2014年7月14日月曜日

7/12 天皇杯2回戦 VS ヴィアティン桑名 @キンチョウスタジアム

セレッソ大阪41前半12ヴィアティン桑名
1後半1
1延長前半0
1延長後半0
PK戦
スターティングメンバー
セレッソ大阪ヴィアティン桑名
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK1岩谷 俊輔
藤本 康太4DF10DF10飛弾 暁
丸橋 祐介14DF00DF3加藤 秀典
酒本 憲幸17DF01DF16ジブリン
山下 達也23DF00DF7和波 智広
扇原 貴宏2MF42MF9荒木 康太
長谷川 アーリアジャスール5MF02MF27高田 祥生
山口 蛍6MF20MF26野村 朋成
南野 拓実13MF71MF8石川 貴啓
安藤 淳16MF12FW6坂井 将吾
杉本 健勇20FW51FW28大倉坐 ドゥグラス
武田 博行1GKGK21藤田 将貴
染谷 悠太3DFDF22鈴木 瑛
新井場 徹7DF0MF15田宮 勇次
小谷 祐喜19DFMF24服部 貴之
楠神 順平11MF10MF19青村 勇太
岡田 武瑠24MF0FW17土屋 和之
阪本 将基30MF60FW18ジェローム
27シュート9
3GK27
12CK6
19直接FK9
3間接FK4
2オフサイド4
0PK0
セレッソ大阪ヴィアティン桑名
杉本(33')
南野(76')
阪本(97')
阪本(117')
得点荒木(5')
ジブリン(65')
酒本→阪本(HT46')
長谷川→楠神(68')
杉本→新井場(106')
交代坂井→土屋(69')
大倉坐→青村(78')
野村→ジェローム(109')
山口(90')警告大倉坐(26')
坂井(62')
高田(86')
退場

セレッソの約1ヶ月ぶりとなる公式戦は天皇杯の2回戦。
今大会から決勝が元日ではなくなるのでスタート時期も早くなっています。

中断期間にペッツァイオリ新監督を迎えたセレッソは中断期間から取り組んでいる4-3-3。
中盤の形は逆三角形でアンカーには扇原が入りインサイドハーフに長谷川と山口、前線の右サイドには安藤が入っています。
また、ワールドカップから山口はチームに復帰しているものの柿谷は移籍が決定しているの為メンバー外、フォルランはまだ合流前、新加入の平野、キムソンジュンは夏の登録ウィンドーが開くのが7/18〜なので出場できないという状況なので、つい先日2種登録選手としてトップチーム加入を果たしたU-18でセレッソのエースナンバー8番を背負う坂本将基が初のベンチ入りとなりました。

対戦相手は1回戦の京都産業大学戦を延長の末下した三重県代表のヴィアティン桑名。
三重県社会人リーグの1部に所属し、ナイジェリア人2人とブラジル出身で今年の7月に日本国籍を取得した太倉坐 ドゥグラス(でそうざ ドゥグラス)、07年の山形所属時に対戦経験もある坂井将吾、鳥栖や鳥取でプレーした加藤秀典、湘南や札幌でプレーした和波智広、川崎や仙台でプレーし06年の降格が決まった最終戦で先制ゴールを決められた飛弾暁などが所属している。
フォーメーションは4-4-2で28番の太倉坐ドゥグラスがFWに入っている。公式サイトを見るとこの選手はDF登録ですが、1回戦も三重県予選でもFWでプレーしていた模様です。

■試合展開
試合は開始5分に丸橋の判断ミスからSBの裏へのロングボールの丸橋の対応ミスから山下がカバーに入るもゴチャゴチャっとしてしまい失点。
33分に丸橋からのロングボールを杉本がキッチリ競り勝って山口に落とし持ちだしたボールを再び杉本に渡して決めるという個の力で同点に追いつくものの、セレッソのミスにヴィアティン桑名の積極的なプレーに加わった形で何度かカウンターを浴びた後にセットプレーから失点し再びビハインドの状況に。
しかし交代で役割を徐々に代えその狙い通りの形で同点に追い付くと桑名の足も止まり始め、90分では決められなかったものの延長で阪本の2得点でセレッソが勝利する事となりました。

2失点もそうですが、スコア上76分までは常に桑名に先手を取られていたし、中2日で川崎戦があるのに120分戦ったという事でネガティブな印象もあるかも知れませんが、失点や何度か作られた危ないシーンも比較的原因がハッキリしているミス絡みでしたし、現段階での完成度はまだまだという印象はあるものの中断前と比べチームとしての狙いややりたい事は見えていたので内容的にはそれほどネガティブなものでは無かったかと思います。

■攻撃の形
ペッツァイオリ監督就任後初めての公式戦ということで注目の一戦となりました。
またヴィアティン桑名は4-4-2でプレッシング系というスタンダードなやり方を取るチームなので色々と見えるものも多かったです。
マッチアップ
まずシステムは中盤が逆三角形の4-3-3。延長線を含めて120分プレーする事となったこの試合で、途中選手の入れかえや役割の変更などもありましたが一貫してこの形で戦いました。
アンカーがCBの間に下がる
ビルドアップのスタートは、CBがサイドに広がり両SBを押し上げ、アンカーに入る扇原がそのCBの間に下りてくる。これで前線からプレッシングをかけたい2トップの守備をぼかし、フリーの選手を作ります。
フリーの選手がボールを持ちあがる
このフリーの選手から前線にパスをつけれるようであれば出しますが、もし前が相手に捕まっているようであれば、ドリブルでボールを運ぶ。
ここでボールを運ぶ事で相手の中盤の4人を動かし、それによってフリーの味方をつくろうという狙いです。

おそらくチームとして速く前にボールを運ぼうという狙いがあるんでしょう。前半は最終ラインから少し無理目の長いボールを蹴ってしまう事も多くちょっと急ぎすぎのシーンも見られましたが、ここが前任者との違いとして大きく違う点だったりするのでこれから修正されていくでしょう。
サイドの違い
スタート時点での形で特徴的だったのが3トップの両サイドの役割が違っていた事。
左サイドに入っていた南野はビルドアップの場面からどんどん中に入ったり、ボールを受けに下がってきたりしていましたが、右サイドに入っていた安藤はサイドに張っている。
左サイドで基点ができてクロスという場面ではそのクロスに合わせるように中央に入っていくのですが、組み立ての部分では右サイドは開くポジションをとって相手の幅を広げる役割は安藤が担い、そこからインサイドハーフの選手がCBとSBの間に飛び出すという形も見られました。
その反対、左サイドで相手を広げる役割をになっていたのは基本的にこれまで通りSBの丸橋。しかしこの南野が中に入って出来た左サイドのスペースに出て行くのは丸橋だけというわけでは無く、時間の経過とともに試合が少し落ち着きインサイドハーフの山口と長谷川のポジションが入れ替わった頃から、南野が下がってくると丸橋が中央に斜めに入っていきインサイドハーフの長谷川がサイドに出て行くという形も何度か見られました。
ゾーンの間に入る選手へのパス
またその南野が下がってくる形からのバリエーションとして15分ぐらいにあったのが、扇原から相手のボランチ2枚とCB2枚のちょうどどまんなかに入り込んだ長谷川への縦パス。
これは前任者の時には無い興味深い形でした。

ただ、特に前半はチームとしての完成度はまだまだだなあと思わせる部分もあって、前線3人とインサイドハーフを中心とした相手の守備を動かす為の動きが出せなかった事が出来ない時間も長かった事、そしてそれによって速い攻めを意識するあまり一発狙いが多かった事、また例えば展開の中でアンカーの扇原が前にでていけばインサイドハーフの山口が戻らないといけない所なのに2枚とも出てしまってカウンターでピンチになりかける場面を作ってしまった場面も見受けられました。
しかしこの辺りは、戦い方が変わった事にまだ慣れていないからという印象でチームとしての約束事が無いから個々で迷いながらプレーしてミスをしてしまうという訳ではなさそうなので、現段階ではまだ仕方ない部分かなと思います。これから徐々に良くなっていくでしょう。

■守備の形
守備の形では、就任直後よりゲーゲンプレッシングという言葉を使い素早い守備への切り替えから高い位置でのプレッシングという目指すとの事でしたが、桑名の攻撃が早いタイミングでまずロングボールを28番に当てるという形だったので高い位置からプレッシングをかけるという場面はあまりそれほど見られませんでした。
4-1-4-1での守備
なので守備の時によく見られたのは両サイドを中盤に落とした4-1-4-1の形。
桑名の攻撃はCBからやGKから早いタイミングでシンプルにまずは193cmの28番めがけて蹴って、そのセカンドボールを6番8番9番が拾ってスピードを活かしてスペースをつくという形のようですが、しかしこの28番が山下と藤本相手に全く勝てず、またジャンプの時にヒジを振ってしまいそのプレーで26分にイエローカードを貰ってからは満足に飛ぶことも出来なくなったのでおそらくこの試合で1度も山下と藤本に競り勝つ事はなかったかと思います。
桑名はこの形以外にボールを持ってから自ら仕掛ける再現性のある攻撃方法は無い様だったのでほとんどの時間は手詰まり状態だったのですが、攻撃のところで書いたアンカーでの判断ミスなどがあるとセカンドボールに対する素早い反応と積極的な飛び出しによってカウンターの形はつくられていました。
ただ、これも先に書いたように原因はハッキリしていたのでそれほど心配する事はないかと思います。
前線からのプレッシング
また時折あったウワサの前線からのプレッシングについては、桑名は3バック化といったプレッシング回避の方法はとらなかったので、前線の3トップの内2枚がCBなどのボールホルダーにプレッシャーに行きもう1枚は中盤に戻るという形や、他には特に右サイドで多かったのですが状況によってはインサイドハーフが前に出てプレッシャーをかけ、サイドに張り出した安藤は素早く中盤に戻るという形もみられました。
ただ、攻撃の時同様この時のインサイドハーフとアンカーの関係、特にアンカーに入った扇原のポジショニングでミスが見られてプレスがうまくはまらなかった時にCBの前にスペースを作ってしまう場面お見られました。
後半になって山口と扇原のポジションを入れ替えたのはこれが原因ですね。

しかし、桑名は競り勝てなくても他の方法をとったりせずにロングボールを蹴る事が多かったので全体的にプレッシャーをかけにいく回数自体が少なかったので守備方法については今後見えてくるものがもっと出てくるのかもしれません。

■試合中の変化
ハーフタイム
ハーフタイムにセレッソは酒本に代えて2種登録の阪本を投入。
安藤が右SBに下がり阪本は中断期間中のTMでもやっていた3トップの右サイドに入ります。
阪本投入後の変化
この交代でも前半同様右サイドに入った阪本は幅を作る為にサイドに張ったポジショニングを取り、そこで広げたCBとSBの間にインサイドハーフの選手が入っていく事に加えて、後半からはSBにポジションを下げた安藤は、前半の前線の選手の外側を回る事がほとんどだった酒本とは違い阪本の内側を狙うインナーラップや、また阪本自身もボールが入れば中央へドリブルで進入していくなどという形を見せるようになります。
68分~
しかしセレッソは決められずCKから失点してしまうと今度は長谷川に代えて楠神を投入。
楠神が3トップの左に入り南野がインサイドハーフに、また山口と扇原のポジションを入れかえアンカーには山口が入ります。
同時に桑名もスピードでその直前のカウンターの基点となっていた坂井に代えて土屋を投入し同じポジションに入れています。
両サイドともに開いたポジショニングをとる
ここで変わったのは左サイドに入った楠神がその前に入っていた南野とは違い右サイドの阪本同様にサイドに開いたポジションを取っていた事。
ここまでは3トップ両サイドの役割に違いがあったのですが、ここからはどちらも大きく開いて3トップで幅を作り、それで広がったCBとSBの間にインサイドハーフにポジションを下げた南野が入っていくという形が見られるようになります。
扇原と山口のポジションが入れ替わったのは失点前から続いていた人数が揃っていない内に受けるカウンターの対応でミスがでていたからでしょう。
そして実際に南野がCBとSBの間をついて同点ゴールを決めました。
78分~
この失点をうけ桑名は28番大倉坐ドゥグラスに代えて19番の青村を投入。

しかしセレッソはチャンスは作るものの決めきれないので延長線に突入してしまいますが97分に丸橋からの大きなサイドチェンジを受けた阪本が豪快に決めてセレッソがついに逆転。
109分~
延長のハーフタイムにセレッソは杉本に代えて新井場をこのキャンプ期間中に使われていたインサイドハーフに投入し、南野をCFに。
109分に桑名は身体能力系のナイジェリア人FW18番のジェロームを26番のボランチ野村に代えて投入するも、117分に楠神から南野と繋いで右サイドで完全にフリーになっていた阪本が2点目のゴールを決めて試合終了。
セレッソが4-2で勝利しました。

■その他
結果的には延長にまでなる試合でしたが、最初に書いたようにそれほどネガティブな印象は持ちませんでした。
桑名は特殊なやり方をするチームではなくスタンダードなやり方で走力もある好チームだったので、誤解を生む言い方かもしれませんが、この試合は現段階のセレッソにとっては非常に良いトレーニングとなる試合だったと思います。
本文中に書いた様に前線の動きの部分や中盤のポジショニングなど修正すべき点も多数ありますが、やろうとしている事が見えていたので攻撃でも守備でもこの試合で見えた問題点は十分修正の道筋が見えるものだったと思います。
もしかしたら修正の道筋が見えにくい状況や、チームができあがるには10試合かかるって事に慣れすぎてて、僕の判断基準がおかしな事になってるのかもしれませんが(笑)。

阪本将基選手トップチームデビュー戦での2ゴールおめでとうございます。

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