2012年2月7日火曜日

2011シーズンのまとめ


■2011シーズン 12位
11勝(HOME6 / AWAY5)10分(HOME4 / AWAY6)13敗(HOME7 / AWAY6)
67得点(HOME41 / AWAY26)リーグ2位(HOMEリーグ1位 / AWAYリーグ4位)
53失点(HOME30 / AWAY23)リーグ14位(HOMEリーグ17位 / AWAY8位)

■2011シーズンフォーメーション
フォーメーション
右SBの高橋のケガでシーズン中盤以降は酒本が右SBに入ったもののGKとDFラインはシーズン通じてほぼ固定。
中盤より前は過密日程が影響したのかケガが多くかなりメンバーメンバーの入れ替わりが多かった。
中でもボランチはセレッソのビルドアップの軸であるマルチネスも出場が21試合にとどまり、前半はボギョン、終盤は扇原と入れ替わり、さらにその相棒は序盤は中後で固定されていたものの中盤以降はボギョン・扇原・山口と入れ替わりが激しく、前がかりになるチームの守備でのフィルターも固定できない最も入れ替わりの激しいポジションとなった。
また固定できなかったと言えば1トップのポジション。
前半はピンパォンで固定していたが、半年でレンタル終了となりその後は小松、播戸、杉本とここもなかなか固定できなかった。

■攻撃の仕組み
フィニッシュへのアプローチ
2010年シーズンから続くセレッソの攻撃の看板といえば3シャドー。
フィニッシュへのアプローチは、このシャドーがポジションを変えながらボランチ・両SB・FWで広げた相手DFラインとMFラインの間で素早いショートパスの連続とドリブルで崩すという形なので、ペナルティエリア外からの得点がリーグ1位。途中出場で驚異的なペースでゴールを量産した播戸を除けばいずれもシャドーの位置に入った倉田・ボギョン・清武・乾がチーム内得点ランキングの上位を占めた。

ビルドアップの仕組み
セレッソは前線にターゲットマン的な選手を置いていないのでシャドーを活かす為にDFラインからボールを繋いでビルドアップをする。
このビルドアップの特徴はなんといっても基点が深い事。
1試合平均のプレーエリア比較でも自陣深い位置でのプレーが広島に次いで多い。
その理由はCBにつなげる選手では無く対人守備のスペシャリストを置いている為攻撃時はできるだけプレッシャーの緩い場所でボールを受けたいので低い位置に下がり、さらにボランチもCBからボールを受ける為には近寄る必要があるので、全体的に低くなる。ただ低くなる事のメリットもあって、ボランチが低い位置にまで下りてボールを受ける事で、SBを上げる事もできるし最大のストロングポイントであるシャドーのプレーエリアを広げる事もできるようになっている。

このビルドアップの仕組みは、まず左SBの丸橋とマルチネスのポジションが入れ替わり左サイドの低い位置で数的有利を作るところから始まる。(丸橋がハーフウェイ辺りにまで上がり、ボランチのマルチネスが元々丸橋のいた2CBとほぼ同じ高さの左側に下りて来る。)
ここでボールを落ち着けてる事ができれば後はシャドーにボールをどのように届けるかだけ。
このボールを届ける役目を担っているのが左SBの丸橋で、左サイドに寄ってきた3シャドーへ丸橋から斜めのパスが攻撃を加速させる合図となっている。
なのでセレッソのパス主要ルートの1位がマルチネスから丸橋へのパス、2位がCBの左サイドにいる上本からマルチネスへのパス、3位以降が丸橋からシャドーへのパスと、丸橋がシャドーへパスが出せなかった時にやり直す為のマルチネスへのリターンパスとなっている。

セレッソはこのような形で攻撃を組み立てる為、シャドー、左ボランチ、左SB、そして幅をつくる右SB、守備の所で触れるがCBの役割は明確でそれぞれに求められている個性もかなりはっきりしていた。
ただ、逆に言えば相手にしてもわかりやすいという事で相手の狙い目もはっきりしていたんだけど。

■守備の仕組み
前線からのプレッシング
全体的にブロックを下げたリトリート
3シャドーが流動的で両サイドバックに攻撃の幅を求められているセレッソはいわば2バック状態になっている事も多い。という事は相手にすればカウンターの為の大きなスペースが存在するという事なので、そのスペースを自由に使われない為にボールを奪われた瞬間に素早い切り替えでプレッシャーを掛ける。
そしてそこからこぼれてきたボールをボランチがカットし、中プレッシャーを嫌がって前線に直接入れてきた場合はスピードがあり対人に優れた2CBが止める。
しかしほとんどそれで済むほどポゼッションも高くないし、ボールを失う機会も多い。なので、高い位置からのプレッシングで相手の攻撃を遅らせる事ができれば、自陣に戻り人数をかけてブロックを作って守る。

攻撃の組み立ての所でそれぞれのポジションの役割と求められている個性を書いたけど、CBの2人はそれを実現するために対人に優れたスピードのある選手でないと務まらないようになっている。



■安定した結果が残せなかった理由
ここまで書いてきたセレッソの仕組みが完成したのは2010シーズンのワールドカップ中断明けなので、Jリーグ3位、失点数2位を記録したやり方と基本的にはかわっていない。
なのに順位は12位になり失点数は14位になった。
ココからはその理由を探ってみる

■メンバー構成からその理由考える1〜固定できなかったプリメイロボランチ
2010シーズンから代わったのは1トップ・シャドー・ボランチのポジション。
特に苦労したのは1トップとボランチの1枚で、ここはシーズン通じて固定する事ができなかったポジションでもある。
特にプリメイロボランチ(第一ボランチ/守備的ボランチ/セレッソでいう右側のボランチ)は守備の時(主に相手カウンターに対して)CBの前のフィルターになるポジションで、2010シーズンのアマラウのリーグ戦32/34試合に対して、2011シーズンは中後(22/34試合)、山口螢(5/34試合)、キム・ボギョン(3/34試合)、扇原(2/34試合)、藤本(1/34試合)、マルチネス(1/34試合)と固定できなかった事は守備面での影響がかなり大きかったのではないかと思われる。(試合数はリーグ戦のみでプリメイロボランチがスターティングポジションだった数)
2010シーズンはアマラウで固定する事ができさらに安定していたこのポジションが、買われた訳でもレンタル終了だった訳でもなかったのに、入れ替える事で固定できなくなったというのは少し皮肉な話し。

■メンバー構成からその理由考える2〜なぜアマラウを放出したのか
ではなぜアマラウを放出したのだろうか?
1つは大分にレンタルに出していたキム・ボギョンを戻したので外国人枠が埋まってしまったってのはあるだろう。マルチネスは動かせない、FWも日本人選手だけでは心許ない。そういう状況だったのでアマラウを出す以外の選択肢以外は正直なかった。

ただ、アマラウにはセレッソのやり方をさらに進める上で物足りなさを感じていた、という部分もあったのではないかと思う。
それは攻撃/ビルドアップの箇所で書いた内容と関連するんだけど、セレッソのビルドアップの基本はマルチネスのポジショニングと個人技で相手システムとのミスマッチをおこす事にあった。なので逆に言えば相手の狙い目もはっきりしていた。そういった事から相手もセレッソを研究し、ボランチの所に予め人をつけられる(マークされる)という場面が2010シーズンの途中から見られはじめた。(仙台はJ2で一緒にやってたので最初からそうしていた)
その対策方法として、もう1枚のボランチでビルドアップを助けよう、しかしそれをするにはアマラウでは物足りない、なのでビルドアップを助ける事ができる選手を獲得しよう(結果中後をレンタル)となったのではないかと思われる。
まあ結局は固定できなかったので上手くいかなかった訳ですが。


■データからその理由を考える1〜どこの部分が変化しているのか
今シーズンはエルゴライヤーブックで各チームのデータが発表されており、その中に2010年と2011年との比較という項目があったのでそこの、プレーエリア比較、タックルライン比較、攻撃時間比較の3項目があったので折角なのでそれぞれについて考えてみる。

プレーエリア比較では、ペナルティエリアのスグ外側と左サイドでのプレー数が若干増えている。
がしかし変化の数が少なく、さっきも書いた様にこの方法が完成したのは2010シーズン途中で、開幕当初は今とやり方が違うからこういう数字になっただけなのではないかと思われるので実質それほど変化は無いものと思われる。

次のタックルライン比較と攻撃時間比較はおおきな差がみられる。
タックルライン比較では、DFラインが1m、MFが1.2m、FWが3.8m前になり、また全体のタックルラインの幅が3.8m広がっており、そして最後の攻撃時間比較ではボールを奪ってからシュートまでの時間が17.8秒から16.3秒(リーグ7位)と1.5秒速くなり、またこの数字はリーグ平均の17.3秒より1秒速い。

今シーズン安定しなかった理由はこの2つの数字に現れているのではないかと思っている。

■データからその理由を考える2〜速くなった攻撃
セレッソは高い位置からのプレッシングをかけショートカウンターも見せるけど、そもそもビルドアップの起点が深いので攻撃のスピードはそれほど遅くは無いが速くもならない。そんなチームが2010シーズンより1.5秒速くなり、リーグ平均からも1秒速くなった。
チームのやり方としてはほとんど変更がない。そしてメンバー構成やでも速くなるような変化は無かった。
いやむしろ速いタイミングでボールを欲しがるアドリアーノは去り、時折裏のスペースを狙った乾も夏には移籍し、代わりに入ったピンパォンやファビオ・ロペスは前任者よりも足下でボールを貰いたがる選手なのでどっちかといえば遅くなった方がしっくりくる。なのに早くなった。
って事はシャドーにボールが入ってからのスピードが上がった可能性が高い。

そうであるならこの変化に対する影響は大きかったのではないかと思われる。
2011シーズンの守備についてで書いた内容と共通するが、セレッソは前に人数をかけて相手のポジショニングを崩す事で相手カウンターをやりにくくさせていた部分が多々ある。
なのに前に速くなってしまうと、相手のポジショニングを崩す為の動きはすくなくなり、さらに後ろから上がって来るSBやサポートに入るボランチも追いつかなくなってしまう。
なのでタックルラインの幅が3.8m広がったのではないだろうか。
またさらに速くなるという事は当然ミスも増えるし可能性の低いプレーも増えやすい。
って事は相手のポジショニングを崩しきれないまま相手にボールを渡してしまう可能性も増えるし、カウンターを受ける可能性も増えてしまう事につながる。


■データからその理由を考える3〜3シャドー
今でこそセレッソの看板となった3シャドーだけど元々は2シャドーだった。
3バックの中央だった羽田が中盤の守備が全く機能していなかった為に最終ラインの前のスペースを埋める為にフォアリベロとして前にでる。しかし押し込まれたあと両サイドが上がるのに時間がかかる
それならボランチとその前でボールをキープできれば両サイドが上がる時間も作れる。そしてポゼッションが高くなれば守備機会も減るし、相手を押し込む事ができる。さらにボランチの前で守備をする事で後ろの人数を減らす事が出来た。
3シャドーになったのは、こういう流れがあった。
なので3シャドーの前提はボランチとその前でボールをキープするという事だったはず。

しかし攻撃が速くなったので、そのまま攻撃をやりきる事ができれば攻撃の回数が増える分大量得点につながるけど、やり切ることができなければボールを失う数も増えまたその形も悪くなる可能性が高い分失点の数も増えてしまうという状況になってしまったのではないか。

2010年のエルゴライヤーブックにはデータが載っていないので実際の所はわからないけど、感覚的に言えば2011シーズンはシャドーとボランチ間のパスが減った様な気がする。
2011シーズンの主要パスルート表には無かったシャドーからマルチネスへのパス。2010シーズンは家長とマルチネスのパス交換というシーンをかなり目にした様に感じるのは気のせいでは無いように思う。

■その他
前半は2011シーズンに目にした事、後半はそうなってしまった理由を考えてみた。
最後は2010シーズンの詳細なデータが無いので難しかったんですが、後半部分は僕個人の考え方がかなり入り込んでいるので異なる意見や見方があれば是非参考にしたいです。

セレッソが前からのプレッシングに弱い理由、ボランチを押さえられると弱い理由も同じ様な事が原因だと思っていますし、その理由も盛り込んだつもりです。

2012シーズンは監督も代わるしさらにビルドアップの起点だったマルチネスもいなくなるのでやり方も変わってくる事が予想されます。
クルピが引き続き指揮することでどのように進めていくのか?といった部分にも興味はありましたが、変えるタイミングとしては間違ってはいないとも思っています。

2012シーズンのセレッソがどう変わっていくのか楽しみです。

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