2019年7月12日金曜日

7/10 第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦 VS アルテリーヴォ和歌山 @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審松尾 一
入場者数3,455人副審川崎 秋仁、中澤 涼
天候 / 気温 / 湿度曇り / 26.1℃ / 69%第4の審判員谷本 涼
セレッソ大阪C大阪
 
アルテリーヴォ和歌山和歌山
  • スターティングメンバー
  • GK 41 大野 敬介
  • DF 2 角南 裕太
  • DF 4 寺本 健人
  • DF 14 三浦 修
  • DF 22 白 明哲
  • MF 7 大北 啓介59'
  • MF 8 高瀬 龍舞
  • MF 9 林 祥太
  • MF 10 白方 淳也45+1'
  • MF 26 堀野 翔79'
  • FW 11 久保 裕一99'
 
  • 控えメンバー
  • GK 1 池上 尚孝
  • DF 6 石垣 徳之79'
  • MF 13 宮下 周歩45+1'
  • MF 23 山本 廉59'
  • MF 25 國廣 周平
  • FW 15 川口 真史99'
  • FW 20 辻村 剛史
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • 坂元 要介

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 ロティーナ監督
アルテリーヴォ和歌山 坂元要介監督

セレッソ大阪 奥埜選手、高木選手、安藤選手
アルテリーヴォ和歌山 林選手(Jリーグ公式)

第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会、セレッソ大阪にとっての初戦となる2回戦。ヤンマースタジアム長居で行われた現在関西リーグを戦うアルテリーヴォ和歌山との一戦は延長にもつれ込んだが3-1でセレッソ大阪が勝利。3回戦へと駒を進めた

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーはリーグ戦前節から8人を入れ替え。引き続き先発となったのは怪我人もあり層の薄くなっているCB、ボランチで瀬古、木本、奥埜の3人。奥埜はここのところ前線での起用が続いていたがこの試合では久々にボランチに入る。
そしてU-23からは安藤と西本がベンチ入り。トップチームでポジションを掴んだとも言える瀬古、開幕からトップチームに加わる舩木、ここのところトップチームでベンチ入りしている山田に続いてこれをきっかけにトップチームに加われるかというところ。

一方アルテリーヴォ和歌山の先発メンバーはほとんど初見の選手ばかり。唯一知っているのが千葉、鳥取、岡山、水戸、相模原でプレーした久保。岡山時代にはセレッソ戦で得点を奪ったこともある。
またGKの大野は静岡学園出身で木本の1年先輩にあたるらしい。

■天皇杯といえばジャイアント・キリング

天皇杯といえばやはり下のカテゴリーのチームが上のカテゴリーのチームに勝利するジャイアント・キリングが起こりやすい大会としても有名だ。NHKはジャイアント・キリングが起こりそうなカードを選んで中継しているとの噂も立つほどである。
普通に考えれば選手のクオリティが全く異なるわけで、そんなチームの対戦なのになぜジャイアント・キリングが起こるのか。その理由は「相手のことを知らないから」である。
相手にどういった選手がいて、普段はどういった布陣で、どういったサッカーをしているのか。その情報がほとんど無い。仮に少し情報があったとしてもこの試合に向けたスペシャルプランを取ってくる可能性もある。
となると上位カテゴリのチームは実際に試合が始まってからピッチの上で見て判断しなければいけない。
しかし下位カテゴリのチームは相手の情報は簡単に集めることができる。この差がかなり大きい。

そしてこの差が大きく現れるのがチームの意思統一の部分。
下位カテゴリのチームはこの試合で、どのような役割を持ってどのような戦い方をするのかの意思統一を時間をかけて準備することができる。
しかし上位カテゴリのチームは実際に試合が始まってからピッチ内で行うだけ。
チームの意思統一が選手のクオリティを凌駕しうるというのは、過去「選手の質は高いが…」と言われていた期間があったセレッソサポーターならよく知るところだろう。

そして逆に下位カテゴリがのチームにとってはこの意思統一の差こそが生命線となる。
ここでアドバンテージが得られないと大敗することになる。

■和歌山の戦い方を見る

両チームの布陣
ということで試合が始まるとまず布陣が判明する。
まずはセレッソ。布陣はいつもの4-4-2だが、いつもと異なるのは田中亜土夢が右SHに入っているということだろうか。そして山田が柿谷と2トップを組み、高木が左SH。他はおそらく誰もが予想したポジションだろう。
そして和歌山の布陣は4-1-4-1だった。
4-1-4-1から4-4-2へ
立ち上がりの和歌山は4-1-4-1から右インサイドハーフの7番大北が1つ前に出て4-4-2になり前線からアプローチをかけに来た。
特に7番大北の前に出る勢い、強度、そして頻度なども考えるととても90分続けられるようなものではなかったので、立ち上がりに一気に勢いを持ってということだったのだろう。
セレッソとしては、どうしてもまずは相手の様子を見るという形になるのでいいアイデアだ。

■判断する

奥埜と木本の位置を入れ替える
この和歌山の戦い方を踏まえて、まず8分ごろから木本と奥埜の立ち位置が入れ替わった。
木本が下がり3バック化
そしてそこから木本が最終ラインに入って3バック化する形が増える。奥埜が下がることも時々あったが、まずは木本が下がる方が多かった。
そしてこれでセレッソはまず最終ラインで安心してボールを保持ができるようになる。
2-2でボールを保持する
すると和歌山は前線からのプレッシングを止めて自陣で4-1-4-1で守るようになる。
とはいえ7番の大北は前にアプローチに行く機会を伺っている。
これは山下よりも瀬古の方がボールを出せるので瀬古を自由にプレーできる状態にさせたくなかったからなのかはわからない。
ただ、和歌山が4-1-4-1になると1トップなのでセレッソはCBとボランチの2-2でボールを保持するようになる。
ハーフスペースを強襲する
そして15分ごろから今度は奥埜が最終ラインに下がるプレーも目立つようになる。
これは3バック化というよりも山下に持ち上がらせるため。瀬古のところには7番の大北が伺っているが山下を9番の林が伺うという場面はほとんどない。
ということで奥埜が下がると同時に山下が持ち上がるというシーンが目立つようになっていた。
そしてここから狙っていたのは田中亜土夢のハーフスペース侵入。大外の片山を経由してハーフスペースで背後に飛び出す田中亜土夢、またハーフスペースの最終ライン前のスペースでボールを受ける田中亜土夢が起点となってセレッソが押し込む場面が増えていった。
16分にはその田中亜土夢からのパスを受け山田が決定機を迎え、さらに19分には田中亜土夢のクロスに逆サイドの大外から高木が飛び込むという決定機を迎えるがゴールは決められず。0-0のまま試合は推移する。
ハーフスペース強襲とSB裏
そして右サイドが機能しはじめると左サイドでもボールを運ぶ場面も増えていく。
左サイドでは高木が内へ入り柿谷が逆にサイドに流れ、そこに舩木からパスを送るという場面も増えていた。

■和歌山の対応とやりたいこと

ただここまで書いたようにセレッソの攻撃は同サイドでの形が多い。
これは和歌山のスライドが早かったから。中盤の4-1はSBへのアプローチがかなり早かった。
これは普段のセレッソであれば左サイドで幅を取るのは丸橋とほぼ固定されているが、右サイドは松田と水沼が状況によって幅を取る選手を入れ替えているのに対し、この試合では左舩木、右片山と両サイド共にSBに固定されていたことの影響もあるだろう。
これまでのルヴァンカップでは過密日程でも右SBは松田を使い、さらにSHに福満が入ったりして、福満は水沼と同じ役割(WB化とシャドゥ化)をしていたが、普段左SHの田中亜土夢が右SHで起用されたこの試合では、片山と田中亜土夢の関係が変わるという場面はなかった。
マン・ツー・マン気味に対応する和歌山の4-1-4-1
なので和歌山はセレッソのSHをSBが、SBをSHが、ボランチをインサイドハーフがみるというマン・ツー・マンのような形を取れた。
右サイドが入れかわらないのでこの形で対応できたのだ

がしかし、38分の高木の先制シーンでは和歌山の選手のアプローチが遅れる。
右の大外で片山がボールを受けるも前が詰まっていたので奥埜にボールを戻す。この奥埜に対して和歌山にはアプローチをが遅れた。
ということで、このタイミングで左サイドから高木が内側へ斜めに裏へと飛び出す。
このタイミングに奥埜は高木へとパス。この試合初めてといっても良いぐらいの斜めのパスで高木が抜け出しゴールネットを揺らした。
和歌山としてはこの形をケアしていただけにやられてはいけない形だった。
SHを走らせる
失点してしまった和歌山だが、ボールを奪うことに成功した時、攻撃で狙っていたのはSHをセレッソのSBとヨーイドンさせてサイドのスペースで起点を作るということだった。
ただ、セレッソも山下と瀬古がカバーするのでシュートまで持っていくということはなかなか出来ていなかった。

こうして攻撃の形はなかなか作れなかった和歌山だが、セレッソも得点はしたものの4-1-4-1でマン・ツー・マン気味に守る守備に対してはかなり手こずった。
ここから先もチャンスは何度も作っているので攻められなかったわけではないのだが、対応する人がハッキリしているので最後まで和歌山の選手は身体をはれた。セレッソがいつものようなギャップを使うという攻撃がなかなかできなかったのだ。
マン・ツー・マンで守るのであれば、セレッソも本来であればローテーション、つまりポジションをぐるぐる入れ替えることで相手の守備を混乱させることもできるのだが、いかんせんこのままでもゴールまでもう少しというチャンスは作れる。なのでローテーションでという形もほとんど見られず結果的にはずっとこの和歌山の守備に対して手こずることになる。
45+1分〜
和歌山は前半アディショナルタイムの45+1分に10番の白方がおそらくハムストリングスを痛め途中交代。13番の山本が投入されるというアクシデントがあったが、後半に入っても役割は変わらず。引き続きマン・ツー・マン気味の対応を続けていた。

ということでセレッソとしては苦労はしていたがやられる感じも無い。そしてチャンスも無いわけではないという感じだったのでこのままいけば2-0ぐらいかな?という感じで始まった後半。
しかし開始早々の52分に思わぬ失点を喫し1-1の同点に追いつかれる。
この失点シーンも普通に守れていた。
がしかし、相手がクロスの処理を少しもたついたことで、瀬古がポジションを捨てて取りに行く。
しかしここで取り切れず、最初の7番大北のシュートは圍がブロックするが、さらにそのこぼれ球を9番の林に決められてしまった。

■元気なった和歌山

この同点ゴールで元気になった和歌山はさらにマン・ツー・マン気味の4-1-4-1で頑張れるようになる。
とはいえセレッソもチャンスを作れないわけではない。しかし直後56分の柿谷が迎えたチャンスから延々とチャンスはあるものの決められなかった。
61分〜
ここで和歌山が選手交代、59分に7番大北に代えて23番山本をそのままのポジションで投入。
するとセレッソも61分に奥埜に代えて藤田を投入。ここで木本がスタート時の右ボランチにもどり、藤田は左ボランチに入る。

和歌山の交代は、まず7番の大北は最初からかなり飛ばしていたのでということだろう。
そして一方のセレッソの交代はおそらく最初から予定されていたプラン通りのもの。次のリーグ戦のことを考えると奥埜を休ませたかったのだろう。

しかし72分にスルーパスに抜けだし山田がGKと1対1になりかける場面など、何度もチャンスはあったがセレッソは決められない。
81分〜
セレッソは73分に高木に代えて水沼、81分に山田に代えて安藤を投入。
和歌山は79分に26番堀野に代えて6番石垣を投入。それまで左SBだった14番三浦が右SHへと移動し6番石垣が左SBに。
和歌山の交代は疲労度の高い選手を入れ替えるという形。セレッソは水沼はできれば使いたくなかった。
がしかしここからも84分に水沼、87分の安藤、90分の田中亜土夢とチャンスはあったが決められなかった。
ということで延長に突入する。

■流石に自力の差が出た延長

延長前半〜
延長戦突入ということで4人目の交代が可能となり、セレッソは延長開始から木本に代えて西本を投入する。
これ以上木本を引っ張る必要もない。
そして和歌山は6番石垣と14番三浦のポジションを入れ替え。14番三浦は再び左SBへと戻っていた。

西本はキックオフで最初のボールタッチをして以降なかなかボールに触れなかった。
普段のU-23のチームとトップチームはかなりやり方が異なる。なのでなかなかどこにポジションを取って良いのかがわからなかったんだろう。
そして94分にボールを受けてパスをした後に前に入って行く動きを見せたあと、イバンに大きなジェスチャーで「前に行く✕」「ボランチは2人並ぶ」と指示を受けていた。
おそらくU-23ならさばいたあとに飛び出すというのは1つのやり方なのだろうが、それをすると味方が使いたいスペースを消してしまうし、両SBを上げているのでボールを奪われた後のネガティブトランジションでも問題が出てくる。
そしてさらにいえば、守備でも前へ食いついたり、横への移動が早すぎるという部分も目についた。
中を閉めてから外なのだが、どうしても先に動いてしまうのだ。これまでのブログでも書いてきたが、前へアプローチに行くということは相手の攻撃のスイッチも入れてしまうことになる。
ただしこの守備面は和歌山相手だと問題にならなかったし、むしろメリットにもなった。相手が慌ててくれたからだ。
とはいえ、この西本のプレーはトップとU-23は同じサッカーをとまでは言わないが、基本となるコンセプトは共有させておかなければいけないなと強く感じさせたシーンだった。

とはいえ流石に延長になると和歌山はキツかった。
SHを入れ替えているようにSHの負担がかなり大きい戦い方だからだ。
その結果が98分の藤田のCKから山下がヘディングで合わせて奪った追加点の場面。これでセレッソが2-1とリードを広げた。
前半からファーサイドの山下を狙うCKを多用していたが、それがついに実った形だ。
99分〜
この失点後和歌山は11番久保に代えて15番川口を投入。そのまま1トップに入る。

そして試合終了間際の120分に舩木のパスで柿谷が抜け出し、折返しを安藤が決めて3-1。
セレッソは手こずりながらも3回戦へと駒を進めた。

■その他

1失点したとはいえやられそうな形はほとんどなかったので危なかった試合ではなかったが、かなり手こずった試合だった。
ロティーナも会見で「たとえば、あまりいいプレーができていなくても、ゴールを決める選手は必要だと思います」というようにストライカーの存在に言及しているが、ホントにストライカー不在を感じさせる試合だった。
ここでいう「あまりいいプレーができていなくても」というのは組み立てでの貢献度のことだと思うが、それがなくてもゴールを奪うことにこだわわるストライカーはほしいということなのだろう。もちろんどちらもできるのが理想だが、ここまで決められないという状況ならばストライカーはほしい。
日本にはそもそも少ないのだが、以前も書いた記憶があるがゴールを奪うことから逆算してプレーする選手は本当にセレッソにはいない。
個人的にはその能力も実績もある柿谷にストライカーとしてプレーしてくれることを期待していたのだが、どうもそうはいかないらしい。

そしてもう1点はU-23との戦い方のコンセプトの違いもなんとかしたほうが良いなと感じさせた。
本文中に書いた西本もそうだが、試合後のコメントで安藤も語っているがトップとU-23ではFWの振る舞いも全く違う。
全く同じ戦い方にする必要までは無いかと思うが、現状ではコンセプトから全く異なるのでこれではU-23の選手がトップに加わる時に一から落とし込まければならず、困った時にU-23の選手を入れてという形の対応も難しい。パターンを覚えるだとかまではする必要はないが、せめて根底にあるコンセプトは共通させたほうが良いかなと感じた。

とはいえこれで2回戦は突破。3回戦は8月14日にレノファ山口とアウェイ維新みらいふスタジアムで行われることになる。

2 件のコメント :

  1. いつも興味深く拝見しております。

    >その能力も実績もある柿谷にストライカーとしてプレーしてくれることを期待

    という部分ですが、いまのセレッソと言うチームで柿谷を生かすいちばんの方法、
    というニュアンスにも聞こえたのですがうがちすぎでしょうか。
    つねづね、柿谷はスーパーサブ的に使って前線で決定的な仕事に注力させるのがベターなのでは、と感じていたのでもしそうならわが意を得たり、というところなのですが・・・

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    返信
    1. コメントありがとうございます。
      個人的には柿谷がストライカーとして、フィニッシャーとして機能するなら十分先発に入ってくると思っています。
      なのでシーズン開幕前には本人にも「今年はいっぱい点をとってくださいね」って言ったんですけどね(笑)

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