2016年3月21日月曜日

3/20 明治安田生命J2リーグ第4節 VS モンテディオ山形 @ NDソフトスタジアム山形

第4節
2016年3月20日(日)13:04KO NDスタ

スタジアムNDソフトスタジアム山形主審今村 義朗
入場者数12,603人副審大塚 晴弘、大川 直也
天候 / 気温 / 湿度曇 / 14.8℃ / 48%第4の審判員千葉 直史
スターティングメンバー
モンテディオ山形山形
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 石﨑 信弘
 
  • 監督
  • 大熊 清
モンテディオ山形山形
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目モンテディオ山形セレッソ大阪モンテディオ山形セレッソ大阪
FK11131214
CK4475
PK0000
シュート614713
警告/退場4/00/02/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 大熊清監督
モンテディオ山形 石崎信弘監督

セレッソ大阪 田代選手、茂庭選手、キム・ジンヒョン選手、松田選手、山村選手、柿谷選手
モンテディオ山形 山田選手、川西選手

異例の本拠地・敵地含め4試合連続ホーム開幕戦の4試合目となる敵地NDソフトスタジアム山形でのモンテディオ山形戦は試合終了間際の田代のゴールでセレッソが勝利。開幕4連勝を飾った。

■スターティングメンバー
セレッソは前節終了後にリカルド・サントスが発熱、玉田がインフルエンザとトラブルがありましたが、リカルド・サントスはコンディションを戻し先発復帰。開幕から4試合連続同じメンバーでの先発となります。ただ、玉田は間に合わなかったという事でベンチには2試合ぶりに元山形の田代が復帰、また前節に引き続きルーキーの澤上もベンチに入っている。

一方の山形も前節と全く同じ先発メンバー。ベンチには昨シーズン右膝前十字靱帯損傷の大怪我を負った松岡、そして昨シーズン水戸に所属しホームでのセレッソ戦ではアディショナルタイムに同点ゴールを決められた鈴木雄斗は前節までベンチ入りし試合終盤に投入されていたが、今節はベンチから外れ代わりにドリブラーの汰木が入っている。ちなみに宇佐美と松岡はセレッソの下部組織出身です。

■山形の守備の前にボールを運べなくなるセレッソ
立ち上がりは入れ替わる形でボールを運びボックス近くでのFKやCKを獲得していたセレッソだったが、時間の経過と共に徐々に山形の山形の守備に阻まれボールを前に運ぶことが出来なくなっていきます。
山形の守備のスタート
山形の守備のスタートは5-2-3ともいえる形。
前線の3人はセレッソがCB同士てパス交換している時は前を切りながらスライドし、ボールを前に運ぼうとするとプレッシャーをかけに行く。
セレッソは一応山村が最終ラインに降りて3バック化する形もありますがただ降りるだけで、しかも山形の前線には3人いて降りた所で同数なので効果はありません。
また、柿谷が降りる形に対しても、前の3人でCBとボランチのところを抑えられているのでなかなか柿谷にボールを入れるタイミングもありませんが、あったとしてもその3枚+ボランチのアルセウと佐藤優平の2人の計5枚がいるのでボールをつけられず、さらに川西がよく、ディエゴも時々プレスバックもするので中央は堅く閉ざされていました。
サイドのスペース
ただ並びが5-2-3という事は、一見ボランチの両脇にはスペースがあって、またセレッソはSBを前に出す。特に丸橋はチーム内でも最もボールに絡む回数の多い選手です。
なので中央を閉められているならそこからという事になるのですが、この守備ではそれももちろん織り込み済み。
サイドのスペースは早いタイミングでWBがドンドン前に出て潰しに来る。
5バックなら1枚喰いついても残り4人がいるから安心という5バックのセオリー通りの形です。
これをするとWBのアップダウンがとんでもない回数になるので大変なのですが、山形はそれを踏まえた人選になっており、特に山形の右サイドに入っている山田は丸橋に時間とスペースを与えるとマズイという事でボールが入りそうになるとドンドン前に潰しにでてきて丸橋から時間とスペースを奪う、そしてボールサイドのボランチと前線の3枚の内ボールサイドの選手がプレスバックしてくるという形です。
この試合でも丸橋からのボールが相手に渡ってしまうといった場面が結果的に多くなり、雑なキックも多いので「今日の丸橋は悪い」とかって結論になってしまいがちですが、相手がこうやって丸橋から時間とスペースを奪いに来ているから結果そうなっているんだという事ですね。
また山形の守備ではSBにボールが入った時にボールサイドのSHに対しては3バックの選手が必ず前にでて捕まえに来ます。
これも4バックならSBがSBを捕まえに来たらこのSHを捕まえるのはCBになりいわゆる「CBが釣り出される状態」になるのですが、5バックならここを捕まえても逆サイドのWBが最終ラインにいるので3枚残れるから安心という5バックのセオリーの形です。
ソウザがサイドに開く形
また前節一定の効果をみせていたソウザが左に開いて1列目の守備の脇にポジションをとる形はこの試合でも何度かやろうとしていましたが、佐藤優平の献身的な動きと1列目のプレスバックの前にほとんど効果はありませんでした。

その結果セレッソは苦し紛れのロングボールが増えていきます。
前節は群馬の守備がリトリートでブロックを作ってきた事と1列目の守備がバラバラだった事からボールを運ぶことができたセレッソでしたが、この試合ではやはり開幕戦や2節と同じようにビルドアップに大きな問題を抱えている事がわかります。
先ほど書いた丸橋のところの問題にしても「この試合の丸橋は良くない」という事では無く、そこに時間とスペースを作る形が無いという事です。

■山形の攻撃
セレッソの攻撃が上手くいっていないという時間が続きますが、山形の攻撃がセレッソに脅威を与えていたかといえばそうでもありませんでした。
山形は5-2-3で守備が始まりますがプレスバックなどをすると結局ボールを奪う時は5-4-1に近い形になっています。
となるとボールを奪った時にどうしても大黒が前線で孤立気味。なので大黒にボールをつけても山下と茂庭のCBコンビの前にボールをキープすることは難しくカウンターの形がなかなか作れない。これは、1トップにとんでもないキープ力のあるバケモノみたいな選手がいるか、例えばミシャシステムの様に後ろからボールを繋いで前線に上がる時間を作るか等がないと5-4-1のシステム上どうしても起こりえる問題なのでしょうがないのですが、縦に速い攻撃でチャンスを作る場面はあまりありませんでした。

ただ決定機につながりかねない場面もありました。
12分の山形の攻撃
1つは12分の場面。これはそもそもスローインからはじまったプレーでしたが、左サイドの荒堀から下がってくる川西を経由してディエゴ、そして逆サイドの山田へと展開された場面です。
この場面はミスマッチの時に起こりえる代表的なパターンの1つですが、ミスマッチの場合、前向きに出てくる相手をボールサイドから順に捕まえていくと逆サイドがどうしても合いてしまいます。
特にセレッソの様に前に喰い付いて人を捕まえにいく形だとより顕著に表れます。
この場面はブルーノ・メネゲウがしっかり後ろから戻り、さらにそれによって山田のクロスもGKにそのままというノーチャンスのボールだったので事なきを得ますがセレッソにとっては嫌な形です。
この場面をはじめブルーノ・メネゲウやセレッソのSHはこのWBが上がってくるプレーについて献身的に戻って対応することを続けることができていました。
チーム全体でみるとそのやり方、仕組み自体が正しいかどうかは微妙というか疑問に感じる部分はありますが、その微妙なやり方でもそれでやる以上は担当の選手がここに戻ってくることは重要で、特にブルーノ・メネゲウはそれを何度も続けていました。
27分の山形の攻撃
もう1つは27分の場面。アルセウが最終ラインに降りてボールを受け4バックの様な形になります。ここからアルセウは2トップ脇の佐藤優平にパス。佐藤優平は大きく逆サイドの荒堀にロングボールを入れます。
このボールは一旦松田が頭ではねかしますが、このロングボールのタイミングで荒堀のサポートに入っていたのは3バックの左に入る石川。松田がはね返したボールを拾うと荒堀とのワンツーで抜け出しクロスを入れます。
このクロスに大黒が飛び込むも山下が身体を当てて対応したのでシュートは枠に飛びませんでしたが、これもミスマッチを活かした代表的な形。石川は元々左SBとしてプレーしていた左足のスペシャリストなのでセレッソにとってはかなり嫌な形でした。

■石川の負傷
37分〜
停滞気味の展開となっていた試合でしたが37分に山形は山形CKの競り合いで右膝を痛めた石川が負傷交代。栗山が投入されます。
山形にとって石川の存在は攻守に渡り大きいので、痛めた時に石川が右膝を横に揺らして確認するようなしぐさをしていたのが心配です。膝が外れるような感覚は靭帯を痛めた時にあることが多いので。
あとすこし気になったのは石川が痛めてから交代の栗山が入るまでの時間の山形の対応。
この時間帯にセレッソは松田からのクロスが流れた所を丸橋が逆サイドで拾って再びクロス、それをブルーノ・メネゲウがヘディングするも合わなかったというチャンスを作ります。
山形が10人という状態で、セレッソが攻め込んだ時には一応山田が3バックの右に入って宇佐美が左、川西が右WBという事になってるんだとは思いますが、対応がはっきりしておらず最初のクロスを上げた松田は荒堀の裏で完全にフリーになることができていました。
栗山投入直後の39分には柿谷とリカルド・サントスの個人技で中央でボールを収め柿谷が左サイドに展開、丸橋のクロスに大外でブルーノ・メネゲウが合わせるもポスト直撃とセレッソがチャンスを作りましたが0-0で前半が終了しますが、このピッチ外に選手が1人でた時の対応のマズさはこの後もあって、後半の立ち上がり佐藤優平がソウザにファールした時に少し痛めてピッチからでると、佐藤優平はスグにもどったので少しの間ではありましたが山形はボランチをアルセウ1人のまま5-1-3で、攻撃も守備も行うという場面が見られました。残念ながらセレッソの選手はピッチでその状況を把握できていませんでしたが。

■試合を動かせない両チーム
50分のセレッソの攻撃
後半に50分にセレッソは、この試合唯一あった山形の喰いついてくる守備を利用したポジショニングで右サイドにスペースを作り、そこに松田を走らせてクロスから中央でフリーになった柿谷がシュートを放つ決定的な場面を作ります。
このシーン決定機が唯一って意味じゃなくってポジショニングで山形の守備に穴をあけた形が唯一という事で、この柿谷のシュートは残念ながら枠を外してしまいましたが、この形は山形の守備を十分崩せる形で、前半を受けて後半には崩し方の修正が入ったかと思われましたが、これと同じような形でサイドを崩しにかかる場面はこの後1度もありませんでした。

逆にその直後に山形の右サイド、山田からのクロスに対して茂庭がディエゴとのポジショニングの争いで負け、キム・ジンヒョンがあわてて出るも先にディエゴが頭でボールを触るという決定機を作られてしまいますが、シュートは枠を外れセレッソは助かりました。
56分〜
56分に山形はおそらく先ほど痛めたプレーが原因で佐藤優平が下がり松岡を投入。
松岡はこれが負傷からの復帰戦。セレッソの下部組織出身という事で入ってスグに柿谷と手を合わせる場面も見られます。
60分〜
試合が膠着してきているので、60分にセレッソはブルーノ・メネゲウに代えて関口を投入。
ここではディエゴも短期間ながら実は元仙台という事でディエゴと手を合わせる場面も見られます。
この直後に関口がスローインから裏をとってソウザがシュートを放つ場面や、杉本のクロスをソウザがつま先で落としてリカルド・サントスがシュートを放つ等個人技でシュートまで持っていく場面が2つ続きますがいずれも山形の守備の前に枠にボールを飛ばすことができませんでした。
70分〜
セレッソはさらに70分に杉本に代えて澤上を投入。右に澤上、左に関口という形にします。
これまでの練習試合でも澤上は本職のFW以外では左SHに起用される事はあっても右SHはなかったので多分ゲームでは初めてだと思われます。
ただ、澤上は左利きなのでカットイン型というか利き足と反対の選手をサイドに置いて中に入ってフィニッシュをということを狙っているのでしょう。
ただ、これで両サイドがドリブルでボールを運んでいたブルーノ・メネゲウとボールを収めてくれていた杉本の両方がいなくなったので試合はちょっとずつオープンな状況になっていく中でも、その狙いを出せる場所までボールを運べないのでソウザが持ち上がっていく以外ではチャンスらしいチャンスは作れなくなっていました。
また72分には前半12分にあったミスマッチの形と同じパターンを逆サイドで作られ、サイドには澤上が戻り、関口も戻って中央をカバーしたのでいい形でシュートは打たせませんでしたが、荒堀のクロスに大黒が飛び込む形も作られてしまいます。
85分〜
77分にセレッソはリカルド・サントスに代えて田代を投入。
85分に山形は大黒に代えて林を投入。
この70分以降の時間帯はこの試合を通じて最もボールを運ぶのに苦労していたセレッソにとってかなり厳しい時間帯でした。
ただちょっと助かっていたのは山形も落ち着いてミスマッチを活かすような攻撃が出来ていなかった事と、ファールが多く一息つかせてくれる事。
ミスマッチで完全に押し込まれ続ける事もありませんでしたし、トランジション勝負にも持っていかれなかったので決定的な場面までは作られていませんでした。

そして試合終了間際の90分。ソウザが少し持ちだして相手を引きつけボールを運ぶ事ができた所で、左サイドから右サイドに展開。
逆サイドのWBは最終ラインに落ちるのが山形の守備なので松田はフリーの状態で田代の頭をめがけてふわっとクロス。それは渡辺に跳ね返されますが緩いボールを下りながらのヘディングなので遠くには飛ばせずセカンドボールはボックス内でソウザの足下へ。ソウザは落ち着いてシュートフェイントで滑ってくる相手を外し、キックフェイントで寄せに来る2人のタイミングをずらすと頭が下がっていたように見えたのに落ち着いて中央で浮いていた田代にパス。
田代は山形ディフェンスに寄せられる前に落ち着いて止めてシュートを放ちゴール。
セレッソが先制しました。
そしてそのまま試合終了。セレッソは開幕4連勝と素晴らしいスタートを切る事となりました。

■その他
試合内容は相変わらずですが、開幕4連勝と最高のスタートを切ることができました。
特にこの4試合中アウェイが3試合、しかもその全て相手のモチベーションが上がっているホーム開幕戦という難しい試合で結果を残すことができたのは非常に大きいです。
とはいえやっぱり内容に改善が見られないのはこの先を考えるとつらい所。
なんとか結果が出ている内にその兆しでも見れると良いのですが、今のところは全く感じることはできません。
ここでいう問題点は、連携がとか成熟がとかって所ではない部分なので、ある意味改善できる部分なんですけどね。



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