2018年4月27日金曜日

4/25 明治安田生命J1リーグ第10節 VS ベガルタ仙台 @ キンチョウスタジアム

スタジアムキンチョウスタジアム主審山本 雄大
入場者数8,165人副審松井 健太郎、福岡 靖人
天候 / 気温 / 湿度曇 / 14.9℃ / 57%第4の審判員谷本 涼
スターティングメンバー
セレッソ大阪C大阪
 
ベガルタ仙台仙台
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
 
  • 監督
  • 渡邉 晋
セレッソ大阪C大阪
仙台ベガルタ仙台
今回対戦今季平均
データ項目セレッソ大阪ベガルタ仙台セレッソ大阪ベガルタ仙台
FK19171718
CK9556
PK0000
シュート196127
警告/退場2/01/01/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 尹晶煥監督
ベガルタ仙台 渡邉晋監督

セレッソ大阪 清武選手、杉本選手、キム・ジンヒョン選手、藤本選手
セレッソ大阪 福満選手、山村選手、西本選手、山下選手、山口選手(セレッソ大阪公式)
ベガルタ仙台 蜂須賀選手(Jリーグ公式)
ベガルタ仙台 石原選手、シュミット・ダニエル選手、金正也選手(河北新報)

前節大阪ダービーから中3日で迎える明治安田生命J1リーグ第10節。セレッソ大阪は本拠地キンチョウスタジアムでベガルタ仙台を迎えての一戦は、今季リーグ戦初先発となった清武の2得点でセレッソ大阪が逆転勝ち。ホームではこれまで何度も苦渋を飲まされてきた仙台相手に2008年以来となる勝利を挙げた。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーは、前節敗戦を喫した大阪ダービーから3人を入れ替え。FWで柿谷からヤン・ドンヒョン、SHで水沼、高木から福満、清武に代わっている。
清武は負傷から復帰後ここまで途中出場でプレーしてきたが、この試合で先発復帰。2/14のAFCチャンピオンズリーグ第1節済州戦以来の先発となる。
また入れ替えが3人になっているということは、ソウザ、オスマルらは間に合わなかったということ。さらに木本も負傷離脱していることもあり、山村、山下の2人はACL広州恒大戦から3試合連続の先発となっている。

一方、ベガルタ仙台の先発メンバーは、こちらも前節敗戦を喫したジュビロ磐田戦から3人を入れ替え。梁勇基、中野、関に代わり椎橋、永戸、シュミット・ダニエルを起用。フォーメーションも3-4-1-2から3-4-2-1に変えているため、椎橋が入り3バックの右に入り、板倉はボランチに。さらに野津田がシャドウへとポジションを入れ替えている。
またGKに入ったシュミット・ダニエルだが、今季はスタートに出遅れた事もあってレギュラーポジションを掴んでいるのは関だったので、シュミット・ダニエルは7節名古屋戦以来、今季2度目の先発出場。前回の名古屋戦では不安定なプレーを見せてしまったこともありこの試合にかける気持ちは強いだろう。
また、ベンチには昨季までセレッソ大阪に所属し、先日古巣復帰が発表された関口が入っている。

■ポジショニングで優位性をつくる仙台

プレビューでも書いたが、3バックをベースにしながら相手のやり方によって中盤や前線の並びを変える仙台。相手に対してどのようにしてグループとしての優位性を作り出すかという方法論はいくつかあり、それは1つだけでなく幾つかを組み合わせたりもしているのだが、単純にわかりやすく分類すると、例えば先日対戦したFC東京の長谷川監督がとっていたのは攻守の切り替えのスピードで優位性を作り出そうという形。一方で今回対戦する仙台の渡邉監督が取り組んでいるのは選手のポジショニングで優位性を作りだそうという考え方になる。仙台が取り組んでいるような形は日本国内ではまだまだその例は少ないが、ミシャシステムなんかがその走りで、マリノスが今季やろうとしていることも根本的なコンセプトとしては近い。
またいまや世界的には程度の差こそあれこのコンセプトを取り入れているチームはかなり増えている。
仙台攻撃時の配置
そしてこの日の仙台のフォーメーションは3-4-2-1。これはセレッソが4-4-2を採用しているからで1トップ2シャドウに加え両WBが上がると前線に5人が並ぶことになる。
前線に5人が並ぶと4-4-2の最終ライン4人に対して間にポジションをとることになり、DFラインは常にどちらにつくのかの2択を迫られることになる。
大外が空く
最もこの問題が起こりやすいのがサイドチェンジ。WBからWBの大外から大外はもちろんだが、シャドウにボールが入ると4人のDFラインはそこを中心にポジションを取る。つまりそうなると大外はどうしても空いてしまうことになるので、上がってきたWBは完全にフリー。
開始1分の永戸のクロスはシャドウからボランチに落としてそこからサイドを変える形として同じ原則で作られた形だ。
そしてこの形は、SBが中に入っているのでこのWBについていくのはSHが戻るしか無い。
つまり、サイドでセレッソがやられてしまいがちな形に近い。
またSHが最初から戻ることを基本とするとポジションが低くなる。そうなると4-4のポジションバランスが崩れてしまう。
ならばと上がってくる大外をSBに見させると、今度はシャドウの1枚を空けることに。
仙台は中が空かないから外に出しているわけで、これで中を開けてしまうとなるとまさに仙台の思うツボになる。

他にも仙台のWBに対してセレッソのSBが食いついたところでシャドウがSBの裏に飛び出す形などもあるが、これらの仙台のやり方はセレッソの選手がサボっているわけではなく、セレッソの4-4-2に対してどこに選手が立つとどこが空くのかという事が練られた形。それがポジショニングで優位性を作るということなのだが、セレッソの守備がきちんと動けば動くほど同じところがあく。なので仙台は再現性をもって何度も同じ形で攻撃が出来るのだ。

そうなるとこの仙台のやり方に対して4-4-2の守備なんて無力じゃないかということになるが、決してそうではない。実際にヨーロッパではこういったポジショニングで優位性を作り出す相手に対しても4-4-2の精度を高めることで対応しているチームはいくつかある。
例えば先に書いたシャドウにボールが入った時、ボランチにボールを落とされた時のパターンも4-4-2をさらにコンパクトにすることで、そもそもそこにボールを入れさせない。また入ったとしてもコンパクトな状態を作れているため一気にアプローチをかけられるためサイドに出させないのだ。
もちろん相手に形を合わせてしまうというやり方もあるしそれがシンプルな対応方法だが、そうなれば後述の4-4-2が持つ優位性も手放すことになる。尹晶煥監督は試合をクローズさせるために最後に5バックをとることもあるが、基本的には4-4-2にこだわるタイプの監督。であれば、今後はこの守備の精度をさらに高めていく必要があるだろう。

話しが脱線してしまったがこの試合に戻ると、ポジショニングで優位性をつくるやり方で立ち上がりからセレッソ陣内に攻め込む回数も多い仙台。
これが実る形で永戸のクロスから得たCK。
インスイングのボールはヨニッチが跳ね返すものの、そのボールをダイレクトで野津田が再びボールを送り、それを蜂須賀が合わせてゴール。
前半10分に仙台がセットプレーから先制する。
このボールに対してスタジアムではオフサイドではないのか?との声もあったようだが完全にオンサイド。
CKの時にニアポストに立っている松田が上がるタイミングと後ろから出てくる蜂須賀は入れ替わる形になっていただけで、野津田がボールを蹴ったときには完全にオンサイドのポジションにいた。またしいて言えば大岩はオフサイドポジションにいたが、蜂須賀がいた場所とは全く別の位置。野津田が入れたボールに対しても全く関係無い場所だったのでプレーに関与しておらず大岩のオフサイドを主張するのは流石にムリがある。
あと、松田の上がりが遅かったとの見方もあるようだがそれも無い。松田はゴールライン上のニアポストに立っているので他の選手よりも低い位置にいるので他の選手よりも遅れただけだ。もしかすると仙台は狙っていたのかもしれないが、ワンタッチで入れた野津田、そして入れ替わるように出ていった蜂須賀が上手かったということだろう。

■思うようにできていた訳ではない前半の仙台

攻撃で狙いを持った形を見せ、さらに先制点も奪った仙台。しかしこの前半から仙台は思い通りの展開となっていたかといえばそういうわけでも無かった。それを表しているのが前半のポゼッション率。前半のポゼッション率はセレッソが53%と上回っていた。
これはもちろん仙台が先制したからということもあるのだろうが、仙台がやりたいサッカーはポジショニングで優位性をつくるもの。ポジショニングで優位性をつくるということは当然ボールを持つことが前提となるのだが、その前提ができていなかった。
仙台の守備陣形
仙台の守備はまず5-2-3でセットする形になっていた。
セレッソのDFラインに対しては前線の3人、ボランチに対してはボランチ、2トップとSHに対しては最終ラインの5枚で対応。それぞれマッチアップしている選手にアプローチをかけに言っても最後で1人余ることができる。
仙台はそれほど深追いすることは無いが、基本的にはボールを持ちたいチームなので守備のスタート地点は高い。ボールを持つには早く奪い返す必要がある。
4-2-2-2のポジションを取るセレッソ
しかしこの仙台の守備に対してセレッソは清武、福満のSHは中に入ってプレーをしていた。
布陣としては4-4-2というよりも4-2-2-2。5分には既に清武が中に入ってボランチの裏でボールを受けている。
こうなると仙台の守備も少し話しが変わってくる。
中に入るSHに対してWBはついていくことが出来ない。となるとボランチが対応することになるのだが、ここでボランチが対応するとセレッソのボランチがフリーに。その結果セレッソに簡単にボールを持たれる事になるため、シャドウがSBに対応するというよりも中央にしぼりボランチに対応することになる。
しかし、そうなると今度はセレッソのSBがフリーになる。15分頃からこの状況が生まれる様になり、仙台はセレッソのSBに対してWBが後ろから一気に前に詰める形で何とか対応しようとしていた。
前に出たWBの裏を狙う
とはいえこのSBに対してWBが常に対応するのは運動量的にも負荷が高すぎる。
さらに前に出たWBの裏を今度は中から清武、福満のSHやトップの選手が流れて起点を作るようなプレーをみせることで仙台はボールを取り切れない。さらに渡邉監督が試合後の会見でも語っているように「点は取られていないけどバイタル(エリア)にたやすくボールを入れられている」形になっていた。
セレッソのボール保持攻撃はどうしても個々の判断に任されているので、手数がかかったり、ミスが出たりすることも多いのだが、ボランチの裏にクサビが入ったり、中に入ったSHがボールを受けたりという場面は確実に増えていた。
5-4-1で守る仙台
その結果、仙台は30分過ぎからセレッソのSBに対してWBが出ていかなくなる。
となるとシャドウがボランチの脇に下がって5-4-1で守る形になるのだが、こうなればやはりセレッソのSBは比較的自由にボールを持てるようになるし、ボランチが下がっても仙台のボランチはそこまでついてこない。1トップで残る石原はそれでも献身的にプレスバックしていたが、全てに対応していくのはムリがある。
40分の山村から裏を狙う福満へのパスも、こうして仙台がセレッソのボランチにアプローチに行けなくなったから生まれた形だった。
43分に松田のクロスからCKを得た場面もきっかけとなった福満への縦パスを入れた山村がフリーだったから。
このCKからこぼれ球を山口が狙うもクロスバーに当たり決められなかったが決定機だった。

前半セレッソのポゼッション率が上回ったのは30分以降に仙台が5-4-1になったことの影響は大きかったが、こうなったのは突然や何かのミスではなく失点前からセレッソが行っていた形が繋がったもの。また前半のプレーエリアを見ると、両チームにとってミドルサードが最も比率が高いのは当然だが、次に高いのは両チーム共にセレッソにとってのアタッキングサードで仙台にとってのディフェンシブサード。仙台は先制し、守りきれていたものの決して思い通りの前半という訳ではなかったと言えるだろう。

■下がることを選んだ仙台

30分頃から5-4-1で守ることを選択した仙台。渡邉監督のコメントによるとハーフタイムにはできれば前から取りに行きたい前線の選手も含め、下がって5-4-1で守るということを徹底したという。実際に後半立ち上がりから2シャドウもしっかり戻って守備をする場面が見られる。
仙台としてはこの形で守りきれる計算だったのだろう。
しかしこの仙台の5-4-1に対して後半さらに躍動感を増していくのがセレッソの両SH清武と福満。サイド、インサイドとレーンを移動しながらポジションを取ることで仙台の5-4-1の間に潜り込みボールを受ける。
レーンを移動する清武
後半立ち上がり47分に福満のクロスから杉本が狙った場面は、中央に入ってきた清武から右サイドに開く福満にボールを出し、さらに清武はWBとCBの間に走り込んでいる。
セレッソの同点ゴール
そして前半51分の清武の同点ゴールはここまでの集大成の様な形。
スローインを受けたキム・ジンヒョンからのサイドチェンジを山下とのパス交換で丸橋が野津田を外すと、一瞬前に出た蜂須賀の裏へと走る清武へロングパス。そこから清武が杉本とのワンツーで斜めに進入。ドリブルで仙台ディフェンスを外し、見事にゴールネットを揺らした。

こうなると完全にセレッソが押し込む展開に。
54分には清武のCKからあわやの場面を作り、さらにそのこぼれ球から福満が突破と連続攻撃で決定機を続けた。
56分〜
ここで仙台は56分、西村に代えて中野を投入。中野はここのところ左WBでの出場が続いていたがこの日はそのままシャドウに。西村が連戦だったこともあるが、押し込まれているのでドリブルで運ぶことを期待しての投入だったのだろう。
中野は左サイドに開くポジションを取ることも多かった。

しかし60分に決めたのはセレッソ。清武の中へのレーン移動からボールを受けるとバイタルエリアにボールを送り込む。そして杉本が落としたボールからの山口のミドルシュートを一旦はシュミット・ダニエルがセーブするものの、そのこぼれ球に詰めていた清武がゴールに流し込んだ。
先に紹介した渡邉監督のコメントにもあったように、セレッソは中央のバイタルエリアにボールを送り込む形は前半から出来ていたもののそこで決められていなかった。しかしここではシンプルにプレーしたことでミスも起こらずシュートコースも空いていた。それが逆転ゴールに繋がった。

振り返ると前半の立ち上がりは、仙台のポジショニングによる優位性に苦しめられていたセレッソ。しかしこの時間帯ではそういった場面はほとんど見られなくなっていた。
そうなったポイントはWBを押し込む事ができていたからだろう。
最初に書いた様にポジショニングの優位性において最も大きな役割を担っていたのはWBだった。しかし30分以降は仙台のWBがリトリートを選択。そしてセレッソがポゼッション率を高める。その結果WBが上がるには長い距離を走らなければならない。そして中央へのレーン移動があるとはいえ、基本的には目の前にはSHがいる。ここで仙台のWBは蓋をされてしまった。
先程シャドウに入った中野が左サイドに開くポジションを取ることも多いと書いたが、それは永戸が上がってこれなくなっていたからでもある。
また、仙台のWBが下がったのはチームとしてそう決めたからでもあるが、それに繋がったのは前半立ち上がりにWBがSBにまで行かなくてはいけない状況をセレッソが作っていたからだ。

■ボランチで変化を付けたい仙台

逆転されたことで前がかりになっていく仙台。しかし前半の序盤に比べるとWBの上がりも遅く、またセレッソはWBに対してSBが出た後空いたスペースを山口と山村のボランチコンビが上手く埋めていた。
しかしセレッソのボランチが下がるということは、仙台のボランチは空くということ。なので交代策がボランチだったのだろう。
67分〜
67分、仙台は富田に代えて梁勇基をボランチで投入。ここからの時間帯は仙台がポゼッション率をかなり高めることとなる。
71分永戸のシンプルなサイドチェンジから野津田がヘディングでフリック、大外の蜂須賀がボックス内に侵入してくる形は久々にポジショニングの優位性から作った仙台の決定機だった。

しかしここからセレッソも得意のカウンターを繰り出す。
ここまでボールを持った攻撃が多かったセレッソだが本来こちらの方が得意な形だ。
79分〜
74分、セレッソは清武に代えて高木を。さらに79分には山村に代えて藤本を投入。布陣としては同じ4-4-2のまま。藤本は昨年8月5日の第20節札幌戦以来のリーグ戦出場となる。
仙台としては押し込むもののバランスはそれほど良くは無い。シャドウが前に出てボランチで優位性を作ろうという狙いはサイドチェンジのスピードが上がらず、WBがセレッソのSBにきっちり対応される形になっていたので、チャンスは作れないままという状態だった。
83分〜
それならばさらにと83分、板倉に代えてジャーメイン良を投入。ジャーメインはトップに入り、石原がシャドウに。そして野津田がボランチに下がる。
野津田と梁勇基のボランチから展開しようということなのだろう。
90+2分〜
セレッソは90+2分、最後に福満から西本に代え藤本を最終ラインに下げた5バックに変えてクロージング。
ボールを持つのは仙台だったが、しっかりとゲームをコントロールしてそのまま逃げ切り、2-1でセレッソの勝利に終わった。

■その他

一見、後半一気に逆転したという展開に見える試合だったが、前半立ち上がりからその布石はあり、そしてどちらに転ぶかわからない優位性を戦い方を継続することで呼び込み、さらにそこから逆転につなげるという試合運びは鹿島っぽい強さ感じさせるものだった。
その中でも見事だったのはやはり清武。サイドのポジションからレーンを移動して局面の優位性を作る動きは少し抜けているなと思わせた。こういうプレーができる選手だからこそ、セビージャが獲得するのだろう。
今のように自由を与えてあげることで能力を発揮することもあるだろうが、こういう選手は約束事でルールを整備し攻撃の形をはめ込んでもその中で変化を付けられるのだろう。

またこの勝利でACL、ダービーと続いた連敗も止めた。今節は首位の広島を除き上位陣も軒並み勝利したため順位は変わらないが、ズルズル行かないためにも大きな勝利だったといえるだろう。




1 件のコメント :

  1. ご退院おめでとうございます。いつも拝見しています。
    J開幕戦の福満を見て清武と福満の両SHを期待していましたが10節でかないました。(水曜開催で40分以降しか観てませんが) 感想としてトップがドンヒョンなら水沼の方が合っているけど、ポストプレーより下がってプレー出来る柿谷と組み合わせた方が合ってるかもと思いました。3人が3シャドーぎみに流動的に攻めたらもっと面白くなるなと思いました。

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