スタジアム | Shonan BMW スタジアム平塚 | 主審 | 岡部 拓人 |
入場者数 | 5,896人 | 副審 | 相樂 亨、鈴木 規志 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴 / 27.3℃ / 69% | 第4の審判員 | 堀越 雅弘 |
追加副審 | 山岡 良介、笠原 寛貴 |
メンバー
- 監督
- 曺 貴裁
- 監督
- 尹 晶煥
全ての試合において 21 歳以下の選手を 1 名以上先発に含める。※1
※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表活動(A代表、U23、U20)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。
※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表活動(A代表、U23、U20)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。
試合経過
-
90+2'
- 88'
-
85'
-
75'
-
70'
- 69'
- 58'
-
57'
-
28'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 11 | 10 | 17 | 10 |
CK | 5 | 7 | 4 | 7 |
PK | 0 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 11 | 9 | 10 | 9 |
警告/退場 | 0/0 | 0/0 | 1/0 | 0/0 |
<監督・選手コメント>
湘南ベルマーレ 曺貴裁監督セレッソ大阪 尹晶煥監督
湘南ベルマーレ 山根選手、松田天馬選手
セレッソ大阪 木本選手、片山選手、マテイ・ヨニッチ選手、オスマル選手
ACL参加組も加えて始まったYBCルヴァンカップ 準々決勝、敵地Shonan BMW スタジアム平塚で行われる湘南ベルマーレ対セレッソ大阪のファーストレグは、3-0で湘南ベルマーレの快勝に終わった。
■メンバー
湘南ベルマーレはリーグ戦前節が金曜日に開催されていたため中4日で迎えるこの試合。先発メンバーはリーグ戦前節から4人を入れ替え。1トップは夏に徳島から加入以降主力として出場している山崎に代えて野田。シャドウには後半戦に入りリーグ戦では先発から外れる機会が多くなっている松田天馬。ボランチには石川とリーグ戦前節に途中出場をしている金子が入る11人。山崎、秋野、杉岡らはベンチスタート。また前節シャドウで先発していた小川慶治朗は神戸でルヴァンカップに出場しているため、湘南の選手としては今大会に出場することはできない。
一方のセレッソ大阪はリーグ戦前節から中3日で迎えるこの試合。先発メンバーはリーグ戦前節から2人を入れ替え。日本代表に選出された杉本と、韓国代表に選出されたキム・ジンヒョンが外れ、ヤン・ドンヒョン、丹野が入る。また前節を怪我で欠場した山口は日本代表も辞退しておりメンバー外。体調不良だった丸橋もメンバー外となっている。
なお、ルヴァンカップは21歳以下の選手を1名以上先発に含めることが義務付けられているが、U-19日本代表に安藤が選出されているため免除。21歳以下の選手が1人もいないメンバー構成となっている。
ちなみに昨季はこのラウンドをノックアウトステージと呼んでいたが今季からプライムステージという呼び名に変わったようだ。
■ボールを運べないセレッソ
セレッソの3-4-2-1に対して湘南も3-4-2-1ということで前節の浦和戦同様3-4-2-1対3-4-2-1。そしてメンバーも代えていないということは、前節同様に木本が右SB気味になる変則4バックの形でセレッソは攻撃をしかけたいと考えていただろう。しかし試合が始まるとセレッソはボールを運べない状況に陥る。
湘南の前線からの守備 |
4バック化に対しても |
守備のときは5バックになっているので湘南側からすると移動されたところで捕まえる選手は変わらない。尹晶煥が4バックの時に3バックの相手に対して前から捕まえに行くことが有効なのと同じ理屈だ。
この様な状態なので左WBの片山のところでボールを失う回数が多いのも必然。片山云々以前にWBのところをボールの奪いどころにしているからである。
また前半3分の場面を始め湘南の左WB石原を中心にセレッソの右サイドから攻められることが多かったのは、セレッソがボールを持った時に木本を右SBに出し松田陸を前に出すが、守備のときは松田陸が最終ラインに下がって5バックになるその裏を、高い位置からアプローチをかけることで守備でも前向きにプレーする湘南が守備から攻撃の切り替えのスピードが上回っていたから。これも尹晶煥が4バックの時に3バックの相手に対して前から捕まえに行くことが有効なのと同じ理屈だ。
ただ、この高い位置からのプレッシングはもちろん万能ではない。
例えば前節の浦和戦では、浦和が立ち上がりから5-4-1のブロックを作って守ってきたのに対してセレッソは前から取りに行ったという、セレッソがちょうどこの試合でいう湘南の立場だったが先制点を奪ったのは浦和。その失点シーンでもそうだったように、前から取りに行った時に奪えないと自陣にスペースがある分相手の攻撃は一気に加速させてしまう。
前節の浦和が5-4-1のブロックを作り、セレッソ陣内ではボールを持たせてくれたのはこれが嫌だからで、決して浦和の守備がゆるい訳ではなく守備の考え方が違うからに過ぎない。むしろ今季の失点数では浦和よりも湘南のほうがずっと多いし、湘南のリーグ戦33失点はリーグ9位と失点の少ないチームでもない。(もちろん湘南が取る前から奪いに行く守り方が劣っている訳でもない)
第24節で普段は前から奪いに行くことが多い広島が引いて守ったのも、自陣にスペースを作りそこを使われるのが嫌だったからだろう。
しかしこの試合では、湘南が前から来ることでできるスペースをセレッソが使うことはできなかった。
そうなったのは、セレッソが前線でボールを納めることができなかったから。
セレッソは相手がボールを奪いに来た時はキーパーからのロングキックや長いクサビのパスなどで前線にポイントを作り、そのセカンドボールから一気に攻撃をしかけてきた。
中断あけからは少し変わってきたが、前半戦はセカンドボールがストロングポイントの1つでもあった。そして今の3-4-2-1に関していうとさらにこの傾向が強く、前線でボールが納まるかどうかはこの布陣が機能するかどうかの生命線。
1トップにボールが納まることで、2シャドウは裏にも抜けれるし間にもポジションをとれる。
そして1トップにボールを納めやすい様に、2シャドウは1トップのできるだけ近い位置にポジションを取ろうとする。それだけここでボールが納まるかどうかは重要となっている。
セレッソはこの布陣になってから苦労しながらも杉本が1トップでボールを納めることができていたのがかなり大きかった。しかしこの試合では杉本に代わって入ったヤン・ドンヒョンはそれが全くできなかった。
その結果、前から奪いに来る湘南に対してそのスペースを使うような縦に速い攻撃が全くできず、マッチアップがあった状態で来る湘南のプレスにセレッソの最終ラインとWBは窒息することに。ゴールキーパーからや、奪ったボールを何かのきっかけで前線に残った柿谷に直接ボールが入って前向きにプレーできたときのみセレッソは湘南陣内にできたスペースを使って攻撃できるという状態だった。
■守備でもシャドウが中途半端な位置に
そしてこの状態は守備でも大きな影響を与えることになった。前節の浦和戦でも浦和がすばやく5-4-1のブロックを作って守るのに対して、セレッソは5-2-3で前線シャドウを前線に残した状態で守備をしようとする。これは先に書いたようにボールを奪った時に2シャドウがより早く1トップのサポートに入りたいからで、守備でもできるだけ1トップの近くに置きたいからだろう。
実際に11分や14分にセレッソが前から行ってボールを回収する場面を作っている。
しかしこの試合ではボールを敵陣にまで運ぶ前に失ってしまう事が多いのでそもそも前線から奪いに行けないような場面も多い。
ボランチ脇のスペース |
しかし、このセレッソシャドウのいわば前残りも、この状態でセレッソが守りきることができ、さらに攻撃でシャドウが相手に脅威を与えることができれば収支はプラス。相手も前残りするシャドウに対してどう守るかという問題が出てきてボランチ脇を使いにくくなる。
セレッソはこのボランチ脇にスペースがある状態でも守りきれるように、浦和戦でも見られた下がるシャドウに対してDFラインからマンツー気味に付いていく姿はこの試合でも見られた。
しかし肝心の攻撃がトップにボールが納まらないので攻撃ではシャドウのポジションも定まらない。なので結局は単に守備で穴ができているだけ。セレッソDFも迎撃気味に何とか対応を続けるのだが、湘南に何度も使われ攻撃されていた。
そんな展開で生まれたのが湘南の先制点。28分の松田天馬のゴールはシュートそのものも素晴らしかったが、何度も使われていたボランチ脇に松田天馬が下がったところでヨニッチが迎撃に出たが入れ替わられてしまい、バイタルエリアでフリーにしミドルシュートを打たれている。
■柿谷とヤン・ドンヒョンのポジションチェンジ
後半開始〜 |
前半は前でヤン・ドンヒョンにボールが納まらないので柿谷が追い越せず裏を狙う回数も減っていた。そこをポジションを入れ替えることで、まず柿谷に裏を狙わることで、ヤン・ドンヒョンのプレースペースを広げボールを納めさせたい。そうなると柿谷の裏抜けも活きるだろうという逆からの発想で関係を改善したいということなのだろう。
また、前半は厳しい内容だったヤン・ドンヒョンだったが、ヘディングでの競り合いでは勝てることもあった。なので、この位置関係であればロングボールをヤン・ドンヒョンがフリックし柿谷が裏へ飛び出すという関係が成立しやすくなるということもあったのだろう。
少し先になるが、60分に清武が左足のシュートまで持っていった場面はヤン・ドンヒョンと柿谷のポジションが入れ替わっていたからこその形だ。
とはいえ後半の立ち上がりは守備の構造自体は変わっていないので湘南に攻め込まれる場面が続く。しかしセレッソはポジションを入れ替えたことによりで52分、54分、55分と前半には無かったカウンター気味に縦に早くボールを運ぶ場面も見られるようになっていた。
そして58分に松田のクロスに柿谷が頭で合わせる場面も作ったが、この場面はまず縦に運ぶことができ、さらにヤン・ドンヒョンが開いた位置から斜めにハーフスペースに入ったことで松田にクロスを入れる時間を作ったプレーだった。
58分〜 |
58分、セレッソは山下に代えて高木を投入。この交代で4バックにするのかと思ったが高木が入ったのは左WB。片山が左CBに下がる。
これまで試合をクローズするために5バックにした時に水沼が右WBに入ることは何度かあったが、高木のWBは初。変則4バックではなく前線の枚数を増やすために両WBを上げる形を狙ったのだろう。そしてこれまでこの3バックはある程度暫定的な部分もあるかな?と感じていたのだが、尹晶煥は思っていた以上にこの3バックに未来を見ているんだなと感じる交代だった(この試合で負けたのでまた変わる可能性もあるが)。
しかしこの交代でセレッソはボール保持時も4バック化しなくなるので結果的にマッチアップをあわせたことになる。さすがにこの時間になると湘南も高い位置から追いかけてくることは無くなったが、3バックに対しては1トップ2シャドウの3枚で合わせてくることにはかわりないので、マッチアップがズレない分ソウザやオスマルが目の前の相手を剥がさないといけない状態になる。
また柿谷とヤン・ドンヒョンのポジションを入れ替えた効果もヤン・ドンヒョンがなかなか顔を出せないのでボール保持の時はあまり見られなかった。
■2トップへ
69分〜 |
この交代は前線の中で最も裏を狙っていた柿谷が下がってしまったことで、湘南は背後をあまり気にせず守備ができるようになる。つまり最終ラインは守備の時に思い切って前に出れるのでバイタルエリアのスペースが消しやすくなり、2トップ、清武、ボランチの1枚がスペースの無いバイタルエリアで潰されるという場面が続く。
またこの時間帯までセレッソはサイドでボールを運べてクロスが上がっているわけでもないので、前線に高さがある2人を揃えたところでそれを活かすような場面は全く無かった。
また守備面でも、山村が入ってスグはヤン・ドンヒョンと山村の2枚で前から行く姿勢を少しだけ見せたが、3バックに対して3人の時にできなかったことが1人減った2人でできるわけもなくスグに終了。さらに前半から曖昧だった守備のスタート位置が布陣が変わったことでさらに曖昧になっていく。
そんな状況で、リードを許していることもあって湘南に起点を作られないようソウザやオスマルが前に出て守備をする場面も増え始めるのだが、守備のスタート位置が曖昧なので全体が連動せずボランチが出た背後を使われることに。
70分の湘南の追加点は、その直前の場面ではオスマルが前に奪いに出たところでも上手く奪いきれたが、ここでは奪いきれず背後を使われると一気に最終ラインの裏へ岡本に抜け出され折返しを梅崎が決めた形。
75分の3点目は山村が中途半端に前から寄せたところで一気に山根にドリブルでボールを運ばれ、ソウザやオスマルはそもそも前掛かりになっているので、ぽっかり空いたDFラインとボランチの間に山根の折返しをいれられ、そこで金子に決められた。
88分〜 |
そしてセレッソは88分にヤン・ドンヒョンに代えて田中裕介を投入。田中は3バックの右に入り木本がヤン・ドンヒョンのいた前線へと移動。
そしてセレッソは木本と山村をめがけパワープレーを始め、清武のCKから田中がシュートを放つも秋元がセーブ。
90+2分〜 |
準々決勝ファーストレグは3-0で湘南の勝利に終わった。
■その他
ちぐはぐなまま進み、全く機能しないまま終わった90分だった。ヤン・ドンヒョンのところではボールが納まらないのならば、浦和のようにシャドウがきちんとサイドに戻って5-4-1になる方法もあるのだがそれもなく、また前線に高さを増やしてもボールを運べている訳でもないので裏抜け要員を無くした分機能性を下げただけ。
さらにヤン・ドンヒョンが怪我明けというコンディション面の問題もあるのだろうし、木本は確かに得点力はあるのだが、高さのあるFWを下げて代わりにCBをあげてパワープレーを行うというのもよくわからなかった。
これでセカンドレグは3-0で延長。勝利には4点差以上の勝利が必要となる。
かなり難しい試合となるセカンドレグをどの様な形で挑むのかに注目したい。
3人が前残りして、前半にアウェイゴールで先制しかったんでしょうか。
返信削除結果的に尹監督のプランは失敗ということですね。
前からはめられたらなにもできないといった
問題を解決する柔軟性をチームに落とし込むことが出来るようにならないと
リーグタイトは遠いように思いました。
コメントありがとうございます。
削除シャドウの前残りは浦和戦では上手く行ったけどこの次第ではダメだったということでしたね。
問題を解決する柔軟性を落とし込むってのはかなり難易度は高いでしょうが、
持てれば間違いなくタイトルは取れると思います。
いずれにしても個人のアイデア任せな攻撃ではリーグタイトルなんて永遠に不可能ですよね。大熊の様に戦術を放棄しているわけじゃないのに攻撃を整備しようとしないのは何故でしょうか。
返信削除今さら監督が考え方を変えるとは思えませんし、監督交代をしない限りこの状況は変わらなさそうで不安です。
コメントありがとうございます。
削除個人のアイデアにたよる形でも不可能ってことは無いと思いますよ。
例えば清武に複数の選択肢がある状態で前を向かせたら結構な割合で危険な攻撃はできるでしょうし。
ただ、整備したほうが個々が自信を持ってプレーしやすいとは思います。
けど、それで窮屈に感じてしまったら意味が無いんですよね。