2011年11月23日水曜日

11/20 Jリーグ第32節 VSヴィッセル神戸 @キンチョウスタジアム

■セレッソ大阪 0 - 3 ヴィッセル神戸
セレッソ大阪:なし
ヴィッセル神戸:吉田(11') 北本(53') 大久保(90+5')

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 17 酒本憲幸 22 上本大海
MF:9 ファビオ ロペス 10 マルチネス 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:31 杉本健勇
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 5 中後雅喜 7 大竹洋平 25 黒木聖仁 26 村田和哉 11 播戸竜二
交代:キム ボギョン→播戸(56') ファビオ ロペス→村田(75')

■ヴィッセル神戸
GK:30 徳重健太
DF:2 近藤岳登 4 北本久仁衛 5 河本裕之 3 相馬崇人
MF:24 三原雅俊 18 田中英雄 10 ボッティ 13 大久保嘉人
FW:17 吉田孝行 11 ポポ
SUB:1 紀氏隆秀 14 宮本恒靖 21 茂木弘人 9 ホジェリーニョ 20 森岡亮太 27 都倉賢 31 小川慶治朗
交代:吉田→森岡(65') ボッティ→小川(85') ポポ→都倉(90+4')

クルピ退任発表後初めてのリーグ戦はホームでの神戸戦。
セレッソは扇原・山口がU-22で抜けたがボギョンがあの全北戦以来の復帰でマルチネスのダブルボランチを組みトップには杉本。
一方の神戸は天皇杯でパクカンジョが負傷したのでボッティが右サイドで大久保が左サイドのアタッカーに入る。
アウェーでの対戦では前プレで面白いようにはめられてしまい4-1と完敗となったが…

■プレッシング回避
セレッソが広島に対してそうする様に、後ろからボールを繋いでいくチームを止める方法として高い位置からのプレッシングをかけるというのはよくある方法の1つ。
神戸が前回対戦時と同じく前からプレッシングに来る事はあきらかだったので、神戸の前プレに対してセレッソが回避できるのかどうかがまず最初のポイントとなる。

そもそも前プレはフリーの選手にボールを受けられてしまうと成立しなくなる。
もちろんフリーの選手にボールを受けられても続けてその選手にプレッシングに行く事もできるんだけど、元々その選手が見ていた相手をあける事になってしまうのでそうなれば長居での広島戦の前半の様に悲惨な状況になってしまう。
なので、3バックにしてマッチアップの齟齬を作ってボールを受けられる位置でフリーの選手を作ったりするチームが出て来ているわけで・・・

■プレッシング回避ステップ1
神戸は前プレにかかる前に先ず高い位置で4-4-2のブロックを作る。2トップはセレッソのボランチの前にいる。
この形を作ればCBやGKからの最初のパスを合図に一気にボールを受けたボランチやSB、もう1人CBを前プレで狙って来る。
神戸4-4-2のブロック
それを回避する為にセレッソがとった方法は神戸の右SBの裏のスペースを狙う事。
図の様にこのスペースに下がってボールを受ける動きを見せる1トップの杉本と入れ替わる様にファビオロペスが飛び出した所や、またはそのまま杉本が飛び出した所に、いつもより早いタイミングでマルチネスや丸橋から縦パスを狙う。
SBの裏へ1
SBの裏へ2
この形は実は一定の効果は上げていた。
神戸は最初のパスで一気にボールを受けたボランチやSB、CBを狙いたいんだけど、そのタイミングで立ち上がりからSBの裏のスペースを狙うのでなかなか行けなくなっていた。
まあただこの時点で前半5分、まだまだ神戸は行く気マンマンの状態。

■プレッシング回避ステップ2
次にセレッソはシャドーが降りる事で後ろに人数をかけてくる。
CB・SB・ボランチ・下りて来たシャドーの1人+GKで相手のプレッシングをかわしてボールを繋いでしまおうっていう狙い。
平たく言えばプレッシングに来てもアップの時にやってるボール回し(ロンド)のような感じでかわしてしまえという事で、しかもステップ1のSBの裏があるので神戸もそうそう行けなくなる。
シャドーが下がって来て受ける
こうやって後ろでボールを落ち着けてセレッソの形にもって行きたいところだったんだけど・・・
前半11分に酒本から下りた倉田へのパスがミスになりそのままの勢いでカウンターを受け失点してしまう。
やりたい事、やろうとしている事は見えているのに本当につまらないパスミスで失点してしまった。
それが上手くできるかどうかの前に。

■リスクを冒す必要が無くなった神戸
早い時間でミスからビハインドを追ってしまったセレッソはもう1度最初からやり直し。
でも神戸の状況は変わっている。神戸はリードしてるんだからわざわざリスクを冒す事は無いよね、って事で最初の4-4-2ブロックを徹底。さらに時々押し込まれてしまっても両SHはきっちり下がり4-4の2ラインでバイタルエリアは消す。そしてセレッソが押し込んだ時にボール回しの保険になっているボランチには2トップの内の1枚が必ず付いており、ここでチャンスと見るやボランチの1枚がアタックに行く。
神戸 ゾーンを下げられたときの対応

■つなぎのミス
最初の失点もつなぎのミスからだった様に、この日のセレッソはどうもつなぎのミスが多い。いや、今さらながらこの日じゃなくって今シーズンのセレッソはつなぎのミスが最初からずっと多かったですね。
以前、「今シーズンの守備について」というエントリーで「ボールを持った時に相手を崩せていない事が多いから今シーズンは守備が安定していない事が多い」という事を書いたけど、もう1つ今シーズン良い内容の試合と悪い内容の試合との差が激しい理由はこのつなぎのミスにある。
開幕直後のどこかの試合でも書いた様な気がするが、今シーズンはつなぎのミスで自滅する試合が多い。それはシーズン当初は「連携」って言葉に隠されていたりもしたけど、それだけじゃなくって判断の部分。

語弊があるかもしれないけど、今シーズンセレッソのパス(特にシャドーのパス)は昨シーズンに比べて少しリスクをかけ過ぎている。具体的に言えば、通ればチャンスになるけど確率は低いというパスが増えている。
最後の局面でならまだわかるけど、組み立ての部分でも「通る確率は低いけど通れば展開が楽になる」ってパスを結構使う。だから今シーズンはつなぎのミスが増えている。
実はこれって実は損得勘定で考えるとトータル的には損。世界的にパスを細かく繋ぐチームはどうしてるかと言うと、リスクが高かったらやり直してもう1度作り直しをするんですよね。作り直せばまたチャンスが作れるけど、ボールを失えばチャンスを作る可能性は0になるので。

セレッソにはこの意識がまだまだ低い。清武にしても倉田にしてもボギョンもファビオも大竹も扇原も螢も。
若さが理由なのかも知れないけど、セレッソがボールを繋ぐスタイルで今以上を求めるならこの「やり直しの徹底」がポイントだと思う。後ろにマルチネスがいるんだから。

■結果
かなり脱線してしまったけど、結果はセットプレーからオフサイドかどうかというシュートとミスからのカウンターで0-3と完敗でした。

■その他
この日も先発フル出場となった杉本健勇
はっきり言えばこの日もまだ先発フル出場できるレベルには無い。
そもそもボールを受ける準備が全くできていない。
クロスのように今から行くよって感じで出て来たボールにはしっかり入ろうとするんだけど、流動的な中ではボールを受ける準備が全くできていない。なので来てからあわてて反応する。なので相手より遅れる。
この前の天皇杯岡山戦でも終了間際にゴールをあげたものの同じ状態なのに90分。今回も90分。
想像だけど、多分クルピが退任を決めた事に関係しているんだろう。
クルピが辞める前に何とか健勇を使える状態に育てたいと思ってるんだろう。
それだけクルピは健勇をかっているって事なので後は彼次第。

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