FC東京 | 1 | 0 | 前半 | 1 | 2 | セレッソ大阪 |
1 | 後半 | 1 | ||||
延長前半 | ||||||
延長後半 | ||||||
PK戦 |
スターティングメンバー |
FC東京 | セレッソ大阪 | ||||||
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選手名 | 番号 | 位置 | シュート | シュート | 位置 | 番号 | 選手名 |
権田 修一 | 20 | GK | 0 | 0 | GK | 21 | キム ジンヒョン |
徳永 悠平 | 2 | DF | 1 | 0 | DF | 3 | 茂庭 照幸 |
森重 真人 | 3 | DF | 0 | 1 | DF | 14 | 丸橋 祐介 |
加賀 健一 | 5 | DF | 0 | 0 | DF | 17 | 酒本 憲幸 |
太田 宏介 | 6 | DF | 1 | 0 | DF | 23 | 山下 達也 |
米本 拓司 | 7 | MF | 1 | 0 | MF | 2 | 扇原 貴宏 |
チャン ヒョンス | 30 | MF | 0 | 3 | MF | 6 | 山口 螢 |
ルーカス | 49 | MF | 2 | 1 | MF | 13 | 南野 拓実 |
長谷川 アーリアジャスール | 8 | MF | 2 | 2 | MF | 30 | シンプリシオ |
東 慶悟 | 38 | MF | 2 | 5 | FW | 8 | 柿谷 曜一朗 |
渡邉 千真 | 9 | FW | 5 | 3 | FW | 20 | 杉本 健勇 |
塩田 仁史 | 1 | GK | GK | 1 | 武田 洋平 | ||
中村 北斗 | 14 | DF | DF | 7 | 新井場 徹 | ||
河野 広貴 | 17 | MF | 0 | DF | 29 | 小暮 大器 | |
石川 直宏 | 18 | MF | 1 | 0 | MF | 10 | 楠神 順平 |
ネマニャ ヴチチェヴィッチ | 32 | MF | 1 | MF | 16 | 枝村 匠馬 | |
三田 啓貴 | 36 | MF | 0 | MF | 18 | 横山 知伸 | |
平山 相太 | 13 | FW | 0 | FW | 9 | エジノ |
15 | シュート | 16 |
---|---|---|
8 | GK | 11 |
2 | CK | 7 |
16 | 直接FK | 15 |
2 | 間接FK | 2 |
2 | オフサイド | 2 |
0 | PK | 0 |
FC東京 | セレッソ大阪 | |
---|---|---|
長谷川 アーリアジャスール(70') | 得点 | 南野(31') 柿谷(87') |
米本→石川(HT46') 東→河野(79') チャン ヒョンス→平山(89') | 交代 | 南野→枝村(74') 杉本→楠神(74') シンプリシオ→横山(89') |
ルーカス(80') チャン ヒョンス(84') 太田(90') | 警告 | 山口(74') |
退場 |
ナビスコカップ決勝で1週間空き、ACL決勝の2ndレグが11/9に開催された関係で前節に引き続き日曜開催となった31節はアウェイでのFC東京戦。
キックオフ前の段階でセレッソが5位、FC東京が6位で勝ち点差が2。前節の敗戦でかなり厳しくはなったものの数字の上ではまだ優勝の可能性を残しており、ACL圏内という事を考えても絶対に勝ち点3が欲しい一戦となる。
セレッソのメンバーは、藤本がケガで離脱となった為に古巣対決となる茂庭が5/18の柏戦以来のスタメンとなる以外は前節と同じ4-2-3-1。
茂庭は股関節の状態が良くないとの事で前々節はベンチ外だったのでコンディション面で心配もあったが、状況はかなり良くなっている様子。
一方のFC東京は、高橋が前節警告を受け累積警告の為に出場停止となるのでボランチにはチャンヒョンスを入れCBに加賀というこちらも同じ4-2-3-1。
今シーズン限りでの現役引退を発表したルーカスも右SHに入っている。
■マッチアップ
マッチアップ |
東京の守備の形 |
セレッソの守備の形 |
高い位置から捕まえにくる東京 |
東京のボランチ2枚がセレッソのボランチを捕まえるとトップ下のシンプリシオが空いてしまう事につながるんだけど、立ち上がりはそこは全体のブロックを高い位置でコンパクトにする事でカバーしていました。
■両チーム共にロングボールが増える立ち上がり
この試合の立ち上がりは両チームとも早いタイミングでロングボールを多用する展開となっていました。
しかし、そのロングボールの使い方は全く違っていました。
セレッソのロングボール |
ここに柿谷や両サイドの杉本、南野を飛び出させて一発で裏を狙って行く。
ただ、前に書いた様に東京も前線から捕まえる事で扇原などボランチのところからは簡単に蹴らせない様にしており、セレッソがロングボールを蹴るには先ずCBやSBボランチのところで、マッチアップしている相手を外す必要があった。
東京のロングボール |
なのでこのロングボールは、セレッソの様に一発で抜け出してというよりもサイドで基点を作るため。
セレッソは東京よりも守備ブロックの高さが低く、また攻撃の時に両サイドが中央に入って来るので、両サイドが戻る前だとルーカスや東のところがSBと1対1になれるのでそこをめがけて、時にはワントップの渡邉がサイドに流れる動きを見せて基点を作ろうとしてくる。
またセレッソは東京と異なり、前線から早めに捕まえる動きもあまりやらなかったので、CBのところから比較的楽に長いボールを蹴る事ができていた。
■人数をかけるカウンター
この日はピッチレベルではおそらくメインスタンドからみて左側からかなり強い風が吹いていたので、立ち上がりのリスクを少なくする意味や、何が起こるかわからないというところで両チーム共にロングボールが増えていたんだと思いますが、その結果前半の30分ぐらいまでは両チーム共にシュートが少ない展開になっていました。
ただ、セレッソはこの裏へのパスは確実に最初から狙っていました。そしてそれに合わせて東京がロングボールで基点を作って押し込んでくるところを奪って人数をかけるカウンターも見せ始めます。
セレッソのカウンター |
そして特徴的なのは特に中央では割と早めに相手をしっかりと捕まえます。
そしてここでボールを奪うと、攻守の切り替えのスピードを活かして両SH、両SB、ボランチの1枚と人数をかけて一気に前に出て行きます。
この時にポイントになるのがシンプリシオ。
守備の時に4-4-2ではなくって4-4-1-1になっている事で前線でなかなか相手を制限しきれないからどうしても守備ブロックが下がってしまいがちというデメリットもあるんだけど、1-1の低い位置にいるシンプリシオが攻撃の時には相手が捕まえにくいというメリットにもなって、柿谷が裏を狙う事でCBの2枚を引っぱる、相手のボランチはその柿谷へのボールを出させまいとセレッソのボランチに寄せる、とその間で中途半端な位置にいるシンプリシオが浮いてしまい、ここにボールが入ると確実にキープしてくれるので両SHと両SBが一気に前線に飛び出して行く事ができるという形になっています。
もちろん東京も運ばれると守備ブロックを落とすのでそう簡単には決定期を作る事はできませんでしたが、セレッソはこの形でボールを運び相手を押し込める事も出来る様になって行きます。
セレッソの攻撃の形 |
これもメリットとデメリットがあって、相手も中央に人数をかけて守られると渋滞が起こってしまうんですが、この日は人数をかけている事のメリットがでて、運んだボールから酒本の右サイド、丸橋の左サイドとボールを動かして再び右サイドの酒本にボールが渡ったところから、酒本がDFラインとMFラインの間に嫌らしいクロスのパスを出して、2ラインの間で受けた杉本から柿谷とつなぎゴチャゴチャしたところのこぼれ球を南野が豪快に決めて31分にセレッソが先制する。
中央の狭い局面にセレッソは柿谷、杉本、シンプリシオ、南野と4人も人数をかけていたからこそ南野がこぼれ球をシュートする事ができたシーンでした。
またその南野の前にボールにさわっているのはシンプリシオで、南米の選手が持っている事が多い特殊スキル、ゴチャゴチャしたボールを何となくマイボールにしてしまうというのが発揮されていた。
ここから東京もボールを運び、何度かチャンスをつくる少しオープンな状況になって行きますが、チャンスが多いのはセレッソ。東京はサイドを基点に攻めて来るが、セレッソの守備が人を捕まえるのが速いのでクロスのタイミングも早めになって中央にあまり人数をかけられていませんでした。
ただそれでも渡邉や長谷川がシュートまで持って行くのですが、それよりも中途半端なポジションを取るシンプリシオを誰が捕まえるのかがはっきりしていなかったのでセレッソにボールを運ばれる数がかなり多くなっていました。
ちなみに前半でゴールキックの時に2回、逆風だったので上手くいきませんでしたが、キムジンヒョンから最終ラインの裏の柿谷を狙っていました。
■石川の投入
後半開始〜 |
ルーカスが左に回って、左サイドにいた東がトップ下、トップ下の長谷川がボランチに下がる。
この交代はおそらく米本の故障によるもので、20分ぐらいに柿谷がボールを失ったのを取り返そうとして米本を蹴ってしまいました。柿谷も振り切った訳では無かったのでこの接触自体は軽いものでしたが、おそらくその時の着地で右足首をひねってしまったんでしょう。
直後もかなり痛そうでしたし、一度カウンターでセレッソがボールを運んでいる時に当たりにいったけど転んでしまう事もあったので状態はあまり良く無かったのでしょう。
東京の変化 |
立ち上がりに多用していた早いタイミングでのロングボールの数が減り、ボランチを縦関係にして後ろでボールを落ち着けてしっかりとビルドアップする。
そこからトップ下に入った東の両サイドに飛び出す動き、さらに効果的だったのが右サイドに入った石川がCBの裏へ向けて斜めにダイナミックな飛び出しを見せる様になります。
後半開始早々に石川を完全に離してしまい渡邉に決定的なシュートを打たれてしまったのは、メンバー交代によるポジション変更でマッチアップ相手が変わったことから来る混乱でだとは思いますが、その後もセレッソのCBが早めにFWを捕まえるので、そこで出来たスペースに飛び込む石川はなんとか防いでいたもののセレッソにとって少し厄介な存在になっていました。
ただ、東京が前半からあったシンプリシオ問題は全く解決できていなかったので、ボールを奪えばセレッソが攻撃の形は作れており、シンプリシオから始まる攻撃で飛び出した山口のクロスを柿谷があわせるなどかなりのチャンスは作っていました。
ちなみに追い風になった後半、キムジンヒョンのゴールキックから裏に飛び出す南野へ一度チャレンジをしています。
■最終ラインが低くなる
4-3で対応せざるを得なくなる場面も |
守備の時はサイド、攻撃の時は中央と今のセレッソにとって最も運動量が求められるのはSHだと思いますが、この辺りの時間帯からSHの戻りが徐々に遅れはじめてきます。
特に杉本はターゲットとしての役割があるので、より中央にポジションを取る事が多いのですがここがなかなか戻れなくなる。また杉本が右サイドに戻れない場合は、山口がサイドに出て中央はシンプリシオが下りてくるという約束ごとがあるのですが、シンプリシオも戻ってくるのが遅くなり4-3の形で守備をする時間が増えてきます。
こうなると相手のボランチや持ち出した森重など、最初のボールホルダーにプレッシャーかけられなくなるのでブロックをより下げざるを得なくなってしまいます。
東京の攻撃に時間がかかれば杉本もシンプリシオもしっかり戻ってくるのですが、キムジンヒョンのスーパーセーブや最終ラインの奮闘でなんとか守っていたものの、前半に比べると最終ラインはあきらかに低くなっていました。
そして70分、その直前の攻撃で人数をかけたカウンターをおこなったので戻りが遅れてしまい、何とかブロックを下げて時間を作ったものの、下がったラインの手前から長谷川に豪快なミドルシュートを決められてしまい同点に追いつかれます。
■楠神のスイッチ
79分〜 |
79分に東京は東に代えて河野を投入します。
河野投入後の東京 |
枝村・楠神投入後のセレッソ |
特に楠神は一旦ボランチの前で受けてドリブルで相手を外す事ができるのでカウンターのスイッチになる事ができていました。
河野投入前ですが太田のクロスを斜めにニアまで飛び込んできた石川がすらして東がネットをゆらすもオフサイドの判定になったり、楠神と酒本のコンビネーションで右サイドを完全に崩して枝村がシュートするも権田がスーパーセーブを見せるなど、このあたりの時間帯からはかなりオープンな展開になっていました。
ただ、どちらも決めきれない。
柿谷の決勝ゴール |
大きく枠を外した渡邉のミドルシュートの後のゴールキック。
キムジンヒョンがボールを受け取った瞬間にアイコンタクトをして斜めになっていた森重と加賀の間にするすると動き出す柿谷。それを確認したキムジンヒョンは森重の裏をめがけて強烈なロングキック。
追い風にのったボールは、またその一瞬の隙をついた柿谷の動き出しは、追いかける森重をあきらめさせるに十分な勢いで飛んで行き、飛び出してくる権田の股を抜くシュートを決めて2-1。セレッソが突き放しました。
89分〜 |
セレッソはシンプリシオに代えて横山を投入し、山口がトップ下ながら3ボランチ気味の布陣にしてそのまま試合終了。
前半から何度か狙っていたゴールキックからの一発を柿谷が終了間際に劇的に決めセレッソの勝利となった。
■その他
キムジンヒョン本人がキックの調子がいいので一発を狙えると試合前に話していたそうですが、確かに前半からなんどかあの形は狙っていたので、前半は逆風でしたので上手くいきませんでしたが、追い風になった後半に実を結んだ形になりましたね。
本当に劇的な一発でした。キムジンヒョンの言う様に、あの時間帯で確実に決めるのは「角度もあまりなくて、難しかったと思うけど、さすがセレッソの8番です。」
ですが、このゴールキックからの一発って今回初めて実を結びましたが、実はキムジンヒョンが加入した2009年、J2の頃からやっているプレーです(笑)。多分その年から1,2回は惜しいのがあった記憶があります。
ターゲットにもスピードとトラップのテクニックが要求されるので昔はターゲットが乾で、一回やるとゴールキックの時に最終ラインを下げられてしまうので多用できる様なプレーではありませんが、ゴールキックの時にスルスルと最終ラインの裏にポジションを取る乾を覚えてる人もいるんじゃないでしょうか(笑)。
後、この試合はなんと言ってもシンプリシオの攻撃面での貢献が目立ちました。
試合前に米本が、ボランチでボランチを捕まえに行くと話していて、実際東京はその様な戦い方をしてきましたが、アウェイでの大宮戦でもそうだった様に相手がそういうやり方を取ってきた場合は、中途半端なポジションを取るシンプリシオを捕まえきれないという「シンプリシオ問題」が必ず浮上しますね。
シンプリシオが中途半端な位置でボールを受けて、しっかりキープする事も、ボールを運ぶ事も、展開する事も、裏へパスを送る事もできるので、今のセレッソの最大の武器である攻守の切り替えの速さと人数をかけたカウンターには欠かせない存在です。
今節はマリノスが敗れ、浦和と広島がそれぞれ引き分けた為に、この3チーム+鹿島に続く5位は変わらないながらも上位3チームまでの勝ち点差は縮まりました。
残り3試合で首位マリノスとの勝ち点差が6と厳しい状況なのは変わりませんが、残り3試合が浦和、広島、鹿島との直接対決なので、目の前の1戦1戦を勝利する事ができれば何かが起こるかもしれません。
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