2014年9月10日水曜日

マルコ・ペッツァイオリ監督との契約解除を発表

201498日付けで、マルコ・ペッツァイオリ監督およびカルステン・ラキース ヘッドコーチとの契約解除が発表されました。
これで今シーズン2度目の監督交代。シーズン中に複数回の監督交代は、2004シーズン以来の出来事です。

2004シーズンといえば当初監督として発表していたナドベザ・ペーター氏が病気で来日できず、急きょ就任したフアド・ムズロビッチ氏はリーグ戦2試合とナビスコカップ1試合のわずか3試合で解任、その後を継いだアルベルト・ポボル氏も1stステージで解任となり、その後現徳島監督の小林伸二氏が務めるという3度の監督交代があったシーズンでした。古いサポーターにとっては思い出したくもない事がたくさんあった頃かもしれません。

ペッツァイオリ監督就任後の成績としては、天皇杯で三重県社会人リーグに所属のヴィアティン桑名とJ2最下位の富山に勝利しているものの、リーグ戦で9試合を戦い45敗で降格圏の16位に低迷していたので、ここまで結果が出ていない中だといたしかたない部分もあるかとは思います。日曜日のナビスコカップ準々決勝2ndレグではようやくJ1チーム相手の初勝利を挙げたものの時すでに遅し、すでに監督交代が決まっていたという事なのでしょう。
確かに9試合で勝点4ではかなり厳しい数字です。

個人的には今回の解任については前回のポポヴィッチの時よりも消極的でした。
というのもペッツァイオリは、現時点のセレッソに最も足りていないものである「論理的なサッカー」、を持っている監督だったからです。

セレッソは今シーズンを迎えるにあたっていろいろ変わりましたが、その中の最も大きな部分はレヴィ―クルピが退任したという事と言えるでしょう。
昨シーズンはレヴィ―クルピの下で4位という成績を残しましたが、2007年~2013年の間で(2012年前半は不在でしたが)もういっぱいいっぱいの所に来ていました。ヨーロッパなどでよく使われる「サイクル」の終わりという状態ですね。
ですので、今年はレヴィ―クルピからの脱却が大きなテーマだったと思います。2012年の前半に失敗し、この時も降格の可能性があったため再就任という形で無理に時計を巻き戻したという状態でしたので、再チャレンジする必要がありました。2012年を繰り返さない為に大物も補強したわけです。ここまでは大いに賛成できる部分でした。
ただ、ここから先を誤りました。

レヴィークルピからの脱却に必要だったのは論理的なサッカーだと思っています。
その理由としては、世界のサッカーそのものがその方向に進んでいる事。今やヨーロッパを中心とするサッカーの流れはかなりのスピードでその方向に進んでおり、先日のワールドカップでも見られたようにクラブチームよりも24年ほど遅れてると言われている各国の代表チームですらその方向がはっきりしてきているぐらいです。
そしてこの論理的な部分はレヴィ―クルピがあまり手をつけることができていない部分でもありました。
レヴィ―クルピの場合、手を付けなくてもそれなりに結果を残すことができていたのは彼の豊富な経験でカバーしていたからだったのですが、それは逆に言えばレヴィ―クルピがいなくなるとなくなってしまう部分でもあり、レヴィ―クルピとセレッソ大阪との組み合わせの中では限界でもありました。
もちろんレヴィ―クルピとの組み合わせでもチャンスがあればそれでもタイトル等の可能性はあったのでしょうけど現実的にいつまでも彼に頼ることはできないですし、クラブとして一歩進むためには「論理的なサッカー」に進む必要性があったと思っています。

しかし、シーズン開幕時に就任したポポヴィッチには論理的なサッカーはありませんでした。
さらにそこに様々な要因が加わりチームが崩れていくことになりました。
しかし、その後任として招き入れたペッツァイオリにはその論理的なサッカーがありました。
現在のサッカーでは守備でも攻撃でもセオリーとしてポジショニング等にきちんとした正解があります。
そしてトップクラスでは、そのセオリーを基に相手と自分とを踏まえていかに崩すかという応用問題で戦っています。
今までのセレッソはこのセオリーをしりませんでした。
もちろんセオリーでしかありませんからそれがすべてではありませんし、そのセオリーとは異なる考え方をとっている監督もおられますが、たとえ違う方法をとるにせよこれを知っているかどうか二は大きな違いがあります。
そしてセレッソだけでなく、他のJリーグのクラブでもこのセオリーをしらないまま、経験をベースにした知恵で戦っているチームがたくさんあります。先程のレヴィ―クルピと同じ方法論ですね。
しかし、先程書いた様に、チームにとっても、またこれからさらに上を目指していきたい選手にとっても、たとえ違う考え方を採用するにしても、今後の事を考えるとこのセオリーを知っているかどうかというのは本当に重要で、それを知っていて伝えることができるペッツァイオリは貴重な存在でした。
そこが今回の解任にあたって消極的であった理由です。
それは、ポポヴィッチとの結果を比較したりや、練習の強度がなんて声もみましたが、そういう成績云々とはまた異なる部分での話しです。

ただ、このセオリーはあくまでベースになるものであって、結果を担保してくれるものではないんですよね。
正しい事ができたからといって勝てるわけではない。この正しさを身に着けることができればベースアップになるのでさらに上には行きやすくなる事は間違いないんですが、あくまでベースであって結果と直結している部分ではない。
なので、ここまで結果が出ない期間が続いてしまうと、解任という方法も仕方ない部分もあるかもしれません。
ただ、今取り組んでいた事は今後のクラブや選手にとってかなり重要な事であることは間違いないので、もう少し我慢してほしかったという思いも捨てきれません。
そう考えると、結果だけでなく今後のセレッソにとっても何ももたらすことのなかった最初のポポヴィッチがもったいなかったというところになってしまうのですが.

とは言え、もう既に決定した事です。
しかもその内容は、これまでうまく回っていた下部組織からシーズン途中に代表を始め、監督・コーチを含めてまるまるトップチームに上げ、さらに昨シーズンまでトップチームのコーチとして勤め、今期はおそらくS級ライセンスを取るために別の部署に回した小菊氏も戻すという荒業です。

選手の個々の能力としては決してこの順位にいるべきものではないと思いますので、大熊新監督と宮本強化本部長がお話しされているように、目標を明確にした事で危機感を持ち、意識を変化することができれば十分できるだけの力はあるはずです。サッカーチームとしてのセレッソ大阪に期待しましょう。

しかし、今シーズンのゴタゴタについてはどういう事だったのかという説明は欲しいところですね。
監督と強化部はチームの成績に対する責任を負う人です。なので監督は2度交代し、強化部長の勝矢氏は実質降格の扱いとなっています。
そして社長は会社の経営の責任をとる役職です。
これまでのスポンサーを増やしたりやメディアを使う部分については利益を上げるという目標に対して素晴らしい効果を果たしていると思います。
しかし、今回のゴタゴタでは対応はそんなメディア対応も後手を踏んでいた印象がありますし、その結果これまで好意的だったメディアからも追及される立場にもなり、一方で報道や噂で言われ始めているような現場への介入がもし本当にあるのならばその利益にも影響するかもしれません。

もちろんサポーターは株主でもなんでもないので経営者としてその義務はありませんが、Jリーグではサポーターまでもを含めて「ステークスホルダー」という言い方をよく使いますので、もし本当に「ステークスホルダー(利害関係者)」だという考えであるならば、なぜポポヴィッチだったのかというところから勝矢氏の件も含めて説明してほしいなあとは思います。

4 件のコメント :

  1. ペッツァイオリまた戻って来たりしませんかね。。

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    1. コメントありがとうございます。
      何が起こるかわかんないとはいえ、さすがに戻ってくるのは難しいかもしれませんね。。
      タイミングの問題もあったんでしょうけど、難しいものですね・・・

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  2. 個人的には、1月からのスタートで、
    ペッツァイオリさんに再チャレンジさせてあげたい。

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  3. おっしゃる通り、
    「なぜポポビッチだったのか」
    と言うところが
    明らかにされるべきだと思います。

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