2019年4月15日月曜日

4/13 明治安田生命J1リーグ第7節 VS 北海道コンサドーレ札幌 @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審井上 知大
入場者数15,125人副審山内 宏志、松井 健太郎
天候 / 気温 / 湿度晴 / 17.4℃ / 25%第4の審判員田尻 智計




セレッソ大阪C大阪
 
北海道コンサドーレ札幌札幌
 
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • ペトロヴィッチ

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 ロティーナ監督
北海道コンサドーレ札幌 ペトロヴィッチ監督

セレッソ大阪 都倉選手、ソウザ選手、西川選手
北海道コンサドーレ札幌 ク・ソンユン選手
北海道コンサドーレ札幌 進藤選手、ク・ソンユン選手(Jリーグ公式)

ミッドウィークのルヴァンカップから中2日で行われる明治安田生命J1リーグ第7節。セレッソ大阪が本拠地ヤンマースタジアム長居に北海道コンサドーレ札幌を迎えての一戦はセットプレーからの失点に泣き0-1で敗戦に終わった。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーは前節と全く同じ11人。プレビューで予想した通り中2日ながら松田を起用してきた。
がしかし、同じだったのはメンバーだけ。それ以外は大きく予想とは異なっていたのだが、その点については後ほど。

一方、北海道コンサドーレ札幌の先発メンバーは、前節から2人入れ替え。右WBは中野ではなくルーカス・フェルナンデスを起用。さらに荒野に代わってキム・ミンテが入っていた。
そしてこのキム・ミンテの起用でわかるように宮澤はボランチ。連敗中ということで主力を多く起用したルヴァンカップ湘南戦で勝利したことで、その形が継続されている。

■オン4-2-3-1/オフ4-4-2

セレッソはキックオフの時に柿谷が左、清武が右にいたので「今日も入れ替えるのか?」と思ったが、それどころではなくファーストプレーですぐにいつもと異なるポジションに立っていた。
セレッソのボール保持時でみた布陣
Jリーグ公式のフォーメーション図では4-4-2になっているがこれはボール非保持時の形。ボール保持時のセレッソは清武がトップ下に入る4-2-3-1だった。
対ミシャシステムであれば5トップでのミスマッチを考え4バックのチームでも5バックで対抗することもある。なのでプレビューでは「セレッソも3バックで来るだろう」ということを書いた。
そしてそれだけではなく、セレッソはルヴァンカップの名古屋戦で今季の公式戦で初めて4バックを採用したが、実はこれはボール非保持時だけ。ボール保持ではグルっと時計回りににポジションが移動する片上げ3-4-2-1になっていた。
しかしこの試合ではボール非保持4-4-2だけでなくボール保持時にも4バック。これは2重に驚かされた。

■4-2-3-1の狙い

4-2-3-1での基本ポジション
セレッソがボール保持時にも4バックの4-2-3-1としたのは、おそらく最初の立ち位置で大外のレーンに2人配置できるからではないかと思われる。
そして狙っていたのは3バックの両脇の選手とWBの背後。ボール保持ではこの狙いを感じさせる立ち位置とボール回しが見られた。
セレッソボール保持時の狙い
特に「狙い」を感じさせたのは右サイド。立ち上がりから松田を頂点とし、片山、清武、デサバトによるひし形を作ろうとする動きが見られていたからだ。
札幌は守備で人への意識が強いので比較的マッチアップがはっきりしており、このひし形を作っている選手をそれぞれ担当しているのはデサバトにはボランチの深井、片山にはチャナティップ、松田には菅、清武には福森が最初は担当となっている。
とはいえ札幌も完全なマンツーマンではなく自分たちのポジションを決め、そこに入ってきた選手を捕まえるというゾーンミックス。なのでこうして形を変えられるとマークを受け渡す必要がでてくるのだが、その時にどうしても福森か菅の裏が空きやすくなる。
前半立ち上がりから片山がいくつか右からクロスを入れることができていたのはこのためだった。

一方で左サイドは比較的シンプルな12分のヨニッチからの長いパスを受けた柿谷のドリブル突破のような1on1で勝負するような場面が目立っていた。
これはチャナティップに比べアンデルソン・ロペスがあまり下がらなかったからで、ルーカス・フェルナンデスは常に丸橋にボールが入った時に出ていくかどうかの判断を迫られていたからだろう。
2トップ気味になる札幌に対してのセレッソ
しかしセレッソが「この形でガンガンチャンスを作るぜ!」とまでならなかったのは札幌が比較的慎重な姿勢で戦っていたからだろう。この戦い方もセレッソにとっては想定の範囲内ではあっただろうが、おそらくルヴァンの名古屋の様にもっと無駄に「ボールが欲しい!」と来てくれた方が楽だったはずだ。
その札幌の慎重さが感じられたのがチャナティップのポジショニング。チャナティップは最初から宮澤と深井のボランチの脇まで下がっていることも多かったので、札幌は5-3-2のような形になっていた。
こうなると札幌は深井がチャナティップの内側に専念できるので、セレッソは右サイドではボールを持つことはできてもひし形に最初から人数を合わせられてしまい簡単に福森のところを狙うまではいかなくなる。
この状況、例えば「和式」と呼ばれるサッカーだともっと人数をかけて、例えコントロールを失ったとしてもとにかく切り合えという感じでワーワーサッカーに持ち込むのだろう。しかしこの試合の監督はロティーナとミシャなので、まだ前半で試合を必要以上にオープンにすることないと判断。そのまま試合を進めていく。
ロティーナはともかくミシャにも割とそういうところはある。

ただ、この札幌の振る舞いがセレッソにとって想定内だったと思わせたのは、札幌がアンデルソン・ロペスと鈴木武蔵の2トップ状態になった時にキム・ジンヒョンがペナルティエリアから出てCBの間でボールを動かし始めたこと。2トップに対して3人を用意したのだ。
こんなプレーはこれまで一度も見たことが無かったので思いつきとは考えにくい。
ただ、これがあまり効果をあげることはなかった。というのもせっかく中央にキム・ジンヒョンが入っても木本やヨニッチが札幌の2トップ状態になっている1列目脇に入って2列目の選手を動かすところまではできていなかったからだ。
2トップ状態の札幌もセレッソのCBに対して積極的にプレッシングをかけるということをしなかったので、それが無いとあまり3人になっている意味は無い。

あともう1つは丸橋からトップへのクサビのパスがほとんど収まらなかったこともあるだろう。
札幌はチャナティップが2列目に下がって2トップになっていても右SHには誰もいない5-3-2の状態だった。ということは丸橋には比較的時間とスペースがある。なので丸橋にボールが入ったときは尹晶煥時代を思わせる丸橋からトップへのクサビという形がいくつか見られた。しかし、都倉は1トップで、さらに3バックを背負っているので厳しい状態であることは間違いないのだがこのボールはなかなか収まらず。ここで収まるとまたさらに懐かしの両SHがスプリントで背後へという形も見られたかもしれないがそうはいかなかった。

■4-4-2の狙い

札幌の4-1-5とセレッソの4-4-2
セレッソのボール非保持時の4-4-2は、これまでと同様に中を締めた形だった。
なので大外レーンのWBは空いている。しかしそこは普通にスライドでカバーしていた。
Jリーグでは広島時代から4-4-2に対して猛威を振るったミシャシステムだがACLとかでは普通に4-4-2のスライドで対応されていることもあったのだが、こうしてきっちりと4-4のゾーンができれば逆サイドのインサイドウイングにSBが引っ張られることもないので問題が無いということなのだろう。
5-0-5化する札幌
なので札幌がボール保持からボールを運んでいたのは宮澤も最終ラインに下げて5-0-5になったところから下がってきたチャナティップを経由して、さらにオーバーラップした福森を経由する形。とはいえこの形も不意に逆サイドまでボールが流れたりしない限りはそれほど危ない場面は無かった。

ただセレッソがピンチ、札幌がチャンスを作れそうだったのはカウンター気味にボールを運ばれた時。そうなると4-4のブロックで中を締めるまではたどり着かず斜めのボールを入れられてしまう。札幌が前半に作ったチャンスのほとんどがこの斜めのボールだった。

両者のチャンスやチャンスを作れない場面を見ると、札幌は捕まえる人で、セレッソは配置のコンパクトさで守備をするという対象的な姿が見られた前半だったと思う。

■左サイドから

後半活性化したセレッソの左サイド
前半は右のボール保持から縦に攻めることが多かったセレッソだが、後半に入ると一気に左サイドから攻める回数が増える。
きっかけとなったのはソウザが左ハーフスペースに立ってビルドアップの出口となり丸橋や柿谷への配給をするようになったから。おそらくハーフタイムに監督から指示があったのだろう。
ビルドアップの出口とはビルドアップのスタートとなるCBからボールを受け中盤の次のアクションへ移すための中継地点(中継する選手)のことで、前半は右サイドでデサバトや片山がビルドアップの出口になっていた。
(ちなみにこのビルドアップの出口のことをスペインでは「Salida de Balón(サリーダ・デ・バロン)」と呼ばれている。なのでYOUTUBEで「Salida de Balón」と検索するとロティーナがボール保持でどういうことをしようとしているのかがわかると思う。)

その結果丸橋が柿谷を追い越す形や都倉がサイドに流れてくる形なども生まれるようになり左サイドの攻撃が活性化したのだ。
これにより札幌はアンデルソン・ロペスが右に落ちざるを得ず5-4-1で守ることに。1トップであれば枚数的にもCB2人で十分。なので後半はキム・ジンヒョンが最終ラインでビルドアップに加わることは無くなった。

しかしこの左サイドでの攻撃は諸刃の剣でもあった。丸橋が柿谷を追い越す。さらにソウザももう1度前でボールが欲しい。そして札幌はアンデルソン・ロペスはあまり下がりたくない。
なのでボールを失った時にアンデルソン・ロペスの前にはスペースがあり一気にカウンター気味にボールを運ばれる回数も増えたのだ。つまり前半に比べるとオープンな展開になった。
もちろんセレッソも素早い切り替えで陣形を整えるので少しでも時間をかけさせればフィニッシュでやられることもなかったが、オープンな展開を作ってしまうのはちょっとロティーナにしては珍しいなとは感じた。
とはいえ、前半は我慢して試合を動かさなかったので後半は多少のリスクをかけてでも得点を奪いに行こうということだったのかもしれない。

■試合が動き始めたことで手をうつ両者

69分〜
試合がオープンになりつつある中でまず最初に動いたのは札幌、66分にルーカス・フェルナンデスに代えて中野を投入。続いてセレッソが69分に清武に代え高木を投入する。
札幌の交代はルーカス・フェルナンデスがあまり効果的な仕事ができていなかったからだろう。試合がクローズしていた前半も、オープンになりかけた後半も守備で頑張っていた印象はあるものの攻撃で何かができているわけでもアンデルソン・ロペスを活かしているといったことも無かった。中野は仙台では左WBでプレーしていたが、今季札幌に移籍してからは右WBでのプレー機会も多い。
一方セレッソの交代も1つは清武があまり効果的な仕事ができなくなっていたからだろう。おそらく清武は札幌のボランチの背後でプレーさせたかったんだと思う。
しかしそれがあまりできなくなっていた。そしてそうなると清武は下がったりサイドに流れたりする。となると都倉が前線で孤立する。なので高木を左に入れ柿谷を前に出し都倉と2トップの形にした。ここからセレッソはボール保持時も4-4-2になる。
あともう1つは柿谷が守備で遅れるようになっていたこともあるだろう。なので柿谷を前線に移動させた。
76分〜
さらにセレッソは76分に松田に代えて水沼を投入。これはある程度計算していた交代だろうが、この少し前から松田も攻守の切り替えが遅れ始めていた。
それがこの交代直前の、キム・ジンヒョンがセーブしたものの松田の前にいる福森から対角線の長いボールでアンデルソン・ロペスに抜け出されるという場面に繋がっている。

そしてこの交代後、セレッソのCKからの展開で札幌のカウンターを受けるとそこからのCKで進藤に合わされて失点。札幌が先制する。
ゾーンで守っている大外でキム・ミンテと進藤が重なっており、その2人の内外側にいた進藤が合わせたという形だったので非常に対応しにくい状況となってしまった。
84分〜
この失点を受け84分にセレッソは丸橋に代えて西川君を投入。3バックにして前線の枚数を増やす。そして同時に札幌も菅に代えて早坂を投入。早坂は右WBに入り中野が左WBへと移動する。
ホンダや鳥栖のころは前線でプレーしていた早坂だが札幌では右サイドのどちらかといえば守備の人。なのでここは守備を固める選択だ。
一方のセレッソだが、ロティーナによると西川君の投入は「スコアにかかわらず準備していた」とのことだがおそらく0-0やもしセレッソがリードしていれば柿谷と代えていたんだと思う。
しかしビハインドとなったことで丸橋を削って前線を増やすという交代になったのだろう。

なので、この試合初めて3バックになったセレッソは高木の外側を木本が、水沼の外側を片山がオーバーラップするように前がかりになる。
イメージとしてはいつもの3バックではなく4バックからCB1人を減らしてトップ下を2人にしたという感じである。
なのでこれまでのビハインドの試合の様にとにかくパワープレーという形ではなくボールを繋ぎながら攻めるセレッソだったが攻めきれない。
結果論だがこの形で攻めるのであれば、リスクはあるが丸橋を下げるのではなく木本を下げて丸橋に3バックの左をやらせたほうが良かったかもしれない。

アディショナルタイムには西川君がドリブルから左足でシュートを放つもヒットせず。
90+4分〜
90+4分に札幌はチャナティップに代えて岩崎を投入するとそのまま試合終了。
0-1で敗戦となった。

■その他

悔しい結果となった。セレッソとしては得点は奪えなかったが、大きなピンチを作られていたわけでもない。打たれたシュートも福森のロングボールからアンデルソン・ロペスに抜け出された場面以外はコースを限定できていたのでほとんどキム・ジンヒョンが正面近くでセーブしている。そしてさらにセレッソはFKもCKも札幌よりも多かった。なのでできればそこで勝負をつけたい試合だった。
セレッソとしては試合をオープンにしてしまった部分はあるが、勝てないにしても基本的には負けるような試合ではなかったと思う。
ただ、こういう試合は少なくとも0で抑えられるようにならないといけない。

この試合では敗れてしまったことで思いの外ネガティブな印象を持っている方も多いようだが、ダメな試合をしている訳ではないのでこのまま続けていけばいいんじゃないかと思っている。

※今回の「ロティーナの発言(考え)を読み解こう」はお休みとなります




7 件のコメント :

  1. 徐々にバージョンアップしています。
    ダイヤモンドを作ってローテーションしながら
    再現性をもってボールを深くまで運べるようになりました。
    (右サイドに限定ですが)
    あとはゴールが足りない。
    この問題は解決するのでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。
      ゴールを奪うことが一番むずかしいのでもちろん簡単ではないでしょうが、解決すると思いますよ。
      今の色々もそのためにやってることですから。

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  2. いつもお疲れ様です。
    柿谷選手ですが、リカバリートレーニングでも少し左脚が重そうにしていましたので、結構守備に奮闘して疲労が溜まったのかもしれませんね。
    前回もコメントさせていただいた際にお伝えしたかと思いますが、やはり守備ラインでのボール回しがバタつく部分とどうもポゼッションが板につかない感じが不安定さに繋がっているようで…1-0できっちり、という試合は難しい印象。札幌戦も0で抑えても3点ほど取られてもどちらでもおかしくなかったようなミスがちらほら。となると2点は取りたいが、得点力不足でそれも厳しい。
    今回一気に順位を落としてもおかしくなかった中で下位がある意味順当に負けたので大きく落とすことは無かったですが、セレッソより下の順位のチームとの残留争い、が今年の限界のような気がします。
    あとはどれだけ上積み要素を残して翌年に向かえるか、それが無いようならスタイルは違えどユンさんと同じ扱いになりそうな気もします。
    判断のスピードとボール回しの精度を同時に上げるための練習は遊びの中も含めいろいろ試みているようですが。

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    1. コメントありがとうございます。
      僕はそんな低いところに今年の限界があるとは思わないですけどねえ。
      まあわからないですけど。

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  3. 今回も楽しく拝読致しました。
    試合内容はどんどん良くなってると思いますが、試合翌日の清武選手のインスタの投稿が少し気になりました。
    全くの私感ですがまるで主将としてロティーナの戦術をきっちり遂行したい気持ちともっとのびのび自由闊達にプレーしたいという気持ちがせめぎ合ってるような印象を受けました。
    個人的にはいわゆるポジショナルプレーは清武選手によく合うと思っていましたし、ロティーナも清武選手を高く評価していたので意外というか。
    Akiさんはどのような印象をお持ちですか?今回はぜひ清武選手の発言を読み解いて頂ければ幸いです。

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    1. コメントありがとうございます。
      清水戦のプレビューでこのことについてちょっと書いてみましたので良ければ見てください!

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    2. 御返信ありがとうございます。
      清水戦プレビューを拝読致しましたが「なるほど!」と腑に落ちました。
      レビューも楽しみにしております。

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