2016年6月9日木曜日

6/8 明治安田生命J2リーグ第17節 VS V・ファーレン長崎 @ 長崎県立総合運動公園陸上競技場

第17節
2016年6月8日(水)19:00KO 長崎県立

スタジアム長崎県立総合運動公園陸上競技場主審荒木 友輔
入場者数6,342人副審川崎 秋仁、和角 敏之
天候 / 気温 / 湿度晴 / 25℃ / 77%第4の審判員吉田 哲朗
スターティングメンバー
V・ファーレン長崎長崎
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 高木 琢也
 
  • 監督
  • 大熊 清
V・ファーレン長崎長崎
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目V・ファーレン長崎セレッソ大阪V・ファーレン長崎セレッソ大阪
FK8111413
CK6455
PK0000
シュート6111013
警告/退場2/01/02/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 大熊清監督
V・ファーレン長崎 高木琢也監督

セレッソ大阪 木本選手、リカルド・サントス選手、松田選手、清原選手
セレッソ大阪 山村選手、ブルーノ・メネゲウ選手、ソウザ選手
V・ファーレン長崎 永井選手、梶川選手


前節から中3日でのミッドウィーク開催となる明治安田生命J2リーグ第17節。セレッソ大阪はV・ファーレン長崎とアウェイ長崎県立総合運動公園陸上競技場で対戦し、アディショナルタイムに同点ゴールを決められる厳しい試合になりかけるも、直後にトップデビュー戦となる木本がゴールを決め1-2の勝利となった。

■メンバー

セレッソのメンバーはGKにキム・ジンヒョン。今節は国際Aマッチウィーク中の試合という事で欠場が予想されましたが、韓国代表の試合が開催されたのはヨーロッパでの6/5。その為試合前日の6/7朝に帰国する事ができ、前日練習の開始直後に合流することができました。
また扇原が前節退場処分を受けた事もあってボランチに入ったのはソウザ。15節の開始早々に負傷で交代し、先週は全体練習に合流することができていませんでしたが、今週に入って合流、そのまま先発復帰となっています。
またCBには田中が入り、ベンチには今季初となる藤本とルーキーの木本が入っています。

一方の長崎は、3-4-2-1から3-1-4-2に変更して5試合目。ここまで全て同じ先発メンバーを起用してきていますが、運動量が多いチームなのでこの試合は中3日という事もあって多少の入れ替えはあるかと思われましたが、この流れを崩したくないということなのか5試合連続同じメンバーを選択。セレッソから今季移籍した永井と佐藤洸一が2トップを組んでいます。

■開始直後のトラブル

8分〜
15節の岡山戦では開始早々にソウザが負傷交代してしまいましたが、今節は柿谷がファーストプレーで前田と交錯し足首を負傷。8分にリカルド・サントスと交代します。
攻撃の核であるエースの負傷交代で通常ならゲームプランの変更を強いられる所ですが、幸いにも今のセレッソにはその心配はありませんでした。

■3-1-4-2の長崎

プレビューでも少し書きましたが長崎の取る3-1-4-2のフォーメーションとその守備の特徴について整理します。
3-1-4-2ですが、ピッチの横幅を3人で守る事はほぼ不可能という事はサッカー界の常識としてほぼ結論が出ています。なので一般的には3バックのチームは守備の時にセットした状態になると最終ラインを3人のままで守る事はほとんどありません。(ポゼッション、ポジションベースの3バックのチームについてはちょっと横においておきます。)
その為に例えばJリーグのチームでは3バックのチームはセットした状態になると両WBを下げた5バック状態の5-4-1にして守る事が多くあります。時々3バックのチームに対して「5バックになるとダメ」といった事を判で押したように言われる事もありますが、5-4-1になって守るチームの場合はそれに当たらず、ポイントはそこではありません。
ただ、長崎のとる3-1-4-2のシステムの場合は実は「5バックになるとダメ」です。というのもそれは中盤が3人しかいないから。先ほども書いたようにピッチの横幅を3人で守る事はほぼ不可能だからで、実際は「5バックになるとダメ」なのではなく「3人で横幅を守らせる事がダメ」なんですね。
では長崎の3-1-4-2の場合、3バックなのでセットした守備の場合WBは下がり基調になる事はどうしようもありません。ではそこからどういう形で守るのかを整理してみます。
2トップによる守備
ほぼどんなシステムもそうですが、守備のスタートは2トップ。
CBにプレスをかけにいくかどうか、どこまで追いかけるかは状況によりますが、2トップはボランチへのパスコースを消しながら、時にはCBにプレッシャーを掛けに行きます。この時中盤の3人も絞ったポジション防ぐべきはゴールに最も近い距離となる中央ですから当たり前の事ですが、この2トップと中盤の3枚で中央突破を消し、ボールを奪えなくてもどちらかのサイドへ誘導を狙います。
4-4-2化
サイドに誘導するとボールホルダーにプレッシャーを掛けに行くのはボールサイドのインサイドハーフ。この図のように丸橋にでると前田が出る。そしてそれに合わせて中盤の残り2人もボールサイドにスライド。そして逆サイドの中盤にはWBが上がってきます。
つまり4-4-2の形になって守ります。
この逆サイドにWBが上がってくる事によってサイドチェンジにも対応できますし、またボールを奪った時にはそこから攻撃もできます。
これは左サイドに誘導した時だけでなく右サイドに誘導した場合も同様で、梶川が松田によせ田中と前田はスライド、逆サイドには岸田が上がってきます。

なのでボールの位置によってWBはSBになったりSHになったりとポジションを入れ替える訳です。
また長崎は3バックのサイドの選手が上がってくる事も多いのですが、それもこの変化をみればそのはずで、3バックの両サイドの選手はCBでもありますが、状況によってSBにもなる。なので上がってきます。

■長崎ができなかった事

長崎はキックオフから当然この形で守備を狙っていきます。
しかしこの形がほとんどとれませんでした。
その理由の1つはもしかすると中3日という問題もあったのかもしれません。気温25℃/湿度77%というコンディションの問題もあったのかもしれません。
セレッソのポジショニング
それ以外にもセレッソの選手のポジショニングも効果がありました。
ソウザが2トップの脇にポジションを取る、ブルーノ・メネゲウも前田と田中の間に降りてくる事で事で前田と田中裕人に、清原が梶川の横にポジションを取ることで梶川と松本に難しい判断を迫る。
本来なら例えばソウザは2トップが見るか、中盤以下全体がブロックをあげるかになるのですが、そこが上手くいかない。
なのでSBに上手くプレッシャーをかけられなかったり、また2トップと中盤の3人の間でボールを持たれたりする場面が出てきます。
また、実はこの形は前節岐阜戦でも立ち上がりからトントンとゴールを決めたものの、その後この2トップと中盤3人の間にボールを入れられそこから失点につながっているので、長崎としてはまだ改善しないといけない点なのかもしれません。
WB前にスペースがある状態に
これによって長崎はWBが前に出られなくなっていきます。
そもそもサイドが限定されていない、サイドに出た時にプレッシャーがかかっていないから裏を取られる危険性があるのでWBは前に出ていけなくなります。

そして13分のセレッソの先制ゴールもちょうどその形。セレッソのボランチがフリーになっている状態でサイドチェンジに対してWBは目の前に清原がいるので前に出られず松田がフリー。そこに梶川があわてて寄せますが間に合わず、松田が余裕を持って上げたクロスにリカルド・サントスが頭で合わせてセレッソが先制しました。

3-1-4-2の長崎にとってマズい状態5-3-2で守る形になっていました。

23分のブルーノ・メネゲウが抜けだしたシーンはリカルド・サントスが出そうとしたボールが偶然前田の身体にあたりDFラインの裏に向けてボールが転がっていくというアンラッキーなものだったので、これを守備の問題にするのは流石にかわいそうですが、基本的にはWBの前でセレッソが簡単に起点を作る事ができており、長崎の守備が全て後手後手に回るという形になっていました。
5-4-1で守る事に
この厳しい状態もあって長崎は25分頃から守備の形を変えます。
取ったのは梶川と佐藤が両サイドに入る5-4-1。5-3の状態がなんともならないので5-4にすることで守ろうという形です。
セレッソのCB+ボランチもフリーになりやすい状況に
長崎がこの形で守る事によって、セレッソはそれまでほどセットされた状態では簡単に起点を作る事はできませんでしたが、逆にセレッソは中央ボランチの位置でボールは持ちやすくなります。
5-4-1の場合は前線が1人になるのである意味当然です。
そして元々長崎がこの5-4-1(5-2-3)から3-1-4-2に変えたのはおそらくこの形では前線の1トップがどうしても孤立気味になってしまい攻撃にかかる事が難しくなるからだと思いますが、この状態で1点ビハインドの長崎は長崎の守備が5-4-1にセットしながらもスペースを消して守るわけでもなく前に喰い付き気味で守備をしてきます。
そうなると喰い付いて来る分スペースは出来る。という事でセレッソはここから長崎の中央を割る攻撃が出始める、27分のリカルド・サントスが抜け出しかけた場面や32分のソウザがクロスを入れた場面、39分のソウザのミドルは中央でボールを握られた場面で、それによって長崎の守備が中に絞り過ぎるてサイドががら空きになり、42分には丸橋のクロスを杉本がヘッドとチャンスを作りました。

ただ、セレッソが一方的だったかというとそうではありません。
相変わらずセレッソの守備はどこからどういう形でプレッシャーをかけにいくのかだったりがチームとしてできておらず、個々がその時々の判断で行うばかり。
となると4-4-2で守備をしているつもりでもそれぞれがバラバラで動いてしまうのでブロックになっておらず簡単に侵入される。
長崎の攻撃で最も怖いのは縦へのベクトルが強いショートカウンターだったりどんどん追い越してくる攻撃なのですが、長崎が思うような守備が出来ていなかったのでそこからスピードある攻撃もできず、最後の局面で山下や田中、山村、ソウザらがボールを奪う事で何とか対応する事ができていました。

■グダグダな後半から怒涛のアディショナルタイムに

後半開始〜
ハーフタイムに長崎は左WBを松本から中村に交代。
また5-4-1になっていた形を再び3-1-4-2に戻します。

前半よりも守備の形を徹底してきた長崎ですが、それでも2トップと3人の中盤の間に侵入されるので、セレッソは立ち上がり早々にリカルド・サントスが抜けだしかける場面を作ります。

しかし後半はセレッソも足が止まり始め、長崎が攻めこむ場面もてかなりオープンな試合になっていきます。どちらもバタバタしているといった方が良いかもしれませんが…
65分〜
セレッソは65分にソウザに代えて木本を投入。
ソウザはこのゲームの中では能力の高さを感じさせる流石のプレーを見せていましたが、あくまで今週復帰した選手という事でここで交代させたのでしょう。
デビュー戦となる木本はトップのゲームに少し戸惑いも見られ、また木本だけでなくチーム全体が動けなくなっており、そうなると守備組織に問題を抱えてるセレッソはブロックに侵入される回数もさらに増える。長崎がビハインドの状況もあり少し前掛かりになっていた事もあるでしょう。
78分〜
75分にセレッソはブルーノ・メネゲウに代えて澤上を投入。そのままのポジションで起用します。セレッソが少し下がり気味になっていたので前で攻守に頑張れる選手という事なのでしょう。
しかしそもそもの根本はブルーノ・メネゲウの運動量ではなく守備組織に問題があるのでやはり展開はかわりません。
78分に長崎はリ・ヨンジに代えて北川を投入。岸田が3バックの右に入り中村を右WBに北川は左WBに入ります。
86分〜
さらに長崎は86分に前田に代えて養父を投入。攻撃の起点を増やす狙いでしょう。
しかし長崎はボールを運ぶもののボックス近くでどうしてもセレッソディフェンダーを上回れない。サイドではスペースを得ているので近くまで持っていく事はできるのですが、シュートまではなかなかもっていけません。

このまま試合が終わるかと思われた92分。ロングボールのこぼれ球を右サイドで中村が拾うとその外側を梶川がオーバーラップ。そしてそこからマイナス気味に低いボールを入れるとセレッソのディフェンスラインは下がり過ぎてしまっており、そのボールに唯一反応していた永井がボレーシュート。なんとアディショナルタイムに長崎が同点に追いつきます。

しかしこの試合はここでは終わりませんでした。
再開後最初のロングボールは跳ね返されますが、それをもう一度丸橋が前に送ると杉本が雪駄こぼれ球をリカルド・サントスがキープ。このタイミングでスルスルと木本が上がっていく。
そしてリカルド・サントスが左にボールを運んで入れたクロスを大外で清原が後ろから上がってくる木本に落とすと木本がダイレクトで左足で流し込みゴール。なんとセレッソが94分に再び突き放すゴールを決めました。
長崎の守備も戻りきれていませんでしたが、清原がよく後ろから上がってくる木本を見ておりそこに落としたボールもパーフェクトでした。

そしてさすがにこのまま試合は終了。セレッソにとって2試合連続でアディショナルタイムに両チームがゴールを決め合うという試合でしたが、今節はちょうど前節の讃岐戦と反対の、セレッソの勝利となるゴールでした。

■その他

木本の劇的な初ゴールで何とか勝利することができました。
先週まではセカンドチームで練習をしていた木本がまさか澤上よりも先にゴールを決めるとは思いませんでした(笑)。
ただチームは相変わらずでしたけどね(苦笑)。

この試合は長崎の守備が思いの外上手くできていなかった。それによって個々の能力で勝負することができました。勝利するにはこういう試合という展開だったと思います。
前も書きましたけど、おそらく今後も改善はされないでしょうから、今後も勝つならこういう展開になるでしょうね。チームとして手を付ける事で改善しようという「アイデア」はありませんから。
そして柿谷の負傷が、右足関節靭帯損傷で全治4週間とのリリースがありました。
柿谷はそのずば抜けた個人の力でゴールを奪ってくれるのでかなり厳しくはなるでしょう。次節以降しばらくベースになってくるのは8分以降のメンバーになるかと思いますが、何とか勝ち点を重ねて欲しい所です。

そして少し話しがそれますが、
この試合中に前方パス比率のデータが紹介され、セレッソが22位との事でした。
もちろんそれはこのグダグダなサッカーがその結果を生んでいるんですが、ただその比率だけでは特に何も表していないと思うんですよね。
例えばセレッソの前方パス比率は22位で35%、長崎は10位で40%と紹介されていましたが、この比率は当然ボールを持つ戦い方が多いチームの方がパス数が増えるので絶対に低くなります。
ちなみに前節までの実数でいうと長崎は縦パスを159本トライしていて成功は81本。成功率は50.9%。ちなみに長崎の総パス数はリーグ17位です。一方リーグ4位の総パス数のセレッソは縦パスを165回チャレンジして96回成功、つまり長崎よりも実は縦パスにチャレンジした本数も成功した本数も多いのです。
なのでこの比較はあまり意味がないんじゃないですかね。



http://www.j-league-store.jp/j-league/


6 件のコメント :

  1. アキさん、レビューありがとうございます。
    あのまま引き分けて、責任問題になる事を望んでました。
    なので、素直に勝ちを喜べないので辛いです。

    これから暑くなって運動量が落ちますよね。
    J2のチームは運動量を求められるサッカーしてるので、
    セレッソが勝てるゲーム展開が増えるでしょうか?
    選手層は厚いので、コンディションを優位に戦って欲しいです。

    最後にスカパーの実況も、日本テレビの高校選手権みたいな感動話っぽいのが
    増えたような気がします。

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    1. コメントありがとうございます。
      もはや勝ち負けに関係なく決断しても良いような気がするほど、どうかな?と思っています。
      J2は運動量という部分がある反面、相手のミス待ちの意識も強いので夏場以降はよりその傾向が強まるでしょうね。
      感動話はしょうがないと諦めています(笑)

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  2. 今のサッカーでは昇格を望めないどころかグダグダで観客数が減りそうなのでどうにかして欲しいですね。
    今は代表経験のあるスター選手が何人かいて、時折、事故ったゴラッソをやらかして何とかなってますが。

    アディショナルタイムの失点がこの試合で3点目、多いような気がします。
    シーズン当初から脆い守備ながらウノゼロで4試合ほど守り切りましたが、
    こうも決壊してきたのはどういった要因なのかよければ分析してもらいたいです。

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    1. コメントありがとうございます。
      シーズン序盤もきっちり守れていたわけではなかったですからね。
      そこを特にどうしようとする訳でもないのでどうしても失点の可能性は高まってしまいます。
      まあ攻撃もどうしようとしている訳でもありませんが(苦笑)

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  3. いつも分析ありがとうございます。

    先制点に繋がったソウザから山村を飛ばしての松田へのパスですが、
    たしか5月の松本戦の前に舞洲の練習を見に行った時、ボランチからサイドバックへの斜め前のパスを大熊さんが「こういう感じだ!」とか言いながら実演していたのを思い出しました。

    この日は長崎がスペースを空けてくれたのでフリーでクロスを上げることができましたが、松本戦では、そんな場面がなかったような。

    ホントはどうやってスペースを空けさせるかって動きを共有出きるようにして欲しいんですけどね。苦笑

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      そもそも何かを仕込もうという考えは全くなさそうですからね。
      ビックリです(苦笑)

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