2013年10月29日火曜日

10/27 Jリーグ第30節 VS サガン鳥栖 @ ベストアメニティスタジアム

サガン鳥栖20前半00セレッソ大阪
2後半0
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
サガン鳥栖セレッソ大阪
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
林 彰洋33GK00GK21キム ジンヒョン
丹羽 竜平15DF00DF4藤本 康太
菊地 直哉36DF04DF14丸橋 祐介
坂井 達弥5DF01DF17酒本 憲幸
磯崎 敬太3DF00DF23山下 達也
早坂 良太25MF13MF2扇原 貴宏
高橋 義希28MF41MF6山口 螢
藤田 直之14MF12MF13南野 拓実
金 民友10MF10MF30シンプリシオ
池田 圭22FW01FW8柿谷 曜一朗
豊田 陽平11FW24FW20杉本 健勇
赤星 拓1GKGK1武田 洋平
小林 久晃4DF0DF3茂庭 照幸
金井 貢史24DF1DF7新井場 徹
水沼 宏太8MFMF10楠神 順平
ニルソン16MF00MF16枝村 匠馬
福田 晃斗30MF0MF18横山 知伸
清武 功暉27FW1FW9エジノ
サガン鳥栖セレッソ大阪
藤田(80')
金井(90')
得点
池田→ニルソン(83')
早坂→金井(86')
金 民友→小林(90')
交代山口→枝村(61')
南野→エジノ(61')
シンプリシオ→横山(69')
藤田(90'+4)警告杉本(25')
退場
ACL決勝1stレグの日程の関係で今節はほとんどが日曜開催となった30節。
セレッソはアウェイJ1・J2含めて一番最後のキックオフで14位サガン鳥栖との対戦となった。

一番最後という事でキックオフ前に上位陣の試合は既に終わっており、3位の広島は前日仙台にに、首位のマリノスは大分に、2位の浦和は柏に、勝ち点で並ぶ5位鹿島は川崎にいずれも勝利している。

セレッソのメンバーは、ベンチに茂庭が戻り小暮が外れた以外は前節と同じ。
ただシステムは前節キックオフ時の4-4-2では無く、杉本が右サイド、シンプリシオをトップ下に置いた4-2-3-1になっている。

一方の鳥栖は、前節レンタル元との対戦という事で出場できなかった林が復帰し、その清水戦で負傷をしたヨソンへに代わり坂井、ボランチは藤田と高橋という予想通りの布陣。

上位陣が揃って勝っている為にセレッソとしては勝利が必要な、そして鳥栖にとっても1つ下の甲府が東京と引き分け、降格圏の湘南が敗れているので残留を決定的にする為にも是非とも勝ち点が欲しい状況でキックオフとなる。


■マッチアップ
マッチアップ
スタメンの所では4-2-3-1同士で書いたけど、鳥栖はかなり4-4-2に近い形で攻撃し、守備では完全に4-4-2でセットするので4-4-2の形にしています。

■主導権争い
鳥栖の2トップとボランチの守備
鳥栖の守備の特徴は2トップの守備意識がかなり高く、隙があればCBにもプレスに行くがメインは2トップでCBからのパスコースを制限する事で、そこから出たボールをSBはSHが捕まえ、ボランチはボランチが前にでて捕まえ、そこに2トップがプレスバックして挟み込んで高い位置から守備をしてくる。
ただ、この試合ではシンプリシオがトップ下の位置にいる事でボランチの1枚(主に藤田)がシンプリシオを見る為に残るのでボランチの所でいい形でプレッシャーをかけきれない。
ボランチの横のスペース
また、このプレッシャーに対してセレッソは扇原が最終ラインに入る形で後ろでボールを落ち着かせようとする。
その時に扇原に対しては2トップの1枚がプレッシャーをかけて、中央に残る山口にはボランチの1枚である高橋、トップ下にいるシンプリシオの所はもう1枚のボランチである藤田が見る形で対応しようとするが、特に南野が良くやっていたが、この時にSHがボランチの横のスペースに降りてきてボールを受けるプレーを見せ始める。
鳥栖のSHはセレッソSBに付いているし、鳥栖のSBも最終ラインにスペースをつくってしまうのでここまでついていくことはできないという事でこのボランチの両サイドのスペースからセレッソがリズム良くボールを繋いでいく事になる。
両SHを絞らせる
これでセレッソがボールを動かしチャンスを作っていくので見かねた鳥栖はSHのポジションを絞らせて対応。
セレッソのSBは組み立てにも参加するので、鳥栖のSHは最初セレッソのSBを早めに捕まえて守備をしていたが、SHはまず最初にボランチの両サイド絞り気味のポジションをとって、SBにボールが入ればそこから出て行く形にする。
これは結果的にそうなったのか、指示なりがあったのかはわからないけど、その分2トップの守備の開始位置も徐々に下がっていく事になる。
大きくサイドチェンジからの展開
そうなれば今度はセレッソはSBがボールを受けやすくなるので、CBとボランチ+SBで後ろでボールを落ち着ける事が出来るようになり、また同時に前線にも飛び出しやすくなるので、SBのオーバーラップから大きなサイドチェンジという形で相手を押し込めるようになる。

最終的にこの形に至るまでの間にセレッソは山口、杉本、南野と決定機を何度か作っていたので、最終的にこの形になる頃には鳥栖の2トップの守備位置はボランチの前、全体のブロックは立ち上がりに比べるとかなり低い位置になっていた。

■切り替えのスピード
素早い切り替えで前線からの守備
天皇杯でJ2首位という成績もあり自信満々で挑んできた神戸に何もさせなかった様に、今のセレッソは攻守の切り替えのスピードがかなり速い。
特に目立っていたのは攻撃から守備への切り替えのスピードで、押し込んだ所でボールを失ったとしても前線から確実に相手を捕まえる事で鳥栖に簡単にロングボールを蹴らせない。
また焦って早めに前線に出たボールに対しては山下と藤本の対人能力に優れたCB2枚で、抜群の身体能力を誇る豊田や、運動量とスピードと泥臭さで繰り返し狙ってくる池田を封じ込める。
また、杉本は攻撃の時に頻繁に中央に入ってくるので前線から行けない事になったとしても、シンプリシオや山口が右サイドをカバー、しっかり4-4のブロックを作り、鳥栖のいい形の攻撃はほとんど無かった。

ただ、ここで点を決めれなかったんですよね。
何度か決定機は作ったものの決める事ができませんでした。

■守る広さを狭くする
ブロックを下げる鳥栖
ボールを動かされた前半を受けて鳥栖は後半から全体のブロックを下げる。
前半は低くなったとしてもハーフウェイを越えたあたり、センターサークルの相手陣内あたりから2トップが守備を始めていたが、後半は2トップも完全に自陣に下がらせる。
そして低くなった分、セレッソのCBは完全に放置、2トップをボランチに当てて、そこから守備を始めるようになる。
ブロックを低くするということは守る場所を下げるという事で、ブロックのコンパクトさ加減は変わらないけど、後ろのスペースは無くなるのでその分守る広さも当然狭くなる。
裏のスペースが無くなり、前半よりも狭い場所に人数をかけれる様になったので、鳥栖の守備は少し安定し始め、さらに低い位置でボールを奪ったとしても2トップを下げた分距離も近づき、山下と藤本には苦労したけど、山口と扇原なら豊田のフィジカルは十分活かせるという事で、攻撃も前半に比べると低い位置ながら基点は作れ、ボールを運べるようになる。
セレッソの最終ラインの所で豊田や池田がポイントを作れているわけでは無いし、前線にまで行かない分セレッソは鳥栖がボールを運ぶ間にしっかり4-4のブロックを作ってしまうのでので決定的な形までは作れてはいないのだけど、前半に比べるとこれで鳥栖は格段に楽になった。
61分〜
この流れの中、先に動いたのはセレッソ。61分に南野と山口に代えてエジノと枝村を投入。
枝村はそのまま南野のいた左サイドに入り、エジノはトップ下、トップ下にいたシンプリシオがボランチに入る。
南野と山口は前半から何度かパスミスもあったりしていたし、山口は2トップと競る機会が増え、この直前にも豊田にプレッシャーをかけられてボールを失う場面もあったからか。
69分〜
しかし、61分の交代直後にシンプリシオが右足を痛めてしまう。
しばらくはそのままプレーを続けたものの、69分に横山と交代。
この時点で3人の交代枠を使いきってしまう。
エジノのポジショニング
この交代、例えば横山などは非常に良いプレーを見せていたんだけど、結果的にはあまりうまく行かず、鳥栖の修正に対してもう一度盛り返すどころか鳥栖が攻める時間を増やす事になってしまいました。
その理由になったのは、まず同じポジションに入ったエジノとシンプリシオのプレースタイルの違い。
エジノはシンプリシオよりも前の選手なので、トップ下といえばトップ下なんだけど2トップに近いポジション取りをする事が多い。
シンプリシオは相手のボランチにとって非常にいやらしい場所でウロウロするので相手のボランチを牽制する事ができていたんだけど、エジノはしっかりボールを落ち着ける事ができた時は引いてボールを受けて展開するというプレーが出来るが最初に前に入りすぎるのでCBで対応出来る。となると鳥栖のボランチも積極的にセレッソのボランチを掴もうと前に出れる様になる。
また攻撃で杉本が中央に入ってきた後にボールを奪われた時、前半はシンプリシオがその穴を埋めたり、山口が出て行ったらその空いたスペースに入っていたんだけど、エジノはその意識がそれほど高く無い。となると厳しい状況でも杉本が戻らざるを得なくなる。
という事で鳥栖の攻撃が増えはじめます。

そしてその後80分。磯崎のFKは跳ね返したものの、こぼれ球のクロスをキムジンヒョンがパンチングするもそのボールが直接フリーの藤田の元へ。
それをダイレクトで落ち着いて決め、鳥栖が先制する。
本人も語っている様に、パンチにこだわる必要も無いボールでしたし、そのパンチングも当たり損ね、このパンチングはキムジンヒョンのミスでした。
83分〜
この先制点を受けて83分、鳥栖は池田に代えてニルソンを投入。
3ボランチの形に変更。
86分〜
86分には早坂に代えて金井を投入。

そして90分。
藤本がキムミヌを倒して与えたファールから、藤田のFKを金井にあわされ2-0。
この時はビハインドということで、いつもは前線に柿谷1枚しか残さない所、杉本も残した所でやられてしまった。
90分〜
そして鳥栖はその得点の直後キムミヌに代えて小林を投入し5バックにして試合終了。
2-0で鳥栖の勝利となった。

■その他
この試合の前半は所々にミスはあったもののチームの出来は決して悪く無く、ペースも完全に握っていました。おそらく前半に何度かあった決定期のうち1つでも決める事ができていれば全く違う展開になったでしょう。
最初の失点もミス絡みなので非常に勿体ない試合でした。
ただ、後になって振り返れば、ちょっと攻め急ぎていたのかも知れません。
特に鳥栖がブロックを落とした後半は、前半ボールを回す事ができていただけにそのまま同じ様なペースで攻撃をしかけてしまっていましたが、最終ラインにはプレッシャーが来なくなっていたんだったら、もう少しじっくり攻めた方がよかったのかも知れません。
急いでブロックの中に縦パスを入れて相手にボールを渡してしまう事が多過ぎました。

この敗戦で順位を1つ落とし、首位マリノスとは勝点差9とかなり厳しい状況となりました。
ACLの3位以内である広島までも勝点差6です。
どちらにしても勝ち続けるしかありません。

3 件のコメント :

  1. 非常にわかりやすくまとめられていて勉強になりました。
    ただ、鳥栖の1点目は磯崎のFKからでは無く丹羽のアーリークロスだったかと。

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    返信
    1. コメントありがとうございます
      鳥栖の1点目ですが、
      酒本がキムミヌを倒して与えたFKを磯崎が左足でファーに上げてくるんですけど、そのボールを丸橋がヘディングではね返し丹羽の前に。
      丹羽に対して丸橋がダッシュでプレッシャーをかけに行くけど、その前にそのままアーリークロスを上げ、そのクロスボールはキムジンヒョンがパンチングするものの、そのボールが藤田の前にこぼれてそれをダイレクトでシュート。
      という流れですね。
      藤田がなぜ全くフリーであそこにいたかというと、最初のFKの時に磯崎と並んでキッカーのポジションに入っていたけど壁と守備陣を動かす為に蹴る直前に縦に走っており、その後逆サイドにボールが流れたので自陣に下がって行く藤田は誰も見れていなかったんですね。

      そもそもはFKのキッカーのポジションに藤田が入っていたからあそこでフリーになっていたという事を踏まえたかったからFKから書きはじめたんだと思いますが、書いてる途中にその部分が抜け落ちてしまって、中途半端な書き方になってしまいました。
      わかりにくくてすいません(笑)

      削除
  2. すみません。ちゃんと読めば書かれてる通りでした。
    失礼いたしました。

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