2014年9月6日土曜日

9/3 ヤマザキナビスコカップ Quarterfinal 1st Leg VS川崎フロンターレ @ヤンマースタジアム長居

セレッソ大阪11前半13川崎フロンターレ
0後半2
延長前半
延長後半
PK戦

スターティングメンバー
セレッソ大阪川崎フロンターレ
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
武田 博行1GK00GK1杉山 力裕
丸橋 祐介14DF20DF8小宮山 尊信
小谷 祐喜19DF01DF2實藤 友紀
山下 達也23DF00DF15谷口 彰悟
長谷川 アーリアジャスール5MF00DF23登里 享平
吉野 峻光15MF11MF16大島 僚太
平野 甲斐18MF02MF19森谷 賢太郎
キム ソンジュン25MF00MF18金久保 順
永井 龍9FW03MF10レナト
南野 拓実13FW20FW11小林 悠
カカウ33FW32FW13大久保 嘉人
丹野 研太27GKGK21西部 洋平
酒本 憲幸17DF1DF3田中 裕介
新井場 徹7MFDF4井川 祐輔
楠神 順平11MF0DF5ジェシ
岡田 武瑠24MFDF20稲本 潤一
フォルラン10FW01MF6山本 真希
杉本 健勇20FW0FW27安 柄俊
8シュート11
7GK11
6CK8
13直接FK13
3間接FK1
3オフサイド1
0PK1
セレッソ大阪川崎フロンターレ
南野(33')得点大島(07')
森谷(67')
レナト(71')
カカウ→フォルラン(71')
吉野→楠神(75')
永井→杉本(86')
交代登里→田中(HT46')
金久保→山本(57')
カカウ(45')
吉野(50')
フォルラン(76')
警告
退場

勝利が遠い状況で監督解任や強化部長の解任の噂についての報道が出てくるという最悪に近い状況の中で迎えたナビスコカップの準々決勝。
どちらもACLに出場していた為にこの決勝トーナメントからの参加となる川崎フロンターレとの対戦で、1stレグはセレッソホーム ヤンマースタジアム長居での試合となります。

セレッソのメンバーは、キムジンヒョンと扇原が代表、山口に加えて藤本と安藤が先週の神戸戦でケガ、さらに染谷が発熱で離脱とメンバー的にも厳しい状況で、右SBに平野、SHにはケガ後初めての先発となる吉野が入り2トップはカカウと永井の4-4-2。

一方の川崎は中村憲剛がメンバー外となったので大島と森谷のダブルボランチサイドに入りキックオフの瞬間は金久保と登里がサイドにはいる前回同様の3-4-3の並びとなっていました。

■3-4-3と4-4-2
キックオフの瞬間
キックオフ前のポジションでは登里が一列前にでる3-4-3になっていましたが、セレッソボールでキックオフで小林が追いかけ、南野の動きに合わせて左サイドの登里がついて行き最終ラインに入る4-4-2になりました。
登里が前に
しかし、それならと川崎の最終ラインでボールを持った時にセレッソがプレスをかけにいくと登里が前にでてやっぱり3-4-3の形に。大島や森谷は最終ラインに入る事はほとんどないのでセレッソがよくやってる様な扇原がCBの間に入る3バック化とは違う形ですが効果としては同じ事を狙っています。ただ、守備の時は基本的には登里は最終ラインに入る4-4-2になっていたのは前回リーグ戦で対戦した時の後半の事があったからかもしれません。
セレッソは川崎の形がかわりプレスがハマらないと判断したのか4-4-2で前から追う形ではなく高い位置でコンパクトな4-4-2のブロックを作る方法になっていきました。

 ■3バック化での狙い
3バック化した時のミスマッチ
 セレッソの守備は4-4-2、それに対して川崎が3-4-3になればWBが浮きやすい状態になります。
 具体的には3バックで2トップの守備を外されてボールを持ち出されたとき。
 この時にFWが外されているのでSHが出て行くとSBは前線の選手を外せないのでWBが浮く状況になるという事です。
 この時CBの持ち出しに対してFWが間に合ってればサイドの人数が合うので問題はありませんが、3バックだと3枚に対して2トップなのでそれもなかなか難しくなります。
またそれに加えて3バックだと通常の状態で後ろに3枚、逆サイドやボランチを入れると十分カウンターに対応できるだけの人数を揃える事ができるのでWBが一番前にまで出て行く事もできる。という事はSHをSBの隣まで押し込む事もできてしまう訳です。

開始7分に与えてしまった先制点の場面はどちらかと言えば後者で、大島のミドルシュートは見事でしたし、またディフレクションだった事もあるのですが、そもそもは南野が押し込まれた所で中央にパスを出されて、そこでキムソンジュンが簡単に外されたので思い切ってシュートを狙える状況を作ってしまいました。
セレッソの同点ゴール
さっき書いた様にセレッソの攻撃にも同じ様な形はあります。
それが同点ゴールのきっかけになったプレーで、キムソンジュンがCBの間に下りて山下がボールを持ち出した所で金久保が山下に行ったので前に出た丸橋が浮く形を作り出す事ができていました。
得点に繋がったのはそこから丸橋が斜めに永井へクサビのボールを入れたのが決定的で、丸橋のこのパスによってアウトサイドでのズレが川崎のDFラインに迄影響を与える事につながり大外で南野が完全にフリーな状態を作る事ができました。

■4-4-2での守備
この日のセレッソはボックス型の4-4-2でした。
ある記事では「ほとんどやってない4-4-2」と書かれていましたが、同じ形を取った事もありますし、4-2-3-1とボックス型の4-4-2は同系等の布陣ですのでそれほど大きな差異はなく「距離が遠く感じ、いい時に比べて連係が少なかった」としてもそれは布陣が原因ではありません。そもそもほとんどの試合で守備の時は基本的に4-4-2になっていますしね。
アウトサイドでズレが起こってる状況
先ほど書いた様に登里が前に出てきて谷口がボールを運んできた時に4-4-2で守る場合、FWが間に合わないと中盤の相手のダブルボランチ2枚に対してこちらも2枚で枚数が合っているので南野が登里か谷口かという2択を迫られてそこからずれていく形になっていました。そして失点シーンの様にDFラインの前にもスペースを作ってしまいます。
本来のポジショニング
なので本当ならば登里が出てきている場合はボランチが行く、そして全体的にもっとボールサイドに寄せ、ボールに寄せた斜め後ろにその両脇のポジションを取る。
相手のボランチや逆サイドの選手は最初の形よりも離してしまう事になりますが、一番守りたいのはゴールなので優先順位はボールとゴールの間、ですからそこを埋める事の方が重要だからです。
陥りがちなポジショニング
これは3バック化していない時も同様で、登里ががボールを持ったと時、この場合は外側に相手がいないので南野が寄せて、ボランチがマークをする形で相手をつかまえていました。
がこの形で守るとDFラインとMFのラインの間にスペースを作ってしまい、下がってくる大久保や相手の背後を取るのが上手い川崎に簡単にボールを回されていました。
セオリー通りのポジショニング
なので正しくはこのポジション。先ほどと同様相手のボランチは離してしまいますが、そこは優先順位は後です。
横パスが出た時の動き
もしここで大島にだされたら今度は長谷川が前にでて南野は身体の向きを登里に向けて下がる。
横パスであればこれをスライドして繰り返していくだけ。守るのは先ず人ではなくボールから見てゴールに近い方です。
このポジショニングについては序盤は全くできていませんでしたが、試合中にペッツァイオリは何度も指示していたので途中からは少し盛り返し、出来る時間もあり、出来ない時間もありといった状況になっていました。

■ミスからの2失点
後半開始〜
ハーフタイムに川崎は登里から田中に交代。田中が右SBで小宮山が左にまわります。
前半の途中で右ヒザを気にする仕草をしていたのでちょっと気になりましたが、どうやら序盤にあった接触の影響だった様です。

後半立ち上がりにポジショニングミスでレナトに決定的なシュートを打たれる場面がありましたが、それ以降は先ほどの正しいポジショニングが出来ている時間も増えていきます。
そしてそれができると前線からの守備もできるようになり、高い位置でボールを奪う場面も増えてセレッソが押し込む時間も増えます。
67分〜
そこで川崎は67分に金久保から山本に交代。山本がボランチに入り森谷が右サイドに。
前半から金久保は右サイドでバランスをとる難しい役割を担っていたんですが、ちょっと押し込まれてる時間が増えてきたのでという事でしょう。

セレッソが押し込んで川崎がカウンターをという流れの中、川崎のカウンターを山下がはね返したボールを受けた小谷がゴール前でなんと大島にプレゼントパス。
それを森谷が決めて川崎が1-2と追加点を決めます。
このゲームで2試合目の出場となる小谷はそれまでもいくつかミスがありましたが、展開といい時間帯といい状況といい、チームにとっては厳しい失点となってしまいました。

そしてそのショックもまだ冷めない内に今度は平野がレナトを倒してしまいPK。
ここまでは上手く守っていた平野でしたが、先ほどの失点もあってか小谷がカバーリングポジションよりもずっとゴールに近い位置にポジションをとっていたので大きなスペースで1対1をさせる事になってしまった事も影響しているでしょう。

何試合も続いている決められないという展開の中失点を重ねるという最悪の展開となってしまいました。
86分〜
その後セレッソはカカウに代えてフォルラン、吉野に代えて楠神、永井に代えて杉本を投入するもゴールは遠く、最後は川崎にボールを持って時間をコントロールされて試合終了。
焦りが原因か、ポジショニングミスの例
セレッソは良い形で守備が出来ていても中々ゴールを決められないと例えば図の様にSHが焦って前出て人に釣られてしまいスペースを作ってしまうから攻め込まれるという自分達でリズムを崩す典型の様な形もみられました。

■その他
今回はミスが大きく絡むという、良くもこれだけバリエーションがあるもんだなと思わせるぐらいの自滅でした。
小谷のミスは計算に入っていたとはいえ、あそこであの形となるとちょっと高すぎる授業料でしたね。
途中でも少し触れましたがこういった状況だと報道で煽ってきたり、原因探しにやっきになってちょっとした事でも「これが悪い」って言いたくなってしまいます。
困ったもんです。
こうなると(本来はそうでなくてもですけど)、色々想像を働かせたりする前に実際自分の目で見れるもの(試合)から見ていくしか無いんでしょう。
結果はもちろん最も大切ですが、結果から見るとどうしてもそれに引っぱられて見間違う事が多くなってしまいますから。

4 件のコメント :

  1. いつも楽しみにしています。このところずっと、報道などに振り回されて不安な気持ちで一杯でした。でも、
    そんな時、このブログを見ると気持ちが落ち着きます。自分にできるのは、スタジアムに行って応援の拍手をするだけなんですが、、。これからも、冷静な分析をよろしくおねがいします。

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  2. 初めまして、いつも更新有難うございます。
    サッカー経験も無く、ド素人なので、
    自前の戦術ボードと録画試合を見ながら試行錯誤をしている毎日です。
    このブログは大変素晴らしく、どのサッカー雑誌よりも楽しく見ています。


    監督、交代になってしまいましたね。

    驚きました。

    今年の一連の流れの中で初めてフロントに落胆しました。
    サッカーを知らない関係者に、
    目に見える改善策を提示しなくてはいけなかったのかもしれません。
    エクスキューズの意味合いもあるように思えます。

    また、何かしらの要因でマルコ側から匙を投げられた可能性も
    捨てきれないとも思ってます。

    さすがに今の上昇気流の中で、
    この決断は違和感がありすぎます。

    しかし、次の試合はもうすぐそこ。
    気持ちを入れ替えて応援するしかないですね。。。。

    Akiさん、折れないで応援しましょう!!

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      監督交代については別に書きましたが、まあこれだけ勝てないと何かをせざるを得ないというのも分からなくもないかなという感じもあります。
      とはいえ、サッカーは続きますもんね。
      応援しましょう

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