2018年1月24日水曜日

セレッソ大阪 2017年シーズンレビュー vol.4

セレッソ大阪2017年シーズンレビュー最終回。最後は2017年の総括と2018年の展望について。



■2017年総括

2017年はJ1が34試合制となって以降クラブ史上最多の勝ち点を獲得し3位。そしてルヴァンカップで初タイトルを獲得するだけでなく、天皇杯でも優勝し2冠を達成するというセレッソ大阪の歴史において大きな1年となった。

尹晶煥監督については、もちろんその前年の厳しい内容からは脱却できるだろうという大きな希望はあったが、ここまでの成績を残すとは思っていなかった。
シーズン前半については、その時点でのチーム力以上の結果がでていたのでラッキーだった面もあるだろうが、結果が出ていたことがさらにチーム力を高めるという事につながっていた。

vol.2でも書いたが、その中で大きな役割を果たしたのはルヴァンカップだったのだろう。シーズン開幕時点では尹晶煥もルヴァンカップでグループリーグ突破するところまでは考えていなかったと思う。もちろん勝ち抜きたいとは思っていただろうけど、現実的な目標という訳ではなかった。
そんな中で控え組を中心にグループリーグを勝ち抜きプレーオフステージ、ノックアウトステージへと進出した事がチーム全体の士気に大きく影響したはずで、それがリーグ前半戦の内容だけでなくそれ以上に残していた結果にもつながっていたのは間違いない。

そしてノックアウトステージでは1stレグを従来の控え組、2ndレグをリーグ戦に出場している主力組で戦った。この順番になったのは、準々決勝、準決勝共に1stレグがホーム、2ndレグがアウェイという並びを踏まえてのものなのか、それともこの2試合共にファーストレグがミッドウィーク、セカンドレグが週末という順だったからたまたまそうなっただけなのかはわからないが、結果的にかなり効果的だったと思う。
チャンピオンズリーグなどのH&Aで行われるノックアウトラウンドでは2ndレグをアウェイで戦う方が有利だと言われている。
それはアウェイゴールの比重がかなり大きいからで、ホームだからと攻撃的に行けばアウェイゴールのリスクも出てくる。アウェイゴールを決められて同点だと実質的にはリードされて2ndレグを迎える事になる。そうなるとどうしても1stレグホームの試合の戦い方が難しくなってしまうのだ。

しかしここで、1stレグを控え組、2ndレグを主力組としたことで戦い方をはっきりさせることができた。
「1stレグはホームだけど0-0狙い。2ndレグはアウェイでアウェイゴールを狙う」
勝ち抜くために最も効率的な方法である。
本来ならホームでは勝ちが欲しいところだろう。しかし出場するのは控え組。なので負けなければ良いと割り切って戦うことができる。次は主力組が待っている。自分たちは最低限の仕事を全うすれば良いと目の前の試合に集中することにもつながる。
そして実際に準々決勝では1stレグを0-0、準決勝ではアウェイゴールを許したものの1stレグを2-2の引き分けで終えた。主力組の士気が高まらないはずもない。

そして進んだ決勝。早い時間の先制点はラッキーだった。しかしその後守りきり最後にカウンターで追加点を奪った。これはこのチームに足りなかった成功体験だったのだろう。
つまり守りきれた。
「守るとやられる」などと言われることもあるが、実際にはそんなことはありえない。やられるのは「守れていない」からに過ぎない。
ルヴァンカップ決勝はこの違いを知る、大きな壁を乗り越えた試合だったのではないだろうか。
そしてそれが天皇杯にも間違いなくつながっていたのだろう。
今なら大きく崩れた「第20節・21節・23節〜30節」もあそこまでバランスを崩すことはないかと思う。

■2018年の編成

まだ実際の試合を見ていないのでなんとも言えないところもあるが、チーム編成は固まった様なので最後に簡単に2018年の編成面について。

OUT
丸岡満(レノファ山口FC※期限付き移籍)
庄司朋乃也(ツエーゲン金沢※期限付き移籍延長)
関口訓充(未定)
アン・ジュンス(鹿児島ユナイテッドFC※期限付き移籍)
池田樹雷人(愛媛FC)
温井駿斗(栃木SC)
椋原健太(ファジアーノ岡山)
岸本武流(水戸ホーリーホック※期限付き移籍)
清原翔平(ツエーゲン金沢)
圍謙太朗(アビスパ福岡)
坂本将基(鹿児島ユナイテッドFC)

IN
片山瑛一(ファジアーノ岡山)
高木俊幸(浦和レッズ)
田中亜土夢(HJKヘルシンキ)
ヤン・ドンヒョン(浦項スティーラーズ)
永石拓海(福岡大学)
中島元彦(セレッソ大阪U-18)
山田寛人(セレッソ大阪U-18)
安藤瑞季(長崎総合科学大学附属高等学校)
魚里直哉(関西学院大学)
チャウワット・ヴィラチャード(バンコクグラスFC※期限付き加入)


2018年1月23日現在で、11選手がチームを離れ、10選手が加入している。

チームを離れた選手のうち、丸岡、庄司、池田、椋原、清原の5人は期限付き移籍などで昨シーズン既に別のチームでプレーしており、またアン・ジュンス、温井、岸本、圍、坂本の5人はトップチームのリーグ戦で出場が無い。
なので実質トップチームからは関口が1人抜けることとなった。

加入選手では、永石、中島、山田、安藤、魚里の5人はプロ1年目。この5人とチャウワット・ヴィラチャードは当面U-23が主戦場となるだろう。
永石、安藤はトップチーム出場をはっきりと目指しているようなので、そこに絡んでくるとチームにとっては非常に大きいが…
なのでトップチームで即戦力として獲得したのが、片山、高木、田中亜土夢、ヤン・ドンヒョンの4名。実質抜けたのが関口1人なので再び2017年開幕時点と同じぐらいの選手数となっている。
※23歳以上の選手が26名(山内は大卒2年目ながら2月生まれなので2018年もU-23での出場が可能)

23歳以上の登録選手を起用されるであろうポジションごとにわけると、

FW:6名
柿谷、杉本、ヤン・ドンヒョン、澤上、山村、リカルド

SH:5名
水沼、清武、高木、福満、田中亜土夢

DH:3名+
山口、ソウザ、秋山、(山村、木本)

SB:5名
松田、田中裕介、丸橋、片山、酒本

CB:5名
茂庭、藤本、木本、ヨニッチ、山下

GK:2名+
キム・ジンヒョン、丹野

となる。
SHに高木と田中亜土夢の2人を獲ったということはおそらく柿谷は基本FWで考えているのではないだろうか。
また他のポジションに比べるとDHの層がかなり薄いので山村も前線よりも守備的なポジションでの起用が増える可能性が高いと思われる。

2018年シーズンは2月10日のゼロックス・スーパーカップを皮切りに、スグにミッドウィークからAFCチャンピオンズリーグが始まる。
ワールドカップイヤーということもあり、序盤戦は特にタイトな日程となるが、2017年に掴んだものをどのように進化させるか期待したい。


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