2019年12月7日 14時00分:昭和電工ドーム大分
予想スタメン |
いよいよ迎えた2019年明治安田生命J1リーグ最終節。セレッソ大阪は敵地昭和電工ドーム大分で大分トリニータと対戦。天皇杯でもすでに敗退しているためこの試合が今シーズンの最終戦となる。
■前回の対戦
今シーズンはルヴァンカップで同グループとなっていたためここまで大分トリニータとは3度の対戦をしている。リーグ戦での前回の対戦は4月27日に行われた第9節。ヤンマースタジアム長居での一戦は0-0のスコアレスドローに終わっている。
前回対戦時の先発メンバー |
プレーの選択肢を増やす意味でもヴェルディ時代からロティーナは逆足WBを使っており、開幕戦では舩木が右WBで先発、そして3月6日にあったルヴァンカップ第1節の敵地昭和電工ドーム大分で対戦した際にはは丸橋を休ませる意味でも松田を左WBで起用した。
この試合ではおそらくそのルヴァンカップでのプレーに手応えを感じ松田を左WBで起用したのだろう。
丸橋は第28節の鹿島戦で負った怪我で第29節がベンチ外、第30節はベンチスタート(途中出場)となったがそれ以外でリーグ戦お出場がなかったのはこの試合だけである。
そして2つ目は柿谷ではなく高木を起用したこと。
この布陣のセレッソはこれまでの3-4-2-1というよりも都倉・高木が右にずれた2トップを組み、清武がトップ下という関係になっていた。
試合の立ち上がりは、松田の左WBと右ズレ2トップを活用して大分陣内にセレッソが攻め込むという時間帯が続いた。立ち上がりの時間帯は大分にカウンターのチャンスすら与えていなかったのでセレッソとしては立ち上がりにいくつか作ったチャンスを決めておきたかったというところだろう。
さらに3つ目はボランチをソウザではなくデサバトと奥埜のコンビにしてきたこと。
そう、この試合は柿谷とソウザの2人ともがスタメンから外れた最初の試合だった。
ソウザではなかった理由は、大分が擬似カウンターを最も得意とするチームだからだろう。
ということで、セレッソがリズムよくボールを動かし敵陣にまでボールを運んでいた立ち上がりの時間帯がすぎると、両者どこまで踏み込むのかという静かなる戦いが続く。
ロティーナ監督と片野坂監督の戦いは昨年のJ2での争い同様、お互いがお互いを認め合いどこまで踏み込むのかの駆け引きを続けながら90分を過ごし、0-0の引き分けに終わっている。
ルヴァンの2試合にも触れておこう
3月6日のグループリーグ第1節、昭和電工ドーム大分で行われた試合は2-1で大分トリニータが勝利。片野坂監督がロティーナ監督に初めて勝利した試合となった。
ただ、この試合も最初にペースを握ったのはセレッソ。初めての左WB起用となった松田からのバスでブルーノ・メンデスが抜け出し先制ゴールを奪うも、終盤押し込まれる時間帯が増えセレッソが逆転負け。
試合後の質疑応答でロティーナ監督は「後半大分にボールを持つ時間が長くなったのはカウンターを狙っていたからか?」と聞かれ「後半は長いボールが増えてしまったのでボールを持つ時間が少なくなってしまったのは反省材料だ」と答えたことが印象に残っている。
2試合目は5月22日のグループリーグ第6節。ヤンマースタジアム長居での試合は2-0でセレッソが勝利している。
この試合は大分の3-4-2-1に対してセレッソは4-4-2で対応。さらに高い位置からアプローチをかけた。そしてそれにより大分のボール循環をサイドでの縦という形に限定した。
そしてボール保持ではSHが中間ポジションを取ることでWBを動かすことでセレッソが優位に試合を運ぶ。大分は後半にサイドでのボール運びに一旦中へボールを入れるという形をつくり攻め込む時間を少しもったものの、ソウザの2発でセレッソが勝利している。
■現在の大分トリニータ
今季は2013年以来となるJ1を戦った大分トリニータ。7位で最終節を迎えるというのは本当に立派な成績。連続3シーズン以上J2以下のカテゴリにいたチームがJ1残留に成功するのは2010年以降だと鳥栖、札幌についで3チーム目である。
開幕戦で鹿島を破ったパフォーマンスで一気に注目を集めた大分トリニータの特徴はなんといっても疑似カウンター。自陣でボールを繋ぎながらも相手がボールを奪いに来るのを待っており、奪いに来たところで一気に裏返しスペースをつかって攻め込んで来る。
リーグ戦の前回対戦時にロティーナが踏み込まないという対大分の戦い方を示したこともあってか、中盤以降は少し勝ち星から遠ざかる期間もあったが、そんな苦しい時期でも引き分けで少しづつ勝ち点を重ねてきたのは素晴らしい。
また夏にはチームの絶対的なエースだった藤本憲明が神戸に移籍するというピンチもあったが、それをきっかけにオナイウ阿道が急成長。
スペースがある時に強みを発揮できるオナイウ阿道のプレースタイルと大分の戦い方ががっちり噛み合い(もちろんクラブ自身がそうなるであろうと判断したから期限付き移籍で獲得したのだが)1トップの座に収まり、チーム得点王となる10得点を記録している。
そして大きかったのが小林裕紀と田中達也の獲得。小林裕紀は加入後すぐにチームにフィットし、前節ベンチ外となるまで10試合連続でスタメンに名を連ねることに。田中達也は「実は最初から大分のサッカーをしたかった」と言い移籍したことで多くの人を敵に回すことになったが、なかなかハマらなかった左WBのラストピースになった感もある。
そんな大分だが、実は前節の仙台戦では第18節のマリノス戦以来15試合ぶりに3-1-4-2の布陣をとってきた。
オナイウと三平の2トップ。ティティパンと小塚がインサイドハーフ、アンカーに長谷川という組み合わせた。
しかしこの試合では結局仙台は2トップの1人がアンカーを徹底してケアし、後ろはリトリートしてスペースを消す。そして奪ったボールは一気に縦に運ぶという形で仙台が勝利。
試合後の渡邉監督の会見が話題になったが、現実的な戦い方に特化した仙台が2-0で勝利している。
■プレビュー
大分トリニータの先発メンバーだが、3-1-4-2をとった前節ではなく、3-4-2-1だった前々節清水戦と同じ11人になるのではないかと思われる。1トップがオナイウ阿道、シャドウに三平と小塚、ボランチに小林裕紀と長谷川、WBに松本と田中達也、最終ラインは岩田・鈴木・三竿、GKに高木という組み合わせになるだろう。
一方、セレッソ大阪の先発メンバーは前節と全く同じ11人になるだろう。
柿谷がFWで、古巣であり地元凱旋となる清武が左SHに入ると思われる。
清武が先発すれば、2010年に大分からセレッソに移籍してきておよそ10年。ニュルンベルク、ハノーファー、セビージャを経て昭和電工ドーム大分で初めてアウェイチームとしてプレーすることになる。(ルヴァンカップ第1節ではベンチ入りしたものの出場はなかった)
お互いが認め合う、戦術家とも言われる監督同士の対戦ということで非常に興味深い一戦となるだろうが、おそらくセレッソはルヴァンの2試合目の様な戦い方が基本線になってくるのではないかと思う。
セレッソは4-4-2でアプローチをかけ、奪ったボールはしっかりと保持をする。
急ぎすぎるわけではなく、ボールを保持しようとするだろう。
ただ、両チームの監督2人共が何も仕掛けてこないというのは考えにくい。
メンバーなのか、戦い方なのか。
おそらく何かを仕掛けてくるはずなので、それを楽しみにしたい。
そしてサッカーについて学ぶことが多かったロティーナ1年目のシーズンを勝利で締めくくりたい。
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