2019年5月9日木曜日

5/8 YBCルヴァンカップCグループ第5節 VS 名古屋グランパス @ パロマ瑞穂スタジアム

スタジアムパロマ瑞穂スタジアム主審笠原 寛貴
入場者数9,852人副審相樂 亨、堀越 雅弘
天候 / 気温 / 湿度晴 / 17.8℃ / 43%第4の審判員竹田 明弘
名古屋グランパス名古屋
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 風間 八宏
 
  • 監督
  • ロティーナ
全ての試合において 21 歳以下の選手を 1 名以上先発に含める。※1

※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表の合宿その他の活動(ただしA 代表またはU19以上のカテゴリーの日本代表に限る)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。

<監督・選手コメント>

名古屋グランパス 風間八宏監督
セレッソ大阪 ロティーナ監督

名古屋グランパス 前田選手、菅原選手
セレッソ大阪 ソウザ選手、舩木選手、片山選手、木本選手

ルヴァンカップグループステージ第5節、敵地パロマ瑞穂スタジアムでの名古屋グランパス対セレッソ大阪の一戦はセレッソ大阪が2点を追いつかれ2-2の引き分け。この試合に勝利すればグループステージ突破が決まる一戦だったが、最終節まで持ち越しとなった。

■メンバー

名古屋グランパスの先発メンバーは、ミッドウィークのルヴァンカップということで直近のリーグ戦からは11人全員を入れ替え。また前回ルヴァンカップで対戦した試合からみると、ガブリエル・シャビエルが怪我をしている関係でリーグ戦で出番をえている前田と出場停止の千葉が外れ、入っているのは金井と東海大学在学中で特別指定選手の児玉君。ということで引き続き出場している選手でもポジションは変わっており、左SBだった相馬が右SBに、右SBだった菅原がCBに、トップだった杉森が右SHに、右SHだったマテウスがトップで出場している。

一方のセレッソ大阪の先発メンバーも、直近のリーグ戦からは11人全員を入れ替え。
ただしリーグ戦ではメンバーを入れ替えて戦ったので前回のルヴァンカップでの対戦からは6人が入れ替わり。ブルーノ・メンデス、水沼、奥埜、藤田、松田、瀬古が外れ、柿谷、福満、ソウザ、デサバト、片山、木本が起用された。

■両チームの考え方の違いが見えた立ち上がり

前半立ち上がりの時間帯はどちらかといえば名古屋の方がボール保持率は高かっただろう。ただし敵陣に効果的に攻め込むことができていたのはセレッソ。
リーグ戦でのプレビューでロティーナ監督と風間監督は対照的な部分があると書いたが、それを感じさせる立ち上がりだった。
セレッソ敵陣での守備
名古屋が自陣からボールをつなごうとするのに対してセレッソは4-4-2で敵陣からアプローチをかけていた。ハイプレスというほど積極的にボールを取りに行くというわけではないが、ボールホルダーに制限をかけながら苦し紛れのパスを奪って攻め込むという形は立ち上がりから何度か見せており、シュートまでは持ち込めないもののセレッソは敵陣深い位置にまでボールを何度も運んでいた。
これに対して名古屋は小林がCBの間に落ちて2トップに対して数的有利を作ろうとする。
この小林の動きで名古屋は何度かボールを前進できるようにはなったが、それでもセレッソは何度かはボールを奪い敵陣深くにまでボールを運んでいる。
というのも名古屋のボール保持は3バック化も含めて各選手の立ち位置というよりも、選手個々の関係性で成り立っている。なのでセレッソのアプローチに対しても上手く外すことができるかどうかは、ボールの出し手と受け手がスペースを同時に見つけることができるかどうかにかかっているからだろう。
セレッソ自陣での守備
名古屋がセレッソのアプローチを外してセレッソ陣内までボールを運ぶとセレッソは4-4-2のブロックを作る。この中央を締めるブロックの精度は安定しており、名古屋はブロックの外でボールを持つ時間だけが増えるという展開だった。
このブロックの外でボールを持つ時間があった分、名古屋のボール保持率は高かったのではないかと思われる。
とはいえ名古屋はこのブロックを崩し10分に金井がシュートを放つというビッグチャンスを迎えている。このあたりはさすが名古屋というところだろう。
またこのボール保持からの攻撃でボックス内ゴール前に左SBの金井がいるのもさすがである。

ただ、こうやって金井がボックス内でチャンスを迎えるのもある種当然。金井は攻撃の時に左SBのポジションを捨てて頻繁にボックス内に入ってくるからである。
なのでこの金井の動きが良いかどうかは賛否が分かれるところ。このあたりが名古屋でも今季ほとんど出場機会がなかったり、これまで所属してきたチームでもポジションを掴みきれなかった要因なのではないだろうか。

一方、セレッソが自陣でボールを奪った時は名古屋も前線から守備を行っていた。
前回ルヴァンカップでの対戦時にも書いたが名古屋のほうが積極的。ボールを奪いに行く守備を行う。
4-4-2から3-4-2-1へ
しかしこの試合のセレッソは、ボール非保持時の4-4-2からボール保持時は左サイドを上げる3-4-2-1へと形を変える。グアルディオラが「15本のパス」と呼んでいるいくつかのパスをつなぐことで陣形を整えるとフォーメーションの変化によって名古屋の陣形にはスペースがある。さらに名古屋の守備はリトリートする基準も曖昧なので、背後などいくつかののスペースを使いセレッソがボールを前進させていた。
JスポーツではDFラインの背後のスペースへシンプルにというニュアンスで中継をされていたが、前回の対戦で圍からのロングボール一発で何度も背後を取られていたこともあって、さすがに名古屋もそこは警戒している。
それでも何度もDFラインの裏を使うことができていたのはチームとして立ち位置で変化を作っていたからだった。

そして15分にセレッソが先制する。
櫛引がボールをバウンドさせてしまったことで高木を引き倒し、セレッソがFKを獲得すると、ソウザが直接狙ったボールに片山が足を出しそのままゴールネットを揺らした。

■チャンスを量産するも少し気になる点が…

ここからもチャンスを量産するセレッソ。
24分には柿谷がGKと1対1、32分の柿谷ループ、39分の福満が抜け出して折り返しと決定機を迎えたがいずれも決められなかった。

しかしこの福満が抜け出したチャンスで得たCKでソウザのボールに舩木がヘディングで合わせてゴール。4度目のチャンスでようやく追加点を挙げる。
このCKのシーンはは山下、木本、舩木の3人がファーサイド後方で待っていてそこには名古屋の選手もマークをつけていたのだが、その3人の中でニアに飛び出していったのがまさかの舩木。なので名古屋の選手は誰も対応できず舩木はフリーでヘディングすることができた。
後半開始〜
後半立ち上がりから名古屋は児玉君に代えて前田を投入。前田は右SH、マテウスが左SH、杉森がトップとポジションを入れ替える。

しかしそれでもチャンスはセレッソ。
51分には柿谷が抜け出し、52分には田中亜土夢のスルーパスから高木がGKと1対1になるも決められない。
すると53分に名古屋はマテウスのクロスに赤﨑が頭で合わせる場面を作る。
圍がセーブしたが久々に名古屋にも決定機といえるシーンが訪れたが、その後にも56分に福満が抜け出し、64分にはよくわからないファールを取られてしまったが、福満が金井にヘディングで競り合ったあと、高木が最終ラインの裏に抜け出しかけていた。

この様にセレッソが名古屋を引き出しそこで作ったスペースを活用して何度もチャンスを作っていたのだが、少し気になる点もあった。
それはDFラインが下がりすぎてしまう場面が多かったこと。前半から名古屋に数多くのCKを与えることになっていたのはこれが原因だった。
そしてDFラインが下がりすぎてしまっていた要因は、敵陣からアプローチをしかけたあと、自陣でブロックを作るまでの間にボールホルダーへのアプローチが遅れがちだったため。
後半に入ると名古屋はSHを前田とマテウスというスピードと推進力がある選手に代えたことでよりその傾向が強くなっていた。
68分〜
名古屋は68分に杉森に代えてジョーを投入するのだが、セレッソのDFラインが深くなっていたことを考えるとジョーの投入は当然だろう。

そしてその直後のCK。相馬の蹴ったCKはニアで田中亜土夢が跳ね返すのだが、そのこぼれ球をダイレクトで赤﨑が蹴る。おそらくこの赤﨑のボールはミスキックだったのだが上手く再び相馬へと渡った。
ここで相馬と田中亜土夢が1対1となるのだが、田中亜土夢は簡単に入れてくると思ったのだろう。相馬に対峙するも縦へのコースががら空き。相馬はそれを見逃さず縦へと突破しその折返しを前田が決めゴール。名古屋が1点を返すことに成功する。
田中亜土夢の対応が緩慢だったのもあるが、CKを与えすぎていたというのもあるだろう。

■構造で上回るもオープンに

名古屋は1点を返したことで勢いが出てくる。またジョーに対して少しアバウト気味でもボールを入れてくるのでセレッソのDFラインはさらに低くなってしまっていた。
73分に前田からのアーリークロスを赤﨑がファーで折り返し、中央でジョーが合わせるという場面は、赤﨑と金井がガッツポーズをしかけていたことからもわかるように名古屋にとってかなりのビッグチャンスだった。

がしかし、ここまでチャンスを量産していたこともわかるように構造で上回っているのは完全にセレッソ。
名古屋はこの問題点をケアしないのか、それともケアできないのかはわからないが、どうして対応するのかが全く見えない。
なので76分福満の折り返しに田中亜土夢、さらに78分にはデサバトのスルーパスに舩木が抜け出しその折返しを高木と何度もチャンスを作っている。
78分の形
特にこの78分の場面はセレッソがチームとして狙っている形だろう。
まずデサバトから山下へとパスが出て、ボールを受けた山下は少しだけドリブルでボール持ち出す。この時右SHの前田と右SBの相馬は山下から舩木へのパス、つまり外側を警戒していた。
しかしそこで山下が出したのはハーフスペースにいる田中亜土夢。このパスが入った瞬間に相馬はあわてて田中亜土夢へとアプローチをかけるが、田中亜土夢は落ち着いてデサバトへ。
するとデサバトは大外を一気に駆け上がる舩木へとワンタッチでスルーパス。ここを埋めるべき相馬は田中亜土夢に食いついていたので誰もいない。前田があわてて戻るもこのボールを受けた舩木もワンタッチでグラウンダーの折返し。それをフリーの高木が合わせるという、ポジショニングとボール移動、身体の向きで相手を動かしていき攻略するという完璧な形である。しかし唯一完璧ではなかったのはシュート。高木のシュートはゴール左に外れてた。

こうしてチャンスを量産するも決められないでいると、アップダウンが増え必然的にオープンになっていく。
その結果やはりラインが深くなってしまったところで小林の折返しをジョーに決められ失点。79分に名古屋に同点に追いつかれてしまった。

オープンな展開となっているのでここからも両チームにチャンスが訪れる。
82分にはファーサイドでクロスを受けた柿谷がフリーでシュートを放つも決められず、84分には福満がフリーでボックス内に侵入するも決められず。
90分には名古屋も前田がシュートを放つも枠外へ。
90+4分〜
87分に名古屋は櫛引に代えて中谷。セレッソは89分に福満に代えて松田、90+2分に高木に代えて澤上、90+4分に田中亜土夢に代えて西本を投入するも試合はそのまま終了。
2-2の引き分けとなった。

■その他

試合内容としてはほぼ思い通りの形をつくることができていた。
ただ1つ足りなかったのはシュートを決めること。普通に考えてもあと2〜3点は取っていてもおかしくない試合だっただけにもったいない試合だった。
まあでもこういうことはあり得る。決められなかった選手は当然批判を受けるだろうが、彼らにとってもこれだけチャンスを量産できたことをポジティブにとらえて、次のチャンスこそは決めてくれるようにしてもらうしかない。
「交代が遅い」という声もあるようだが、彼らが機能していなかったわけではなく、最後までずっとチャンスを作れていたのだから代えないのもわからないではない。

これでグループステージ突破は最終節に持ち越し。
最終節ホーム大分戦では引き分け以上で勝ち抜けが決定。もし敗れても裏カードの神戸対名古屋で神戸が勝利すれば勝ち抜けとなる。
現在の神戸は、リージョ監督退任直後に対戦したルヴァンカップ前節よりもさらに厳しい状態になっているのであまり頼りにせず、大分との最終節で引き分け以上の結果となることに期待しよう。



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