2013年7月19日金曜日

7/17 Jリーグ第17節 VS サガン鳥栖 @ キンチョウスタジアム

セレッソ大阪41前半01サガン鳥栖
3後半1
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
セレッソ大阪サガン鳥栖
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK12奥田 達朗
藤本 康太4DF00DF15丹羽 竜平
丸橋 祐介14DF11DF20呂 成海
酒本 憲幸17DF31DF5坂井 達弥
山下 達也23DF21DF10金 民友
扇原 貴宏2MF13MF8水沼 宏太
山口 螢6MF42MF28高橋 義希
南野 拓実13MF11MF14藤田 直之
横山 知伸18MF11MF18野田 隆之介
柿谷 曜一朗8FW10FW22池田 圭
エジノ9FW33FW11豊田 陽平
武田 洋平1GKGK1赤星 拓
新井場 徹7DFDF4小林 久晃
小暮 大器29DF0DF24金井 貢史
楠神 順平10MF00DF29岸田 翔平
枝村 匠馬16MF0MF23末吉 隼也
黒木 聖仁25MFMF27清武 功暉
杉本 健勇20FW0FW25早坂 良太
17シュート13
10GK14
5CK3
16直接FK14
2間接FK2
2オフサイド2
0PK0
セレッソ大阪サガン鳥栖
山口(6')
酒本(69')
横山(78')
山下(86')
得点豊田(72')
南野→楠神(86')
エジノ→枝村(88')
交代水沼→早坂(72')
野田→金井(77')
藤田→岸田(88')
藤本(66')警告藤田(18')
野田(41')
金 民友(85')
池田(88')
退場
コンフェデと東アジアカップに挟まれた4連戦の最終戦となるホームでのサガン鳥栖戦。
東アジアカップにはセレッソからは柿谷・山口・扇原の3名、鳥栖からは豊田と韓国代表に選ばれた金民友と計5人の代表選手が揃う試合となった。

セレッソのメンバーはプレビューでの予想通り、シンプリシオが累積警告で不在となるトップ下には山口が入り、扇原と横山のダブルボランチの4-2-3-1。
ベンチには黒木と小暮が入る。

一方の鳥栖は、前々節にチームは勝利したものの大きなミスをし、前節は継続して起用されたが3失点での敗戦という事でこの試合はGKを赤星ではなくリーグ戦3試合目の先発となる奥田を起用。その他は前節と全く同じメンバーとなる。

広島戦では最後の最後にカウンターを受けて悔しい敗戦となったので、今後のリーグ戦の為にもセレッソにとってはどうしても勝利したい1戦。

■マッチアップ
マッチアップ
両チームとも4-2-3-1同士といえばそうなんだけど、鳥栖はかなり4-4-2に近い。

■鳥栖の守備
守備の基本陣形
鳥栖は守備の時に4-4-2でセットする。
また後ろからボールを繋ぐ事は得意ではないのでできれば前でボールを奪いたい。なので守備のスタート位置は高め、センターサークルの敵陣寄り辺りから守備がスタートする。
FWとMFによる挟み込み
狙うのはCBの次。CBがボールを持った時は2トップでパスコースを制限しながら誘い込み、CBがボランチやSBにパスを出した所で、MFラインの選手と2トップのプレスバックで一気にボールを奪いにくる。
ここを突破されてしまうと全体を落として守る事になるのだけど、この時期の気温・湿度では全て前から行く事もできないので、状況によっては全体を落として守ろうとする時間帯もあった。

■セレッソの守備
守備の基本陣形
4-2-3-1を採用してからのセレッソの守備はブロックを落として守る。
これは自陣に下がって相手を引き込む事で相手陣内にスペースをつくる事ができるので、柿谷や南野のスピードと技術を活かす事ができるという狙い。
前線からのプレス
ただこの日はブロックを落として守るだけで無く、柿谷・エジノ・南野の3人+山口で前線からプレスをかける守備も行っていた。
これまでも敵陣深くでの相手のスローインやGKがボールを持って繋ごうとしたときなど状況をかなり限定して前線からプレスをかける事はあったが、この日はその状況で無くてもバックパスになれば追いかけるなどかなり積極的に前線からプレスをかける。

そして実際前半6分に、サイドで詰まった所でバックパスを出すも山口にプレッシャーをかけられ、さらにCBの呂に戻したところにも柿谷にプレッシャーをかけられ苦し紛れのキックは柿谷のスライディングに引っ掛けられる。そのこぼれ球は藤田が拾うもさらにそこにも扇原にプレッシャーをかけられて雑に蹴ったボールを扇原にブロックされ、そのこぼれ球を拾った柿谷は山口にパス。それを山口が落ち着いて決めてセレッソが先制する事となる。

■ロングボール対策
鳥栖のロングボール攻撃
この前線からのプレスをなぜこの試合で取り入れたかというと、鳥栖はロングボールという攻撃の形を持っているから。
先に、鳥栖は後ろからボールを繋いで攻めるのは得意ではないチームなので前からプレスをかける守備をするという事を書きましたが、毎回前で取れる訳でも無い。なのでボールを低い位置で奪った時はどうするかというとDFラインから前線にドンドンロングボールを入れてきます。
CBからまっすぐロングボールを付けても流石にはね返される事が多いので、ロングボールの出所はSBからで、角度を付けて蹴ってきます。
ロングボールのターゲット
このロングボールを入れる時、FWは豊田と池田の2枚ともを出来るだけサイドに流れさせる。
これは相手がセレッソだからではなくどこのチームであってもCBよりもSBと競り合う方が当然勝率は高いからで、SBとヘディングの能力としてはリーグを代表する選手である豊田が競るという形を作った方が当然勝率もあがるしでセカンドボールも拾いやすいという計算ですね。
セレッソはボランチが流れる
その鳥栖のやり方に対してセレッソはボールサイドのボランチが流れる方法で対応。
選手の並び方がいろいろ考えれたこの試合で、セレッソがボランチを扇原と横山という高さのある選手を置いているのはこれが理由の1つだったのでしょう。
ボランチの1枚とCBの1枚で対応しSBはカバー
そして鳥栖のFW2枚に対して競るのはCBの1枚とボランチの1枚にしてSBはカバー。
出来るだけSBとCFのミスマッチの状態でハイボールの競り合いになる機会を減らします。

このセレッソの前線からのプレスとロングボール対策によって、鳥栖がロングボールで形を作る事はほとんどありませんでした。

■中央に寄る4-4-2
両サイドが中央に引っ張られる
また鳥栖は守備でも、先に書いた様に4-4-2にセットして対応しようとしてくるも、セレッソの4-2-3-1はエジノと南野の両サイドが柿谷の近く中央のポジションに入ってくるのでそれに対応する為に両SBは中に絞り、また山口が挟み込もうと狙っているボランチの場所を助ける為にトップ下から下りてくるので、ボランチの2枚+山口の3枚に対応する為に両SHが絞る。
その結果丸橋と酒本の前、両SBが使えるスペースが空いていました。
酒本の前のスペース
特に扇原が左よりのポジションでボールを持つと全体的にスライドしてくるので、最終ラインで落ち着けて扇原から酒本という形でボールを運ぶ場面も目立った。

■試合展開
こうやってまとめると早い時間に先制もしているので、前半からセレッソが圧倒し得点もドンドン入った試合の様に見えます。がしかし実際はそうはいきませんでした。
まず後ろからのビルドアップが不安定で、入れる必要の無いチャレンジパスや、相手が待ち受けているゾーン(相手SHの前や相手ボランチの前)に不用意にボールを入れてしまいます。
なまじ縦に入ってMFラインを外せると一気にボールを運べたり高い位置でSBがフリーになれるからだとは思いますが、1点リードしているにも関わらず慌てて不用意なパスを引っ掛けられる場面が数多くありました。
そこで引っかかるからリズムが出ない、さらにまた引っかかるとゲームの内容としてはあまり良いものではありません。
さらにこれは慣れの問題でもありますが、この日トップ下だった山口は攻守に走れる選手なのでボランチやSHでは良いんですがトップ下としてはちょっと動き過ぎてしまう場面も多く、相手ボールを奪って柿谷に当てたとしてもその落としが山口に会わないというミスも数多くみられました。

なので基本的には基本的にはセレッソがペースを握っているものの時折ショートカウンター気味の攻撃を受ける。ただ鳥栖の攻撃が機能している訳ではないので悪い意味で鳥栖の出来につきあってしまってるという状況で試合が進んでいきます。

そんな中、63分にクルピ監督が退席処分を受ける。
スカパーでは映っていませんでしたが、主審がオフサイドをった時にドリンクボトルを右足でピッチを向いて左側(4審がいる方向)に思いっきり蹴ってたのでそりゃ退席です。
それまでもちょっと主審の判定に微妙な所もあったし、このオフサイドの時は副審が旗を上げるタイミングが遅かったのでイラっとしたんでしょうけど、まあ軽卒でした。

一応セレッソがペースは握っているけど両チーム共にミスが多い展開だったので展開的に事故が起こってしまう可能性もあったのだけどそれを救ったのは酒本。
左サイドでボールを運び細かいパス交換での崩しを狙うが詰まったのでやり直し。
そしてサイドに展開した所、酒本からのアーリークロスがそのまま奥田の頭を超えて2-0とリードを広げる。
酒本のゴールはラッキーだったけど、この時間は少しセレッソペースが強くはなってきていたので必然といえば必然か。
失点のきっかけ
しかしこの直後に失点してしまう。
ボールを繋いでサイドを代えた展開で右SBの丹羽がオーバーラップ。
このオーバーラップの時に南野が対応する動きは見せるんだけど、これまで上がってくる事がほぼ無かったので油断したのか丸橋と南野が一気に裏を取られてしまう。
そこから中央にマイナスのグラインダーのクロスを豊田にあわされて2-1。
この状況ではSBを見るのは南野なのでこのシーンは単純にミスですね。
77分〜
1点差になった事で鳥栖は勢いをつけようと72分に水沼から早坂、野田から金井と立て続けに選手を投入するも、
78分に丸橋のCKからニアで山下がフリックしたボールを横山が合わせて3-1。
さらに86分にはエジノのFKのこぼれ球を横山がさわり山下が詰めて4-1。
88分〜
終盤には動きの落ちていたエジノと南野を枝村と楠神に代え、鳥栖も藤田を岸田に交代させるもそのまま試合終了。
4-1でセレッソの勝利となった。

■その他
4-1の快勝でしたが、鳥栖の出来が良く無くそれにつきあってしまう時間も長かったので何とも言いにくい試合でした。
ロングボール対策でハマる事ができていたのでもっと差がついてもおかしく無かったですし。
ただ、前節の悔しい負けを払拭する為にも、柿谷・山口・扇原の3人を気持ちよく送り出す為にもしっかり勝てたのはよかったですね。

これで今シーズンの前半戦が終わり、現時点では8勝6分3敗の5位、首位の広島とは勝ち点差6、得失点差が+8。
タイトルを取る為には引き分けが多く、ムダに落とした勝ち点も少なくは無いですが、試合内容を含めて前半戦としては悪くは無かったと思います。
なのでここからどれだけチームを上積みできるかですね。
まだまだ全く完成されたチームではないのでさらにチーム力があがる可能性は十分あると思いますから。

最後に、この試合を見ればわかるかと思いますがポストプレーは技術です。
もちろん体の強さがあれば相手を背負って長い時間ボールをキープできるのでより有利になれますが、先ずは技術です。
高さやヘディングの強さとはほとんど関係ないです。
求められる役割によって動き方が違うのでまだ完全に自分のものにしたとはいえませんが、柿谷と豊田のどちらがポストプレーをできていたかって考えれば確実に小さくて細い柿谷の方でした。
高さや強さがあるにこした事はないし、それ自体がもちろん大きな武器になりますが、1トップとしてポストプレーをする事はは大きくなくともできます。佐藤寿人や興梠慎三のポストプレーは素晴らしいですから。
もちろん豊田選手をくさす訳では無いですし、彼の高さと強さは相当なレベルで大きな武器になっていますので、ロングボールのターゲットや横から入ってくるボールに対するプレーは素晴らしいと思いますが、この試合の中継でもよく言ってた「大きい選手=ポスト」っていう風潮にどうも違和感を感じたので。

2 件のコメント :

  1. 広島戦のご回答ありがとうございました。

    ポストプレーの話ですが、背が高くて足元の技術もある杉本選手がもっと頑張ってくれれば、トップに杉本、トップ下に柿谷、試合中にポジションチェンジを繰り返してチャンスを作る。
    なんて事も出来ると思うんですが。
    そうすれば、毎試合3点以上は取れそうな…。
    いやぁ~サポーターって勝手なもんですね。(笑)
    あっ!柿谷選手はもう海外に行っちゃうか(笑)

    そう言う意味でも高さと技術のある杉本選手には頑張ってもらいたいものです。

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    1. コメントありがとうございます。
      そうですね、健勇には是非一皮むけて欲しいんですよねえ。
      健勇の1トップで曜一朗のトップ下はちょっと今の4-2-3-1とは考え方が異なるのでどうなるかはわかんないですけど、現状では曜一朗がケガでもすると大変な事になっちゃうのでね。
      まあエースがケガをしたらどこのチームでも大変な事になるでしょうけど(笑)。

      健勇は先ずは意識の問題だとおもうんですよね。。

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