2019年7月23日火曜日

7/20 明治安田生命J1リーグ第20節 VS ベガルタ仙台 @ ヤンマースタジアム長居

スタジアムヤンマースタジアム長居主審笠原 寛貴
入場者数15,574人副審馬場 規、今岡 洋二
天候 / 気温 / 湿度曇 / 28.8℃ / 73%第4の審判員田中 利幸
セレッソ大阪C大阪
 
ベガルタ仙台仙台
 
  • 監督
  • ロティーナ
 
  • 監督
  • 渡邉 晋

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 ロティーナ監督
ベガルタ仙台 渡邉晋監督

セレッソ大阪 奥埜選手、レアンドロ・デサバト選手、松田選手、水沼選手
ベガルタ仙台 関口選手
ベガルタ仙台 ヤクブ・スウォビィク選手(Jリーグ公式)

明治安田生命J1リーグ第20節、セレッソ大阪の本拠地ヤンマースタジアム長居で行われたベガルタ仙台との一戦はお互いチャンスはあったものの決めることができず0-0の引き分けに終わった。

■メンバー

セレッソ大阪の先発メンバーは第17節から4試合連続同じメンバーとなる11人。ここまでの3試合で2勝1分と結果が出ているので変更する理由が無いといったところか。
ということで前節ベンチに戻ってきたレアンドロ・デサバトは今節もベンチスタート。そして今週から全体練習にも合流しているというソウザだったが、今節はベンチ外。また柿谷も引き続きベンチ外となった。

一方のベガルタ仙台の先発メンバーだが、シュミット・ダニエルが移籍したGKには新加入のヤクブ・スウォビィクが初出場。また前節欠場のシマオ・マテはスタメン復帰となったが、出場停止だった椎橋はベンチスタートとなり富田が2試合連続の先発。そして前線では負傷の長沢が欠場となりハモン・ロペスが先発。そしてもう1人の新加入外国人選手ジオゴ・アコスタはベンチスタートとなった。

■キックオフ

キックオフは常に同じ状況で行われるセットプレー、特に前半試合開始のキックオフは同じだ。
なのでキックオフからの最初のプレーにはチームの考え方が現れる。どういったプレーを選択するのか。それは毎回同じなのか。毎回違うのか。それとも毎回同じだが今回だけ違うのか。そういったところからもチームの狙いは見える。
仙台だが、常に試合を見続けているわけではないのでいつからそうなのかはわからないが、僕の見た数試合は必ず右の奥のロングボールを蹴っていた。
そしてこの試合でも同じように右奥へのロングボールでスタート。ボールを失う確率は高いが確実に敵陣までボールを持ち込める。つまり仙台は敵陣で守備を行う形で試合を始めたいチームということだ。
ちなみにセレッソはボランチからSBがほとんど。つまり自陣でパスをつなぐところから試合を始める。

■SB裏からファーサイド

ということで立ち上がりは敵陣から捕まえにくる仙台。
ロングボールでSB裏を狙う
これに対してセレッソはSHが下がってくることで仙台のSBを引き出し、それでできたスペースに2トップを走らせるという形を狙っていた。
3分のメンデスが右サイドに飛び出した場面、11分の奥埜が左サイドに飛び出した場面をみてもわかるように、このSBが前にでたスペースに2トップが飛び出すとそこをカバーするのはCB。その結果CB2枚はボールサイドにスライドすることになる。
なのでセレッソはそこで起点を作ることができるとクロスで狙うのはファーサイド。11分の奥埜が起点を作り戻したボールを清武がファーサイドに逃げるメンデスにクロスを入れた形、15分のメンデスが右サイドで起点を作り入れたクロスをファーサイドで清武がボレーで狙った形でもわかるように、このSBを引き出しトップを走らせるプレーはファーサイドで合わせるところまでがセットだったのだろう。
残念ながらゴールを決めることはできなかったが、チームとしての狙いは見えていた。

■仙台のボール非保持

しかし前半も半分を過ぎたころからはあまりこの形は見られなくなる。
そうなったのは仙台が引く時間が増えたから。前から捕まえに行くのはゴールキックの場面など限定的で基本的にはセレッソのCBには比較的自由にボールをもたせ自陣でブロックを作る形になっていったからだろう。
連敗中でさらに前節は4失点ということを考えると、チームとしては前からも行きたいんだけど自陣でブロックを作るという準備は入念に行ってきたんだと思う。渡邉監督のハーフタイムコメントの「中途半端にボールを取りに行って、背後を使われないように」でもそれは伺える。
仙台のボール非保持
そして仙台の守備ブロックなのだが、特徴的なのはSBも含めた4枚がペナ幅に収まるぐらいに距離を詰めているということだろう。
なので前半の序盤に清武が何度か中に入って間でボールを受けてターンするというプレーを見せたが、SBのアプローチも速く、以降はあまりここにボールを入れさせなかった。

そしてDFラインの4枚が距離を近づけるということは当然その4人の外側のスペースは広くなる。
ということでこの4枚の外側をカバーするのはSH。例えばセレッソだとポジショニングを優先しているのでボールが出てからスライドを優先するが仙台の場合はそれよりも人を優先。なのでこの4人の幅を狭くして外側をSHが埋めるというのはどちらかといえばセレッソよりもFC東京のやり方に近い。

ただしサイドにボールが入ってからはボールサイドにブロック全体でスライドする。
ボールサイドにスライドすると
そしてボールサイドに全体がスライドするということは逆サイドは捨てるということになり、サイドチェンジされた時にどうするのか?というのが問題になる。で、仙台の場合はこれまでは基本的にはSHが気合でカバーという感じが強かったのだが、この試合では2トップがボランチにプレスバックするという形も時折見られた。これもハーフタイムコメントで「プレスバックの意識を高く」と言ってるので、おそらくこの試合に向けて準備してきたのだろう。
この2トップがボランチを見るというのはセレッソがサイドでハメに行った時に常に意識している形で、仙台はセレッソの様に2トップをボランチの高さに下げるところまではやっていなかったが、出た時に戻るという形は取り入れていた。
そのため、序盤は何本かセレッソがサイドチェンジからの形をつくっていたが、徐々に減少した。
水沼が下がる動き
またこの仙台の対応に対して水沼がボランチ脇に落ちてボールを受け、そこからメンデスへの縦パス、そして右サイドへ展開という形は有効な手段かと思えたが、この形も序盤に数度見せただけで徐々に見られなくなったのは残念だった。

■仙台のボール保持

ロングボールを多用した仙台
ボールを奪ってからの仙台は2トップへ向けてのロングボールを多用していた。
これはブロックを下げて守る、人への意識が強い、ということを考えると仕方ないことなのだろう。
ただしこのロングボールも、準備してきた動きが見られた。特徴的だったのがロングボールを蹴った方と逆サイドのSHが一目散に3人目選手として2トップのサポートに走っていたこと。
FC東京のように2人だけでフィニッシュまで持ち込めるような2トップではないし、2人ともパトリックのようなプレーが出来るわけでもない。なので3人目、ボールサイドと逆サイドのSHを必ず出て活かせるということを徹底したのだろう。決まっているなら2トップはどこに出すかをいちいち見なくても良い。

仙台のこの形は実際にボールを前進させ、時々はシュートまで持っていくこともできていたのだが、それ以上にセレッソにとって面倒だったのは長いボールを多用されることで守備の形を一定化させることができなかったことだろう。
仙台のボール保持
そして仙台は2CBと2ボランチの2-2でビルドアップすることもできる。
このビルドアップの時に特徴的なのはSHを中に入れて外側にSBを上げる立ち位置を取ることだろう。
仙台は、立ち位置でずらそうとするポジショナルプレーの概念を取り入れているチームである。

ただ仙台としてはもう少し高い位置でボールを取り返したかったけど出来なかったからなのだとは思うが、おそらく当初のプランよりもロングボールに頼り気味になってしまった部分はあるんじゃないかと思う。

ということで前半は、チャンスの数は五分五分ぐらいだったと思うが、セレッソにとってはボール保持でも非保持でも今ひとつハマりきっていない45分だったと思う。なので仙台が上手く戦ったというべきか。
とはいえチャンスが少なかったわけでもないので、なんとも言いにくい45分だった。

■ライン間を広げたいセレッソ

後半、開始5分ほども含めてセレッソも仙台も選手交代はなし。
仙台は戦い方としても変化はなく、前半同様まずは前から捕まえに行って、時間と共に下がっていく。

そしてセレッソは根本的な戦い方自体に大きな変化は無いのだが、仙台のブロックに対してどうするかというのはハーフタイムで話し合われたのだろう。
前半に比べると丸橋、水沼もしくは松田のアウトサイドレーンの選手が前半に比べると早いタイミングで前にでるようになった。
大外レーンが早めに前に出るようになったのは仙台のサイドの守備SBが内側、SHが外側という関係を作る前に大外レーンを前に出すことでSBとCBの間を開けようという狙いがあったと思われる。
62分〜
そして62分にセレッソは藤田に代えてデサバト、奥埜に代えて高木と2枚替えを行うを。
ライン間を広げたいセレッソ
高木はいつもの通り背後。そしてデサバトには投入直後にイバンが前に出ずにその場所でボールを散らすようにといった感じのことをジェスチャーで伝えていた。
高木が背後、デサバトには前に出ていくな、そしてSBを前に出す。セレッソは仙台のブロックの間を広げたいという狙いが伺える。

そしてここから何度も右のハーフスペースへボールを送るプレーを見せる。
仙台はSBが絞っているのでSBとSHの間になっているが66分に松田陸を走らせ折返し、67分にはデサバトから水沼がハーフスペースに走り込み折返し高木のシュートもスウォビィクがセーブ。そして69分には高木のクロスに清武がファーサイドでヘディングを狙うも相手に当たりこぼれ球。しかしそこからの展開で清武からの折返しを水沼がゴール前でフリーで合わせるもシュートはクロスバーの上へ。
ここはさすがに決定的なチャンスだったが決めることはできなかった。
70分〜
ここで仙台は関口に代えて石原崇兆を投入。そのまま左SHに入る。
セレッソが右サイドを狙っていたのでそこにフレッシュな選手をということだったのだろう。

その後は少しずつ試合はオープンになっていくがどちらもビッグチャンスとまではいかず。
86分〜
仙台は石原直樹に代えて新加入のジオゴ・アコスタを投入。これを受けてセレッソも木本に代えて山下。フレッシュな山下をジオゴ・アコスタにぶつけ瀬古はボランチへと移動する。

しかし両者ともに得点を挙げることはなく0-0のまま試合終了となった。

■その他

チャンスに決めていればという試合だったのかもしれないが、内容から考えると妥当な0-0だったんじゃないかと思う。
ボール保持でも非保持でも今のチーム状態ならもう少しできたんじゃないかと思うが、この日はスタジアムで座っているだけでも汗が出てくるほど蒸し暑かったからなのかそうはいかなかった。

また渡邉監督がなぜかこだわっているGKからのビルドアップに関しても、78分に引っ掛けられてしまい大きなピンチを迎えたが、特に63分に清武がボランチ裏が空いているところを見つけた後は、本来であればそれをきっかけに1アクションを加えることで空いている場所をもっと作れただろう。まあピッチコンディションの問題もあったとは思うが。
セレッソとしては、悪い訳ではないし、やりたいことが全く出来ていないわけでもないのだが、出来ていたという試合ではなかった。

そして仙台の新しいGKスウォビィクだが、この試合ではよくわかんないというのが正直なところ。
とはいえDFラインとの連携で怪しい場面もなかったので、経験のある選手なんだなとは感じた。
あとタイプとしてはクラシカルな感じか。

それとこれはどうでもいい話しなんだけど、なぜ仙台は「シマオ・マテ」という名前にしたのだろう。
「Simão Mate Júnior」でモザンビーク出身(ポルトガル語)なので普通に読めば「シモン・マテ・ジュニオル」。実際にレバンテ時代のリーガの中継では「シモン・マテ」と呼ばれていた。
「Simão Mate」は「シマオ・マテ」なのに「Ramon Lopes」は「ラモン・ロペス」ではなくブラジルでの発音を尊重して「ハモン・ロペス」なのが不思議でならない(笑)。





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