2016年7月2日土曜日

明治安田生命J2リーグ 第21節 vs ロアッソ熊本 プレビュー

2016年7月3日 18時00分:うまかな・よかなスタジアム

予想スタメン
明治安田生命J2リーグ第21節はアウェイでロアッソ熊本と対戦。4月14日以降断続的に起こった震災から2ヶ月半を経て、本拠地うまかな・よかなスタジアムでロアッソ熊本がホームゲームを行います。


■ロアッソ熊本

今シーズン開幕からの5試合を4勝1分と好調で勝ち点を積み重ねていたロアッソ熊本。6節に清水相手に押し込みながらもカウンター2発で敗れ、7節には山口のパスワークに翻弄され連敗となったところで大きな地震が発生。練習どころか生活もままならない状態ながらも1ヶ月後の5月15日にフクダ電子アリーナでようやく公式戦に復帰したものの、本拠地うまかな・よかなスタジアムではとても試合が行う事ができる状態ではなく柏サッカー場、ノエビアスタジアム神戸を借りながらホームゲームを実施。この期間はやはり勝ち星を挙げる事は難しく4連敗。震災前の2連敗と合わせて公式戦6連敗となる。
しかし同じ九州の熊本から最も近いスタジアムでもあるサガン鳥栖のベストアメニティスタジアムでホームゲームができるようになるとその初戦である金沢戦に快勝。そこからの5試合を3勝2分と無敗で開幕当初の勢いを取り戻し、震災から2ヶ月半を経た今節ようやく本拠地うまかな・よかなスタジアムに戻ってホームゲームを開催できる事となりました。
現在のロアッソ熊本は勝ち点24の10位。しかし4試合少ない状態なので実際の順位はもっと上のチームです。7勝3分6敗なので震災前の2連敗と復帰直後の厳しい状態で喫した4連敗の計6連敗以外は負けがありません。

■ロアッソ熊本のサッカー

ロアッソ熊本のシステムは4-4-2。攻撃のキーマンは清武功暉。チームのトップスコアラーでアシスト王でもある背番号10ですが、しかし清武のワンマンチームということではなくFWには平繁や巻誠一郎。2列目には左利きのアタッカー嶋田や、2012年の札幌在籍時にも対戦している岡本らがおり、昨シーズンブレイクした齊藤和樹は磐田に移籍したがまとまりのあるチームになっているともいえます。

熊本の特徴は特に前半立ち上がりに見せることが多いアグレッシブな守備と、2トップと2列目の2人が絡んだ流動的な攻撃。
シーズン通じてのポゼッション率が50%を切っておりチームとしてボール保持にこだわる姿勢は全く感じさせませんが、ボールを持っても困るわけでも無く、そして縦パスが入ると両SBが同時に上がって横幅を作り、2トップと2列目2人の4人が流動的にスペースに向かって動きながら一気に加速して攻撃する様は、レヴィー・クルピ時代中期のセレッソの3シャドーを思い出す方も多いようです。
清武はFW登録で、攻撃の時に裏を狙う動きやサイドに流れる動きも見せカウンターでは前線の基点にもなる、そして守備の時にも4-4-2の前線で横並びになるので確かに2トップの一員なのですが、両SBで幅を作り、大きな枠を作った中で両SHが中に入る攻撃の形をつくりだすとど追い越されて間でボールを受ける中盤の一員の様な動きも見せ、両SHに入る嶋田や岡本と近い距離で攻撃をしかけるプレーも多く非常に捕まえづらいポジションを取る。
嶋田や岡本も中に入って間でボールを受け、また個人技で勝負できる選手でもあるので厄介です。そしてこの形を成立させているのが両SB。彼らは中盤でもプレーできる選手で、特に右SBの黒木は昨シーズンは片山が離脱していた事もあって左SBを務めていたので右サイドから中に入ってくる動きも見せる。
そんな熊本の攻撃でポイントになっているのはトップに入る縦パス。
ここが収まるかどうかが大きなポイントでここにボールが入った瞬間に全体にスイッチが入る形になっています。先ほどクルピ時代のセレッソと例える人も多いと書きましたが、このあたりの仕組みが少し違っているところでしょう。
このFWへの縦パスでポイントになっているのも清武。清武は身体も強いのでぶつかられる事もそれほど苦にしておらず、また機動力もあるのでスペースに出て受けることもできる。平繁も近いタイプなのでここでボールを収まるかどうかが大きなポイント。そして全く違うタイプとして巻もおり、誰が入るかで組み立て方は変わってくるが、どちらにせよここに入った瞬間に先ほどの流動的な攻撃がスタートする。

守備に関しては、両SBを同時に上げるので失った時の高い位置での守備がポイント。ここでアグレッシブにアプローチをしてくる。ただここをかいくぐられると、クルピ時代のセレッソ同様両SBの裏に大きなスペースがありここを基準にCBをずらして守備の形を崩すことができるので狙い目でもあります。
この両SBの裏は結果的には今のところ収支がプラスに出ているので問題はありませんが、クルピもこの問題を最後まで解決できなかった部分なので、最初のプレスをかわす形が準備できるチームは比較的簡単にカウンターからチャンスを作ることができそうです。
また守備ではリトリートする形もありますが人に簡単に喰い付くのでそれほどの強度はありません。それもあってか京都戦では試合開始から行った3バックもオプションとしてあり、試合終盤には人数をかけて守る形を選択することもあります。

また最初にも書きましたが、熊本は立ち上がりから飛ばしてくる事が多いチームでもあります。
立ち上がりは前線からアグレッシブに守備をしかけ前線4人が絡むショートカウンターを繰り出す。しかしその分後半に足が止まってしまう事も多く総失点18の内61分〜75分で6失点。76分以降に5失点と全体の半分以上の失点が61分以降に喫しています。

■プレビュー

セレッソのメンバーですが、基本的には前節と同じ。ただボランチには無事登録が済みこの試合が復帰戦となる山口蛍が先発する可能性があります。その場合は山村が外れることになりそうです。

一方の熊本は震災の為延期分の8節京都戦をミッドウィークに戦っていますが、この試合で多くのメンバーを入れ替えてきました。ですからこのホーム復帰戦となるこの試合には現時点でのベストメンバーで挑んでくるでしょう。

ポイントとしてはこの試合には様々な思いがある熊本ですから、立ち上がりにはおそらくアグレッシブにしかけてくるはずです。
セレッソとしては決してここで失点しないこと。それをどこまで認識し準備できているかに不安はありますが、どんな形でもいいのでここを無失点で切り抜ける、また失点しても1失点までに抑える事が最重要ポイント。なので山下や田中が2トップを潰せるかどうかと、山口蛍を中心にボランチの奮起に期待したいところです。

攻撃に関しては、清原や玉田がどれだけ相手に捕まらない場所でボールを受けられるかも大切ですが、もし無得点で進んでも終盤には必ずチャンスが訪れるはず。
そこまででリードできていれば最高ですが、できれば同点、少なくとも1点ビハインドで持って行きたいところです。
それまでにも最終ラインの所にはスペースがあるはずなのでリカルド・サントスが強さを活かしてチャンスを作ることもできる可能性も高いので、攻撃のファーストオプションとしてはリカルド・サントスで勝負させるのも面白いかもしれません。

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