2017年7月9日日曜日

7/8 明治安田生命J1リーグ第18節 VS 柏レイソル @ キンチョウスタジアム

第18節
2017年7月8日(土)19:03KO 金鳥スタ

スタジアムキンチョウスタジアム主審松尾 一
入場者数16,759人副審西橋 勲、大川 直也
天候 / 気温 / 湿度曇 / 28.3℃ / 75%第4の審判員野村 修
スターティングメンバー
セレッソ大阪C大阪
 
柏レイソル
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
 
  • 監督
  • 下平 隆宏
セレッソ大阪C大阪
柏レイソル
今回対戦今季平均
データ項目セレッソ大阪柏レイソルセレッソ大阪柏レイソル
FK13111217
CK61056
PK0000
シュート11101212
警告/退場0/03/01/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 尹晶煥監督
柏レイソル 下平隆宏監督

セレッソ大阪 杉本選手、水沼選手、マテイ・ヨニッチ選手、山村選手、山下選手
柏レイソル 大谷選手

柏レイソル 大谷選手、武富選手、ユン・ソギョン選手、中谷選手、中山選手(柏レイソル公式)

セレッソ大阪 杉本選手、ソウザ選手、丸橋選手(Jリーグ公式)
柏レイソル ユン・ソギョン選手、武富選手(Jリーグ公式)

2017年明治安田生命J1リーグのシーズン折り返しを経て後半戦の初戦となる18節。セレッソ大阪は前半戦で敗れた2チームのうちの1つ、柏レイソルと本拠地キンチョウスタジアムで対戦。
武富のゴールで柏レイソルに先制を許すが、後半杉本、ソウザがゴールを決め逆転勝利。ついにリーグ首位に躍り出た。

■メンバー

ここまで11戦負け無しで2位セレッソ。メンバーはベンチも含めて前節FC東京戦と全く同じ。4-4-2をベースに右SHには水沼が起用されている。前回の対戦では11戦負け無しで迎えたものの敗戦しており、セレッソにとってリベンジとなる。

一方、前節鹿島アントラーズに敗れ3位に後退した柏レイソル。前回の対戦からリーグ戦では全て同じ先発メンバーとなっていたが、下平監督はメンバー変更を決断。3節から先発を続けていた中川と開幕から全試合先発を続けていた左SB輪湖をベンチスタートとし、大津とユン・ソギョンを起用。前線はシーズン序盤にこのポジションを務めていた武富が中央に入り、武富が左SHに定着する前までこのポジションを務めていた大津が左SH。韓国代表キャリアも持つユン・ソギョンは途中出場や、天皇杯で起用されていたが、今回がリーグ戦初スタメンとなる。
大津に関しては、スーパーサブとしての活躍はもちろんながら気温が高くなり、中川を休ませる事、そしてユン・ソギョンも含めてセレッソの高さに対抗するという意味もあったのだろう。

■立ち上がりの駆け引き

柏のキックオフで始まったこの試合。柏は試合の序盤に相手のプレスを回避する狙いで、SBの裏に前線の選手を走らせるボールを入れる事が多いのだが、ファーストプレーで柏が選択したのは後ろからつなぐ事。ただ、いつでも蹴れるぞという体勢から繋いできたので、セレッソの前線の守備がどこまで来るのかを見ながらプレーを選択しているのだろう。

守備への切り替えが早い両チーム。特にファーストディフェンダーが決まるのが速いので中盤で両者が奪い合うスタートとなるが、ソウザが柏のファーストディフェンスを巧みに外す横パスをきっかけに逆サイドに展開し、杉本がこの試合のファーストシュートを放ちCKを獲得。
CKはゾーンで守る柏に対して、1本目はショートコーナー。2本目、3本目はニアに速いボールを入れ、さらに続く柏のゴールキックから始まるプレーに対しては前からプレッシング。最初のプレッシングは山村が大谷の足を踏んでしまいファールとなるが、そのFKを短くつなぐ柏に対して再びプレッシングをかけ、ソウザがボールを奪うとショートカウンター。柿谷が個人技でボックス内に侵入し、ファーへの柔らかい折り返しを杉本が頭で合わせるがクロスバーを越えた。
ここまで約5分間の攻防。セレッソはチャンスをものに出来なかったが、この試合に向けて準備をしてきたことが伺える立ち上がりだった。
手塚が動き出す
この5分間を経て柏が動き出す。
手塚が最終ラインに落ちる動きで後ろの数的有利を確保すると、ここから松田の裏のスペースに大津を走らせるロングボールを入れてくる。松田の裏は前回対戦時も柏が狙ってきた場所だ。
手塚のポジション移動はかなり効果的で、セレッソの2トップの間から2トップの前、2トップの裏とボールと相手の状況によってポジションを移動することで柏のビルドアップの起点となることで徐々にセレッソがブロックを落として守る形へと進んでいく。

■ボール保持からの崩しを狙う柏

手塚のポジション移動をきっかけにセレッソがブロックを作り、柏がボールを保持するという展開になっていくと。柏のビルドアップからの攻撃が見られるようになる。
柏のビルドアップからの攻撃
トレーラーゾーンの手前でCBや手塚、大谷、が起点となり、セレッソのブロックを動かしにかかる柏。通常左サイドに抜ける動きが多いクリスティアーノだが、この試合では大津が左サイドの高い位置にはっている事が多かったため、クリスティアーノにボールが入る事は少なかったが、風間八宏流にいうと、背後を取る動きで武富がセレッソボランチの間、もしくはボランチとSHの間に入り、右サイドでは伊東と小池が横のポジション移動と縦のポジションチェンジでトレーラーゾーンを崩しに来る。
柏のボール保持は常にトライアングルが形成されており、手塚がタイミングよくそこに入っていく。CBのところで数的有利を作るのは手塚が7割、大谷が3割ほどの関係だが、そこから手塚が前に列を移動し、トライアングルに入ってくる事も多かった。その時、大谷はきっちりサポートのポジションに移動している。
この柏のボール保持からの攻撃はかなり厄介で、柿谷もきっちりポジションに戻っていたが、ソウザ、山口が動かされることも多くセレッソの守備ブロックはかなり苦労していた。
去年「アイデアを出していこう」という言葉はあったが、柏のボール保持の様に仕込まれたベースがあった上で「アイデアを出していこう」というのが本来なのだろう。
一ついうと、クリスティアーノが背後を狙う動きが普段よりも少なかったので、セレッソの守備はなんとかブロックを落とし、スペースを狭くすることで対応していた。
これまでの中川が中央で左SHに武富という関係の場合、武富が中央に入ってクリスティアーノが左サイドに流れるという形も多かったように思うが、この試合では左サイドの高い位置に大津を張らせていた影響があったのかも知れない。

一方柏の守備に関しては、先程書いたようにファーストディフェンダーが決まるのが非常に速い。なので周囲に対する対応が決まるのも速く、中盤でボールを奪い返される場面も多かった。特に苦労していたのは松田のところで、柏は攻撃でも松田の裏に大津を走らせる形があったが、セレッソがボールを奪った時にもセレッソのボランチのところに素早い守備への切り替えからプレッシャーをかけてくる。なのでサイドにボールを逃してもそこに対する対応も早く、松田は時間とスペースを奪われてしまっている事が多かった。
ただ、このボランチへのファーストディフェンダーを外し逆サイドに展開することができれば、セレッソは柏ゴール前までボールを運ぶ事ができるというシーンもいくつか見られた。

そんな展開の中、先制したのは柏。
中盤でボールを奪ったセレッソが柿谷が相手のファーストディフェンダーを外す事で攻撃を始めたが、ソウザボールを奪われ柏のカウンター。クリスティアーノがボールを受けると素早いタイミングで逆サイドにクロス。そこに飛び出した武富がダイビングヘッドで決め、41分柏が先制する。
クリスティアーノの判断が早かった事と、クロスの精度が高かった。セレッソとしてはクリスティアーノに山下が対応する形になるので、松田が素早く戻ってスペースを埋めないといけなかったが、間に合わなかった。

前半はこのまま柏がリードし終了。セレッソにもチャンスが無いわけではなかったが、前半を通じて試合のペースを握っていたのは柏だっただろう。

■ボール保持で押し込む柏

後半の立ち上がりはサイドへの長いボールをつかってボールを運ぶセレッソ。杉本、山村と2本続けてセレッソがシュートを放つが、前半同様、徐々に柏がボールを保持し攻め込む時間が増えていく。セカンドボールも拾われ、セレッソが押し込まれる時間が増えていく。セレッソはなんとか中央で跳ね返すという場面が続いた。混戦からクリスティアーノが放ったシュートはポストにあたるが決定的な形だった。
しかし、後半に入ると時々、柏のファーストディフェンダーが前半同様素早く決まっているのだが、個人技で外してしまう場面もいくつか見られた。

セレッソが水沼からのクロスに柿谷が飛び込んだ形でCKを得たタイミングで選手交代。
61分、柿谷に代わって澤上、松田に代わって田中が投入される。
そしてこのCKでファーサイドにボールが流れたところで杉本のところにボールがこぼれ、それを杉本が押し込んで同点ゴールを決める。
セレッソにとってはちょっとラッキーなゴールだったが同点に追いついた。
61分〜
柏のキックオフで再開するとセレッソの選手の立ち位置は、前線に澤上、杉本、山村が並び水沼と丸橋がWBに入る3バックだっただろうか。守備の時に5-2-3で守っていた。
しかしもしかするとこの並びは、狙っていたものとちょっと違ったのかも知れない。
というのも丸橋の前のスペースを守る選手が誰もおらず、ここを使われると丸橋が前に出ていくしか無いというアンバランスな状況だった。
ただ、前線に3人並べたのは柏のビルドアップに何らかの制限を加えたかったのかも知れない。
セレッソの並びは少し混乱が見られたが、何人かの選手が監督に確認する中で、65分ごろから澤上が1トップで2シャドウに杉本と山村が並ぶ3-4-2-1になっていった。ということでWBの前のスペースは杉本と山村のシャドウが埋める様になる。
69分〜
69分、柏は大津に代えてディエゴオリベイラを投入。武富が左SHに回り、ディエゴ・オリベイラはそのまま前線に投入される。
これはセレッソが3バックとなって、これまで柏が狙っていたトレーラーゾーンに人を置きスペースを埋めてきたので、1対1で勝負できる選手をという事なのだろう。

しかしその直後の70分、山口が右サイドに展開したところから水沼のクロスを中央でソウザが合わせてゴール。2-1とセレッソが逆転に成功する。この場面で起点になったのは山口のサイドチェンジだったが、後半の最初に書いたように柏は後半に入るとファーストディフェンダーを決めてハメにかかった時にボールを奪いきれない場面が見られるようになっていた。この場面でも、杉本澤上とボールをつなぎ山口に落として、山口がサイドチェンジという形が起点になっており、ハメきれず逆サイドに展開されてしまっている。そして水沼はWBになってスタート位置が下がり、さらに目の前に山村もいることでユン・ソギョンは水沼に寄せられなかった。
そしてそんな中で水沼のクロスもソウザのシュートも素晴らしかった。

■人数をかけて跳ね返すセレッソ

73分〜
ゲーム再開のキックオフの時点では同じポジションのままだったが、いくつかプレーがあった後の73分頃にプレーが切れたタイミングで、水沼が尹晶煥に確認してポジション変更。
山村が最終ラインに降りて、右WBには田中、右シャドゥに水沼と右サイドの3人が時計と逆回りでポジションを変える。
こうなるとセレッソは徹底して人数をかけスペースを消し、跳ね返そうという判断だ。
また身体をぶつける事を厭わないフレッシュな澤上に前線で起点になってもらいたいということなんだろう。
79分〜
柏は76分、ユン・ソギョンに代えて輪湖を投入。さらに79分、小池に代えてハモン・ロペスを投入する。
ユン・ソギョンはベンチに交代を要求していたとのことで、輪湖はそのまま左SBに。またハモン・ロペスの投入では、伊東がSBに下がってハモン・ロペスはその前にポジションを取っていた。

人数をかけて柏の攻撃を跳ね返すセレッソ。
カウンターから杉本のクロスに澤上が頭で合わせるも中村がセーブする。
中村は至近距離のシュートへの反応もすごいが、こうやってクロスに合わされたボールへの反応もすごい。
90+2分〜
このまま時間が経過していく中、アディショナルタイムに入った90+2分にセレッソはソウザに代えて秋山を投入。ソウザはその少し前にベンチに交代を要求していた。
4分のアディショナルタイムで5分を過ぎた中でのCKでは最後GK中村も上がってきたが、このCKを杉本が跳ね返したところで試合終了。
2-1でセレッソ逆転で勝利した。

■その他

逆転勝ちで勝利したセレッソ。同時刻に行われていたFC東京対鹿島アントラーズ戦が引き分けに終わったため、これで首位。今回は暫定ではなく正真正銘の首位となった。
正直なところこの試合は柏の試合で、セレッソとしてはかなり厳しい内容だったのだが、勝てたというのは非常に大きい。
チーム全体のクオリティとしては柏に劣っていたが、個々の局面の優位を得点に絡める事ができた。
これで勝ち点38。2012年にガンバ大阪が勝ち点38、ヴィッセル神戸が勝ち点39で降格しているのが18チーム2回戦制になってからの降格チームの最多勝ち点なので、もうそれはほぼ確定と言っても良いだろう。
そして、勝ち点50が9位チームの歴代最多勝ち点なので、次の目標は勝ち点50。こうして首位にいるものの、内容は攻守において足りない部分がいくつもあるので、そこを1つ1つ確実に改善していくためにも、チームとしてはこうやって1つ1つハードルをクリアしていく形でいいんじゃないかと思う。

一方の柏にとっては、前節鹿島戦に引き続きゲームをコントロールしながらも逆転負け。柏としては悔しい試合だっただろう。ただ、やっぱり現段階では柏が最もクオリティの高いサッカーをしているなあというのを実感した。
守備ではファーストディフェンダーの決まる速さとそこからの連動、攻撃ではトライアングルの作り方が本当に素晴らしい。






4 件のコメント :

  1. やはりセットプレーと高さと言う武器があるのがこの順位にいられる秘密、
    ということでしょうかね。
    もちろん基本的なクオリティがあることを踏まえての話ですけど。

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    1. コメントありがとうございます。
      それは大きいでしょうね。チームとしてはまだまだ改善すべき点は沢山あるし、セレッソ以上にクオリティの高いチームもありますけど、セットプレーで点が取れて勝っているので、上手く回っているのでしょう。
      今は1つ1つ次の改善点をという形で良いんじゃないでしょうか。

      削除
  2. 後半戦に入って首位!
    すごいですね。(笑)
    でも、ここに来ても攻撃に手を付けないユン監督。(去年のように全くと言う訳では無いですが。)今年は手を付けないつもりですかね?それとも、元々攻撃は個人任せの監督なんですかね。もちろん3バック化した相手への対応もまだまだでしたけど、攻撃面が心配です。柿谷の使い方も微妙ですし。

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      改善点は多いですけど、一足飛びでやる必要はないので1つ1つで良いと思いますよ。

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