大宮アルディージャ | 2 | 1 | 前半 | 0 | 0 | セレッソ大阪 |
1 | 後半 | 0 | ||||
延長前半 | ||||||
延長後半 | ||||||
PK戦 |
スターティングメンバー |
大宮アルディージャ | セレッソ大阪 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 番号 | 位置 | シュート | シュート | 位置 | 番号 | 選手名 |
清水 慶記 | 31 | GK | 0 | 0 | GK | 21 | キム ジンヒョン |
今井 智基 | 27 | DF | 0 | 1 | DF | 3 | 染谷 悠太 |
横山 知伸 | 18 | DF | 0 | 2 | DF | 14 | 丸橋 祐介 |
高橋 祥平 | 17 | DF | 1 | 0 | DF | 16 | 安藤 淳 |
中村 北斗 | 14 | DF | 0 | 0 | DF | 23 | 山下 達也 |
金澤 慎 | 23 | MF | 1 | 0 | MF | 5 | 長谷川 アーリアジャスール |
和田 拓也 | 22 | MF | 0 | 0 | MF | 11 | 楠神 順平 |
家長 昭博 | 41 | MF | 0 | 4 | MF | 20 | 杉本 健勇 |
橋本 晃司 | 4 | MF | 1 | 0 | MF | 25 | キム ソンジュン |
ムルジャ | 8 | FW | 2 | 2 | FW | 9 | 永井 龍 |
ズラタン | 11 | FW | 3 | 2 | FW | 13 | 南野 拓実 |
江角 浩司 | 21 | GK | GK | 27 | 丹野 研太 | ||
片岡 洋介 | 34 | DF | DF | 4 | 藤本 康太 | ||
渡部 大輔 | 30 | DF | 0 | 0 | DF | 7 | 新井場 徹 |
カルリーニョス | 5 | MF | 0 | DF | 17 | 酒本 憲幸 | |
渡邉 大剛 | 10 | MF | DF | 19 | 小谷 祐喜 | ||
泉澤 仁 | 39 | MF | 2 | 0 | MF | 26 | 秋山 大地 |
富山 貴光 | 28 | FW | 0 | MF | 29 | 前川 大河 |
10 | シュート | 11 |
---|---|---|
9 | GK | 6 |
2 | CK | 4 |
10 | 直接FK | 10 |
7 | 間接FK | 2 |
6 | オフサイド | 2 |
0 | PK | 0 |
大宮アルディージャ | セレッソ大阪 | |
---|---|---|
金澤(21') ムルジャ(50') | 得点 | |
橋本→泉澤(77') ズラタン→富山(88') 中村→渡部(90'+2) | 交代 | 楠神→酒本(67') 安藤→新井場(78') 長谷川→秋山(87') |
ムルジャ(62') 横山(90'+3) | 警告 | 安藤(67') |
退場 |
いよいよ2014年のJリーグの最終節はアウェイで大宮アルディージャとの対戦です。
セレッソは前節の敗戦で降格が決まりましたが、大宮はこの試合に勝利し清水が甲府に敗れた場合のみJ1残留となります。
セレッソのメンバーは、扇原とカカウが前節のイエローカードで累積警告で出場停止となりますので代わりにメンバー入りしたのが小谷とU-18の前川。
スタメンは前節から扇原の位置にキムソンジュンが入り長谷川とボランチに。また右SBには安藤が入り酒本はベンチスタートとなっている。
一方の大宮は、前節途中交代した中村北斗が戻ってきて左SBに。またボランチには和田が入っています。
■守備の穴
前に捕まえに行く守備 |
これまでも書きましたが、状況などはほとんど考慮されていないのでこれはプレッシングと呼べる様な代物ではありません。とにかく目の前にいる選手にボールが渡れば、ボールが渡りそうになれば、喰いついて捕まえに行きます。
なので、相手の状況がどうなればリトリートでブロックを作るとかっていうのもありません。リトリートする時はボールを運ばれた時と自陣でボールを失った時のみです。また追いかけ回すのも、「ボールを奪うためのもの」と「相手の攻撃を遅らせるもの」の違いはほとんどありません。まあ送らせて自陣で組織を作るという選択肢が無いので当然ですが。
要するにスペースを守るという概念は大熊監督就任以降にどんどん無くなっていき、甲府に負けた後の中断期間以降はついに完全に無くなりました。
キックオフ直後のプレーではこの前から追い回すのでキムソンジュンのところで南野と挟み込んでボールを奪う事ができたので杉本がシュートまで持ち込む事ができました。
おそらく大熊監督の理想はこういう形なんでしょう。それはわかります。
ただ、これだけしかないのでここでボールが取れなかった時に悲惨な事になります。
3分のピンチ |
この時にムルジャは下がってボールを受ける動きをしているのでムルジャを見ている染谷は当然一緒についていっています。
これをキッチリトラップした家長。キッチリトラップできたという事は丸橋よりもゴールに近い方にいるので、ズラタンを見ていた山下が逆サイドにまで出てきて家長に対応。
今井から長いボールが出たと同時にカバーリングポジションを取る為に下がってきた右SBの安藤は山下がズラタンを捨てて家長に行った為にズラタンを見ます。
となると最初安藤がみていた橋本はフリー。
スライドの順序からいけば右SHの杉本やボランチの長谷川・キムソンジュンがみる事になるんでしょうけど、彼らは最初に前に捕まえに行ってるから到底ここまで戻って来れない。
って事で家長のキープからフリーの橋本に渡り打たれたシュートはポストに直撃し難を逃れます。
4分のピンチ |
最終的にはここからムルジャは上がってきた金澤へのクロスを入れますが戻ってきた丸橋がなんとか足に当ててブロック。そのこぼれ球をもう一度金澤が拾いサイドのムルジャに渡してクロスを入れるもそこは安藤が何とかクリアしました。
しかしその時、ムルジャのカバーで山下はニアに行っているのでファーサイドはズラタンと橋本に対して安藤1人と、ボールが渡ったら確実にやられてしまう状況でした。
この後もカウンターだったり同じ様な形でSBの裏を使われてCBを引き出されて中央に人が足りないという状況を作られ、21分には丸橋の後ろをズラタンが使ってクロスを金澤が決めるという形で大宮に先制されます。
■「芋づる式」と名付けられてしまいました
この失点シーンを含めた繰り返されるの守備。これは、SBの守備が悪い訳でも、中央で対応出来なかった山下と安藤が悪い訳でも無いんです。ズラタンに外された染谷はかわされたという意味では他の選手よりも悪いですけど、それよりもそもそもここでCBが1対1でやってる事自体がおかしいんです。
この形は仙台戦で仙台に先制されたシーンでも同じ形でした。
甲府戦の3失点目、クリスティアーノのクロスを長谷川が何とか足に当てたものの保坂に決められたシーンも同じ形でした。
あれも長谷川が悪いんじゃなくってあそこを長谷川が戻ってカバーしてる事自体がおかしいんです。
前から捕まえに行く事でできるスペース |
一般的には前からプレッシングをかける時は、行く時と止める時が状況によって決まっていて、そして同じボールホルダーにプレッシャーをかけるにしてもかけ方を変えます。
細かく分けると沢山あるので大雑把に一般的な事をいうと、相手陣内でボールを失った時はプレッシングをかけるのはサイドチェンジまたはGKにバックパスを出されるなど縦または横の奥行きまたは幅を作られるまで。
これを作られたら自陣にリトリート。ボールホルダーへは攻撃を遅らせる守備をします。
最初のプレスを外された時も同様です。
が、しかし今のセレッソにはこれがありません。何でも行け、いつでも行け、そして速く捕まえろです。
速く捕まえたい、そして外されたら大変、なので選手は自分が捕まえなきゃいけない相手との距離を詰めます。
って事は最初の時点で両SBの裏とCBとボランチの間はスペースが空いている事になります。
なので、相手からしてみるとこのスペースをどうやって使うかを考えれば良いだけです。
ここを使う事ができたらまずセレッソのCBがそこに出てくる。さらに出てきた事でできたスペースを埋める為にDFラインがさらに動く。
しかし両SHと2トップは最初に相手の最終ラインを追っかけてるので当然戻れない。
そうなると最後には人についていくしか無いんですけど、結局はボランチのところかボールサイドと逆サイドのSHはどうしても最後に空いてしまうんですよね。
ツイッターで「芋づる式にスペースができる」って言われていましたが、まさにそんな状況です。
スペースをどうやって守るかっていうのがもはや完全に欠如してしまっている状況になっていました。
後半50分の2失点目も基本的には芋づる式で、スタートは安藤の裏で山下とムルジャ。山下がもっと簡単にクリアなりしておけば良かったのかもしれませんが負けてるのでボールを繋ぎたかったんでしょう。そこに後ろから橋本が飛び出して、橋本からズラタンへのパスで染谷が引っぱりだされて、元々山下がいた場所へムルジャに飛び出されてGKと1対1。
それを決められた形でした。
こういう形になってしまうのは、先ほども書いた様に行く時と止める時の使い分けが無いからなんですが、それは前線の選手がどんな状況でも追いかける事を求められ、それを放っておくと前後分断になるのでDFラインが下がりすぎているから押し上げろとなるのでそれがより顕著化して行きます。
強烈な試合だったので2011年もセレッソを見ている人は覚えている試合だと思いますが、2011年の25節ホームで0-3からひっくり返して5-4で勝った広島戦。この試合の0-3で終わった前半の状態がデフォルトだという事です。
似た様なやり方をしているU-18の守備はこんなに芋づるではなく機能しているという話しもあり、僕もU-18の試合は何度か見た事があるだけですが同じ様な印象はあります。
ただそれは、ポポヴィッチがFC東京の監督をしている時に高橋秀人が「プロの方が大学のチームよりも人につく傾向が強い事に最初は驚いた。しかし実際やってみると、個々のスピードやパススピード、パスの精度が高いからそうしないとやられてしまうからだという事がわかった。」という主旨の発言をしていた事があるのですが、まさにそういう事なんだと思います。
ユース年代だと許される幅もプロでは許されない。
なのでやられない為にはより喰いつかないといけないという状況なのではないでしょうか。
■変わらない攻撃
いつも同じ状態なのでもう図は使いませんが、攻撃でも何とかボールを運べるのはSHが中に入ってきてボールを受けた時のみ。
ここに来て杉本が中盤だとしっかりボールをキープしてくれるようになったので、そこに入ればまだ何とかなりそうなんですがどうしても単発でしかありません。
ここ最近の練習でSHが中に入ったり、少し引いてボールを受けてポストプレーをしてサイドに展開するという形をやっていますが、SHは守備でSBを捕まえないといけないし、中に入って行く為の仕組みがある訳ではないのでどうしても単発になってしまうのでしょう。
SHがサイドで広がっているとどうしても収まらないし、トップにも当ててもボールを奪われる。またその時南野が下がれば、CBの主に横山がしっかりとついていって激しくあたられていました。
大宮は仙台戦をしっかりスカウティングしたんでしょうね。
ちなみに前半唯一の決定機は、楠神が中に入って丸橋を前に出した事からのアーリークロスでした。
■試合終了まで
67分〜 |
酒本が右SBに入り安藤が右SHに、杉本がトップに入り南野が左SHにとスライドします。
2点差になった事で大宮が少し落とした事もあるでしょうが、酒本と安藤がポジションチェンジもできるので、安藤が中、酒本が外やその逆などして少しボールを運べる様になります。
77分〜 |
セレッソは77分に安藤に代えて新井場を投入します。
新井場が右SHに入ったのは安藤と酒本の様な関係を続けたかったからでしょう。
試合終了時のメンバー |
最終節にもセレッソは敗れてしまいました。
■その他
大宮はこの試合に勝利しましたが清水が甲府と引き分けたので大宮の降格が決定。大宮・セレッソ・徳島の3チームが2015シーズンはJ2で戦う事となりました。
この試合もここ数試合と同じ様な形で穴をつくって同じ様な形で敗れました。
今シーズンのまとめは例年の様に1本ではなくいくつかに別れる形になると思いますが書いて行こうと思います。
がーん∑(*'ω' *) 読んで反芻すると、この守備って・・・
返信削除小学生(低学年)がボールにむらがっちゃうのとかなり近いレベルやーーーん。
コメントありがとうございます。
削除つらいシーズンでした・・・
対戦相手を言われればスタメンやフォーメーションや
返信削除得失点シーンを自然に思い出せるぐらいに試合内容をよく記憶し、
毎試合このブログの分析を楽しみにしていた筈の自分でしたが、
いつの間にかスタメンが誰でもフォーメーションが何でもどうでもよくなり、
このブログを詳細に読み込む根気も失い、
他の用事を優先して試合を見ない事すらあって、そして降格が決まりました。
社長やフロントのやった事にもいろいろ言いたい事はありますが、
今はそれ以上に、
ポポ監督のような無定見な人がJで何年も監督を続けられていた事、
ペッツァイオリ監督の指示にセレッソの選手が全くついていけなかった事、
大熊監督の采配でもユースでは日本有数の強いチームが作れる事、
などに、日本のサッカーの水準がまだまだ低い事を思い知らされたようで、
今はその事がとても堪えています。
真司の最初のドル時代は出来すぎだったと思わないといけないという事も、
曜一朗にはスイスで試合に出して貰えるようになる前に学ぶべきことが沢山あるという事も、
今では素直に受け止めています。
知恵者の監督が、ほんのちょっと突出した選手を上手く使えば、
たちまち勝てるチームが出来上がってしまう、今のJリーグのレベルを、
もっと高いものに引き上げ、代表がW杯でまぐれでなく勝ち上がれる実力を蓄えるには、
まだまだ長い道のりがあるのですね。
コメントありがとうございます。
削除サッカー界ってきっと上に行けば行くほど進化のスピードが速くなってて、それが何段階かあるんじゃないかと思ってます。
今シーズンは結果は勿論ですがいろいろ考えさせられるシーズンでした。