そこで、セレッソ大阪の2017シーズンの展望を2回に分けて行いたいと思います。
第1回の今回はチーム編成についてです。
■新監督 尹晶煥
2017シーズンに向けて新監督としてOBでもある尹晶煥を招聘しました。クラブはOB監督を求めていたのは明らかで昨年にもオファーを出していたとの報道がありましたので、「念願のOB監督」と言ってもいいでしょう。なのでおそらくどういうサッカーを志向しているからというよりも、クラブOBであり、一定の評価を得ているという条件にぴったり、そのうえ鳥栖でJリーグの監督としての経験もあるというのが複数回に渡るラブコールの元になっていたのだと思われます。
当時の鳥栖とは選手構成も異なりますし、実際にどういうチームを作るのかという部分ではよくわからないところもありますが、せっかくなのでそのあたりも含めて楽しみたいところです。
■チーム編成
◆IN
・MF:大山武蔵(札幌大谷高等学校)・GK:茂木秀(桐光学園高等学校)
・MF:斧澤隼輝(セレッソ大阪U-18)
・DF:舩木翔(セレッソ大阪U-18)
・DF:森下怜哉(セレッソ大阪U-18)
・MF:山内寛史(早稲田大学)
・FW:山根永遠(サンフレッチェ広島ユース)
・DF:マテイ ヨニッチ(仁川ユナイテッドFC/韓国)
・MF:福満隆貴(レノファ山口FC/完全移籍)
・GK:圍謙太朗(FC東京/完全移籍)
・MF:水沼宏太(FC東京/期限付き移籍)
・MF:清武弘嗣(セビージャFC/スペイン/完全移籍)
◆OUT
・GK:武田博行(東京ヴェルディ/期限付き移籍)・FW:ベサルト アブドゥラヒミ (FCアスタナ/復帰)
・DF:小谷祐喜(ロアッソ熊本/完全移籍)※期限付き移籍から
・FW:田代有三 (未定)
・FW:玉田圭司(名古屋グランパス/完全移籍)
・DF:中澤聡太 (引退)
・MF:小暮大器(愛媛FC/完全移籍)
・MF:橋本英郎(東京ヴェルディ/完全移籍)※AC長野パルセイロ期限付き移籍中
・FW:米澤令衣(レノファ山口FC/期限付き移籍)
・DF:池田樹雷人(バンコク・グラスFC<タイ>/期限付き移籍)
・GK:北野貴之 (未定)
・MF:平野甲斐(アーミー・ユナイテッドFC<タイ>/完全移籍)※期限付き移籍から
・MF:前川大河(徳島ヴォルティス/期限付き移籍期間延長)
期限付きを含めてチームを去ったのは13名。小谷、橋本、平野、前川の4人は昨シーズンから期限付き移籍となっていたので実質は9名。またトップチームとしては6名が退団しています。
一方加入は12名。昇格組を含めた新人選手7名はひとまずU-23になる可能性の方が高いでしょうから、トップチームとしては5名というところでしょう。
それぞれポジション別にまとめて見ます。
■FW
・柿谷曜一朗・杉本健勇
・リカルド・サントス
・澤上竜二
・沖野将基
2トップのファーストチョイスは、現段階では柿谷と杉本という組合せになりそう。
杉本は就任した監督の誰しもが第1FWとして育てたいと思わせる最高の素材なので、これまで結局SHに落ち着いてきていましたが、やはりFWとしてのスタートとなりそうです。
ただ、柿谷とコンビを組んだ時は柿谷が前、杉本が後ろという関係になっている時間帯も多く、この関係が成立すると身体を当てられることを極度に嫌がる杉本もやりやすいかもしれません。
さらに昨シーズン終盤はベンチ外となることが多かったリカルド・サントスですが、昨シーズンは監督の指示の曖昧さにかなり混乱してしまっていたという面もあります。身体のパワーはチーム一でしょうからそれを活かせる役割を与えてあげれば日本にも慣れたでしょうし昨シーズンよりも活躍するかもしれません。
そしてそのリカルド・サントスに代わってシーズン終盤に出番を掴んだ澤上は、残念ながらキャンプ中に負傷してしまい出遅れてしまっている様子。昨シーズンは便利使いされてしまったところもありましたので、早く復帰しポジション争いに戻って欲しいところです。
そしてトップチームの宮崎キャンプにU-23から昇格する形で参加したのが沖野。
昨シーズン終盤は圧倒的なスピードとキレでU-23の切り札となっていた事もあってトップチーム帯同となりました。宮崎キャンプの横浜FC戦ではセカンドトップとして起用されましたが、マッチアップしたヨン・ア・ピンに完封されてしまい途中出場途中交代。試合後に尹晶煥監督からも厳しいコメントが出されました。
ヨン・ア・ピンはこれまでマッチアップしてきた選手の中でもおそらく最高クラスの選手でしょうが、役割をきっちり把握して昨シーズンは1人もいなかったU-23からトップチームでの試合出場に絡むことができる選手になって欲しいところです。
■トップ下
FW的なキャラクターの選手が起用されることが多い尹晶煥監督の布陣ですが、宮崎キャンプの横浜FC戦ではソウザ選手、清武選手、丸岡選手がMF的にトップ下としても起用されています。ただおそらくメインは2トップになるのではないかと思われます。
■右SH
・水沼宏太・清原翔平
・酒本憲幸
・関口訓充
・福満隆貴
清武のセレッソ復帰が決まった時に、右足のキックの精度が高く、ロンドンオリンピックでも右SHとしてプレーしていたし、セビージャでも右サイドでプレーする機会が多かったことから右SHに入るのではないかと思っていましたが、どうやらチームで唯一尹晶煥監督の下でプレーした経験のある新加入の水沼宏太がファーストチョイスとなりそう。監督からの信頼は厚い様です。キックの精度も高く、運動量も豊富な選手です。
セカンドチョイスは清原と酒本の争いになりそう。
タイでのバンコクグラス戦では左SHとして先発した清原ですが2試合行われた横浜FC戦の1試合目では右SHとして先発しているので清原が一歩リードかもしれません。
数少ない左利きの1人ですし、自分の為だけでなく他人の為にもプレーできる選手ですから昨シーズン同様シーズン中にチャンスを掴む可能性もあるのではないでしょうか。
またバンコクグラス戦では右SHに入った福満は横浜FC戦の1本目で先発した左SHがメインになりそう。
■左SH
・清武弘嗣・福満隆貴
・関口訓充
・丸岡満
・清原翔平
・舩木翔
何と言ってもセビージャから電撃復帰となった清武がファーストチョイス。現役日本代表で中盤のアタッカーとしては頭一つ抜けた存在です。復帰には様々なことがあったようですが、クラブが500万ユーロとも言われる高額な移籍金を支払ってまで獲得したことは喜ばしく、また誇りに思いますし、帰ってきてくれたことを嬉しく思いますし、清武のことを応援したいと思います。
セカンドチョイスを争っているのが大学選抜戦の2試合目で先発した関口と横浜FC戦の1試合目で先発した福満。福満は高校卒業後JFLの前に九州リーグでもプレーしており、大学卒業後JFLでプレーしていた清原同様叩き上げのキャリアを持つチーム内では異色の選手です。動きながらプレーできるいわゆるセレッソのシャドゥっぽいプレーができるので面白い存在になるかもしれません。
また関口は横浜FC戦に出場していないので、少し負傷を抱えているかもしれませんが、開幕までの残りの期間に注目したいところです。
次いでこのポジションで起用されたのが丸岡。昨シーズンは色々な意味で苦しいシーズンだったでしょうから何とかドルトムントで培ったものを取り戻したいところです。
そして注目なのはルーキーの舩木。
ルーキーながらトップチームに帯同しており、本職は左SBながら横浜FC戦の2試合目では左SHで途中出場を果たしています。
清原もそうですが、尹晶煥監督のサッカーの中では左利きの左サイドは結構なアドバンテージになると思いますので、もしかするとチャンスがあるかもしれません。
■ボランチ
・山口蛍・山村和也
・ソウザ
・秋山大地
・木本恭生
ボランチのファーストチョイスはやはり現役日本代表の山口蛍。パートナーを山村とソウザで争っているという状態ですが、今のところ山村が一歩リードか。
ボールサイドのボランチは攻撃の時に前に出てくる事を求められている様子も伺えるが、何故か守備的なイメージを持たれがちな山村も本来前に出たいタイプなので問題なさそう。
この2人は本当にどちらがポジションを掴んでもおかしくない。
バックアッパーが秋山と木本。
秋山は年齢的にまだU-23でプレーすることが可能ですが、もっとトップチームで試合に絡めないといけない年齢。3人の壁は厚いですが、そうも言ってられない頃です。
■右SB
・田中裕介・松田陸
・酒本憲幸
・椋原健太
昨シーズン唯一の全試合スタメンだった松田が怪我で出遅れた為、バンコクグラス戦、大学選抜戦と主力組でプレーしたのは田中。横浜FC戦では松田が戻ってきましたが、この2人のポジション争いはかなり熾烈になっている様子。尹晶煥サッカーにおいてSBはポイントになりそうですから、どうなるかわからないというところでしょうか。
酒本は今季もSBとSHの両方、もしかするとSHがメインかもしれません。SHは昨シーズンの3-4-2-1シャドゥよりかはまだやりやすいとは思います。
■左SB
・丸橋祐介・椋原健太
・舩木翔
今シーズンも不動の左SBになりそうなのは丸橋。尹晶煥サッカーではSBが攻撃の起点となりそうなのでかなり重要な存在となるでしょう。
バックアッパーとなっているのは椋原。左右のSBができますが、今年は左SBのバックアッパーという立ち位置になりそうです。
そしてここでも注目は舩木。左足で強いボールを蹴ることができる、そして前に出ていけるというのがおそらく尹晶煥が評価しているポイントだと思われます。
ただボールを蹴る能力を持っていたとしても実際に蹴ることが出来なければ能力を持っていないのと同じ。そして蹴れるかどうかは勇気があるか無いかという問題だけではなく、ボールを蹴る時の形を自分の中で仕込めているかどうかです。まずはベースとなる約束事をきっちりと把握することが重要です。
■CB
・山下達也・マティ・ヨニッチ
・茂庭照幸
・庄司朋乃也
・藤本康太
中心となるのは山下とヨニッチ。ヨニッチを少し見た感じでは強さがありそうです。技術的にも不安は無さそう。ただ前に出ていき逆を取られかけるというケースも無くはなかったので、そのあたりをしっかりコミュニケーションをはかって行きたいところでしょうか。
バックアップとなる藤本は負傷で離脱。まだ復帰出来ておらず練習試合にもまだ出ていないという状況です。
ただ同じく負傷で離脱していた茂庭は既に復帰。宮崎では練習試合に出場しています。ただ、古傷の股関節痛の問題はどうしてもあるのでコンディションと相談しながらという事になるでしょう。
ただそんな状況でも今シーズンは庄司が常にトップチームに帯同している状態ですので、大きな不安は無さそう。昨シーズンはスタメン確実かと思われながらも最後の最後に監督が日和ってしまうという試合が2度ほどあったのでトップチームの出場はまだありませんが、今シーズンは出場期間もあるはずです。
■GK
・キム・ジンヒョン・丹野研太
・圍謙太朗
今年もやはり守護神はキム・ジンヒョン。キム・ジンヒョンをチームに残せたことはかなり大きいです。
セカンドキーパーを争うのが丹野と圍。経験に勝る丹野か、若さとサイズの圍かというところでしょうが、とりあえずは丹野がセカンドキーパーの座を掴みそうといったところでしょうか。
予想布陣 |
2/10の時点で選手登録されているのは41名。U-23との2チーム分なのでこれだけみるとそんなものかなという数字です。しかしここにU-18登録選手も加わる形になりますし、さらに内訳を考えるとこの41人中で今年24歳以上となる選手は25名。セカンドチームを持っているチームとしてはちょっと多すぎるかなという部分はあります。
昨シーズンのように結局セカンドチームからトップチームで試合に出た選手は誰もいないという事になってしまうと勿体無いですからね。
シーズンの目標としては9位以内。なのでまずは残留の勝ち点40、そして9位の勝ち点50というところで良いんじゃないかと思います。
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