2016年4月11日月曜日

4/9 明治安田生命J2リーグ第7節 VS 清水エスパルス @ IAIスタジアム日本平

第7節
2016年4月9日(土)18:30KO アイスタ

スタジアムIAIスタジアム日本平主審飯田 淳平
入場者数15,083人副審五十嵐 泰之、平間 亮
天候 / 気温 / 湿度曇 / 17℃ / 71%第4の審判員上田 益也
スターティングメンバー
清水エスパルス清水
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 小林 伸二
 
  • 監督
  • 大熊 清
清水エスパルス清水
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目清水エスパルスセレッソ大阪清水エスパルスセレッソ大阪
FK1291312
CK3755
PK0000
シュート851012
警告/退場0/03/01/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 大熊清監督
清水エスパルス 小林伸二監督

セレッソ大阪 リカルド・サントス選手、山村選手、田中選手
セレッソ大阪 山下選手、丸橋選手、キム・ジンヒョン選手、柿谷選手
清水エスパルス 村田選手、河井選手、杉山選手
清水エスパルス 大前選手、村田選手、チョン・テセ選手


ミッドウィークにACL、ナビスコカップがあった関係で土曜日開催となった今節は昨シーズンついに降格してしまった清水エスパルスとの対戦。前半から清水がペースを握る苦しい展開となりながらも後半の2ゴールでセレッソが勝利し、開幕からの無敗記録を7に伸ばした。

■メンバー
セレッソのメンバーはベンチも含めて前節と全く同じ。田中は右CBに入り、ベンチには扇原、玉田、澤上が入っている。
一方の清水のスターティングメンバーは前節から2名を入れ替え。負傷交代した西部に代わってゴールマウスを守るのは杉山。また右SHには澤田ではなく前節途中出場で先制点をアシストした村田が入っている。
村田が入ったのは好調だということと、丸橋の裏を取りたいという事でしょうか。

■前半から清水がペースをつかむ
前節の千葉戦とは異なり、今節は前半から清水がペースを握る展開となっていきました。
清水の守備
清水の守備のベースは4-4-2でセットする所から始まります。
前線の2枚はまずCB2枚の前に立ってそこから簡単にボランチにボールを入れられねいように制限する。
ただ、ゆるいバックパスや体勢が悪い状態でボールを受けた時にはプレッシャーをかけにいき、その時には後ろの4-4も連動して前に捕まえに行く。
セレッソが時折ボランチの1枚がCBに近づく場合もあるが、その時も前線の枚数はいじらずに4-4をキープして2トップの仕事は変わらない。
CBからSBに出たボールに対してはSHがプレッシャーをかけにいき4-4のブロックのスグ前では時間とスペースを与えず、また中盤でボールを失ったり1列目の守備の後ろにボールが入った時は2トップがプレスバックしてしっかりとブロックを落とす。
時折特に1列目と2列目の間でプレスバックや、2列目が前に出る動きが遅れる場面はあるものの、全体的には小林伸二監督のチームらしくしっかりとした組織を形成していました。

一方攻撃ではボランチから2トップに縦に速くボールを付ける形がメイン。
デュークは身体が強い突進系の選手なのでスペースのある状態で前を向いてボールを持つと強さを発揮できるのですが、中盤で奪ったボールを縦に速く付ける形は彼の特徴を活かすものでした。
ビルドアップの形
低い位置でボールを奪った時のビルドアップの形はセレッソの前線2枚の横、2列目の守備のボランチとSHの前で起点を作る事を狙う形。
右サイドの村田はサイドに開いたポジションを取ることが多いが、左サイドの河井は頻繁に中に入ってその外側に福村が出てくる。中央に竹内や六平もいるのでボランチが簡単にそちらに喰いつくと中央が空くので簡単に出られず、SHは2対1の状況を作られている。
柿谷が中盤の守備に戻って2列目の人数を増やし何とか対応しようとする所は見られましたが、セレッソの守備は特に人についていくのでここで簡単にフリーで前向きにボールを持たれることが多くありました。

清水の攻撃はここで起点を作った後はサイドからのクロスがメイン。
おそらく守備への切り替えの事も考えてだと思われますが、中央は2トップと河井が中に入る形ぐらいでフォーメーションのバランスを崩さずに、またボランチも2枚同時に動いたりせず同サイドに人数を大きくかける事もほとんどない形で攻撃をする。
その分セレッソの守備陣も動かされる事が少なくシュートの本数自体は攻めこむ回数のわりにはあまり増えませんでしたが狙っている形は作れていたと思います。

■セレッソがペースを握られる理由
ここまで書いた様に清水の攻守の形が機能し、ペースを握る形となったのはセレッソ側にも問題があったからでもあります。
これまでも何度も書いているビルドアップグダグダ問題と1列目の守備が機能していない問題がこの試合でもやはり解決されていませんでした。
DFラインでボールを持った時に清水のブロックを動かす様なボールの動かし方が出来ていない。
また守備では柿谷もリカルド・サントスもどちらも献身的に守備をしますが、彼らの役割がはっきりしていないので前線の2枚がボランチへのパスコースを消す事もできていない。
清水が簡単にセレッソの2列目の守備の前で起点を作ることができていました。
他にもこれも以前から指摘している事ですが、人に引っ張られる守備。
これもSHが相手をフリーにしてしまう原因の1つで、前線の2枚と同じで献身的であればあるほどスペースを空けてしまいます。またSHが押し込まれるとアップダウンを繰り返す事で披露にも繋がりますし、また攻撃の時に長い距離を移動しないといけなくなるので、ボールを奪っても前に出るために時間がかかってしまい攻撃に繋げにくいといった状況にも繋がります。

そしてもう1つ。
この試合でもセレッソのボール回しにミスが目立ち、そこで奪われたボールを縦に速くという清水が狙っている形を何度も作られました。
これも以前から書いている様に、そして前節書いたシュートが決まらない理由と同じで、ボールを運ぶ手順の問題で、おそらくチームとして相手のどこを狙うかという事は決まっていると思いますが、どういう手順でという部分が薄いので選手個々がその場で状況を確認して判断しなきゃいけない。
もちろんサッカーでは選手個々がその場で判断していくスポーツですが、例えばサンフレッチェ広島なんかはその手順、ここにボールが入ればこう動く、このポジションの選手はここにポジショニングをとるという事がはっきり決まっていて、選手が判断するのはそれをどう使うかという部分。
今のセレッソはそこが自由というか個々がバラバラにやっているので、状況を確認して判断するのに時間がかかってしまい、ミスが増えてしまうのです。

ただ、試合を重ねてきた事で選手間で共有されている部分も出てきており、例えばマイボールの時のサイドチェンジなんかは清水よりも効果的に使えている事も多くありました。

前半は松田からのクロスを柿谷が合わせた場面や、最後にクロスにリカルド・サントスが飛び込んだ場面などセレッソも2度ほどチャンスは作りましたが、全体的には清水ペース。
ただ、清水も人数をかけて崩しきる形で攻撃をしかけてくる事は少ないのでシュート本数はそれほど多くはありませんでした。
ただ、縦に速いぶんポゼッションはそんなに高くありませんし、セレッソがボールを持つ回数もそれなりにありましたが、攻撃でセレッソを押し込む場面も多くあり、さらにセレッソの守備がどうしても人に引っ張られるので空いたスペースでセカンドボールを拾われてしまう事も多くありました。
とはいえ、清水は例えば去年の大宮の様にサイドを崩す形を持っている訳でもないのでシュートはミドルシュートが多く、もちろんそれが入る事もありますが数多く決定的な場面を作られたという訳でもありませんでした。

■セレッソが先制
後半も試合展開は変わらず。
56分〜
しかし清水にアクシデントが発生。清水が中盤でFKを獲得しちょっとバランスを崩した形をとったのですが、そこからつなぐ選択をした中でミスパスをしてしまいセレッソがカウンターに持ち込みます。このカウンターでリカルド・サントスが逃げる動きでスペースを作り柿谷のスルーパスからボールを呼び込みますが、鎌田が素早くカバー。シュートに持ち込ませませんでした。
しかしこのプレーで鎌田は負傷。56分に新潟から期限付き移籍中の川口と交代となります。

試合はこの交代の後ぐらいからオープンになっていきます。
ただこの試合でオープンな展開になる事によりメリットがあったのはセレッソの方だったのではないかと思います。
セットされる守備ではどうしても苦しい状態でしか縦パスを出せず攻撃の形をつくれない事も多かったのですが、オープンになることで清水の守備ブロックを下げる回数も増えるようになっていきました。
69分〜
清水はここでデュークに代えてチョン・テセを投入。
勢い系のデュークは迫力がありダイナミックなプレーをする事ができますが、その分どうしてもゴール前での精度に欠けるところもある。なのでゴール前でストライカーとして仕事ができるテセへという事だったのでしょう。
先制点の起点
しかしその直後のキム・ジンヒョンのゴールキックからの展開で、右サイドでリカルド・サントスが三浦のプレッシャーも受けながらボールを収め山村に落とします。
この時CBの三浦はリカルド・サントスと一緒にサイドにいて、山村に対しては竹内がプレッシャーをかけにいき、六平は竹内の斜め後ろのカバーリングポジションへ。
そして山村にボールを落とす動きに合わせて柿谷が中央から右サイドのペナ角へ斜めに動き出したのでもう1人のCBであるビョン・ジュンボンは竹内のプレシャーのかけにいく方向が右サイドから中央に戻ってくる動きだったので、柿谷に合わせて一旦は柿谷の後ろのカバーリングポジションに移動していきますが、竹内がしっかりと山村の前に立てたこととリカルド・サントスと一緒とはいえ三浦が中央に戻ってくる動きもおそらくしており、このままだと中央にだれもいなくなるという事で元の中央のポジションに戻っていきます。
先制点起点2
しかしここで山村が一旦松田に戻すと今度は三浦の所は柿谷とリカルド・サントスとの2対1の局面になっていました。
さらに山村が松田にパスした時に竹内は松田に喰い付いてしまう。そしてさらにこの松田に入った所で柿谷がサイドに動き出すとそれにあわせて三浦もついていくのでリカルド・サントスはフリーに。
松田が山村にボールを戻した時には山村もリカルド・サントスも瞬間的にフリーな状態となっていました。
ここであわてて六平が山村に寄せますが、山村はそれよりも速く前の状況を確認してワンタッチでリカルド・サントスへ。そしてリカルド・サントスにはあわててビョン・ジュンボンが寄せますが簡単に反転し放った左足シュートがニアサイドを破りゴール。セレッソが先制に成功しました。
この場面は竹内が松田に喰い付いてしまった事と、ビョン・ジュンボンが山村へのプレッシャーが遅れている事を意識してボールウォッチャーになってしまいポジション修正が遅れた事が主な原因になるかと思いますが、最終ラインにポッカリスペースを作ってしまう場面は試合開始直後の前半9分にもあり、その場面はソウザからのロングパスはポッカリと空いたスペースに飛び出すブルーノ・メネゲウには合わず事なきを得たものの、そこではリカルド・サントスの引く動きにビョン・ジュンボンがついていったけどそのスペースを誰もカバー出来ていなかったというもので、清水には最終ラインでボールウォッチャーになってしまってスペースを空けてしまう問題はありそうでした。

■先制後の展開
先制された事で前がかりになる清水。
しかし清水のサイド攻撃は中を動かしてくる様な形は少なくサイドの選手が対面を外してクロスという形がほとんどなので、よほど良いボールが入らないとなかなかゴールには直結しない。
また中央に関しても柿谷やリカルド・サントスが戻って中盤の枚数を増やしてセレッソがなんとか対応します。
79分〜
そしてセレッソは79分にブルーノ・メネゲウに代え関口を投入。最初はリカルド・サントスとの交代を予定されていたようですが、おそらく高さの問題と、前半からブルーノ・メネゲウは人についてアップダウンを何度も繰り返していた事。そしてサイドアタックとしては村田と川口の清水の右サイドがメインになってくるであろう事から左サイドに走れる関口を投入となったのでしょう。

また清水にとってはチョン・テセのコンディションも誤算だったのかもしれません。
今季開幕前に怪我をし出遅れているチョン・テセのコンディションはまだまだといった感じで、中でCBと勝負するというポジションがなかなか取れずに比較的プレッシャーのゆるいサイドなどに出て行ってしまうことが多く、動きの少ない中でのサイドからのクロスではなかなかチャンスを作る事はできていませんでした。

そして82分。リカルド・サントスが三浦と競り合ってスローインを獲得すると、そのスローインから戻したボールを松田が少し無理めな感じではあったもののファーサイドからニアに入っていく関口にアーリークロス。
それをビョン・ジュンボンが頭で跳ね返しますが、そのこぼれ球をスローインで高い位置にいた山村が拾うとワントラップからの浮き球をアウトにかけてドライブシュート。
この杉山も見送るしかなかった芸術的なシュートはゴール左上隅に突き刺さりセレッソが追加点を決めました。

こういった場面でのシュートはどうしても焦ってしまってボールが落ちきるまで我慢できずふかしてしまったり枠を大きく外してしまう事も多いのですが、清水の守備陣が寄せきれなかった事もありますが、山村は非常に冷静でしっかり待つことができ素晴らしいシュートとなりました。

最終メンバー
この後清水は86分に竹内に代えて澤田を投入。澤田は左サイドに入り、中央の間で仕事ができる河井をボランチに回します。
セレッソも同じタイミングでリカルド・サントスに代え澤上を前線に。さらにアディショナルタイムの91分に杉本に代え玉田を投入し、柿谷を右サイドに回すとそのまま逃げ切り0-2で試合終了。
セレッソが日本平で2004年以来12年ぶりとなる勝利をとなりました。

■その他
内容的には難しい試合でしたが、見事に勝ちきることができました。
もしかするとこの試合に向け試合3日前の紅白戦となる練習を異例の18時からとし、試合時間に合わせるといった、戦い方以外の部分にもディテールにこだわる大熊監督の成果が出たのかもしれません。
ただ、勝利しているとはいえ問題点はずっと解決しないままなので、戦い方の部分のディテールにももう少しこだわって欲しいなあと思う所です。





6 件のコメント :

  1. Akiさん分析お疲れさまです。
    この試合、清水に縦パスを入れられ、4-4ブロックの間を簡単に通されるシーンが目立ってましたね。
    一列目の守備が空回りに終わり、サイドに追い込めない分、SBが人に引っ張られるポジショニングになり、ブロック間の距離が開いて、間で受けられる。という解釈でいいんでしょうか?
    完全に悪循環(苦笑)かつ、修正される見込みも持てませんが、結果だけ出てしまっている状況ですし、喜んでいいのかよくわからないですね(笑)。
    対策されてドツボにハマらなきゃいいんですが、戦々恐々ですね。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      そうですね。SBが引っ張られるのはサイドに追い込めないからという訳ではありませんが、間で受けられてしまう理屈はそのとおりです。
      改善の見込みが無いのが怖いですね(苦笑)。

      削除
  2. 分析ありがとうございます。楽しみです。
    一列目がボランチへのパスコースを制限してからCBにプレッシャー、というのはそんなに難しいのでしょうか??
    ヨウイチロウは隙をつくとかずる賢いプレーは常に狙っている感じがするけど、基本の守備というか守備時に嫌がられるポジショニングが。。。。
    田中選手はボールを持てて前線にもつけれるので前半途中から、何本か良いパスありましたね。山ちゃんも更なる成長を願って少しずつで良いので増やしていってほしいです。。
    ヨウイチロウ降りてこずに田中のビルドアップ&ボランチのポジショニングを選手間で上手く仕込めないですかねー

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      1列目の守備は簡単なものという訳ではありませんが、簡単か難しいかというよりもチームとしてはっきりしていないという事だと思います。
      ビルドアップもそうですが、選手というよりもチーム全体の問題ですからね。
      選手間だとどうしても割を食ってしまう選手がでてくるので、難しいところもあるのですが、最適とは言わないでも今よりも良い状況には持って行って欲しい所です。

      削除
  3. 攻撃と守備の戦い方には不満が残りますが、結果が出てるのでJ2ではこの超シンプルな戦い方がいいのかなと思うようになってきました。
    勝てなくなってきた時にどうするのかが問題ですがね。

    どうやって点を取るのか、そのためにどうやってビルドアップするのか、
    どうやって点を防ぐのか、そのためにはどうやってビルドアップを妨害するのか
    育成段階から同じ定義で行っていって、セレッソのフィロソフィーを作り上げて欲しいんですが。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      個人的には今の形よりももう少しやり方を決めたほうが選手個々の役割がシンプルになると思っているのですが、なかなかそうはいかないようです。
      相手があることなので、ビルドアップや守り方まで全てを育成から共通させるのは難しいと思いますが、おっしゃるように根本的な部分は同じ定義で行って欲しいですね。

      削除

新着記事

テーマ別

人気の投稿

セレッソ大阪公式Twitter

Jリーグ - Number Web

Goal.com News - Jリーグ

SOCCER KING - スポーツ - Yahoo!ニュース

楽天

楽天トラベル