2016年12月18日日曜日

明治安田生命J2リーグ2016 全チームシーズンレビュー

12月4日のJ1昇格プレーオフを持ってで2016年のJリーグ全日程が終了。J1からJ3までの最終順位が確定し、昇格・降格チームも決定しました。
今回は2016年の明治安田生命J2リーグの全22チームを振り返ります。
セレッソ以外のチームは全試合見たわけではありませんので、セレッソ戦やセレッソ戦の前後を中心とした印象ですのでご理解ください。


■2016年明治安田生命J2リーグ

J2は予算規模の差が大きく、戦力差の大きいリーグ。
セレッソや清水の様なJ1から降格してきたJ1でも中規模以上の予算を持つチームとJ3から昇格してきたチームなどとといった予算規模の上下の差、比率が同一リーグ内で最も大きいのがJ2です。
しかしその中でも2014年にJ3というカテゴリができたことでJ2にも降格という概念が生まれることに。その結果戦力差を埋めるための戦い方が徹底されるようになったというのがここ数年のJ2の流れではないかと考えています。
そしてそこで猛威を振るう様になったのはJ1では採用しているチームの少ない3バック。それも5-2-3や5-2-1-3といった中盤の人数を減らした形がベースになっているものが多いのが特徴で、J2には高い位置からのプレッシングをかけられた時に個人で剥がすことができる選手がほとんどおらず、またその仕組を作る事ができないチームがほとんど。なのでプレスを回避するためにはロングボールを多用する。その結果中盤の人数を減らし、高さのあるFW、そしてセカンドボールを拾えるアタッカーが重宝され、それに対して人数をかけて守るというJ2ならではのスタイルが確立されたのでしょう。
今季も優勝した札幌の他、3位松本、6位岡山などがこの考え方に則った構成のチーム。上位に入ってきているのでまだもう少しこの形は続くかもしれません。
しかしここまで3チームあるJ3からの昇格組はいずれもこの形を使わず残留を果たしているのが興味深いところ。個人的にはこのJ2特有の3バックのコンセプトにポジティブな印象を持っていないので、今後はJ3からの昇格組などに新たな風を吹き込んで欲しいところです。

■各チームのシーズンレビュー


1位 北海道コンサドーレ札幌 25勝10分7敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1分
3人の外国人を入れ替えて挑んだ今シーズン。開幕前に札幌の優勝を予想した人はそれほど多くなかったのではないでしょうか。13節に首位に立つと後半に少し失速したものの最後まで首位であり続けました。
その要因となったのは前線の攻撃力。トップ下を置く3-4-1-2の布陣をメインにしていた札幌は、3人が前残りしながら5-2で守るという一見リスクがありそうな形でしたが、前残りしている選手がカウンターで追加点を決めていった事で先制した試合の勝率、前半をリードで終えた時の勝率が共にリーグナンバーワンとその収支がプラスに出たという事でしょう。
その前線のタレントとしてはチーム得点王の都倉や前線でテクニックを見せたジュリーニョ、エールディビジでプレーしていた幅広いプレーができるヘイスも効果的でしたが、その中でもより効果的だったのはチーム唯一の全試合出場選手ながらもフル出場が1試合もない、1人だけ全く異なるタイプの内村だったと思います。
しかし一方でシーズン後半にみせた失速もこのチームの戦い方が原因。どうしても前後分断になりやすい戦い方であったからでした。とはいえ、個人的にはもう少し早く失速するのではないかと予想していたこの戦い方で何とか終盤まで持ちこたえた四方田監督の手腕は見事だったと思います。
しかしこのままだと、来シーズン戦うJ1ではかなり厳しいシーズンになることが予想されます。
その事はおそらくクラブも理解しているはずでしょうから、来期はどういう戦い方をするのかに注目したいところです。

印象に残った選手 ク・ソンユン
都倉でもジュリーニョでも内村でも良かったんですが、最初大怪我してリハビリばっかりしてた頃を見てたので、ここはク・ソンユン。
国際移籍が可能となる18歳になってすぐにセレッソ大阪U-18に加入するというネクストキム・ジンヒョンとして期待された逸材は、セレッソにいた頃から190cmを越える身長でスケールの大きなプレーは見せていましたが、正直ここまで一気に伸びるとは思ってませんでした。やはりサッカー選手は試合に出てなんぼだなと思わされます。セーブ率1位おめでとうございます。


2位 清水エスパルス 25勝9分8敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1敗
クラブ史上初のJ2を戦う事になった今シーズン。序盤は勝ち点を重ねる事ができず、ほとんどの時期をプレーオフ圏外となるなど苦しい前半戦となりましたが、ラスト9試合を9連勝、13試合を12勝1敗と後半戦は一気に順位を上げ、41節に初の自動昇格圏となる2位に入るという怒涛の追い上げでJ1復帰を決めました。
小林サッカーの特徴は攻守において4-4-2のポジションバランスを崩さない事だと考えていますが、シーズン序盤の勝ちきれない時期は昨シーズンまでのサッカーの影響が残っていたのでどうしても行き過ぎたり、行かなさ過ぎたりという状態があったように思います。
しかしシーズンが進むに連れ、守備時のバランスを整えボールを奪う事ができれば攻撃でも大きくバランスを崩す必要がないという事がチームに浸透し、安定した守備と、チョン・テセと大前という2大看板が活きる爆発的な攻撃力を併せ持つ強力なチームに仕上がったということだと思います。
しかし、セレッソとの10/2の第34節のヤンマースタジアム長居での試合は小林監督にしてはかなり珍しく自らポジションバランスを崩した交代をしたのでかなり印象に残っています。
この試合に負けると自動昇格圏となる2位以内がかなり厳しくなるという土壇場だったためにとったであろうかなり思い切った采配でしたが、それが逆転勝利につながるという今シーズンの清水にとって大きな試合だったと思います。

印象に残った選手 鄭大世
最初の対戦ではコンディションが悪く動けてない印象でしたが、中盤以降はさすがでした。
小林伸二監督のサッカーは横からの攻撃がメインとなりますが、そのフィニッシャーとして抜群の存在感を見せていました。得点王おめでとうございます。


3位 松本山雅FC 24勝12分6敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1敗
昨シーズンのJ1で得た通用したこと、通用しなかったことを踏まえJ1復帰を目指し、後半戦に入るとセレッソと入れ替わるように2位となりそのまま逃げ切るかと思われましたが、最後の最後に3位転落。後半戦はわずか2敗しかしていませんがプレーオフにまわる事になり、さらにプレーオフでは過去2シーズンの戦いで1勝もしていない相性の悪い岡山との対戦。ここでも最後の最後の失点で準決勝敗退となり、来シーズンもJ2で戦う事になりました。
松本が今シーズントライしたのはどうやらボールポゼッション。ボールを保持することで相手の攻撃を受ける時間を減らそうという狙いだったのでしょう。
その結果今シーズンのポゼッション率は50%超え、J1だった昨シーズンはもちろん、昇格した一昨シーズンも45.1%とリーグワースト2位だったチームですので大きな進歩と言えるでしょう。
しかし一方でそのポゼッションからの攻撃は最終的にとりあえずクロスで終わるという形が多く、攻撃で効果があったかと言われると微妙なところ。守備の時間は短くなったもののやっぱり得点の半分以上はセットプレーからで、戦い方の幅が広がったというところまでには至っていません。
高さがあるGKのシュミット・ダニエルをフィールドプレーヤーとして起用するプランもあったという報道がありましたが、個人的にはその前にもうちょっと他にできることがあるように感じました。

印象に残った選手 工藤浩平
工藤はボールプレーヤーとの印象を持たれている事が多いようですが、個人的には動きで変化をつける選手、嫌なスペースに入ってくるのが上手い選手だと思っていて、今シーズンのキャリアハイとなる11ゴールはその特徴が堅いチームの中で活きたものだったのではないでしょうか。

4位 セレッソ大阪 23勝9分10敗
開幕から最終節まで同じ問題を抱え続け、それを改善する能力の無い監督に率いられた、昇格出来ないと何も残らない本当に苦しいシーズンでした。
ちなみに勝ち点は昨シーズンよりも伸ばす事ができ、得点も増えていますが、失点も増加。得失点差は昨シーズン以下の数字になっています。
詳しくは後ほどまとめを書きます。

印象に残った選手 杉本健勇
柿谷の怪我で色んなものを1人で背負うことになった杉本。リーグ終盤にはそれに押しつぶされかけたというか半分以上、いや実質的には押しつぶされた事になってしまいましたが、一昨シーズンにきっかけを掴んでいた本当に自分がやりたいプレーで覚醒。キャリアハイとなる14ゴールは本当に素晴らしかったと思います。


5位 京都サンガFC 18勝15分9敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1敗(天皇杯・プレーオフを含めると1勝1分2敗)
宮吉や駒井、原川、伊藤などが去る事になりましたが、元名古屋のスカウトを招き入れ開幕前に大型補強を敢行。開幕から5試合勝利なしとシーズン開幕当初は難しい状況に追い込まれましたが、エスクデロ、菅野、イ・ヨンジェ、堀米、アンドレイらが徐々に状態あげ前年の17位から5位と2013年以来となるプレーオフ進出を決めました。
京都で効果的だったのがカウンター等の縦に速い攻撃。ポゼッション率がリーグ5位の52.1%ながらも前線のイ・ヨンジェ、エスクデロ、ダニエル・ロビーニョはいずれもリーグトップクラスの突破力を持ちカウンターでスペースが有る時に輝きを見せ、また堀米の切れ味鋭いプレーも脅威でした。
ただ、4回戦った上での個人的な印象として今シーズンの京都は、例えばサイドの裏の取り方などの「こうやって攻めよう」という部分は結構準備してくるんですが、そこから先がわりと個の力任せ。個の力ではセレッソも負けていませんのでリーグ戦では勝っていませんがそれほど対戦相手として嫌な印象はありませんでした。
来季から監督を代えるようですね。

印象に残った選手 エスクデロ競飛王
久しぶりに実際のプレーをみたエスクデロですがいい選手になってましたね。以前からゴリゴリいけるパワフルな選手でしたが、残ってたイメージよりももっといい選手になっていたし、チームの中心選手になっていました。
ただ気になったのは守備面。エスクデロ本人だけでなく、2トップを組むもう1人の選手も、エスクデロがいると2人ともほぼ守備をしない、コンビを組む相手がエスクデロかどうかでかなり貢献度が変わっていた印象があるのですが気のせいですかね。

6位 ファジアーノ岡山 17勝14分11敗
セレッソ大阪との対戦成績 1分1敗(プレーオフを含めると1分2敗)
今シーズンついにクラブ史上初となるプレーオフ進出を決めた岡山。シーズンのほとんどを6位以内で過ごすという安定感もありました。
キーマンとなったのは岡山で2シーズン目のプレーとなった矢島。個人的にもシーズン開幕前から今シーズン最もブレイクする可能性の高い1人と注目していた選手でしたが、その期待通りの活躍を見せたのではないかと思っています。また今シーズンからWBにコンバートされた片山や、シーズン途中に獲得した赤嶺も当たったと言えるでしょう。
ただ、戦い方に幅があるチームではないので勝ちきれない試合が多かった事も事実でしょう。
その分プレーオフ決勝も含めて岡山に対して個人的には全くやりにくさを感じた事はありません。
岡山が松本に直接対決をしている直近2シーズンで負けが無いことも、岡山がセレッソに勝ったことが無いことも理由があると思っています。

印象に残った選手 伊藤大介
チームの顔といえば岩政や矢島、押谷だと思いますが、個人的には伊藤大介を推したいところ。もちろん何故か千葉時代に選手カードをもらった事があるという事が理由ではありません。
決勝のレビューでも書きましたが、矢島が活きるにはシャドゥにもなれてインサイドハーフにもなれる伊藤の貢献はかなり大きかったと思っています。

7位 町田ゼルビア 18勝11分13敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1敗
2012年以来のJ2復帰となった町田。昇格チームとしては最終節までプレーオフ圏内となる6位を争う事になったのは大成功と言えるでしょう。
4-4-2のコンパクトな布陣とそこからのサイドを活用した縦に速い攻撃は相馬監督らしいチームで、そこに抜群のキープ力をもつ異質な谷澤の存在も効果的。
タックルラインの高さがリーグ2位、シュートまでの平均時間がリーグ1位という数字が象徴的です。
町田との対戦はある意味今シーズンを象徴するような試合が多く、開幕戦は内容では圧倒されながらも山村の一発で勝ち、ホームでの試合ではセレッソが意味の分からない交代策を見せ完敗しています。

印象に残った選手 谷澤達也
相変わらず上手い、そしてウザい(笑)。キープ力は本当に素晴らしい選手です。町田の中では異質の選手で、速い町田の中に谷澤が入る事でよりチームの速さが活き、より谷澤のタメも活きたと思います。今季はレンタルだったようですが来季はどうなるのでしょう。

8位 横浜FC 16勝11分15敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1分
開幕3連敗スタート、監督の休養、監督交代と苦しい前半戦となった横浜FCですが、後半戦は勝ち星を増やし最終順位を8位にまで上げました。
そして8/7の第27節、キンチョウスタジアムでの試合は今シーズンセレッソの全ての試合の中で最もキレイにハメられた試合でした。この試合で話題になったのはカズのゴール。しかしレビューでも書きましたが試合のポイントになったのはそのゴールと同時に行われた永田の投入。
ここで4バックから3バックに変更、そしてその変更の形もハッキリとポジションを移動するのではなく少しずつずれていった事でセレッソの守備陣は混乱し逆転ゴールに。
今シーズンの横浜FCの逆転勝利は2試合だけでしたが、そのうちの1試合であるこの試合は中田監督の采配が見事にハマった会心の試合だったのではないでしょうか。

印象に残った選手 イバ
チームを引っ張ったのは得点ランキング3位のイバ。ノルウェーフットサル代表に選出された事があるという稀有なキャリアを持つ選手は、身長190cmと大柄で高さがありながらもフットサル代表選手らしく足下のテクニックも抜群。ドリブルも突破力があり、また強烈な左足を持つた今シーズンのJ2で最もインパクトを残した外国人選手でした。

9位 徳島ヴォルティス 16勝9分17敗
セレッソ大阪との対戦成績 2敗
シーズン序盤は勝てない試合が続きかなり苦しいスタートとなりましたが、チームの戦い方が徹底された後半は一気に勝ち星を重ね9位にまで順位を上げました。
最終的に出来上がったのは、佐藤晃大、渡、大﨑、山崎のハードワークができる前線と、変化をつけることができる木村、カルリーニョス、それを岩尾はカバーするというチーム。
根本的な考え方としては岡山に近いチームだと感じていました。
ただ、これまでも書いてきたようにこの系統のチームには今シーズンのセレッソは強いのでセレッソのシーズンダブルという結果につながりました。

印象に残った選手 広瀬陸斗
アンダーカテゴリーの日本代表で右SBとしてプレーしている姿を見て、水戸時代から密かに注目していた選手でしたが、徳島加入2年目の今季守備的なプレーにも自信がついてきたからか、元々の持ち味だった攻撃的なプレーも発揮できる機会が増え、攻守にバランスのとれたSBになってきたと思います。
個人的にはセレッソに来てほしかった選手の1人でした。

10位 愛媛FC 12勝20分10敗
セレッソ大阪との対戦成績 1分1敗
昨シーズンはプレーオフ進出と躍進を見せましたが今シーズンは10位に終わった愛媛FC。
今シーズンは期限付きだった選手も含めてほとんどの昨シーズンの主力を残す事に成功し、またさらに浦和から阪野、茂木が加入。昨シーズンよりも陣容は揃っていたとも言えるでしょう。
その結果負け試合は昨シーズンの15から10に大幅に減らす事ができたのですが、引き分けがリーグ最多の20。得点・失点共に昨シーズンとそこまで大きな差はなかったのですが、昨シーズンは先制した試合の内85%がそのまま勝利につなげていたのですが、今シーズンは55%。リーグ平均が約66%で55%はリーグ18位の数字ですから、これではプレーオフ圏内はやはり厳しいです。

印象に残った選手 瀬沼優司
昨シーズンも主力選手の1人ではありましたが、今シーズンはさらに存在感を増しキャリア初の2桁得点を記録。何でも一生懸命頑張る選手ではありましたが、それだけじゃなくようやく一皮むけた感がありました。
ただ監督共々山形に行っちゃうとのことなんで愛媛はまた1からですね。

11位 ジェフユナイテッド千葉 13勝14分15敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1敗
ついに2桁順位にまでなってしまった千葉。最後まで後任の長谷部さんは監督ではなく監督代行であったことからも様々な事情があった事が透けて見えますが、昨シーズン既に破綻していた前監督を継続せざるを得ず、そしてそのためには選手を大幅に入れ替えなければいけなかったというスタートが大きく響いてしまいました。セレッソは何とか踏みとどまる事ができましたが3バックへ移行する様は他人事ではありませんでした。
来季から指揮をとるファン・エスナイデル監督の評判は今のところ良さそうですね。昨シーズン終盤ヘタフェの試合は見た気がしますが、正直あんまり覚えていません。

印象に残った選手 井出遥也
対戦前に直近数試合は見るようにしているのでその中で最も印象に残っていたのは町田也真人なんですが、今季チームのエースだった町田は何故かセレッソ戦では2回とも出場なし。
なのでインパクト抜群だったアウェイでの試合でサイドから中に入ってくるプレーでセレッソの3バックを崩壊させた井出遥也にしました。

12位 レノファ山口FC 14勝11分17敗
セレッソ大阪との対戦成績 1勝1敗
今シーズンのJ2で最大のサプライズ、個人的に最もインパクトを感じたチームがレノファ山口でした。中盤の低い位置で庄司がフリーになる動き、そしてそこからの緩急を付けた縦パスで攻撃が加速、そしてダメだった時にやり直す事ができるという攻撃の仕組みがきちんと仕込まれている素晴らしいチームだったと思います。
試合のプレビューでも書きましたが、通常ポゼッション率の高いチームは1回の攻撃にかける時間が長くなるので必然的に攻撃回数は少なくなります。しかし山口はポゼッション率がリーグ1位でありながら攻撃回数もリーグ1位。これが「縦パスにチャレンジする、そしてそのパスが通らずロストしたとしてもすぐさま守備に切り替えボールを奪い返しに行く」という山口の魅力が最も現れている部分かなと思います。
ただ、このチャレンジした形からのボールロスト以外の守備は全てにおいて不足。リーグのタックル数ランキングで各チームのボランチの選手が並ぶ中、5位にCBの北谷が入っているのは「DFが球際で粘り強く戦うこと」のを表しているのではなく、守備でボランチがフィルターになれておらずCBがさらされてしまっていたことの証。これまではおそらくここまでだけで結果を残す事ができたんでしょうが、ここから先に進むには守備の改善は不可欠です。現在の魅力を維持しながら守備を改善する為にどのような形を取るのかには来シーズンも注目したいところです。

印象に残った選手 福満隆貴
ホントは右SBの小池だったり攻撃の基点だった庄司だったりするのですが、セレッソへ移籍するかもという事なので福満を。
福満はトップ下でプレーしていた選手で庄司がブロックの外から入れたパスの次のプレーを担っていた選手。トレーラーゾーンに入ってトップが落としたボールをワンタッチでスルーパスを出したり、また逆にSHに落とされると裏に飛び出しスルーパスの受け手になるプレーを見せていました。
このプレーを行う上で個人的に気に入っていたのは動きながらボールを受ける事ができて、そのまま動きながら次のプレーが選択できるところ。なので個人的には欲しい選手です(笑)。

13位 水戸ホーリーホック 10勝18分14敗
セレッソ大阪との対戦成績 1分1敗
昨シーズンの途中から指揮を取る西ケ谷監督ですが、就任したのはセレッソ戦から。で去年は2引き分けとセレッソが勝てませんでしたが今季はようやく勝利する事ができました。
個人的な印象として、西ケ谷監督は色々仕掛けてくる監督。今シーズンもメンバーを交代をせずに4バックから3バックに変化させたりしていました。
セレッソにとってはそういう色々仕掛けてくるところがやりにくさを感じるところでもあったのですが、それは自分たちのチームにとっても混乱につながり勝ちきれない一因になっていた部分もあったのではないでしょうか。ただ個人的には方向性は間違っていないと思いますので、継続が発表された来シーズンも頑張って欲しいと思っています。ただ田中雄大が抜けた穴は大きかったですね。
あと、これは直接関係ないですが、キンチョウスタジアムでの試合で同点で迎えたアディショナルタイムに、西ケ谷監督が叫んでいた「倒れろ!」が、大熊清がシミュレーションを指示してた風になってたのはちょっと面白かったです。

印象に残った選手 佐藤和弘
今季の水戸のキーマンは湯澤だったと思います。しかしセレッソとの試合では、最初の対戦のときはまだポジションを掴んでおらず、2度目の対戦のときは松田と交錯してイエローカード、そのままHTに西ケ谷監督が下げてしまったのでほとんどプレーしていません。
あとシーズン前半にインパクトをあたえていたのはJ2最強のエアバトラー三島。しかし途中で松本に移籍してしまいました。
という事で名前を上げたのは佐藤和弘。試合の時も散々言いましたが直近2シーズンで10得点なのに、キンチョウスタジアム2試合で3得点はやり過ぎです(笑)。

14位 モンテディオ山形 11勝14分17敗
セレッソ大阪との対戦成績 1分1敗
昨年J1で戦ったモンテディオ山形にとってはまさかの14位。開幕から8試合連続未勝利、さらに夏場にも10試合勝ちなしと、勝てない試合がとにかく続くという厳しいシーズンでした。
セレッソ戦で印象的だったのは山形のホーム開幕戦となった4節に石川、佐藤優平と主力2人が怪我で交代となり、シーズンの早い段階で長期離脱となったのは大きかったでしょう。
セレッソも含めてサッカーとは関係ないクラブの闇に取り込まれてしまうチームが多いですけど、地方自治体という闇は深そうです…
ただ来シーズンに向け既に木山監督の就任を発表。さらに主力選手もごっそり引き抜く形になりそうなので、どうなるか気になるところです。

印象に残った選手 川西翔太
大体大で村田、藤春と共に総理大臣杯優勝を果たしガンバ大阪に加入した川西が、怪我人の問題もあったとはいえいつの間にかボランチを務めていたのはちょっとした衝撃でした(笑)。しかもバランスの取り方も上手くボールも奪える、今シーズンの山形ではかなり重要な選手になっていたと思います。

15位 V・ファーレン長崎 10勝17分15敗
セレッソ大阪との対戦成績 2敗
昨シーズン6位でプレーオフ進出を果たした長崎でしたが、今シーズンは15位。2013年に6位となった翌2014年にも14位と落ち込んでいましたので今年も繰り返してしまったという感じでしょうか。
システムも3-4-2-1、3-1-4-2と使い分けていましたが、結局は定まりきれずという印象も拭いきれません。
個人的には最初の対戦の時に使っていた3-1-4-2にポジティブな印象はあったのですが、セレッソ戦でもそうであったように守備のときの4-4-2変換が上手くいかなかった試合も多く相手のSBをフリーにしてしまったり最終ラインと2列目の前にスペースを作ってしまう。これによりタックルラインが下がったり、昨年見せていたような高い位置でボールを奪ってのショートカウンターが少なくなったような印象があります。

印象に残った選手 永井龍
得点ランキング5位となる17ゴールを奪った永井龍。セレッソではあまり活躍出来ませんでしたが、移籍してこうしてブレイクしてくれるとほんと嬉しいです。
元々よくクリスティアーノ・ロナウドを真似していたようにドリブルで仕掛けてシュートをうつという様なプレーが好きなんだと思いますが、セレッソでそれができるほどの存在ではなく、また相手も引いてスペースを消して守ってくるので、特徴を出しきれずにいました。
それが、長崎でスペースがある状態で攻撃できるシーンも増えた事で、元々持っていたプレーが発揮できるようになったのでしょう。
来シーズンは得点王を目指して欲しいです。

16位 ロアッソ熊本 12勝10分20敗
セレッソ大阪との対戦成績 2敗
今シーズンは熊本にとって本当に大変なシーズンでした。それだけにJ2残留を果たせた事は大きな意味があると思います。
シーズン序盤の印象としては磐田に移籍した齊藤和樹が昨シーズン担っていた役割が清武功暉に代わったんだなという感じ。清武はキープ力があってゴリゴリいけるのでカウンターの槍としてはうってつけだったんでしょう。
そして昨シーズン対戦した時には、1回目と2回目ではかなり戦い方が変わるチームだなあという印象があったのですが、今シーズンも同様。今シーズン1回目の対戦はうまかな・よかなスタジアムの再開初戦という特殊なゲームだったのでまた別なのかもしれませんが、その試合だけでなく他の試合も含めて終盤は戦い方が変わっていましたね。
あとセレッソからシーズン中に移籍した小谷。セレッソ戦は契約の関係で出場できませんでしたが、加入後しっかりとポジションを確保。来シーズンからの完全移籍も決まり、これも嬉しい出来事です。

印象に残った選手 清武功暉
本人に直接関係のない親近感をセレッソサポーターから持たれている清武功暉。上にも書きましたが齊藤和樹同様カウンターの槍として熊本にとってかなり重要な選手だったと思います。
来シーズンは千葉に移籍する事が決まりましたが、どういった役割・ポジションで使われるのか気になります。

17位 ザスパクサツ群馬 11勝12分19敗
セレッソ大阪との対戦成績 2敗
昨シーズンは江坂がブレイクした群馬ですが、今シーズンは瀬川がブレイク。開幕戦で2ゴール1アシストと爆発しポジションを確保。おそらく服部監督は前線に高い選手や収まる選手を置きたいと考えていたんだと思いますが、勝てない時期が続いた事でシーズン途中から瀬川のポジションをSHからFWに移動。その結果、左SHの高橋駿太とともにスピード溢れる攻撃が武器のチームになったという印象です。
シーズン途中からポジションを掴んだ中村駿や山岸、また最後に大怪我をしてしまいましたが左SBの高瀬と昨シーズンにはいなかった新しい若い選手が活躍をしたシーズンだったと思います。
ただ、来シーズンはごっそり抜かれそうですね…
セレッソ的な部分でいうと、柿谷のヒールシュートも良いですが、個人的にはアウェイの2点目、杉本が決めたカウンターもかなり好きです。

印象に残った選手 瀬川祐輔
開幕戦でいきなり大爆発をした瀬川ですが、シーズンを通じて結果を残す事ができたのはトップで起用された事が大きかったのでは無いかと思います。トップに移動した事でチームの戦い方も含めよりストロングポイントが活かせる形になったのではないでしょうか。
また守備でもSHの時から献身的に動いていましたが、暴走気味でもあったので、トップに移動し役割が整理できたんじゃないでしょうか。
それにしても13ゴール11アシストは特筆すべき数字です。

18位 東京ヴェルディ 10勝13分19敗
セレッソ大阪との対戦成績 2敗
昨シーズンは最後までプレーオフ進出の可能性を残した8位となりながらも今シーズンは18位に終わった東京ヴェルディ。昨シーズンもボールを持つ事のメリットとボールを持たない事のメリットの間で悩んでいた印象がありましたが、今季もその印象は変わりません。
富樫監督の本心はボールを持たないサッカーをやりたいんじゃないか?と感じました。
相手のやり方によって試合毎にシステムを変えるだけでなく、その状況に応じて試合中にもかなり頻繁にシステムを動かす監督だという印象です。
ただ、若い選手がどんどん下部組織から出てくるのは流石。そうしないと仕方がないという部分もあるのでしょうが面白い若手が沢山いました。しかしそれが富樫監督のやり方にフィットしているわけでも無かった様に感じています。

印象に残った選手 井上潮音
シーズン途中で怪我をしてしまい出場試合は12試合と寂しい数字ですが、その中で抜群の存在感を見せていました。印象としては見えている選手だなという感じ。それがルーキーとは思えない落ち着きとスペースをコントロールできるプレーにつながっているんじゃないでしょうか。
あとあれだけ細くて小さいのに結構守備でもバシッっと来るのもビックリです。
あと渡辺皓太も印象的でした。

19位 カマタマーレ讃岐 10勝13分19敗
セレッソ大阪との対戦成績 2勝
最大の特徴は北野監督じゃないでしょうか。Jリーグの監督としてナンバーワンの策士だと思います。それだけに特に今シーズンのセレッソには相性が良い。2試合ともものの見事にハメられています。多分北野監督は大熊清監督と対戦するのは楽しいと思ってるんじゃないですかね(笑)。
讃岐の戦力はハッキリいってかなり厳しいレベル。チームで一番サッカーが上手い選手が馬場で、その馬場の能力を攻撃とか守備とかという分け方をせずどこでどんなプレーをさせるのが効果的かという考え方でゲームプランを立ててたんじゃないですかね。
もしかすると特にセレッソ戦となるとそういう傾向が強くなるのかもしれませんが、決して自分たちだけの都合でサッカーをしない、かといって全力で相手に合わせに行くわけでもない。なので何をやってくるかが読めないチームでした。
これがそのままセレッソに強い理由です。

印象に残った選手 馬場賢治
MVPを選ぶとすれば、ずば抜けた数字でリーグナンバーワンのセーブ数を記録した清水健太となるのでしょうが、印象的だったのは馬場賢治。昨シーズンも水戸でその才能を見せていましたが、今季は全試合でフル出場。しかも攻撃的な役割を担ったり、守備的な役割をになったりと試合ごとに様々なプレーを見せていたのが印象に残っています。
こんなに何でもできるとは思いませんでした。

20位 FC岐阜 12勝7分23敗
セレッソ大阪との対戦成績 2敗
20位で何とか残留を決めたFC岐阜。申し訳ないですが今シーズンは正直ダメだと思ってました。
残留を決めたのはラモス元監督の後を継いだ吉田監督がエヴァンドロ、レオミネイロら個の能力が高い外国人選手の能力を活かす形を徹底出来た事が大きかったと思います。
昨シーズン大分で何故か相手DFを背負うプレーをやらされていたエヴァンドロですが、実際はスペースに向けてプレーする時にストロングポイントがある選手。そしてレオミネイロのスピードと突破力は数多いJ2の外国人選手中でもトップクラス。
ここは確実にストロングポイントになりえるところでした。
来シーズンは大木監督になる様で、さらに山口から庄司も獲得。庄司はパスの強弱と距離で時間をコントロールできる選手で、今シーズンの活躍からするともっと大きなクラブから声がかかってもおかしくない選手ですが、その半面使い方は限定される選手。
しかしこれまで大木監督が志向していたサッカーでは大きな武器になる可能性が高い選手ですので期待したいところです。

印象に残った選手 レオミネイロ
とにかく速くて上手い選手。レオナルド・ロシャとエヴァンドロはチームを去ることが発表されましたが、レオミネイロの名前は無かったので来シーズンも残るんでしょうか。
戦術的な落とし込みができていなかったチームなので、もし残るなら来シーズンはどうなるのか興味があります。

21位 ツエーゲン金沢 8勝15分19敗
セレッソ大阪との対戦成績 1分1敗
昨シーズン序盤は快進撃を見せた金沢ですが、シーズン後半からぱったり勝てなくなり、さらにエースをも抜かれた今シーズンは開幕から苦しむ事に。試行錯誤をしながら戦った今シーズンは21に終わりましたが入れ替え戦の結果残留が決定したのは良かったと思います。
シーズン序盤は昨シーズン後半勝てなくなった為、レンタルで加入した熊谷アンドリューらをボランチで起用することでブロックからのカウンターだけでなくポゼッションにも取り組もうという事だったんだと思いますが、その半面コンパクトなブロックが間延びしてしまうことに。
特徴だったゾーンディフェンスも守備ブロックが間延びしてしまうとその強度を保つ事はできませんので一気に失点数を増やす事になってしまいました。

印象に残った選手 山藤健太
昨シーズンも秋葉とのコンビで中盤を支えた山藤。今季序盤は間延びしてしまった影響をモロに受けてしまっていましたが、セレッソ戦でやった3バックでは中盤センターのポジションで奮闘。最後に自ら得たPKを決めて引き分けの立役者となった選手です。
攻守に渡ってプレーできる選手で、おそらく金沢はここを抜かれるとかなり痛いでしょうね。

22位 ギラヴァンツ北九州 8勝14分20敗
セレッソ大阪との対戦成績 1分1敗
新スタジアムの完成目前にしてまさかの降格となってしまったギラヴァンツ北九州。
セレッソ戦ではどうしても守勢に回る事が多いので、セレッソサポーターにとっては今年も去年もあまり差が無いように感じてしまう部分もありますが、昨シーズンはパスを繋いでポゼッションを高める事で守備機会を減らす事ができていたところが、今シーズンはポゼッション率を大きく下げ守備が耐えきれず、苦しい試合が増えました。
北九州は昨シーズンも負け数が多く、強みが活きるかどうかがハッキリとしていたのですが、今シーズンは先制した試合での勝率が約39%とリーグワースト。サッカーではその競技の性質上先制点を奪うとかなり有利に試合を運ぶ事ができるので今季を含め先制した試合の勝率は平均66%ぐらいになるのですが、それが30%台だと流石にキツい。先制しても半数の試合で追いつかれてしまうとこうなってしまうのは必然です。

印象に残った選手 原一樹
昨シーズン活躍した小松が怪我で苦しむ中で一人気を吐いたのは原。今シーズン初先発となったセレッソ戦でFKを直接決めるとその後も得点を量産。キャリアハイとなる16得点は素晴らしい結果です。
来シーズンは讃岐に移籍することが既に決まっていますが、讃岐にとっても原のようなストライカーは欲しくて欲しくてたまらなかった選手だと思います。


2 件のコメント :

  1. Akiさん、こんにちは。
    今季も、全試合の詳細な分析、ありがとうございました。
    サッカーの素人なので、難しいところもたくさんありましたが、勉強になりました。

    今季、J1昇格という結果が残らなければ、大変なことになっていたなと身震いします。とりあえずは良かったです。でも、セレッソというチームが抱えている課題は、あまりにも根深いような気がして、来期に向けても不安だらけです。

    まあ、とは言え、出きることからやってもらうしかないわけで、まず、新監督のもと、きちんとした意図と引き出しの多い、組織的で現代的なサッカーをやって、勝てるチームになってほしいです。

    選手たちも年間を通して厳しくファイトできる体力、スピード、テクニックを磨いてほしいな。

    では、来季もよろしくお願いします(^-^)v

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    1. おそくなりましたがコメントありがとうございます。
      本当に厳しいシーズンでした。。。
      来シーズンもよろしくお願い致します。

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