエローカードを受けていました。
セレッソの守備
また守備では、MFとDFで4-4を作りその前に長谷川と柿谷がいる形。
攻撃の時に比較的ボールを持つことができていたのでボールを失う場所も相手陣内である事が多く、浦項のボランチの所からボールを繋いでくる攻撃に対して扇原と山口のセレッソのボランチが前に出て積極的にプレッシャーに行くシーンも見られました。
ボランチが前に行ってしまうともしそこを外されるとCBが無防備な形で相手にさらされるのでリスクがあるのですが、そこは長谷川が上手くボランチのサポートやカバーに入る事でそのリスクを軽減していました。
浦項の攻撃
また前にプレッシャーに出ていけない時は後ろでしっかり4-4のブロックを作る。
浦項のビルドアップはセレッソの様にCBの間にボランチが落ちるのでは無く、CBとSBとボールサイドのボランチの3人でトライアングルを作り、そこにSHが降りてきたり縦パスのタイミングを伺うような形でしたが、セレッソもしっかりブロックをスライドさせて対応できていました。
ただ時間の経過と共に気になりだしたのはファールが増えてきたこと。
前半の立ち上がりは少しハイペースだったので運動量が落ちてきた事もありますが、後追いになって守備の時に手が出てしまう事が増えファールを取られていました。

■浦項の変化
浦項の攻撃の変化
後半立ち上がりから浦項は攻撃の形を変えてきます。
キックオフからの最初の攻撃で見せたのは前半あまりなかったCBからのロングボール。そして前半はCBとSBとボランチのトライアングルのところにSHが下りてという形だった攻撃が、SHは下りずに縦に裏へと飛び出して行き、そこに早いタイミングでボールを入れるように鳴り出します。
55分〜
そしてさらに浦項は55分に、ボランチの5番の選手に変えて14番、高さのあるFW元神戸のペチョンソクを投入。
真ん中に高さのあるCFを入れることで浦項はさらに前へ前へというガツガツとしたやり方を徹底してきます。

そして61分。SBからCFへ長いボールを入れてからの展開で左サイドからペナルティエリアに進入してくるところはセレッソがなんとか体をはって守ろうとしますが、そのこぼれ球がペチョンソクの前に、それを落ち着いて流し込み浦項が同点に追いつきます。
62分〜
直後の62分にセレッソは南野に変えてフォルランを投入し、柿谷との2トップになる4-4-2の形にして長谷川を左サイドにまわします。
浦項が押し込む展開に
しかし浦項はサイドにボールを早く当てそこにSBを上げてくる形をとり、浦項のSBに対してセレッソはSHがついていく形で守るので完全に押し込まれる状態になり、こうなるとボランチの両脇のスペースが空いてしまうので、そこを使われると慌てて寄せて後手になってファールを与えてしまう事が増えていきます。
そして、最初はボールを奪ってから、杉本や南野、長谷川が浦項のファーストプレスをかいくぐりボールを運ぶ事ができる事もありましたが、フォルランが入った辺りからはなかなかそれも出来なくなり2トップが完全に孤立、ミスパスも増え折角フォルランが入ったのですがなかなかそのフォルランにまでボールが運べないという状態に。
ちょうど昨シーズン後半の引分けが続いていたころ、アウェイでのマリノス戦の様な展開になっていきました。
77分〜
浦項は77分に2トップの一角だった12番に変えて34番をトップ下に入れ、サイドに流れるプレーでサイドに人数をかけてきます。
90分〜
浦項は90分にはレッドカードが出てもおかしくないぐらいの直前のキムジンヒョンに対する悪質なアフターチャージでイエローカードを受けた右サイドの26番に代え15番の選手を投入するも、完全に押し込まれた厳しい展開ながらも昨シーズンのマリノス戦同様粘り強い守備で何とかセレッソが守りきりそのまま1-1で試合終了となりました。

■その他
ACLのグループリーグ初戦はアウェイで貴重な勝点1を得る結果となりました。
浦項はKリーグの中ではパスを繋ぐチームとして有名らしく、バルセロナのティキ・タカをもじった言い方をしたりもしてるようですが、そこで勝負している展開ではやはり日本のセレッソの方が上で、結局は韓国らしいサッカーをされると厳しくなるという試合になりました。
注目のフォルランはシュートゼロ・ボールが入る事もほとんど無いといった状態で、後半は完全におしこまれてしまったので苦しい試合でしたが、シーズン最初のゲームとしては十分な内容・結果だったと思います。

特に前半の長谷川のプレーは素晴らしく回りともフィットしており、攻撃に守備にと今シーズンのセレッソにとってかなり重要な選手になるだろうということを感じさせました。
また山口もさすが代表で自分の場所を確立しつつある選手だなと思わせるプレーを随所に見せていました。

彼らに比べて少し経験の面で差を感じたのが、南野・杉本・扇原の3人。
南野は初めてのACLで、杉本と扇原は前回のACLにも出ていますがその頃とは立場も全く違い主力としてACLを戦うのは初めてといった状況なので現時点では仕方が無い部分だとは思いますが、このレベルでの経験をしっかり積んでどんどん成長していって欲しい所です。
特に南野はキャンプから昨シーズンまでとの違いに少し戸惑っている所も見られるので、守備面でも攻撃面でもしっかり整理して。

2014年2月18日火曜日

2/15 練習試合 VS ファジアーノ岡山 @国際海浜エントランスプラザ

【1本目】13:00キックオフ
セレッソ大阪 3 - 0  ファジアーノ岡山
     (前半2-0)
     (後半1-0)
■得点者
セレッソ大阪:フォルラン(25')、柿谷(38')、長谷川(60')
ファジアーノ岡山:なし

■スターティングメンバー
セレッソ大阪
GK:21 キム・ジンヒョン
DF:23 山下、28 ゴイコ・カチャル、14 丸橋、17 酒本
MF:2 扇原、6 山口、13 南野、5 長谷川
FW:8 柿谷、10 フォルラン

ファジアーノ岡山
GK:1 中林
DF:3 後藤、6 竹田、5 植田
MF:10 千明、17 島田、26 田中、25 田所
FW:30 清水、20 妹尾、24 林

■交代
セレッソ大阪
HT:23 山下→4 藤本、
63':28 ゴイコ・カチャル→3 染谷、10 フォルラン→20 杉本
73':13 南野→18 ミッチ・ニコルス

ファジアーノ岡山
HT:17 島田→7 仙石、30 清水→14 押谷、26 田中→8 石原

宮崎キャンプ初の練習試合は昨シーズンJ2で12位だったファジアーノ岡山戦。
後になって調べてみたら岡山はものすごい数の練習試合を組んでいて、ゲームをこなしてチームを作って行こうという事なんでしょう。なのでメンバー的にもかなり入れ替えながらやっているので個人的に好きな選手の1人である押谷が45分しかプレーしなかったのは残念でした。
一方のセレッソは宮崎キャンプでの練習試合初戦。沖縄で3試合をこなしてきたが、フォルランが合流してからはこの試合が初戦となり、またフォルランと同じ便で来日したHSVのゴイコ・カチャルも練習生としてこの宮崎キャンプから合流しているので初戦となる。

この試合のセレッソは、柿谷とフォルランを前線に並べた4-4-2。
2列目には右にポポヴィッチと共に東京から加入した長谷川、左に南野が入り、山口と扇原のボランチ、酒本と丸橋のSBという昨シーズンからのメンバーで、CBは右にゴイコ・カチャル、左に山下、GKはキム・ジンヒョンが入り、不透明なカチャル以外はおそらくこのメンバーがいわゆるスタメン組になると思われます。

練習生として参加しているゴイコ・カチャルは、本職はボランチの選手ですがCBに入っており、元々このポジションは層が薄かった上に、昨シーズンのレギュラーだった藤本が昨シーズンからの故障がまだ癒えていない状態で、さらに山下も沖縄キャンプで故障、京都から新加入の染谷も沖縄では体調不良で練習を休んでいたので、おそらくセレッソもCBで使うつもりなんでしょう。

■ゴイコ・カチャルの事前情報
ゴイコ・カチャルについて情報をまとめておくと、
セルビア出身の27歳、身長は185cm
セルビア代表として25キャップを持っています。
ブレイクしたのは08/09から2シーズン過ごしたヘルタベルリン時代で484万ユーロの移籍金でHSVに移籍しています。
ポジションは主にボランチですが、4-3-3のインサイドハーフや4-2-3-1のサイドハーフ、トップ下でも起用されており、10/11シーズンの後半にはセレッソで使おうとしているCBでポジションを掴んでいます。
セレッソサポーターにとってなじみ深い所でいえば、香川真司のドルトムントとは10/11シーズンの12節に4-3-3のインサイドハーフ、11/12シーズンの開幕戦・18節でボランチで対戦しており、全てドルトムントが勝利しています。
彼のキャリアに大きな影響を与えたのは11/12シーズン終盤に負った足首の骨折で、それ以降はスタメンで起用される機会もかなり少なくなり、代表からも外れ、今シーズン(13/14シーズン)はベンチに1回入ったのみで後は全てベンチ外、リザーブリーグに10試合出場したのみとなっています。
ちなみにその10試合の内訳は、CBとして5試合、ボランチとして4試合、トップ下として1試合となっている様です。

■試合展開
試合は3バックの岡山に対して4-4-2で入りました。
そして立ち上がりはポポヴィッチが導入しようとしている前線からのプレッシングを積極的にしかけようとしますが、はっきり言って上手くいってませんでした。
上手く行かなかった理由の1つはフォルランが、日本のいわゆる「速いサッカー」にあきらかに戸惑っていた事。
合流して間もないとはいえ練習もこなしているし、速いという情報も聞いていたと思うのである程度心づもりはしていたでしょうが、きっとその速さは予想以上だったんじゃ無いかと思います。
そういう状態の中、さらに3-4-2-1に対して4-4-2というミスマッチ起きているシステムという難易度の高い状態だったので簡単にプレスを外されてボールを運ばれます。
なので、山下を中心に一旦下がる形で守る様に変えて行くのですが、立ち上がりは全く守備がハマっていない状態でした。

ただ、そんな状態でありながらも岡山に得点の匂いを感じる事はほとんどありませんでした。
その理由は岡山の1トップ2シャドーが山下とカチャルにことごとく潰され続けていた事とWBがセレッソのSBとの1対1に勝てなかった事で、岡山はセレッソの2トップを外してボランチの所からボールを出せるんですが、そこから決定的な形を作る事ができていませんでした。

膠着状態だったゲームが動いたのは25分。
自陣深くでのセレッソのスローインからリターンを受けた丸橋が、岡山のCBがフォルランを捕まえきれていないのを確認して裏のスペースへロングフィード。
抜け出したフォルランが相手GKの位置を確認して30m以上距離のある所からダイレクトで左足のループシュートを決めます。
スローインのリターンという事もありますが、岡山の丸橋に対する寄せも、フォルランに対するマークも不用意でした。
岡山は丸橋からも長いボールが出てくる事を知らなかったのかもしれません。
ただ、このシーン以外でもセレッソのSBを見るのがシャドーなのかWBなのかがハッキリしていない事が何度かありました。

この得点シーンの前後あたりからフォルランも日本の速さに少し慣れて来たのか、セレッソは守備が良くなっていきます。
セレッソの守備
先ずは2トップは不用意にCBに行かずにボランチへのパスコースを切る事をメインにして後ろの形を整える。
前線からプレスをかけるタイミングを統一する
自分達の形が整っている状態で、3バックのサイドが外向きにボールを持つ、またはWBが後ろ向きでボールを受けたときは積極的にハメに行く。
まだ全てが上手くいっていた訳ではありませんでしたが、最初は全くできていなかった使い分けが出来る様になって徐々にセレッソがリズムを掴みだします。
ビルドアップ
守備のリズムが良くなると攻撃のリズムも良くなっていくもので、セレッソはCBが両サイドに広がりその間にボランチの1枚がおりSBを前に出す形になりボールを運んで行きます。
この形で昨年までの+アルファとして存在感を見せたのはカチャルで、これまでセレッソはCBのビルドアップ能力には弱点を抱えていましたが、本来中盤でサイドもできる選手なんでフリーならドリブルでボールを運ぶし、その右足から良いパスも何本か見せていました。
また、前線でもフォルランがどんどん中盤に下りてボールを受ける様になり、やっぱり速すぎると思っていたんだろうなあと思わせる、縦に急ぐだけでなく相手を喰いつかせる横パスを出したりなどリズムに変化をもたらすプレーを見せる様になります。
この中盤に下りてくるプレーはフォルランだけでなく柿谷も何度もみせていましたが、お互い相手を見ながらプレーできる選手だからなのか、既にどちらかが下がった時にはもう1人は必ず前で張っているという関係はできていました。

フォルランからのパスを受けた柿谷が倒されて得たPKは柿谷自身が右に外してしまうも、その直後に柿谷のクロスが岡山DFの手にあたり再びPK。
今度はしっかり決めて38分に追加点をあげます。

またこの辺りの時間からフォルランも積極的に声をだしてプレーするようになります。
特に気になったのが回りの選手にシュートを打てと指示する声。
セレッソは比較的相手ゴール前でもボールを繋ぐ事が多いですし、これまでのポポヴィッチが指揮するチームはさらにそれに輪をかけた様に「いつまでワンツーしとんねん」ってぐらいなので、フォルランとしては気になっていたのでしょう。
柿谷や扇原など回りの選手にパスをだして「シュータ!」(多分シュートを打てって事なんですがどうしてもこう聞こえる)と声をかけ、シュートには「GOOD!」と拍手を送るシーンが何度もみられました。
HT〜
ハーフタイムでセレッソは山下を下げて藤本。CBの関係は右カチャル、左藤本とかわらず。
岡山は清水から押谷、田中から石原、島田から仙石と交代。

セレッソは60分にも左サイドを崩して丸橋の低いクロスを逆サイドから入って来た長谷川がニアで合わせて3点目を決めます。
63分〜
63分にはお役御免という事で、フォルランを杉本に、カチャルを染谷に交代。
この交代で柿谷が1トップで2列目には右から杉本、長谷川、南野という並びに変更。
73分〜
73分には南野とミッチ・ニコルスを交代させ、2列目は右からミッチ、長谷川、杉本のならびに。

45分×2の1本目はそのまま試合終了。

■フォルラン・カチャル・アーリア
フォルランは、本文中にもかきましたが最初は日本のサッカーの速さにかなり戸惑っていました。
合流して3日目なので当然ですが、攻守共に運動量も多く無かったのでコンディションもまだまだこれからという状態だと思います。
ただ、そんな中でもスーパーゴールを決めるんだから流石です。
そして期待を抱かせたのは他の選手に対する指示。
長谷川アーリアジャスールが何かのインタビューで、
「ポポヴィッチのサッカーはつなぎすぎる所があるが」という質問を受けて
「その部分はフォルランがいる事で全く問題なくなると思う」と答えていた様に
他の選手にシュートに対する意識を強く求めている姿が見られたのが印象的でした。

カチャルは、1対1がかなり強く1対1で岡山の選手にやられる事はまずありませんでした。
また中長距離のキックもあるようで、これまではどうしても左に偏りがちだったビルドアップの面でも期待を抱かせるものでした。
少し気になったのは守備の時にちょっと喰いつき気味な傾向があるところで、後ろを空けて相手選手に喰いついてしまう場面も何度か見られました。
この試合ではそこで潰しきっていましたし、これもまだ合流3日目という事で連携面の問題もあるかもしれませんが。

長谷川アーリアジャスールは、驚くほどすっかり馴染んでいました。
キープ力もあってボールも捌けるので良いアクセントになっていましたし、彼がサイドにいる事で後ろで捌いてさらに前に飛び出して行くという山口の人並みはずれた運動量も活かされていました。
去年の後半に右SHでアーリアがいれば優勝できたんじゃないかってぐらい(笑)。


【2本目】15:00キックオフ 
セレッソ大阪 2 - 0  ファジアーノ岡山
       (前半1-0)
       (後半1-0)

■得点者
セレッソ大阪:杉本(39')、★前川(70')
ファジアーノ岡山:なし

■スターティングメンバー
セレッソ
GK:1 武田
DF:19 小谷、3 染谷、7 新井場、24 岡田
MF:26 秋山、25 黒木、18 ミッチ・ニコルス、11 楠神
FW:9 永井、20 杉本

ファジアーノ岡山
GK:21 真子
DF:19 久木田、4 近藤、5 植田
MF:23 宮田、17 島田、26 田中、38 三村
FW:9 荒田、30 清水、13 久保

■交代
セレッソ大阪
HT:1 武田→27 丹野、18 ミッチ・ニコルス→32 ★前川
62':3 染谷→33 ★庄司、20 杉本→31 ★阪本
ファジアーノ岡山
不明

★セレッソ大阪U-18 前川大河
★セレッソ大阪U-18 阪本将基
★セレッソ大阪U-18 庄司朋之也

2本目の45分×2はセレッソはいわゆるサブ組。
4-2-3-1の並びでスタート時は永井が1トップに入り杉本が左SHに入っていた。
杉本以外の2列目はミッチニコルスがトップ下、楠神が右サイドで、ボランチには秋山と黒木。SBは京都から新加入の安藤がまだ合流していない事もあってか、右に長野から戻って来た岡田、左に新井場が入る。
一方の岡山は1本目同様かなり入れ替わっている様で、荒田が2本目のシャドーに入っているほか、1本目でスタメンだった選手が2本目にも出ていたりするのでハードだなあという感じ。
この2本目は岡山の選手はかなり頻繁に入れ替わっていたので残念ながら把握しきれませんでした。

■試合雑感
当然といえば当然ですが、主な攻守の考え方は1本目と同じ。
違いがあるのは2トップから1トップになっている前線ですが、ここは永井と杉本が頻繁にポジションを入れ替わってやっていました。
ただ1本目で速すぎるサッカーに戸惑い、途中からは自らのプレーで緩急をつけようとしていたフォルランが2本目にはいないので、2本続けてみるとこの2本目はハッキリと速さを感じました。
展開が速いからとは一概に言えませんが、この2本目は両チームともミスが目立ちちょっとバタバタしたゲームになっていました。
ただ、攻撃の形はそれなりに作っており、楠神や永井の突破からシュートも数多くクロスバーに当てるシュートも3本ほどあったかと思います。
ただそれ以上に枠外シュートが多かったですが(笑)。
先制点は左サイドで杉本が仕掛けたこぼれ球からの展開で、そのボールが右サイドに渡りクロスを中央の選手やGKからは死角になっている場所から戻りながら決めた形でした。
通常ならオフサイドポジションなんですが、最初の左サイドでやりあってた時に対応していた岡山の選手が戻っていなかったのでオフサイドにはなりませんでした。

セレッソはこの2本目では左右の入れ替えを頻繁に行っており、前半の途中からは楠神を左に回して杉本または永井が右サイドに入る形になっていました。
HT〜
ハーフタイムにセレッソは右に新井場、左に岡田と左右のSBのポジションを入れ替え、さらにU-18からこの宮崎キャンプに帯同している前川くんを投入。
62分〜
62分には染谷と杉本に変えて庄司くんと阪本くんを投入し、左サイドでの楠神のドリブルから大外に回った前川くんがゴール。
2-0で2本目もセレッソの勝利となりました。

■ミッチ・ニコルス、染谷悠太、小谷祐喜
ミッチ・ニコルスは、おそらく本来回りとの関係で活きてくるタイプの選手なんじゃないかなあと思いますがまだちょっと遠慮気味で、現時点では長谷川アーリアジャスール、南野拓実よりも優先順位は下かなという感じです。
楠神の様に個人でどうこうできるタイプでもなさそうなので、もう少し時間はかかるかもしれません。
ただ時折面白い動き出しをしていたり、ミドルシュートで良いのも打っていたので可能性は感じさせました。

染谷悠太は、新人と新井場に挟まれてる状態なので大変だろうなあと思いました。
難しい状況の中で守備の対応は問題なくこなせていましたが、ちょっとミスも多かったです。
ちなみにドメサカでまとめられていた丸橋と酒本のネタは、1本目に「染谷から酒本に出したパスが短くてインターセプトされかけた所を酒本がスライディングしたのでイエローカードを出された」という場面です(笑)。

小谷祐喜は、新井場からの指示が一番多いのが彼でした(笑)。
新人だという事も含めて彼こそはもう少し時間がかかると思いますが、山下や藤本のプレーや新井場からのコーチングを受けて成長していって欲しいですね。

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