2016年5月9日月曜日

5/7 明治安田生命J2リーグ第12節 VS 愛媛FC @ ニンジニアスタジアム

第12節
2016年5月7日(土)19:00KO ニンスタ

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スタジアムニンジニアスタジアム主審松尾 一
入場者数7,740人副審八木 あかね、日高 晴樹
天候 / 気温 / 湿度晴 / 18.8℃ / 82%第4の審判員川崎 秋仁
スターティングメンバー
愛媛FC愛媛
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 木山 隆之
 
  • 監督
  • 大熊 清
愛媛FC愛媛
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目愛媛FCセレッソ大阪愛媛FCセレッソ大阪
FK17171312
CK2435
PK0000
シュート911613
警告/退場1/02/01/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 大熊清監督
愛媛FC 木山隆之監督

セレッソ大阪 杉本選手、リカルド・サントス選手、柿谷選手
セレッソ大阪 山下選手、田中選手、ソウザ選手、関口選手
愛媛FC 河原選手、西岡選手、茂木選手

ゴールデンウィーク連戦の最終戦は中3日で迎えるアウェイ愛媛FC戦はコンディション面でも厳しい試合となりましたが0-0で引き分け。ゴールデンウィーク連戦は初戦のホームで躓いたもののアウェイ連戦は1勝1分とし、3試合トータルで1勝1分1敗となった。

■メンバー

セレッソのメンバーは、前節途中で足にハリを訴えていた山下が別メニュー調整の日もあったという事でメンバーから外れる予想もありましたが、フタを開けてみると前節と全く同じスターティングメンバー。
ゴールデンウィーク連戦の初戦でメンバーを代えて敗れているので、なかなか変えづらいという事もあるのでしょう。
ただ、ベンチメンバーは中澤から椋原、扇原から橋本と2人の入れ替えがあります。

一方の愛媛は1週間前の松本戦から前線を入れ替え。1トップには阪野、シャドーは瀬沼と河原という前々節と同じスタメンに戻しています。
なのでベンチには近藤、白井というスピードあるシャドーの選手が入っています。

この試合、セレッソは中3日での松本、愛媛のアウェイ連戦という厳しいスケジュールとなっていますが、愛媛は前節が熊本地震の影響で中止となったアウェイ熊本戦の予定でしたので、中7日のしかもホーム連戦と日程的にはかなり厳しい中での一戦でした。

■左サイドで押し込まれるセレッソ

試合は立ち上がりから愛媛が主に右サイド、セレッソの左サイドから押し込むシーンが続きます。
ただ、愛媛が一番最初に仕掛けたのはセレッソの右サイドだったので最初から左サイドを狙っていたのかどうかは不明。右サイドでもその後左サイドで仕掛けられたものに近い形で押し込まれかけますが、次のタイミングでセレッソの左サイドに仕掛けた時の方が上手く行ったので、それを続けていたという流れかもしれません。
マッチアップ
押し込まれた要因の1つはミスマッチ。これ何度も同じ事を書いてますが、それだけピッチで同じことを繰り返しているって事です。
3-4-2-1の愛媛はボールを持った時に3-4-3っぽくなります。
なのでサイドが3対2の数的不利になっているんですけど、左サイドでいうと問題になるのがまずWBの玉林を誰が見るか。
林堂にプレッシャーをかけに行くと
3バック右に入る林堂がボールを持った時に、前からプレッシャーをかけさせようとブルーノ・メネゲウが前に出て行くと丸橋とブルーノ・メネゲウの間が開いてそので玉林がフリーになります。なので丸橋が前にでて玉林を捕まえに行く。しかしそうなると丸橋の後ろにスペースを作ることになるので瀬沼に出てこられてしまいます。
セレッソの守備は以前から書いているようにスペースに対する意識が低く、とにかく人に喰いつく。またそれぞれの守備の役割は曖昧ながらもなぜか前から捕まえに行くと良しとしている風潮があるのでこの状況がガンガン発生します。
丸橋が攻撃的な選手だからとか積極的に攻撃にでるからとか関係なく、裏のスペースを作ってしまって使われるのはそういう事です。
そもそも押し込まれてて攻撃できてない時間が続いてもそうなっているんだから、丸橋の選手としてのキャラクターなんて関係ありません。守り方の問題です。
ボランチがサイドに出てくる
セレッソの守備は役割がはっきりしていないのでただ人の並びが代わっいるだけでも押し込まれてしまうのですが、さらに愛媛はボールサイドのボランチがサイドに流れて人数をかける形も仕込まれていました。
セレッソの左サイドでボールを運んだ時に出てくるのがボランチの右に入る藤田。
玉林、瀬沼とトライアングルを作り人数をかけて崩しに来る。
プレビューでも書きましたが、愛媛はショートパスをつなぐ攻撃が上手いチーム。なので、トライアングルを作る意識も高く、また例えば瀬沼が引いて藤田がさらに奥に出て行くなどバリエーションが加えられていました。
で、押し込まれる原因となったサイドがセレッソの右ではなく左だったのは、右サイドでは杉本が前節の松本戦同様かなり献身的に人について行く。WBがシャドーを超えて前に出てもSBより低い位置にまで追いかけます。前節はその動きから3バックに入る喜山にボランチ脇にまで侵入される状況を作られたのですが、今節の愛媛は3バックがそこまで前に出てくる動きはせず、シャドーとWB、ボランチの関係で裏を取ろうというやり方だったので右サイドでは杉本はついていく分裏のスペースが生まれず、前節同様逆サイドの左サイドはブルーノ・メネゲウが受け渡すのでその分裏が空くという状況でした。

とはいえ、愛媛はいつもそうですがリスクマネージメントも忘れない。
先ほどの3バックが上がっていく回数が松本に比べて少ないとも書きましたが、打ち合いの状況になると個々の選手の能力が発揮出来る状況が増え、そうなると愛媛にとってはどうしても厳しい。なので、相手陣内にある時は5-2-3で1列目の3枚が迎撃型プレッシングでプレッシャーを掛けに行きますが、1列目の守備が突破される状況になるとすぐさま両サイドに下がって5-4-1に。
だからこそプレビューでも守備的なチームと書いたのですが、それは批判している訳ではありません。普通に考えて愛媛の選手が例えばセレッソに加入してきてもおそらく誰1人ポジションをつかむことができないでしょうし、もしかするとサブに入るのも厳しいぐらい戦力には差があります。なので彼らにとってはロースコアゲームに持ち込んで90分間でマネージメントするのがおそらく唯一の勝ち点3を取るための方法だという事で理解しています。

■思いつきの攻撃を繰り返すセレッソ

愛媛は守備でも時折セレッソのCBと降りたボランチに対して前線の3人でプレスをかける場面はあるものの、基本的にはリトリートの判断も速いのでセレッソがボールを持てる時間もあります。
ただ、愛媛の5-4-1の守備に対してセレッソは相変わらずチームとしての狙いが見えない個人の思いつきに任せた単調な攻撃が繰り返される。
愛媛の5-4-1
愛媛の5-4-1は中央の3バックとボランチ2枚がしっかりと中を閉める。1トップの阪野も自陣に戻って守備をするので一見押し込んでいる様に見える場面もあるが、セレッソの単調な攻撃ではこの中央の5枚を動かす事ができないのでボールを失う場面も多く、また個々の思いつきなので判断も遅い。
セレッソは最初のシュートを放つまでに35分もかかってしまったのですが、このGKの正面に富んだブルーノ・メネゲウが放った最初のシュートも一見コンビネーションよくシュートまで持って行っている様にみえてもシュートの場面には茂木が前に出て寄せ、コースにディフェンス2枚が入っていたのでそこまで良い形でもありませんでした。

そしてボールを持っていても中央が閉められているのでサイドに出す。サイドに出ると選択肢が限られてくるので、とりあえずクロスを入れていく事になるという展開も多くありましたが、結局これもサイドからの攻撃となる場面も多いのですが、これも愛媛にとっては想定内の形。前節にも書きましたが、サイドからの攻撃は横から侵入することで相手の3バックを動かしやすくなるのですが、個々の思いつきの攻撃を繰り返すばかりのセレッソにそんな狙いは微塵も感じられません。これだと47本クロスを入れてやっと1点取れるかどうかのレベルでしかありません。

前半最大の決定機は44分、田中裕介からの最前線のリカルド・サントスへのロングボールを西岡がはね返すもそのこぼれ球を柿谷がダイレクトでシュートした場面。
残念ながら柿谷のシュートは力が入りすぎてしまって枠を外してしまいましたが、何の脈絡もなく個の力万歳で作ったこの場面は大きなチャンスでした。
個々の力で何かをするしかない今のセレッソはこういうチャンスを決めきれるかどうかで勝てるかどうかという事になってくるんでしょうし、愛媛はこういうことがあるからリスクマネジメントを徹底するんでしょう。

■セットプレーから立て続けにチャンスを得るセレッソ

後半にも立ち上がり47分にCKのこぼれ球から再び上げたクロスが流れた所でソウザがフリーとなってシュートを放ち、50分にはFKからショートで繋ぎ柿谷が入れたクロスをリカルド・サントスの折り返しを田中がボレーシュートを放つ場面と立て続けにセットプレーからチャンスを掴みますが、どちらも決めきれない。
今シーズンのセレッソは高い選手が揃っているので、これも組み立てに関係なく物理的にセットプレーでチャンスを作れる場面も多いのですがここも防がれてしまいます。
また52分の山村のスルーパスでリカルド・サントスが抜け出しかけた場面は意図して作った形ではありませんでしたが、この試合のセレッソの攻撃の形の中で唯一変化がついた相手を動かす可能性のある攻撃でしたが、児玉の股を抜けかけたシュートは林堂にクリアされてしまいました。

■セレッソがボールを持つ時間が増える

後半立ち上がりにセレッソがチャンスを作った事で愛媛がより後ろに意識がいったのかもしれません。後半になると愛媛の圧力が弱まり、リトリートが前半以上に早くなる。その結果これは5-4-1の宿命的なところもあるのですが、前線に1枚しか残っておらずそこでかなりの時間を稼いでくれないとカウンターが繰り出せない。
なので愛媛がカウンターを繰り出す事もなくなり、また前半再三押し込まれたセレッソの左サイドでは後半からブルーノ・メネゲウのスタートポジションを下げ右サイドの杉本と同じように人について行く形にしたことで前半にやられたような形はとられにくくなっていきます。

ただだからといって攻撃は当然ながら思いつきでやっているので個人技爆発にかけるしかない状況。
チームとして攻撃の狙いや形が仕込まれてないので、中央でボールを持った時は選択肢がいろいろあるから個々の狙いが噛み合わず、またボールを持ってる選手も受けたい選手もお互いを伺いながらプレーする事になるので、プレーが遅くただただ横にボールを動かしているだけになる。ただ、サイドにボールが行くと選択肢が減ってクロスしかなくなるからとにかくクロスを上げる事になって、なんとなくサイドからの攻撃が増えるんですけど、さすがにそれでチャンスを作るのは難しいです。
72分〜
66分、愛媛は瀬沼からスピードのあるアタッカー、白井を投入。
3-4-2-1と5-4-1の愛媛ではシャドーがハードワークを求められるので疲れが見えた所で交代。
一方のセレッソは72分にE.D.H.Wを投入。杉本が左にまわり、関口は右に入ります。

ちなみにこの関口投入直前の68分にブルーノ・メネゲウが白井を手で引っ張ってイエローカードを受ける場面がありますが、このイエローカードはブルーノ・メネゲウがちょっとかわいそうでした。
ロングボールをソウザと阪野が競り合ったこぼれ球に対して白井が突っ込んできた所という状況ですが、そのロングボールを蹴られるときに山村が前に喰い付いているのでソウザが中央で1枚、そしてさらに最終ラインが下がっているので、開幕戦から言われているバイタルにスペースを空けてしまうというのをまさに体現してしまっています。
なのでブルーノ・メネゲウは遅れてでも行くしか無く手をかけてしまうんですよね。
ここまで攻撃で改善されていない事をメインに書いてきましたが、守備でも同じことを繰り返しているのは変わりません。

関口投入後の75分には柿谷の個人技から関口がシュートを放つ場面を作りますが、こちらもこれまでの試合同様選手交代では選手がフレッシュになる以外に特に何かが変わるわけでは無いのでセレッソに大きな変化はありません。

あと77分に松田のクロスを茂木の手にあたるシーンがありましたが、ハンドはとられませんでした。この場面は十分距離もあったし、茂木の手が身体から離れていたのでハンドをとっても良かったと思います。

そしてこの頃から愛媛は日程の有利もあってか、また勝ちを狙うために少しだけリスクをかけた事もあってか少しずつセレッソゴールに迫る場面も作っていきます。
しかしそこで立ちはだかっていたのはソウザ。
これまでの試合でもそうでしたが、こういうチームがスクランブルな状態になっている時のソウザはホントに強く、彼個人でかなりのピンチの芽を積んでいました。
最終メンバー
愛媛はその後84分に河原に代えて近藤を、さらに87分には阪野に変えて鈴木を投入。
セレッソも84分に杉本に代えて澤上を投入します。
愛媛の87分に入った鈴木隆雅はDF登録ですし、本来のポジションは左WBなのでなぜここで?という疑問を感じた方もおられるかもしれませんが、鈴木隆雅は元々FWというか南野をはじめ今のオリンピック代表で主力を務める多くの選手が選ばれていた2011年メキシコU-17ワールドカップの10番だった選手。ユースから鹿島のトップに上がってから左SBにコンバートされましたがどちらかといえばFWの方が本職です。

セレッソの澤上投入は関口の投入と同じ狙い。
特に何かが変わるわけでもなく、決して上手くいっているとは言えない戦い方ですが、それをフレッシュな選手をいれて続ける交代です。

愛媛にボールを運ばれる場面も作られながらもアディショナルタイムには澤上のクロスを関口が頭で合わせる場面をつくったもののGK児玉にセーブされ、そのまま試合終了。
0-0のスコアレスドローに終わりました。

■その他

以前にも書いたかもしれませんが、昨シーズン1年間J2を戦い「J2は以前と同じようにチーム間の戦力はJ1以上に差があるが、J2ではJ1以上にその差を埋めるために戦い方を徹底するリーグ」、そして愛媛はそれを象徴するようなチームだと感じました。
そして今回もやはり愛媛は愛媛でした。
何度も書いているように、セレッソは問題点を改善する気配すら無いというか、チームとして何かをやろうとしているが出来ないというよりも、チームとして何かをやろうとしているのかすらわからない、そもそも何かをやろうとしているのか?という状態なので、ちょっと厳しい状態は続くでしょうが、それでも個人技爆発でチャンスは作れるのでそこを決めれば勝つという試合が続いていくのでしょう。
そもそもここまで先発としてほぼ固定されている11人ですらチームとして何かを仕込んでいる形が見えないので、当然途中交代で入ってくる選手にも何かを仕込んでいる形も見えず、交代で試合が変わったりすることもありませんし、またもっというならメンバーを入れ替えた所で何かが変わるわけも無いでしょうが、幸いそれでもチャンスを作れるだけの力がある選手がいるので、とりあえずなんとか結果は重ねて欲しいところです。




http://your-action-kumamoto.jp/


1 件のコメント :

  1. 試合後の関口のコメントでも
    「流れの中でのコンビネーションも増やしていきたいという思いはある。」
    とあるように、選手の中にも不安を感じているんだと思いますが、監督がそうさせないのか?

    守備もゾーンで守ってボールホルダーへのプレスで空いたスペースはスライドして埋めるか、状況に応じてカバーに入るか、組織的にした方がバランスを崩さないのでいいと思うんですが。

    攻守に渡ってバランスの悪い今のままだと不安が一杯です。

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