スタジアム | ヤンマースタジアム長居 | 主審 | 山岡 良介 |
入場者数 | 6,679人 | 副審 | 田中 利幸、松井 健太郎 |
天候 / 気温 / 湿度 | 雨 / 15.4℃ / 90% | 第4の審判員 | 松本 大 |
VAR | |||
AVAR |
メンバー
- 監督
- ロティーナ
- 監督
- 布 啓一郎
全ての試合において 21 歳以下の日本国籍選手を 1 名以上先発に含める。※1
※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表の合宿その他の活動(ただしA 代表またはU19以上のカテゴリーの日本代表に限る)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。
※1 但し、以下の場合は出場義務を負わない。
・対象選手1名以上が日本代表試合または日本代表の合宿その他の活動(ただしA 代表またはU19以上のカテゴリーの日本代表に限る)に招集され、試合日に不在の場合。
・対象選手が試合エントリー後の怪我等のやむを得ない理由により出場ができない場合。
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 ロティーナ監督 ブルーノ・メンデス選手、丸橋祐介選手、清武弘嗣選手、アン・ジュンス選手(セレッソ大阪公式)松本山雅FC 布啓一郎監督 田中隼磨選手(松本山雅FC公式)
■メンバー
今季は東京オリンピックの影響もあり、さらにACLと足並みを合わせる形でリーグ戦の開幕を前にルヴァンカップがまず開幕するというスケジュール。セレッソは仙台、浦和、J2から参加の松本と共にBグループに入り、初戦は松本との対戦となる。
リーグ戦の開幕戦まで1週間あるということでメンバーはほぼ主力組。
セレッソ大阪の先発メンバーは先週のプレシーズンマッチ京都戦に出場していた選手をベースに負傷の藤田に代わって木本が1つポジションを前にして、21歳以下枠に該当する瀬古がCB。そして左SHには柿谷が起用された。
一方の松本山雅FCは、昨季をもってJリーグ加入以降一貫して監督を務めてきた反町康治氏がついに退任。後任にはかつては市船の監督として名を馳せ、その後はJFAで育成年代の代表監督を歴任。そして岡山のコーチを経て昨季は群馬の監督としてJ2昇格を達成した布啓一郎氏が就任しており、その結果選手の入れ替わりも激しくどういうメンバーになるのか予想がつきにくい中での試合となった。
そんな松本の先発に名を連ねたのは、GKは昨季までの守護神守田が鳥栖へと移籍したことで、かつての守護神でありながら昨季は2ndGKとしてリーグ戦3試合出場の村山を起用。DFラインは右からベテラン田中隼磨、橋内、浦田、髙橋。MFは昨季はガンバでもプレーした鈴木雄斗、藤田息吹、塚川、杉本太郎。FWには榎本と阪野が入る4−4−2。
メンバーも入れ替わったが、布陣も反町体制では一貫して使ってきた3バックではなく4バックとなっていた。
■立ち上がりの失点・得点
この試合は開始5分で失点するという思わぬ形でのスタートとなる。失点シーン |
しかしその2分後にはセレッソが同点に追いつく。
同点ゴール |
この得点のポイントは松田の突破ももちろんだが、突破した後に松本の選手が誰もカバーにいくことができていないという点だろう。 そうなったのは松本もセレッソと同じ4−4−2ではあるが人を捕まえるタイプのやり方をとっているので、松本の左SB高橋はインサイドに入った坂元を捕まえているため。
その結果杉本が1対1でかわされてしまうと誰もカバーに行けず、フリーの松田に対してボールウォッチャーになる。そこで大外折り返しという鉄板パターンでブルーノ・メンデスが押し込んだ。
リーグ戦開幕前のカップ戦ということでどうしてもプレシーズンマッチ感の強い立ち上がりの失点となったが、すぐに追いつくことが出来たことで嫌な流れとならなかったのはちょっとラッキーだった。
■対2トップのビルドアップ
松田が最終ラインに残る片上げ3バック |
しかし同点になってからも前半の序盤〜中盤ぐらいまでは決して上手くいっている訳では無かった。
坂元のドリブル |
SBとSHにCHが絡む |
そうなったのはそれまでのSBとSHの関係に加えてCHも絡めるようになったこと。松田が残る3バックから松田がサイドに出た時にボールサイドのCH(デサバト)が落ちてくる。ここには松本のCHも安易にアプローチには出られないのでその結果SBとマッチアップしていたSH、この場面では杉本がどちらに行くのかという決断に迫られる。
杉本はこれまでの様に松田に行くと奥埜へのパスコースが空くことになり、行かなければ松田はフリー。そこから坂元が内側に動くと左SBの高橋は当然坂元についていくので松田はどんどん侵入できる。
ここでは右サイドを例に書いたが、左サイドの丸橋、柿谷、木本の関係でも同じ様な状況を作っており、その結果前半の終盤はアタッキングサードへとスムーズにボールを運べる様になり、サイドの深い位置からチャンスを作る様になっていった。
CHが最終ラインに落ちる |
松田が最初からサイドに出ている分、後半立ち上がりに松田が高橋にボールを奪われカウンターを受けるというピンチを招いているのだが、まずはセレッソのビルドアップの形の話し。
■松本山雅のやりたいこと
8年間にも及ぶ反町体制を終え新体制となった松本。立ち上がりの失点は木本のポジショニングについて書いたが、松本のやりたいことが出来た形でもあった。松本が狙っていたのはFWをサイドに流れさせそこに長いボールを当てる。そしてSHで素早くサポートに入るという形。これでサイドの奥に起点を作ってクロスを入れ、もう1枚のFWとSHでフィニッシュの形を作ろうというもの。そこでセカンドボールを拾うことが出来なかったとしても、カウンタープレスをかけ素早くボールを奪い返すことを狙ってくる。実際に最初の失点場面も榎本が丸橋のサイドに流れてそこにロングボールを当てて得たスローインからクロスを入れてという形だった。
そして立ち上がりの得点シーンの他は中々ビッグチャンスとまではいかないもののそれなりにやりたい事が出来ていたし、やろうとしていることも見えていた。
しかしセレッソがビルドアップの形を徐々に調整していき、ボール保持の形を安定させていくと松本のSH高いポジションを維持できなくなる。
そうなるとFWへのロングボールのサポートやカウンタープレスが間に合わなくなり、ボールを奪っても2トップを走らせるだけの単発ロングボールばかり。前半の終盤はセレッソが松本を押し込むという状況になっていた。
そして迎えた後半。松本は再び高い位置から守備をすることでSHの位置を高く保ちたいということで後半立ち上がりの松田が高橋にボールを奪われるという形に繋がっていた。
■構造的に優位に立つセレッソ
こうして後半立ち上がりから再び前から行こうという姿勢を見せた松本だったが、すぐにそうは行かなくなる。マッチアップ |
松本のボール非保持の局面を見ても、迎撃型で入ってきたボールに対して強くアプローチに行くことができていた前半に対して、後半は動かされる分後追いになりファールが増えたということからも、松本が構造的に難しい状況に追い込まれていたことがわかる。
66分〜 |
しかし構造上で上回っているセレッソに対しては逆効果。変にアップダウンが増える分スペースも生まれ、柿谷、ブルーノ・メンデスと次々とチャンスを作り、スペースがある分坂元のドリブルもさらに活きる。そしておそらくそのスペースを使おうという狙いで66分に奥埜に代えて豊川を投入する。
このあたりの時間帯はもう時間の問題だったがセレッソが得点を奪ったのは71分。再三繰り返していたサイドを大きく使った展開から最後は丸橋が豪快に決めてゴール。セレッソが逆転に成功する。松本の守備ブロックは左右に動かされていることでアプローチをかけられず、また丸橋も同じような位置からこの試合2本目ということでリラックスしてシュートが打てたのだろう。
■行けば行くほど
75分〜 |
ただこうなるとセレッソにとっては待ってましたとばかりの状況。スペースに出ていった時が最も得意なブルーノ・メンデスが身体の強さを発揮してPKをゲットし79分に3点目。
もう前でハメるしかない松本に対してセレッソは落ち着いて剥がしてボール前進。
85分〜 |
後半はセレッソが完全に松本を圧倒し、今季の公式戦初戦を快勝で終えた。
■その他
本文中に書いた様に公式戦とはいえどうしてもプレシーズンマッチ感が強くなる試合だったが、失点はあったものの良い形で勝利することができた試合だった。できれば後半の形を前半からできるようになりたいところだが、そのあたりは藤田直之不在の影響があったのかも知れない。
あと、坂元や豊川もプレシーズンからこのチームにフィットし活躍を見せているので本当に頼もしい。
坂元の存在は昨季の水沼よりも確実に攻撃の幅を広げているし、水沼が担っていたプレー以外の部分を豊川の闘争心でカバーできればありがたい。
ただチャンスの数からいえばもう少し早く試合を動かせていたはずで、これはどのチームもそうだが得点という部分ではさらなる改善を望みたいところである。
いよいよ来週からリーグ戦が開幕するが、今季は本当にチャンスなので結果にこだわって勝ち点を積み重ねていって欲しい。
プレシーズンマッチ感はわかりますけど、
返信削除相手がJ2のチーム、先週もJ2のサンガとのゲームだった、
というところも関係あるのではないですかね…
ともあれ、チームがそういう空気に流されずしっかり勝った、
というのはいいことだと思います。