スタジアム | ヤンマースタジアム長居 | 主審 | 飯田 淳平 |
入場者数 | 13,893人 | 副審 | 大塚 晴弘、岡野 宇広 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇 / 12.4℃ / 43% | 第4の審判員 | 井上 知大 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 大熊 清
- 監督
- 木山 隆之
試合経過
-
90+2'
-
81'
- 77'
-
68'
- 64'
- 59'
- 45+1'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 13 | 14 | 13 | 14 |
CK | 6 | 7 | 6 | 7 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 15 | 3 | 15 | 3 |
警告/退場 | 0/0 | 1/0 | 0/0 | 1/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 大熊清監督愛媛FC 木山隆之監督
セレッソ大阪 キム・ジンヒョン選手、山下選手、エジミウソン選手、中澤選手
セレッソ大阪 関口選手、茂庭選手、田中選手、楠神選手
愛媛FC 河原選手
愛媛FC 西岡選手、河原選手、浦田選手、児玉選手
J1昇格へ最後の椅子をかけてのJ1昇格プレーオフ。1stラウンドとなる準決勝はホームヤンマースタジアム長居に愛媛FCとの一発勝負は0-0で終了し順位上位のセレッソ大阪が決勝への進出を決定した。
■メンバー
セレッソ大阪の先発はリーグ最終節と全く同じメンバーを選択。扇原の出場停止もあけ、前節はコンディション不良でベンチスタートとなったパブロのコンディションも既にかなり戻っているが、前節の流れをそのままにという意図があったのだと思われます。
一方の愛媛は、ベンチ外だった浦田が復帰し浦田の代わりに先発をした村上がベンチに戻る以外は前節と同じ布陣。以前はワントップを務める事の多かった西田は39節岐阜戦の故障(後に右膝前十字靭帯損傷と発表)で今節もベンチ外となっています。また今シーズン限りの引退を発表した吉村圭司もベンチに入っている。
■立ち上がりの攻防
試合の立ち上がりはお互いリスクをかけずに相手の守備組織の手前からセレッソは田代、愛媛は瀬沼に向けて長いボールを入れる形を多用。ノックアウト形式の一発勝負というこの試合の性格を考えるとスタンダートな考え方です。
この形に対して一定の成果を残したのはセレッソ。田代は愛媛のCBに対して競り勝つ事が出来るが、瀬沼は山下と茂庭のチャレンジアンドカバーに対してほとんどボールを収める事ができないので、そこにシャドーが絡む事も出来ず攻撃の形を作ることが出来ない。
ただ、セレッソも田代が競り勝ってそこに玉田や関口、楠神が絡むものの、愛媛にとってもセレッソがこうやってくるのは織り込み済みということで、最終ライン5人とボランチ、シャドーによるプレスバックで自由にさせてもらえず、またそのセレッソには守備を広げる様な動きもないので決定的な形までは作る事が出来ない。さらに愛媛はセレッソに後ろからボールを繋がれて守備陣形が動かされるよりもロングボールの方がまだ対応できるという計算もあったんだと思います。なのでセレッソはロングボールを蹴ってくるけどそっちだけに対応する事はしないで、前線の3人はグラウンダーでボールを縦に入れられない為の守備を怠らずに続ける事を徹底していきます。
■ミスマッチでセレッソの左サイドを狙う愛媛
マッチアップ |
そのポイントになっていたのはシステムによるミスマッチでした。
ミスマッチの捕まえ方 |
ハマっていない守備 |
この時山下が行ってしまうと瀬沼を空ける事になり、茂庭の所で2対1になるし、橋本が行ってしまうとボランチを使ってサイドチェンジをされる可能性もある。なので後ろが1対1になるというリスクを背負ってでも捕まえる形を準備したんだと思われますがそこがハマりませんでした。
なぜセレッソの左サイドだったのかは愛媛が狙った事もあるのでしょうが、右サイドでは関口が3バックのサイドの選手とWBの切り替えを上手くできていたけど、左サイドは楠神がそこを上手く出来ていなかったからでもあります。
マイナスの折り返し |
ここはかなり危険なスペースでしたが、飛び込んでくる内田に関してはきっちり関口が見続ける事で、また愛媛シャドーの1人がサイドに絡んでいる事でセレッソの最終ラインで1枚余っている事になっている田中裕介が自分が余っている事をしっかりと認識し最終ラインのカバーをすべく中央に絞る事で対応します。
前半は0-0。セレッソの攻撃面としてはロングボールでの田代では優位に立てるるけど、愛媛の1トップ2シャドーが最初はきっちり縦パスを入れさせない守備をし、自分の頭をボールが超えると5-4-1になってブロックを作ってスペースを消してくるのでそこから先がなかなか難しいという状況。
このままだと得点のチャンスはセットプレーぐらいなので、30分頃にあった丸橋のクロスにファーで田代が合わせかけた場面の様に、5バックの相手には中にボールを入れて絞らせてから外を使ってという形を増やしたいという所でしょう。ただ、セレッソは0-0でもOKなのでこのままでも悪くはありません。
■中盤にボールを入れられるようになるセレッソ
後半キックオフ直後は前半同様に長いボールを使おうとしたセレッソですが、その後に両チーム共にお互いのペナルティエリア近くにまでボールを運ぶ場面が見られます。
しかしこの両チームがボールを運べた理由が異なっており、愛媛がボールを運ぶ形になったのはセレッソのミスパスがきっかけで、その瞬間にセレッソボランチの後ろにスペースができていたのでそこを使ってボールを運んだという形でしたが、セレッソがボールを運んだシーンでは愛媛のミスは見当たりませんでした。
愛媛の守備 |
CBに対するプレッシャーはいつも行くわけでなく、ボールも持ち方や身体の向きによってチャンスの時に1人が出て行くとそれに連動するという形です。
この中央の3人はまずは真ん中を絞る形ですが、SBにボールが出るとボールサイドのシャドーがプレッシャーをかけにいく。自分の後ろにボールが出たり前にプレッシャーをかけられない状況になるとボランチの両脇に戻って5-4-1になるというやり方になっていました。
前線3人で制限できない状況に |
47分の田代がシュートを放った場面でも楠神がボランチの後ろでボールを受けてターンする事ができています。
64分〜 |
これはもちろん攻撃の事もあるでしょうけど、シャドーの運動量が低下している事がビルドアップを自由にさせる事になったという事もあるでしょう。
またその後64分に藤田に代えて安田を投入。これも攻撃の事もあるでしょうが、ボランチまわりの運動量の事もあったかと思います。
68分〜 |
サイドに開くポジション |
これまでも何度か書いていますがこのサイドにいるのはホントに重要で、サイドチェンジの時に丸橋にボールが渡った時に前にSHがいる事でSBを孤立させないという役割もあります。
関口の良さはこの動きを決して欠かさない事で、中央にいても右SBにボールが渡った時に中から外で斜めに出て行く動きをみせます。しかし楠神はこの意識が低いのでたまたま左サイドの前にいる時以外はこのスペースに入り込む動きをほとんど見せない。なので右サイドからのサイドチェンジで丸橋にボールが渡った時だと、右サイドにボールがある時に楠神は中央に絞っているのでボールが丸橋に渡ってもその場所のまま中央。という事はボランチの1枚が左サイドに出て行く事が出来る状態であれば丸橋が孤立しませんが、ボランチでボールを持っている状態からのサイドチェンジだとほぼそれは不可能なのでどうしても丸橋が孤立してしまいます。
それが楠神が下がる直前の60分に孤立した丸橋がボールを失って受けかけたカウンターで、最終的には相手の攻撃を遅らせサイドチェンジをされるも中央で対処する事ができましたが、あの形はボールを失った丸橋よりも、そもそも楠神が行方不明になっている事が問題で、丸橋を孤立させたからカウンターを受ける事になっています。
また守備でもセレッソが押し込んでいる事もあってか、相変わらず長いボールは茂庭と山下に跳ね返されるし、ミスマッチを使ったビルドアップではスタートが低い事もあって3バックの両サイドに入る林堂と浦田が早めに出てくる様になっていたので、前半の様なWBを捕まえるのか3バックにいくのかハッキリしていないという様な事もなくなり、またCK時の前線に3人残しカウンターでは1度後半に前線にボールがつながりかける場面はありましたが、この時間帯は確実にセレッソペースでした。
せめて75分の田代が抜け出したシーンは決めたい所でした。
81分〜 |
試合終了時のメンバー |
パブロの判断ミスで最後にもう一度CKを与える事になってしまいましたが、それを投入された中澤がヘディングでクリアして試合終了。0-0でセレッソの勝ち抜けが決定した。
■その他
試合は0-0でしたが、0-0で勝ち抜ける事を十分理解した上で特に後半に関しては上手く試合をコントロールすることができた、最後にスクランブルな状況は作られましたが、愛媛が後半に何かをできるチャンスはかなり少なかった試合でした。
また前半に関してもハマらない守備はありましたが、田中がきちっと自分が浮いてる事を理解した上で中に絞ってカバーをしていた事は素晴らしいプレーでした。
また試合全体において大きかったのは、セレッソはCBの所で最悪1対1の状況になっても大丈夫という所だったんじゃないかと思います。
逆に愛媛の立場で考えると、常に数的有利を作らないといけない・スペースを管理しないといけないという状況だったので、それが後半の劣勢にもつながったところはあるでしょう。
ただ、問題点ももちろんあって、その前半のハマらない守備はもちろんですが、特に田代や楠神はもうちょっとチームの中での役割を認識してプレーをして欲しい所です。長いボールのターゲットとなった次のアクションで中からいなくなってしまう事や、攻守において意味のないポジションをとってしまう事は相変わらずなので…
決勝はアビスパ福岡との対戦に決まりました。
次は勝利が必要です。
いつも興味深く拝見させていただいています。
返信削除そこで質問ですが、福岡戦ですが左サイドは誰を使うと良いと思いますか?
個人的には、先発はパブロで後半に楠神が無難だと思います。
ただ、もしチームに馴染んでいるのであれば、マグノクルスを使ってみたら面白いはずなんですが。
パブロで行ってほしいですよね。あと、マグノは前回の福岡戦に関口の代わりに右のスタメンですが、あまり褒められたものではなかったです。ただ彼はシュートで一発持ってますから、ポジションもへったくれもないような最後のパワープレーではもっとも使えると思います。地道にコンビネーションができるようになれば良い選手だと思いますが今年はなかなか。けど一番近くにいる大熊監督が何を選び何に賭けるか、それを尊重し、選手に託するしかありませんね。
削除お2人方ともコメントありがとうございます。
削除個人的にはパブロかなあと思っていますが、どっちもどっち的なところもありますからね(苦笑)
マグノだったらパブロを使いますかね。
お疲れさまです。
返信削除田代玉田のコンビは相変わらず機能してないですね。不安です。
先発の入れ換えはなさそうですが、大熊さんには的確な采配を望みたいです。
相変わらずというよりも悪く無かった時期よりも悪くなってますね。
削除ただ田代にしかできない仕事を田代はこなしていますし、エジミウソンと比較した時に必ず一定の効果は保てる田代は捨てがたいですし、適格な采配といってももう田代自身そこはなんとか立て直してくれっていう感じです。エジミウソンに繋ぐことができる選手はいませんし、むしろ福岡相手にそれは他チームの時よりも難しいことではないでしょうか?
お2人方ともコメントありがとうございます。
削除田代は若手でも無いし、もう何年も同じ課題を抱えてるので根本的に改善する事は無いと思っています、残念ながら。
それができるなら日本代表でもレギュラーポジションを掴んでいたでしょうしね(苦笑)。
シュートを外すのは良くは無いけどしょうがない。
セットプレーの守備を考えると田代かなあという感じでしょうか。
いつも分析ありがとうございます。バックスタンドから見ていたのですが、この試合は楠神と田代にはストレスがたまりましたね。ボールを保持して回しているときは、茂庭にはパスしないでくれと思いながらみていました。笑
返信削除さて、質問なんですけど次はシャケのベンチ入りありますかね?笑
先発じゃなくてベンチぐらいは入ってもらいたいんですけど、、、
右足しか使えないから交代枠一つ使うんも勿体ないんですけど、ファンとしては入ってもらいたいです
コメントありがとうございます。
削除ここでベンチ入りメンバーを代えるメリットはあまりないので、どうでしょう。
ただ、田中裕介を左に回しても良いので入れても良さそうですけど…
可能性は低いでしょうね。
こんばんは!
返信削除ずばり決勝の福岡戦はどんな試合になると予想しますか?やはり福岡のカタい守備に苦しみ得点するのは簡単ではなさそうですし、相手のセットプレーも脅威に思えます。
こんばんは、コメントありがとうございます。
削除決勝についてはまたプレビューで書きます!
いつも分析ありがとうございます。
返信削除現地観戦していましたが、球際の激しい攻防の中、さらに足が伸びたり、お互いに気持ちが入った戦いでした。
田代が決めてたらもっと楽に観れてたんですが。
楠神は相変わらず自由に動き回っていましたが、残念ながらゴールという結果を出せていません。
決勝はパブロに期待です。