2017年9月23日土曜日

9/20 第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦 VS 名古屋グランパス @ パロマ瑞穂スタジアム

天皇杯 4回戦
2017年9月20日(水)19:03KO パロ瑞穂

スタジアムパロマ瑞穂スタジアム主審今村 義朗
入場者数6,569人副審和角 敏之、小椋 剛
天候 / 気温 / 湿度雨のち曇り / 22.2℃ / 81%第4の審判員鈴木 規志
追加副審柿沼 亨、西山 貴生
スターティングメンバー
セレッソ大阪セレッソ大阪
 
名古屋グランパス名古屋グランパス
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
 
  • 監督
  • 風間 八宏
セレッソ大阪セレッソ大阪
名古屋グランパス名古屋グランパス
今回対戦今季平均
データ項目セレッソ大阪名古屋グランパスセレッソ大阪名古屋グランパス
FK15181612
CK51036
PK0000
シュート6999
警告/退場2/01/02/01/0
公式記録(pdf) http://www.jfa.jp/match/emperorscup_2017/schedule_result/pdf/m75.pdf

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 尹晶煥監督
名古屋グランパス 風間八宏監督

セレッソ大阪 福満選手、リカルド・サントス選手、木本選手、茂庭選手、山口選手、清武選手
名古屋グランパス 宮原選手、永井選手、玉田選手

第97回天皇杯の4回戦、セレッソ大阪と今シーズンクラブ史上初となるJ2で戦う名古屋グランパスとの対戦は、前半立ち上がりに1点を奪ったセレッソ大阪がその1点を守りきり1-0で勝利。ベスト8進出を決めた。

■メンバー

トーナメントの並びからセレッソ大阪のホームゲームの扱いとなるが、対戦カードの下位カテゴリーチームが所属する都道府県の会場を優先して開催することとするとの規定のため、パロマ瑞穂スタジアムでの開催となったこの試合。

セレッソのメンバーは、いつものように直近のリーグ戦から11人全員を入れ替える形で、リカルド・サントスの1トップに福満がトップ下に入る4-2-3-1。左SHに入ったのは澤上で、これまで試合途中からこのポジションを務めるのは今シーズン初となる。
また、ベンチにはリーグ戦のメンバーが並ぶなか、およそ3ヶ月ぶりに清武が復帰。
まだコンディション的にも完全復活というわけではないが、シーズン終盤に向けて頼もしい選手が戻ってきている。

一方の名古屋は、シーズン開幕後にも大幅な選手の入れ替えがあり、4回戦まではシーズン前半戦に登録されたメンバーしか起用出来ない規定のため、夏に加入しリーグ戦ではチームを牽引するガブリエル・シャビエルらはメンバー外。
またリーグ戦からは中2日での試合ということもあり、前節の金沢戦から引き続き先発となっているのは、永井、青木、田口、宮原、櫛引の5人のみで6人を入れ替え。
リーグ戦ではここのところ3バックを採用していたが4-2-3-1で、ワントップにはシモビッチ、2列目はトップ下に玉田、右に永井、左に青木。ボランチは小林と田口で、最終ラインは右から宮原、ワシントン、櫛引、内田と並び、ゴールキーパーは今季初出場となる武田洋平を起用している。

■立ち上がりの攻防

ウォーミングアップ中から強い雨が降り出したこの試合。
風間監督率いるボールを持ちたい名古屋と、尹晶煥監督率いるそれほどボール保持にはこだわらないセレッソというチームスタイルもあって、立ち上がりから名古屋がボールを持つ形で試合が始まる。
立ち上がりの名古屋
4-4-2でセットするセレッソに対して、様子を伺う様にそれほどポジションを崩さずSBやボランチを経由しながらボールを動かしてビルドアップを狙ってくる立ち上がりの名古屋。しかしマッチアップがあっていることからどんどんセレッソの選手に前にアプローチをかけられ、その速さ前に全くボールを運べない。
3バックになりビルドアップを始める名古屋
そこで、2分に永井と澤上が交錯し両者共に出血するというアクシデントが起こると、ここで試合が止まったタイミングを活かしてビルドアップの形を変える。
CBが大きく開き小林がその間に落ち、両SBは前に、さらに玉田が中盤に下がる3-4-3の形でボールを運ぼうとしてくる。
3-4-3になることでセレッソの4-4-2とはマッチアップがずれるので、セレッソの4-4-2はミドルゾーンでステイ。中央を締めるポジショニングとスライドで対応する形に変わる。
これにより名古屋は低い位置ではボールを持てるようになる。

しかし6分に田口から青木への縦パスを中央を締めている秋山にインターセプトされると、名古屋もボールを出した田口、ボールを受けようとしていた青木、横にいる玉田がボールを奪い返そうと守備への切り替えからアプローチをかけるが、それをかいくぐる形で秋山はリカルド・サントスへパス。リカルド・サントスはワンタッチで名古屋の最終ライン裏へとボールを送ると、これに反応した福満が抜け出しゴール。セレッソが先制する。

メディアでの経験が豊富にあることから、対外的に出すコメントでは本音や真実を話すというよりもチームへのリアクションを考えたコメントを出すという印象が強い風間監督なので、そのコメントを素直には受け取るわけではありませんが、この失点は単純に「ミス」が起こったというよりも、川崎時代から見られる失点の典型的な形。
インターセプトから守備への切り替えを外し、一気にセレッソがカウンターに持って行く事ができていた。セレッソはボール保持にそれほどこだわりがないので、狙っていた、準備してきたであろう形だろう。
名古屋の試合を追いかけている訳ではないが、おそらく名古屋もこういうパターンの失点が多いのではないかと思う。

■ボールを持ちたい名古屋とスペースが欲しいセレッソ

セレッソが先制した事で、ここからボールを持つ名古屋とボールを持たないセレッソという関係はよりはっきりとするようになる。
これは、セレッソが守備的というわけではなく攻撃に関しての考え方の違いで、名古屋は攻撃するためにはボールが必要だと考えているが、セレッソは攻撃をするためにはスペースが必要だと考えているからだ。
2トップ気味に変化
攻撃を進めようとする名古屋は4-2-3-1から3-4-3に変化するという事は先程書いたが、この形も左右非対称。右の永井は頻繁にシモビッチに近いポジションにまで出ていくが、左の青木は中盤に下がってビルドアップに加わろうとする。
なので3-4-3というよりもそこから右に少し旋回させた3-1-4-2のような形になっていた。

しかし前半の名古屋はセレッソのコンパクトな4-4-2の守備ブロックを前に全く効果的な攻撃が組み立てられない。一見ショートパスを繋いで中央突破を狙ってくるような攻撃にみえるが、最終的には屈強なシモビッチのところにボールを当てるものの、狭いのでコントロールすることは出来ない。なのでそこでのスクランブルからこぼれ球を拾ってなんとかならないかというものでしかない。足下へのショートパスをつなぐという形にはなっているが、考え方としてはロングボールを前線のでかい奴めがけて放り込む事でスクランブルを作るというものに近かった。

一方でセレッソは相手陣内にスペースを作っているので何度もカウンター攻撃を見せる。リカルド・サントスのシュートや、福満のシュートを武田がセーブしたこぼれ球が木本の前に転がった場面は決めておきたいところだった。

■名古屋の後半の変化

両サイドに開くポジションを取るSH
前半はボールをもつものの、全く効果的な攻撃が出来ていなかった名古屋だったが、後半には少し変化が見られた。
変わったのは両SHのポジショニング。前半はオートマチックに3-4-3になることで両SHは中に入ってシャドゥ的なポジションとなり、そこからさらに永井は前へ、青木は後ろへと動き3-1-4-2的になっていたが、これは中央を締めるセレッソのブロックをより固めるものでしかなく、攻撃は密集に突っ込んでいくしか出来ていなかった。
なので、永井と青木のスタートポジションを大きく両サイドに開かせ幅を作ろうとしてきた。
サイドを起点にする名古屋
この形になることで大きく改善されたのが名古屋の左サイドの攻撃。
左SHの青木が外にポジションを取ることで外に起点を作る事もできるようになり、また内田が上がってくると中に侵入してくる。藤本はシモビッチがいるので絞りきれないでいると、酒本、藤本、秋山、関口の四角形の間に入ってきてボールを受けるため、セレッソはディフェンスラインを下げざるを得ない様な状況にもっていかれるようになる。
左SHの青木亮太は、天皇杯2回戦で途中出場から2ゴールを決めた事をきっかけに今では完全に名古屋でもレギュラーポジションを掴んだ選手だが、元々はヴェルディの下部組織から流経大柏へと進み、セレッソ大阪U-18が優勝した前年に流経大柏が高円宮杯U-18サッカーリーグ2013でチャンピオンシップを制した時の中心選手。プロ入り後の前十字靭帯断裂の大怪我で長期離脱となりここまでほとんど実績を残せていなかったが、ここに着て風間監督のもとでブレイクし始めている。高校の時の印象ではもっとテクニカルで個人技的に優れた選手というイメージだったが、この試合ではテクニックをベースになんでもできる、風間サッカーにフィットする選手になっていた。

青木を中心に後半はセレッソのボックス内にもボールが入るようになった名古屋。セレッソも茂庭と藤本のベテランを中心に身体を張ったディフェンスでなんとか対応するという形になり、名古屋がボールを持ち、セレッソがカウンターという形は前半と同様だが、前半に比べると名古屋の攻撃の質が上がった分、名古屋がペースを握りつつあるという展開へと変わっていった。
71分〜
71分、セレッソは澤上に代えて山口を投入。木本を最終ラインに下げ5-4-1へと形を変える。
青木を中心に狙われていた4バックのCBとSBの間に人を立てようという狙いだ。
後半に入って名古屋が攻め込む時間が増えたとはいえ、相変わらず組織としてカウンター対応に問題を抱えているので、後半も何度もあったカウンターから追加点を決めていれば、セレッソはもう少し別の形をとったのかもしれないが、追加点を奪えていなかったのでここで5バックへと形を変える。
79分〜
ここで名古屋は74分に永井に代えて佐藤を投入。佐藤は左SHにはいり、青木が右に移動。
さらに79分に青木に代えて和泉を投入。和泉はそのまま右SHに入る。
3日前の試合で先発していた選手を下げ、同じく3日前の試合で先発していた選手を投入してきた。佐藤もストライカーなので、全体の左右が変わっただけでチームとしての戦い方に変化はない。また和泉も青木と同じような仕事をおこなっていた。
80分〜
セレッソはその後の80分に木本に代えて山村を投入。そのまま3バックの左に入る。
これは圧倒的な高さを持つシモビッチがいるので、最終的に高いボールを狙われても対応できるようにとの狙いだったのだろう。
85分〜
83分、名古屋は内田に代えて杉本を投入。佐藤が右に移り杉本は左SHに。和泉が左SBのポジションに下がった。
一方のセレッソは85分に関口に代えて清武を投入。もちろんゲーム展開によって変わる可能性もあったが、この清武の起用はおそらく試合前から10分ほどと決めていたのだろう。

最後まで名古屋は前がかりになって攻めてくるものの5バックにしたセレッソがそれを受けきった形でそのまま試合終了。1-0でセレッソの勝利となりベスト8進出を決めた。

■その他

1-0という最小得点差での勝利となり、後半は押し込まれる時間帯もあったが、十分試合をコントロール出来ての勝利だっただろう。
これで2014年以来となるベスト8進出となった。
準々決勝となる次戦は10月25日にキンチョウスタジアムで行われる大宮アルディージャ戦。続く10月29日にもキンチョウスタジアムで大宮とのリーグ戦が控えているため、同じチーム・同じスタジアムでの連戦となる。
尹晶煥監督は週2回の試合がある時はメンバーを入れ替える事を徹底しているので、おそらく次の大宮戦でもミッドウィークの天皇杯ではメンバーを大きく入れ替えて戦う形を取るだろう。
とはいえそれは大宮も同様。残留争いを行っているリーグ戦にウエイトをおいてくるだろうから、しっかりと勝ち抜き2011年以来となるベスト4進出を果たしたい。

2年間セレッソはJ2、セレッソが昇格した今シーズンから名古屋はJ2となったため、久々の対戦となった両チーム。監督が風間八宏氏となったので以前の面影はほとんど無く、すっかり風間サッカーになっていた。
セレッソの得点となったカウンターの形は、おそらく相手チームから狙われる形で、失点はどうしても増えるだろうが、やはり風間さんはコーチとしてかなり優秀な方なので、この試合で最も良いプレーを見せていたと思っている青木らはさらに成長するのではないだろうか。




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