2017年5月21日日曜日

5/20 明治安田生命J1リーグ第12節 VS 大宮アルディージャ @ NACK5スタジアム大宮

第12節
2017年5月20日(土)16:03KO NACK

スタジアムNACK5スタジアム大宮主審上田 益也
入場者数11,823人副審宮島 一代、西村 幹也
天候 / 気温 / 湿度晴 / 30.3℃ / 35%第4の審判員桜井 大介
スターティングメンバー
大宮アルディージャ大宮
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 渋谷 洋樹
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
大宮アルディージャ大宮
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目大宮アルディージャセレッソ大阪大宮アルディージャセレッソ大阪
FK1891412
CK3754
PK0000
シュート813711
警告/退場1/00/01/01/0

<監督・選手コメント>

大宮アルディージャ 渋谷洋樹監督
セレッソ大阪 尹晶煥監督

大宮アルディージャ 茨田選手、江坂選手、塩田選手
セレッソ大阪 清武選手、杉本選手、山村選手、ソウザ選手

大宮アルディージャ 江坂選手、渡部選手、金澤選手、茨田選手(大宮アルディージャ公式)

30℃を越える高い気温の中で行われた明治安田生命J1リーグ第12節、セレッソ大阪は敵地NACK5スタジアム大宮で大宮アルディージャと対戦し、セットプレーからの2ゴールを含め3得点を奪い快勝。第12節終了時点で今季最高位となる4位にまで順位を上げた。

■メンバー

大宮アルディージャのメンバーは今季2勝目を挙げた前節ベガルタ仙台戦の後半のメンバーをそのまま今節のスターティングメンバーとして起用。
開幕6連敗を含めここまでかなり厳しいシーズンとなっており大宮は、清水から加入した大前を含めポジションを固定仕切れない部分があり、前節のスタート時点では江坂とムルジャの2トップに右SHにマテウス、左SHに瀬川という布陣でスタートしたものの、なかなか攻撃の起点が作れなかったので後半からメンバーと配置を変更。
その後半は、江坂が前線の核となり、瀬川を裏抜け人員として前線に、大前は攻撃の起点として左サイドに、右サイドにはドリブル突破のある左利きのマテウス、ボランチには茨田と金澤という形で仙台戦の後半はバランスが取れた戦い方ができていたので今節はその後半のメンバーをそのまま起用している。
またベンチにはCBの河本も復帰。前節「少し無理している」という状態ではあるものの菊地が先発復帰しているので、守備の安定にも期待がかかる。

セレッソ大阪はこの試合でも、清武が復帰した第9節川崎フロンターレ戦から続く同じ先発メンバーを起用。ベンチメンバーも前節サンフレッチェ広島戦と全く同じとなっている。

■大宮の素早いアプローチ

大宮の守備
4-4-2対4-4-2のミラーゲームとなるこの試合。
立ち上がりの大宮は瀬川と江坂の2トップがCBを追いかけることまではあまりしませんが、
4-4-2の守備ブロックを高い位置に上げ、SBやボランチに出たボールはマッチアップがあっているボランチやSHが高い位置からでも積極的にアプローチをかける。
セレッソはビルドアップでポジションを動かすような形はほとんどとらないので時間とスペースを奪い前線のタレントにいい形でボールを入れさせないようにする。
高い位置から素早くアプローチをかけ、最終ラインを高く保つ事でセレッソは序盤からオフサイドに引っかかる場面が多くなっていた。
大宮の攻撃の狙い
一方で大宮の攻撃は、こちらもビルドアップでほとんど陣形を動かすような形はとらない。
これは普段からというよりも、おそらく対セレッソということで、ボールを奪われた時に早く陣形を整えて高い位置からアプローチをかける守備をしたかったからという狙いがあったから普段以上にそれを徹底したという形だと思われ、またセレッソはボールロスト時のネガティブトランジション以外ではそれほど高い位置から守備を仕掛けてこないという事もあっての判断、ゲームプランなのでしょう。
そこで大宮が狙っていたのは利き足と逆足に置くマテウスと大前の両SHを中に入れその外側にSBを上げる形。
セレッソの守備は4-4-2のブロックで中を絞るのでSHを入れる事でサイドによりスペースを作る。そしてそこにSBを上げる事でサイドに起点を作り、そこからボランチを動かし、SHと江坂を使って中央やサイドチェンジでゴール前に迫ろうという狙いがうかがえます。
またこの形の中でボールにあまり絡まないながらも重要な役割を担っていたのが瀬川。瀬川は背後のスペースを常に狙うことでDFラインを下げさせ、両SHや江坂がボールを受けるスペースを作ろうとしていた。
セレッソの守備ブロックはかなり強固なのですが、スキがあるとすれば柿谷とソウザの間。なので大宮は右サイドからの攻撃を増やしていく事になり、マテウスが中に入ってソウザと柿谷の間に立ち、その外側を渡部が上がっていくという形が頻繁に見られるようになり、キックオフ時点では大宮の前線は左に瀬川、右に江坂という立ち位置になっていた前線の関係を15分ごろから左右入れ替えるようになっていた。

■リトリートと個人技爆発待ち

セレッソは序盤からオフサイドにかかる事が多く、また大宮がサイドを狙ってきたこの試合だが、ボールの支配率は序盤から常にセレッソが上回っていた。また相手ゴール前に迫る回数も前半からセレッソが多くなっていた。
そうなっていたのは、セレッソとしてはCBではボールを持てるので素早いアプローチの中でもセレッソの選手はある程度ボールを繋ぐ事ができるからで、また前線の杉本と山村は多少厳しいボールでも後ろから入ってくるボールを収めてしまうから。
大宮側からすると、ならばCBにも激しくアプローチをかけるという選択肢もあるが、そうすると背後にスペースを与えてしまうので、もし前線にまでボールを届けられると一気にピンチになる可能性が高い。なのでさらにアプローチを早めるのではなく、中盤に入るボールに対しては規制をかけながらも、ボールが入れば、アプローチが間に合わなければ、全体のブロックを下げて守るという方法を選択するという2段構えとなっており、この方がセレッソの攻撃を防ぐことができるという計算だったのだろう。
実際に、前半のセレッソの攻撃は相手ゴールに迫る場面は多く作るものの、大宮の守備ブロックを前にラストパスが合わなかったりシュートミスで決められないという展開が続きます。

この「ラストパスが合わない」「シュートミス」や、それほど頻繁にあったわけではありませんがソウザや山口、丸橋の「パスが相手に引っかかる」という場面。こういう展開になるのは、連携の問題や個人の問題と言ってしまう事もできるが、それ以上にチームの戦い方が要因になっているとも言える。
セレッソの攻撃は、杉本や山村にボールを当ててそのポストプレーからSHが絡みボールを運ぶ形や、オープンスペースに素早く展開してボールを縦に運ぶ形、そしてサイドチェンジなど攻撃の形というかボールを運ぶ形はいくつか準備されている。
ただ、例えばこの試合の大宮であれば4-4-2のブロックを作って守る形をとっているが、その大宮の4-4-2に対してブロックをどうやって動かすか、シュートを打つための時間やスペースをどうやって作るのかという部分は共有されていない。
ボールを運ぶ形はあるものの、そこから先はアドリブの世界になっているので、その場面場面でそれぞれの選手が状況を確認して改めて判断する必要がある形になっている。
なので、どうしても「ラストパスが合わない」「シュートミス」「パスが相手に引っかかる」が増えてしまう。
セレッソ側からすると、ビルドアップで形を変えない様にミドルサードやアタッキングサードでも守備への切り替えを速くするという事を重視しているという事もあるでしょうし、杉本、山村、柿谷、清武と前線には個人で勝負できるタレントが揃っているから(現段階では)それでいいという判断を下しているかも知れない。ただ、ここまでの試合でもそうであったように攻め込む回数を増やしながらも決められないという試合が増えてしまう事になる。
この試合では大宮も、そういった傾向のあるセレッソの攻撃を踏まえて、ボールが入ればブロックを落として守るという戦い方を採用していたのだろう。
なので、その大宮の守備ブロックを崩すには個人技爆発待ちという展開になっており、セレッソペースといえばセレッソペースなのかもしれないが、大宮にとっても守れているという状態となっていた

■大宮にアクシデントが発生

セレッソは個人技爆発待ち、大宮はサイドに起点を作ろうとするもセレッソの速いプレスバックにあい、また山口とソウザのボール奪取力の前にチャンスを作りきれないという展開だった前半。
メンバー交代無しで始まった後半は、大宮が右SHのマテウスが左サイドにまで出てくるなど積極性を増してくる。
しかしそうなるとその分奪われた時のリスクはましてくるのでオープンスペースとなる大宮の右サイド、セレッソの左サイドで丸橋が一気にボールを運ぶ場面も見られる事に。
という事で少し大宮が積極的に出てきた事で後半は両チーム共に動きの多い展開となっていく。
53分〜
しかしここで大宮にアクシデント発生。
53分に菊地がどこか痛めたのか河本と交代。菊地は前節復帰しこの試合では2試合連続の先発となるのだが、前節は少し無理をして復帰していたとの情報もあったので、負傷を再発ということかもしれません。

■大きな武器であるセットプレー

大宮が少し前がかりになることでセレッソが攻め込む時間も増やし始めていく中で、後半に入るとセレッソがCKを獲得する場面が増えていく。
そして大宮はセットプレーの失点が多い、セレッソはセットプレーからの得点が多いチーム。なので大宮はこの試合に向けてCKの守備を普段のマンツーマンからゾーン+マンツー、それも5人でゾーンを作って4人がマンツーマンという形に変更してきていた。
前半は2本だったCKは、後半に入ると63分までに4本と増えていく。
そしてその63分の4本目のCK。ソウザの蹴ったボールは鋭く曲がり落ちてストーン裏のニアポストにいる清武にピタリとあってゴール。セレッソがついに先制する。
おそらくキッカーは左清武、右丸橋と固定されているのだと思うが、清武は右SH、丸橋は左SBなのでどちらも逆サイドから蹴りに行く事になる。なのでこの2人よりも蹴りたい意欲の強いソウザが右でも左でもボールに近い。そしてこのキッカーは絶対というほどでもなく、ソウザもいいボールを蹴るので当人同士で良いよとなると変わっても良いという事になっているのだろう。
ソウザが左CKを蹴るのはこの日2本目だったが、それを見事にあわせてみせた。
68分〜
大宮はこの失点を受けて両SHを変更。大前、マテウスに代えて長谷川アーリアジャスール、大山を投入し、瀬川が左SHになりアーリアがトップ下、大山が右SHになる4-2-3-1と形を変える。
中央や右で起点を作って瀬川で左サイドのより奥に入ってという事なのでしょう。

しかし76分、セレッソはソウザのシュートで獲得したCKで再び。
今度は右CKを蹴りに行ったソウザのボールがゾーンの間に入った山村がドンピシャで合わせてゴール。セレッソが0-2とリードを広げる事となる。
この場面山村がフリーだったのだが、実はこの直前、セレッソの先制点の場面まではゾーン+4の4人のマンツーのうちの1人として山村には瀬川がついていた(残りは山下、ヨニッチ、杉本)。しかし先制点のシーンでキーパー前からニアに入られて清武に合わされた事で瀬川のマークはは清武に変更となっており、山村にはマーカーがいなかった。
キーパー前にいる選手はそこに合わされるとゾーンの網からも離れているポジションで、しかもGKが出て行く邪魔にもなる。そして直前にそのキーパー前にいた清武に決められたのでという事で急遽ここで変更したのだと思われるが、今度はそこでマークを外した山村に決められるいう大宮にとってかなり切ない結果となった。
82分〜
2点目を奪った事で試合の大勢は決まり、83分に山村に代えて関口を右SHに投入。清武はトップ下に回る。
すると投入直後の86分に清武と中に入った柿谷で起点を作って右サイドに展開。右サイドから関口の折り返しを杉本が蹴り込みゴール。0-3とリードを広げる。
90+1分〜
そしてアディショナルタイムには山下と清武に代え、木本と福満を投入。
木本はCBに福満は左SHに入って柿谷が中央に回る。
試合終了間際には杉本がちょっと軽いプレーを見せてしまってカウンターを受ける事になるが、それを杉本自身が自軍ゴール前まで全速力で戻ってカバー。
試合はそのプレーで終了となり、セレッソが0-3と結果としては完勝に終わった。

■その他

最終的には0-3と大量リードを奪い、完勝。
試合の大きなポイントとなったのは先制点を奪ったセットプレー、そして2点目もすぐに同じくセットプレーで奪えたことでほぼ試合を決定づけることができたのでしょう。
大宮が後半の立ち上がりにちょっと前がかりになったのは、ゲームプランだったのか、それともここまで勝ててないからどうしても先制点が欲しかったからなのか、そのどちらでもないのか、それはわかりませんが、前半はある程度狙い通りに守れていたとも言える展開だったので、大宮としては悔やまれる点だったでしょうか。

ここ3試合については柏戦で敗れ、広島、大宮に勝利し、上手くいかなかった柏戦、上手く行った広島、大宮戦という形になりましたが、この3試合でもわかるように現時点のセレッソは攻め込む機会は作れます。
しかし、チャンスっぽい形はあるものの、決定的なチャンスはそれほど多くない。なので堅い守備でガマンしながら個人技爆発かセットプレーで決めることができるかどうかという所が現在地なのでしょう。
個人技爆発したのが広島戦、セットプレーが大宮戦、どちらもできなかったのが柏戦という感じですね。
セットプレーに関してはヨニッチ、山下、杉本、山村がいてキッカーには清武、丸橋、ソウザがいるので武器にはなる。また前線にタレントもいるので個人技爆発の可能性もある。
再現性を持って攻撃を組み立てられているわけではないので得点に関してはは運任せ的な要素もありますし、守備も本気で崩してくる相手に対してどこまで強度を保てるかという部分もあるので、安定して勝利を重ねることができるかとなると難しい点はまだまだありますが、残留争いという部分では十分勝負できるだけのチームにはなっていると思います。



2 件のコメント :

  1. いつも楽しく拝見している大宮サポです。不調の大宮はついに監督交代となってしまいました。

    そして、細かいことではありますが、大宮側のボランチ、茨田と組んでいるのは23の金澤です。22の和田が左SBとボランチの両方に登場しちゃっています。

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      ホントですね。すいません、金澤のつもりだったので全然気がついてませんでした・・
      金澤にはちょくちょく点を取られている印象があるので、無意識で変えてしまったのかもしれません(笑)

      削除

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