2016年5月27日金曜日

明治安田生命J2リーグ 第15節 vs ファジアーノ岡山 プレビュー

2016年5月28日 18時30分:ヤンマースタジアム長居

予想スタメン

ACL、ナビスコカップがミッドウィーク開催だった関係で土曜開催がメインとなる明治安田生命J2リーグ第15節。セレッソ大阪は同勝点ながら得失点差で上回り現在2位となるファジアーノ岡山との対戦となります。
今回はファジアーノ岡山サポーターのゼロファジ(@ZeroFagi)さんとセレッソサポーターのキルシュさん(@Kirsch_CRZ)のお2人にご協力頂きました。

■ゼロファジ さんのファジアーノ岡山紹介

ファジアーノ岡山サポーターのゼロファジ(@ZeroFagi)さんに、ファジアーノ岡山を継続して追いかけているサポーターの立場からチームを紹介していただきました。

ファジアーノ岡山を率いるのは長澤徹監督で今年が2年目のシーズンです。
開幕からしばらくは従来の3421で戦ってきましたが、基本となるフォーメーションは3142で、ここしばらくはこの形で戦っています。
待望のCF赤嶺の加入により前線でのボールの収まりが改善されたことや、前を1枚ではなく2枚にできることから2トップのコンビネーションも活かしやすくなり、以前よりも前線でできることが増えてきた今季。その恩恵を受けて押谷がチームトップの6得点。なお赤嶺は2得点。

中盤は矢島・島田・伊藤で構成。アンカーはほぼ矢島が務めますがポジションはその時々で入れ替えることも。島田はレフティで運動量豊富でとびぬけたものはないですが平均的にいろんな仕事をこなします。伊藤はギャップを見つけるのが上手いタイプで矢島と並んでゲームを作れる選手です。

CB陣は竹田・岩政・篠原。竹田・篠原はファジアーノのCBの中では足元の技術が高い選手。竹田は右利きの左CBで、元々ボランチの選手です。
篠原はセレッソユース出身の選手で、長短のフィードに光るものを持っています。

攻撃のほうでは主に赤嶺や左WB片山へのロングボールと、アンカーに入ったリオ五輪代表矢島のを起点としたパスワークの2本が軸となっています。
左WBの片山は今季の目玉コンバート(元々FW)となっておりすでに7アシストを記録しています。右利きの左WBでロングスローはJ2屈指です。

一方守備では5122の形で守ります。以前はサイドの対応に苦慮しましたが、サイドに持ち込まれそうなときは中盤3枚の左右がそれぞれのサイドに出てスライドし523の形になって守ります。
これによりある程度外外のボール回しに間に合うようになり、たとえばボランチ脇などのスペースへ外からボールを打ち込まれるシーンはかなり減ってきました。一方ボールサイドと逆のサイドは放置ですが・・・
チーム全体としては右よりは左周りのボール回しが多く、左で攻めて右はバランスというカラーが割とくっきり出ていると思います。ちなみに右WBは加地です。
守備での問題は左右WBがそれぞれ1対1に不安を残すこと、中盤の選手がバクチ的な守備をやりがちですぐ最終ラインとボールホルダーがご対面しがちなこと、最終ラインにスピードがないことです。
そしてセカンドボールのコボレへの反応やトランジション時の反応がちょっと鈍く感じるときがけっこうあって、反応が遅れた次の瞬間に相手に置いて行かれてしまうときもしばしば。

主な得点源はセットプレーでここまでで21得点中10点がセットプレー関連のもの。伊藤、島田のCK,FK、に加え左WB片山のロングスローはすでに4アシストを記録しており、メイン火力に近い仕事ぶりです。逆にセットプレーでの失点はPK含み2点で、セットプレーだけで8点の黒字。これが今の順位に押し上げている原動力になっています。

ゼロファジ さんのファジアーノ岡山紹介
http://togetter.com/li/979127

■キルシュ さんのファジアーノ岡山研究

セレッソサポーターのキルシュさん(@Kirsch_CRZ)にもファジアーノ岡山を分析していただきました。こちらは普段から追いかけていない人の目から見たファジアーノ岡山です。

ファジアーノ岡山、基本陣形は5-3-2ないし5-2-3。守備の形が少し違うくらいで攻撃面ではそこまで違いはない。

まずは守備から。5-3-2のときは相手SBへのプレスはインサイドハーフがアプローチ。それに伴って3センターはスライド。5-2-3のときはシャドーが相手SBへのプレス役。
問題は2列目が横幅をどう守るのか。ピッチの横幅は4人で守ることが全体のバランスを考えると最適。そこを中盤を3や2にして守るなら工夫が必要。岡山の場合、ボールと逆サイドを捨てることで5-3ないし5-2の守備陣形を敷いてる様子。また単純な放り込みは岩政がいることもあって跳ね返される。

攻撃面では、5-3-2でも5-2-3でも極端な違いは無し。
ビルドアップは基本的に3-1か3-2の形(3バックとアンカーやボランチ)で数的優位を作りながらのビルドアップ。
ビルドアップでオープンな選手を作れたら、そこからは地上戦と空中戦の2パターン。地上戦ではインサイドハーフ(ボランチ)が相手のボランチを動かしてスペース作り。出来たスペースを押谷が使用する。空中戦は赤嶺狙ってフリックや落としで攻略していく。
そして、岡山の攻撃の最大のストロングポイントはロングスロー。19片山のロングスローはかなりの脅威。中盤でのスローインでも赤嶺の落としなどから一気に決定機に持ち込んでしまいます。

岡山の守備での弱点は、まず第1にライン間の圧縮が足りないこと。1列目と2列目の間、2列目と3列目の間、両方とも緩い。特に2列目と3列目の間。3列目(ディフェンスライン)の選手たちはスピード不足な面があり、裏を取られることを気にしてか、そこまでラインを上げたくないように見える。2列目が前へアプローチに行っているのに3列目はステイしているため、その間にはぽっかりとスペースが空く事が多い。
かといって間受けには迎撃するぜ!という雰囲気もそこまでなく、間でボールを相手に受けられるとそのままズルズルとゴール前まで運ばれることも。
また、2列目はボールサイドに寄りすぎる傾向。サイドにボランチ(アンカーとインサイドハーフ)が釣り出されバイタルスカスカになることも結構な頻度で発生している。

岡山の攻撃に対しては、第1にビルドアップをいかに阻害するか。愛媛戦では数的優位の前提を壊されて四苦八苦したように枚数調整で数的優位を破壊するか大人しく自陣撤退か。
今のセレッソでは、自陣撤退しても機能しない1列目の守備では簡単にボールを進められそう。

岡山の守備に対しては、ディフェンスラインの裏への攻撃と2列目のスライド問題を徹底的に攻略してほしい。岡山の守備はハッキリ言うと固くないです、穴があります。そこをちゃんとつつけるか。



キルシュ さんのファジアーノ岡山研究
http://togetter.com/li/979516

■ちなみに昨シーズンの対戦時は・・・

昨シーズンの対戦時1勝1分。アウェイでは引き分け、ホームでは勝利しています。
システムはどちらも3-4-2-1でした。

アウェイ対戦時の岡山は1トップに押谷、シャドーに今季はWBに入る片山とインサイドハーフに入る事が多い伊藤。セレッソは前線にフォルラン、玉田、カカウを並べトップ下にパブロが入るほぼ4-2-4の4-2-1-3。フォルランのクロスにパブロが合わせて先制しますが、中盤のバランスの悪さを突かれ劣勢となる時間帯も多くセレッソに取っては厳しい展開。しかしなんとか個の力で跳ね返していましたが、終盤に山口と押谷の接触プレーをファールとジャッジされPK。
1-1の引き分けに終わっています。

ホームでの対戦時は1トップに久保、シャドーには1戦目と同じく片山と伊藤が入り、この試合で初めて矢島がスタメンからボランチに。セレッソは玉田と田代の2トップによる4-4-2。
立ち上がりに丸橋のミスからピンチを招き岡山に先制を許しますが、スグに田代のゴールで同点に追いつき、前半のうちに玉田のゴールで逆転。岡山の守備に対してセレッソはボランチとCBのポジショニングからのビルドアップでボールを運び、その後は危なげなく2-1で勝利。
しかしこの試合でキャッチミスからの接触プレーでキム・ジンヒョンが鎖骨を骨折してしまいました。

■プレビュー

前節も引き分け8節から1勝3分3敗とあきらかにペースダウンしているセレッソは、今節に向けてメンバーを入れ替える模様。スピードに問題がある岡山の最終ラインに対して柿谷をワントップに配置。トップ下には推進力のあるブルーノ・メネゲウを入れ、前節セレッソデビューを果たした清原が右サイドで先発する可能性が高そうです。
また先発から起用するかどうかは微妙ですが、柿谷を活かすパスを出せる扇原や柿谷が空けたスペースを使える玉田の出場も可能性があります。

一方の岡山は前節同様トゥーロン国際大会に行っている矢島が欠場。伊藤がアンカーに入り、インサイドハーフには島田と関戸が入りそう。
また前節出場停止だった加地も復帰するので、両サイドは左に片山、右に加地という通常の形に戻す可能性が高そうです。
2トップは赤嶺と軸に押谷が入るのが基本になっていますが、前節途中出場した藤本の可能性もありそうです。

試合のポイントになろう所は、まず守備ではキルシュさんの考察にもありましたが、岡山のビルドアップに対してどうするか。
岡山のビルドアップは3バックの両サイドに入るセレッソU-18出身の篠原と元ボランチの竹田がポイントになっています。ここを1トップとトップ下の2人と両SHがどのように分担して、どこからどうやって守備をするか。セレッソの1列目の守備に問題を抱えている部分は選手個々の問題というよりも監督の問題なのでメンバーが変わっただけで根本部分が劇的に改善される可能性はほぼありませんが、ここから全体にずれてしまう可能性もあるポイントなので、コーチング等で上手くカバーしていけるかどうかでしょう。
もう1つはセレッソのビルドアップ。5-2-3でも5-3-2でも昨シーズンのホーム岡山戦の様に、CBとボランチのボックス型のビルドアップができればそれほど苦にはならないであろう部分なので、選手間で上手く調整してきたいところです。

ただ今回の様にメンバーが代わると、特に怖いのがセットプレー。
京都にセットプレー2発でやられ松本戦から変えたCKの守備ではリカルド・サントスが大きなポイントになっていました。
リカルド・サントスが先発から外れるとなると、この守り方もどうするか。ロングスローはもちろんですが、岡山はリーグNo1の得点力で、さらにセットプレーからの得点もリーグNo1。ここをしっかりと守り切れるかどうかになってくるでしょう。

2 件のコメント :

  1. 分かりやすい説明ありがとうございます。私はファジアーノを応援していますが大変参考になりました。

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    1. コメントありがとうございます。
      対戦相手のサポーターさんからコメントいただけるとかなり嬉しいです!

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