2011年4月9日土曜日

4/5 ACL VS 全北現代モータース(韓国) @長居スタジアム

■セレッソ大阪 1 - 0 全北現代モータース
セレッソ大阪:乾(53')
全北現代モータース:なし

フォーメーション


■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 9 ホドリゴ・ピンパォン 13 清武弘嗣 14 丸橋祐介 16 キム ボギョン 20 高橋大輔 23 倉田秋

SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 17 酒本憲幸 25 黒木聖仁 26 村田和哉 15 小松塁 19永井龍

交代:ホドリゴ・ピンパォン→小松(89') 清武→村田(89') 乾→藤本(90'+3)

■全北現代モータース(韓国)
GK:21 キム・ミンスク
DF:3 シム・ウヨン 6 ジン・ギョンソン 17 イム・ユファン 30 ジョン・グアンファン
MF:11 イ・ソンヒョン 14 カン・スンジョ 15 キム・ドンチャン 23 ハ・ソンミン
FW:9 ジョン・ソンフン 28 パク・チョンフン

SUB:1 ヨム・ドンギュン 29 イ・グアンヒョン 32 キム・ジェファン 34 キム・ミンハク 18 フアン・ボーウェン 27 キム・ジウォン 19 クルーノ・ロブレク

交代:パク・チョンフン→フアン・ボーウェン(46'HT) ハ・ソンミン→クルーノ・ロブレク(57') イ・ソンヒョン→キム・ジウォン(73')

震災後始めての国内公式戦はACLグループ首位の全北現代戦。
セレッソのスタートは公式記録ではなんと2DF-8MF(笑)ケガのマルチネスの位置にボギョンが一列落ち、シャドーには清武が復帰(あえて復帰)なので実際は何も変わっていないんだけど、セレッソのキャラクターがよく出ているなと。
震災の影響でリーグ戦が行われない中チームのリズムは良くなっているのか。またキャンプで好印象だった村田が初めてベンチに入っておりデビューなるか。
一方の全北現代。実はこのチームは06年のクラブワールドカップの時(バルサが出ていた時)に生で見た事がある。神戸のボッティがいたと思うが何人か選手も残っていたりなりより監督が代わっていない様子。当時の印象としては激しいプレッシングでボールを奪ってサイドに展開しクロスで中央にあわせるという良くも悪くも当時の韓国的なチームだった印象があるが・・・

■試合をコントロールするのは
直前のリーグ戦からはメンバーを落として来たらしい全北。このチームのやり方は知らないのではっきりした事はわからないが、この日のスタメンも初戦の山東戦や2戦目のアレマ戦にはほとんどのメンバーが出場しているようなのだけどどうなんだろう?(ただ久しぶりに李東国は見たかった)
全北のやり方ははっきりしているようで、守備の時は4-4を作りながらも2トップの1枚もそこに加勢して激しいプレスをかける。そこで取ったボールは、先ずデカい9番をめがけてそこに小さいけどすばしっこそうな15番が絡み速く攻める。一気に行けない場合は両サイドの28と11はスピードがあり縦に仕掛けてクロス、中には2トップの9,15と中盤の23、14のどちらか1枚が前線に飛び出してくるという形のようだ

立ち上がりはのセレッソは全北のこのやり方に少し苦労していた。
まあとにかく9番がデカくて強い。前線中央ではさすがに茂庭と大海がマークにつくのでそう簡単にヘディングはさせないんだけど、サイドに流れてくる場面もありそこに2列目から飛び出してくる選手もいるので少し押し込まれる様な形も多く見られた。
ただ、全北のプレスはそれほどきっちり出来てる訳でもないのでこの時間帯でも何度かチャンスを作る事はできていたのだけど、カウンターを受けた時のボギョンのポジショニングが曖昧で怖さもあった。

しかし20分すぎからセレッソが完全にペースを握りだす
ポイントは縦パスが入りだした事。
これによりセレッソは前線にボールを運ぶ事ができるようになり最大のストロングポイントである、「シャドーの流動的な動きとパス交換」ができるようになる
全北はその流動的で速いパスワークについていけず、53分に中後→ボギョン→倉田とつながりピンパォンのヒールで乾が抜け出し落ち着いて先制点を上げる

ただ、このやり方は美しい反面効率は悪い。後から長いボールでどかんと行った方が話しが早いんだし。
試合を支配し攻め続けている時間帯にチャンスを作りながらも1点しか決められずにいた結果、試合終盤に全北は長身のロブレクを投入しパワープレーを徹底。疲れの見えて来た前線がボールの出所に行ききれずゴールに近い位置でヘディングをされる場面も増え危ないシーンも何度か作られたものの、ジンヒョンのセーブや体を張ったディフェンスで防ぎきり1-0でセレッソが勝利。ホーム2試合ながらも1巡目を首位で折り返す事となった。

■相手を食いつかせるパス回し
この日のセレッソはシャドーがボランチの位置に降りて来てボール運びに参加するという形が数多く見られた
スペース作り
後からボールを繋いでいくチームのボール運びの原則は数的有利。セレッソの場合シャドーが降りて来てというのが特徴なんだけど、今シーズンはそこが上手くいっていなかった。去年も夏すぎに同じ様な事になっていたのだけど、キャンプで上手くいきすぎていた事でシャドーはそれほど助けなくても前に運べるだろうと少し過信していたのかもしれない。その結果厳しい縦パスを入れる事になり、それが「連携不足」と言われる(見える?)形で現れていたんじゃないだろうかと思っている。
それがこの試合はマルチネスに代わりボランチに慣れていないボギョンが入っていた事が原因なのか、トレーニングでの意識付けが成功しているのかはわからないけど、倉田、清武、乾の誰か1枚は必ず降りていくように徹底されておりそこで数的有利を作りボールがスムーズに運べるようになっていた。

で、前にデカいのや強いのがいない場合、ボールを後から繋いでいくには相手のブロックを1つずつはがしていかなければいけない。その時に効果的なのが俗に言う「相手を食いつかせるパス」なんだけど、これを繰り返し行いながら相手のブロックを崩す(=相手の選手間の距離を広げてスペースを作る)必要があり、この試合はそのプレーが久しぶりに良い形で見られていた。

32分のプレー(点線=人の動き・実線=ボールの動き)
32分のプレーは一度高橋に出たパスが降りて来た倉田へ出てそこから→清武→倉田へリターンという場面ですが、この一連の流れの中でも、先ず倉田が降りてきて後で数的有利を作り、清武へのパスで相手2人を食いつかせてスペースを作るという素晴らしい流れ。結果倉田のドリブルシュートで終わったけど、スペースを作って仕掛けているので色々な選択肢があり全北は完全に捕まえきれていなかった。

先制点(点線=人の動き・実線=ボールの動き)
先制点の場面も同じ様な形で、ボギョンから降りて来た倉田→前を向いてピンパォンへ→ヒールで乾へ、と自分たちで作ったスペースをうまく使い完全に相手を崩しきった場面だった。
ここまでの流れで食いついてやられていた事もあり、この場面では相手があまり食いついていなかったのだけど、食いついてこなければ前を向く事が出来るのでまたチャンスも広がっていく。まあフリーで前を向いてるんだからそりゃチャンスも広がるってものなんですけどね。

このような形がよく見られていてゲームをコントロールでいていた時間帯も多くあったけど、立ち上がりや終盤にはコントロールを失っていた時間帯もあったわけですが、そういう時間帯に必要なのは「やり直し」。これはこの1枚1枚相手を崩していく代表でもあるバルサのプレーをみればよくわかる。
最も攻撃的なサッカーを見せるといわれているバルサだけど、実はバックパスが最も多いチームでもある。
とにかく詰まったら後に戻し、そこからまた相手を食いつかせるパスを入れるってのを何度も何度も繰り返す。
もちろんバルサの方が技術レベルが高いので少々厳しいパスでも通しちゃうんだけど、ビルドアップの段階では無理なパスはほとんど出さない。なぜなら無理なパスを出してしまいボールを失ってカウンターってのが繰り返されるとゲームのコントロールが出来なくなってしまうから。

この試合終盤は動き回っていたシャドーの足が止まっていた事もコントロールできなくなった理由ではあるけど、無理なパスを出すぐらいなら一度後に下げる、そこでも厳しければアジアの中では足下の技術も高いジンヒョン(ポカもあるけど)まで戻してやり直す事が重要だと思う。

■その他
今シーズン初スタメンだった清武だけど、やっぱり清武の良さはボールを運べる事だと再確認した。乾をアタッカーとすると清武はプレーメーカー、前で勝負ももちろん出来るんだけど特性的には乾よりも少し低い位置が最も活きる。このプレーができる選手はあまりいないのでスゴく貴重な選手だなと。あと、この日の倉田のプレーはかなり良かった。やっぱりこの選手はボールを受けるのが上手い。

個人的にはこの手間のかかるメンドクサイやり方が大好きです。なので2トップにした方がって意見をTLでも多く見ましたけど、そこに出ていた2トップは個人的にはどうかな?と思っていましたし、これからもきっとそう思います。多分その方が手っ取り早いんですけどね。プロクラブだから結果ってものわかるけど、プロクラブだからこそ結果以外のってのもあるかなと思っています。まあこの勝利で見えてきたものもあったので良かったです。

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