2014年7月18日金曜日

7/15 Jリーグ第12節 VS 川崎フロンターレ @ キンチョウスタジアム

セレッソ大阪11前半02川崎フロンターレ
0後半2
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
セレッソ大阪川崎フロンターレ
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK1杉山 力裕
藤本 康太4DF00DF3田中 祐介
丸橋 祐介14DF20DF5ジェシ
酒本 憲幸17DF10DF15谷口 彰悟
山下 達也23DF10DF8小宮山 尊信
扇原 貴宏2MF00MF16大島 僚太
山口 蛍6MF31MF14中村 憲剛
楠神 順平11MF52MF19森谷 賢太郎
南野 拓実13MF20MF23登里 享平
安藤 淳16MF21FW11小林 悠
杉本 健勇20FW15FW13大久保 嘉人
武田 博行1GKGK30新井 章太
染谷 悠太3DFDF2實藤 友紀
新井場 徹7DFDF7中澤 聡太
長谷川 アーリアジャスール5MF00DF20稲本 潤一
阪本 将基30MF0MF34パウリーニョ
柿谷 曜一朗8FW02MF18金久保 順
永井 龍9FW0FW9森島 康
17シュート11
12GK16
6CK2
11直接FK15
2間接FK2
1オフサイド2
0PK1
セレッソ大阪川崎フロンターレ
安藤(19')得点大久保(60')
金久保(76')
安藤→長谷川(67')
酒本→柿谷(83')
楠神→永井(83')
交代田中→金久保(HT46')
森谷→パウリーニョ(89')
小林→稲本(90'+5)
警告大島(79')
ジェシ(81')
南野(78')退場

ワールドカップ中断終了後の再開初戦となるのは、まずACL組による延期されていた12節。
セレッソは川崎フロンターレをキンチョウスタジアムに迎える。

セレッソは120間分戦った土曜日の天皇杯同様この試合も4-3-3。扇原をアンカーに入れ、南野が天皇杯のスタートポジションだった3トップの左では無く後半途中からのインサイドハーフにまわり、代わりに楠神がスタメンに入っている。
なので長谷川がベンチスタート。また天皇杯で2ゴールを決めた阪本もベンチに入っている。
そしてこの試合を最後にバーゼルに移籍をする柿谷もベンチに入っています。

一方の川崎も土曜日の天皇杯で120分間戦っていますが、天皇杯に続いてスタメンなのはGK杉山と左SBの小宮山のみ。そしてCBにはジェシが戻りもう1枚には谷口が入っている。

■マッチアップ
マッチアップ
川崎の4-4-2に対してセレッソは4-3-3。そしてこの日のセレッソは南野をインサイドハーフに置いて左サイドに楠神を入れた天皇杯で途中からの形という事で3トップの両サイドは大きく開いたポジショニングを取っていました。

■ビルドアップの形
天皇杯での1試合を経てこの試合の前半はセレッソがやろうとしている事がより出来るようになっていました。
ミスマッチになる扇原
攻撃面でポイントになったのはマッチアップで考えると浮く事になる扇原でした。
扇原がCBの間に下がる
川崎は立ち上がりに2トップがCBに襲いかかる形で前線からプレッシングをかけてきました。
しかしセレッソはそうなると、扇原をCBの間に落として3バックにする事で2トップのプレスを回避、時折ボールサイドのSHが追っかけてきて同数になるとGKのキムジンヒョンを使ってサイドを変えてプレスを外していきます。
CBがボールを持ち出してサイドで数的有利をつくる
後ろで2トップを外してサイドに開いたCBがボールを運ぶと、サイドで川崎はSHとSBの2人に対してセレッソは持ちだしたCBとSBと3トップのサイドで3対2の数的有利の形に。
ボールを持ちだしたCBが簡単にボールを出すと数的有利にはならないのですが、監督が代わりCBでボールを運ぶトレーニングをしている通り、CBとSBで相手SHを、SBとFWでSBをと局面毎に2対1の形をつくって外していきます。
実際19分の安藤の先制点もきっかけになったのはこのサイドでの数的有利からで、2対1の局面を順番に作っていき、楠神のカットインから杉本はシュートまでもっていけませんでしたが中央から流れたところを南野が折り返して安藤が決めるという展開でした。
相手FWとMFの間にポジショニング
このセレッソの動きに対して川崎は前線からのプレスが効かないということで前から追うのを止め、4-4-2の形でブロックを作る形になっていきます。
となると今度は扇原が最終ラインにまで下がらない。
2トップの少し後にポジションをとって2トップとボランチの間でボールを受けようとしてきます。
CBとSBの間をインサイドハーフが狙う
2トップとボランチの間で扇原がボールを受けるとセレッソのインサイドハーフに入った山口と南野の2人は、前線で開いたポジショニングをとる前線の両サイドが作ってくれたSBとCBの間のスペースに飛び出す事を狙う。
川崎のボランチは目の前にいるインサイドハーフの2人が飛び出していくので、扇原にまでプレッシングをかけるのは難しく、中盤で楽にボールを受けられるようになっていました。

またこの日攻撃で効果的だったのは丸橋からの斜めのクサビ。
扇原からのクサビは警戒してか川崎のボランチ2枚が中央を閉めるポジショニングを撮ってきましたがその分サイドは開きやすくなっており、先ほどのサイドでの数的有利が作りやすくまたそこでフリーでボールを持てる丸橋が斜めに杉本にパスを入れてCBをも動かす。
丸橋のクサビからのコンビネーション
36分頃に作った、左サイドの丸橋から杉本へのクサビをだして楠神に落としたボールを杉本についていたジェシとマーカーだった森谷の背後をとって中央へ入った丸橋へという形は崩す形としてはまさにパーフェクトでしたが、それを丸橋が中央に折り返してフリーの安藤が合わせるも杉山がセーブして川崎は事なきを得ました。
もしこれが決まっていたら試合展開も違うものになっていたかもしれません。

■守備の形
セレッソは守備も天皇杯に比べてかなり良くなっていました。
天皇杯の桑名とは違い川崎は後ろから丁寧にボールを繋ぐチームです。
なので前線からプレッシングをかけにいく場面がかなり増えていました。
インサイドハーフが前に出る
守り方で興味深かったのは1トップとインサイドハーフ・アンカーの関係。
相手のCBにプレッシングをかけにいくの前線に並ぶ3トップでは無く、CFとボールサイドのインサイドハーフの2人。そしてボール3トップの両サイドは下がり、またアンカーの扇原がスライドし、ボールと逆サイドのインサイドハーフは中盤にもどって4-4-2の形に。
中央でスライド
ボールが逆サイドに展開されると中盤に戻っていたさっきとは逆サイドにいるインサイドハーフが前にでてアンカーがスライド、そして先程まで前線にいたインサイドハーフが中盤に下がってくる。
ということでCFとインサイドハーフ、アンカーの4人がスライドする事で4-4-2の形になるようになっていました。
最終ラインに下がるボランチは追いかける
となると川崎はボランチの1枚が最終ラインに下りようとしてきますが、そうなってもアンカーとインサイドハーフでできた中盤の4の真ん中2枚の内1人がかならず追いかける。
前半はこのプレッシングが機能して川崎はなかなかチャンスをつくる事ができませんでした。
守備のスタートを相手ボランチからに
ただ、このプレッシングも常に前線から追い続けるのが難しいということで4-4-2の形にはなるものの守備のプレッシャーをかけにいく場所はCBを捨てて川崎のボランチからに変更。
背後をとってライン間でボールを受ける動きを見せる
しかしそうなると川崎もそれぞれの選手の後、各ライン間にポジションを取らせて1枚1枚丁寧に剥がして行こうとする狙いが徐々に見えて来るようになっていました。

■運動量の低下から川崎ペースに
ハーフタイム~
ハーフタイムに川崎は田中に代えて金久保を投入。丸橋と楠神+1枚でヤラれてたのが気になったんでしょう。
そしてその金久保は右SHに入って小宮山が右SBスライド、登里が左SBに下がる形に変更してきます。
後半立ち上がりは再びセレッソが前線からのプレッシングを始めチャンスを作り始めますが、天皇杯をほぼ同じメンバーで120分戦った後の中2日が影響してかインサイドハーフとアンカーでのスライドがすこしずつ遅れ始めます。

川崎も大久保が左サイドに流れて基点をつくり少しずつボールを持つ時間が長くなっていきました。
扇原の両脇を狙う
ワールドカップのギリシャ戦の前半で日本が狙ったように、アンカーを配置しているチームに対する狙いどころはそのアンカーの両サイドです。それまでは中央がスライドして4-4-2になることでその横のスペースを消していましたが、スライドが遅くなってくるとそこを消す前に使われる様になってきます。
扇原の両脇に入ってくる動き
先程も書いた様に大久保が左サイドに流れる動きに合わせて、後半から左SHに入った森谷が中央に入る動きやボランチの中村の相手の背後をつく動きで川崎は扇原の両脇でボールを受けるようになっていきます。
同点に追いつかれたPKもこの動きからで、山口の背後をとって扇原の横のスペースで中村がボールを受け、そこからのスルーパスで裏に抜け出した小林を藤本が倒してのものでした。
PKにはちょっと厳しいなあという印象はありますが、確かに藤本は小林のユニフォームを引っ張っているので、ワールドカップの開幕戦で西村さんによって示された基準でいけばPKでもしかたないかなと。

そしてこの同点ゴールで勢いを取り戻した川崎はどんどん前に出始めます。

67分~
67分にセレッソは安藤に代えて長谷川を投入。
そのまま3トップの右に入ります。ボールを奪ってもなかなか基点をつくれていなかったので、長谷川のキープ力で基点を作りたいという狙いでしょうかか。

しかしセレッソの運動量が落ちてスライドが遅くなっているのでプレッシャーも遅くなり、全体のラインが下がっていく。となると川崎は丁寧にボールを回してセレッソの守備をはがしていこうとします。

そんな中の76分。
金久保がスルーしたボールが丸橋の右足にあたって絶好の状態で再び金久保の前に。
それを左足で思い切って振り切った金久保が決めて川崎が逆転となりました。
川崎にボールは回されてはいましたが何とか守って崩されてはいなかったのでちょっとアンラッキーな面もある失点でした。

ここから試合をひっくり返すには相当なパワーが必要です。なのでそのためにどうするかとといっていたところ…大島の危険なタックルを受けた南野がもつれた状態で大島を蹴る報復行為で退場となってしまいました。
南野のレッドは報復行為だから当然ですが、大島のタックルも両足で挟み込むというかなり危険なプレーだったのでちょっと気持ちもわからないでもないです。(いや、わかっちゃいけない(笑))

83分~
南野の退場で一旦4-4-1の状態にしたセレッソは、83分に酒本と楠神に代えて柿谷と永井を投入。
長谷川を右SBに下げて、右から永井、杉本、南野の3トップにした4-2-3の形に。
ラストマッチとなる柿谷がなにかを起こしてくれるかと信じて前線に3人並べますが、ボールをしっかり持てる川崎相手に1人少ない状態というのはかなり厳しく、89分には森谷に代えてパウリーニョを入れ、大久保1トップで小林悠が右、金久保が左、トップ下中村憲剛、パウリーニョと大島のダブルボランチの4-2-3-1にして、さらにアディショナルタイムに小林に代えて稲本を投入し、ダブルボランチの後ろに稲本がアンカーとして入り中村憲剛が右に開く4-1-4-1に変えた直後に試合終了。

柿谷のラストマッチは乾のラストマッチ同様逆転負けとなってしまいました。

■その他
柿谷曜一朗については前回に書きましたので今回は割愛します。
この続きはまた帰ってきた時の楽しみにしておきます。

試合前に予想された通り「チームとしてやろうとしてるであろう事が出来れば勝つチャンスは増えるけど、ミスをするとヤラれる可能性も高くなる。」という展開で、うまくいっていた前半と足が止まってしまった後半で全く逆の展開になってしまいました。
ただ、公式戦2試合目にしてこの前半ができたことはポジティブにとらえていいと思います。
この試合でも前半の内に2点目をとれていればまた違ったものになったかもしれません。

これでリーグ戦は3連敗となり勝ち点・順位的には厳しい状況にはありさらに柿谷は移籍してしまいますが、この形を続けてボールを持った時の形、守備では前線から追えない場合の形など肉付けしていくことができれば面白いチームになっていきそうです。
今のドイツ代表のユース年代にかかわった監督という肩書き通り、今シーズンの中断期間前までに積み上げられていた組織力はたった2試合ですでに超えてしまっているのではないかと感じるほどです(笑)。
ただ、話はメチャクチャ長いですね(笑)。今回はセレモニーの関係で録画でしたが試合後のインタビューで名波氏はほとんど何もしゃべってない(笑)。

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