2017年8月21日月曜日

8/19 明治安田生命J1リーグ第23節 VS ジュビロ磐田 @ ヤマハスタジアム

第23節
2017年8月19日(土)18:33KO ヤマハ

スタジアムヤマハスタジアム(磐田)主審荒木 友輔
入場者数14,881人副審三原 純、清野 裕介
天候 / 気温 / 湿度晴 / 28.7℃ / 75%第4の審判員田尻 智計
スターティングメンバー
ジュビロ磐田磐田
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • 名波 浩
 
  • 監督
  • 尹 晶煥
ジュビロ磐田磐田
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目ジュビロ磐田セレッソ大阪ジュビロ磐田セレッソ大阪
FK1751612
CK8455
PK0000
シュート1381112
警告/退場0/02/01/01/0

<監督・選手コメント>

ジュビロ磐田 名波浩監督
セレッソ大阪 尹晶煥監督

ジュビロ磐田 櫻内選手、中村俊輔選手
ジュビロ磐田 中村俊輔選手、川又選手、川辺選手、高橋選手(ジュビロ磐田公式)
セレッソ大阪 杉本選手
セレッソ大阪 松田選手、マテイ・ヨニッチ選手、山口選手

セレッソ大阪が先行していた22節を終えて迎えた明治安田生命J1リーグ第23節。セレッソ大阪は敵地ヤマハスタジアムでジュビロ磐田と対戦し、杉本のゴールで先制するも、試合終盤に川又にゴールを奪われ1-1の引き分けに終わった。

■メンバー

セレッソのメンバーは、山村が清水戦での接触プレーで負傷離脱した事を受け、今節は福満の起用も検討されていたが、最終的に選ばれた前線のコンビは札幌戦同様に、杉本とリカルド・サントスの2トップ。またここ3試合先発から外れていた松田と山下も先発に復帰する4-4-2の形を採用。ベンチには田中、木本、福満と秋山、関口にくわえ澤上が入っている。

一方の磐田は、快勝した前節ガンバ戦と全く同じ11人。ベンチにはここのところ出場機会を掴んでいる小川大貴と荒木にくわえ、太田が戻ってきている。

■磐田ベースの立ち上がり

試合開始2分に川又がチャンスを得るなど、立ち上がりにペースを握ったのは磐田だった。
磐田の攻撃
磐田がペースを握ったのは、磐田の右サイドで作られる流動的な形から。
セレッソはいつものようにミドルゾーンで4-4-2のブロック形で立ち上がりを迎えるが、外側に櫻内がいて、その内側で中村俊輔と川辺がポジションを入れ替えながら流動的に動く、そして後ろから高橋祥平が上がってくるという磐田の形に対して捕まえきれず、押し込まれる場面が多くなっていた。
セレッソがこういった捕まえきれない状態が起こる事は時々あり、起こりやすいのはミスマッチの相手だったりするのだが、実はこうなってしまうのも清水戦で逆転まで持って行かれてしまった2トップ周りの守備の問題と根っこはつながっていたりする。
清水戦で見られた2トップ周りの問題に対して、例えば杉本や山村、柿谷の個人的な問題として落とし込む向きもあったが、実はそうではない。これは組織の問題で、2トップ周りのスペースについて誰がどこから守備をするのかが曖昧だから起こっている。
この試合の序盤に起こっていたのも同じことで、2トップ脇のスペースにボールが入った場合誰がどこから守備をするかがはっきりしていないので、グループとして正しいポジションを取り切れない。なので人を捕まえる事になるのだが、そこにミスマッチが怒っているため捕まえきれない。この試合でいうと、中村と川辺は流動的にポジションを入れ替え、外には櫻内がいる、そして高橋も出てくるので、下がるしかないという状況が生まれていた。
ただ、この状況が起こっていたのはまだ試合の序盤で、セレッソに対処するだけの余力があり、また磐田のボール保持も、中盤では流動的に動かしてくるのだが、最終ラインのところはボールを持った中では裏抜けを常に狙っている人がいるわけでもなく、アイデア勝負的なところ多いので、それほど決定的なチャンスを量産していたわけでも無かった。
ただ、15分のムサエフが抜け出した場面の様にアイデアがハマればチャンスになっていたし、また21分のアダイウトン、29分のアダイウトンのクロスから川又のヘディング、のようにセレッソにミスが起こってしまうと一気にゴール前に入られ、特に21分の水沼のミスからアダイウトンに走られた場面はかなり決定的な形だった。

■磐田の守備

基本陣形としては3-4-2-1となる磐田。守備の時には基本的に両WBが下がって5バックになる。
このフォーメーションを採用するチームでは5バックになってから例えば5-2-3で前線からどんどんプレッシングに行く形をとるチームもあるが、もちろん状況によっては高い位置から奪いに行く事もあるものの、磐田は基本的には一旦ミドルゾーンでブロックを作り、入ってきた選手に対して激しくアプローチをかけてくる。
プレビューでも書いたが、ミドルゾーンでブロックを作るものの、局面での守備の考え方としてはゾーンというよりも比較的属人的で、人に対して出ていっても後ろは5人、中盤は4人いるからカバーできるという考え方。ただ、それを破綻させないためにも、人に対しては強めにアプローチをかけてくる。
磐田の守備陣形
この磐田の守備に対してセレッソは、攻撃の組み立ての段階では前線の2トップが縦関係になる事が多い。これは山村だから、リカルド・サントスだからというわけではなく、基本的にそういう形になっており、攻撃はここにクサビを入れる事から一気に加速。クサビの落としを受けて3人目が出て行くというのが基本パターンになっている。
で、この試合ではリカルド・サントスと杉本が2トップ。前に出た方はより厳しいマッチアップを行う事になるのだが、リカルド・サントスはそれを厭わないので、この組合せの場合はリカルド・サントスが前に行ってくれる。なので、杉本が低い位置になる事が多いのだが、ここでは味方との距離も近く、マッチアップする相手もボランチとなる事が多い。となると杉本は十分ボールを収める事ができるので、立ち上がりのバタバタが過ぎると、セレッソは徐々に杉本にボールが収まる場面が増えてくるようになる。
しかし、これは磐田にとっても計算のうちだったのだろう。ここからのアプローチが徹底されていたので、なかなかチャンスを作るまでには至らなかった。

■セレッソの先制点

磐田が攻め込む時間が多かっただけに唐突に決まったように感じるセレッソの先制点だったが、そこにつながる要素はこの前からいくつか見られていた。
セレッソが狙った右サイドからの攻撃
セレッソの攻撃で最も可能性がありそうだったのがサイド攻撃。この後38分にこのサイド攻撃から実際にセレッソが先制する事になるのだが、その前からセレッソはサイドへの展開を狙っている場面が見られ、先制前の28分には水沼、32分には松田、そしてクロスは上げることができなかったが34分にもソウザが右サイドからクロスを入れようとしていた。
磐田の守備は人への意識が強いので3バックとWBが別々の動きになってしまう事がある。前節磐田と対戦したガンバも同じ右サイドの宮崎と森下の間を狙っていた。
セレッソは、ボランチが起点となった時にアダイウトンの後ろで水沼と松田を使って宮崎の背後を狙い、そしてそこからディフェンスラインとGKの間に速いボールを入れるという形を狙っており、先制点も含めてそれまでの3つの場面も全てその形になっていた。


このゴールはスーパーゴールだったが、それよりも特筆すべきはニアに飛び込んだゴールであるという事だ。
このゴールで杉本は今シーズン14点目。興梠がこの日2得点決めたので得点ランキングでは2位となったが、「ついに覚醒した」といわれ日本代表入りのウワサも上がっている。
そんな今シーズンの杉本が決めた14ゴールの中でもこのゴールはちょっとこれまでとは異なっている。
杉本のこれまでの14点の内訳は右足で7点、左足で3点、頭で4点。形で分類すると、ドリブルシュートが2点、クロスからが8点、こぼれ球が1点、ミドルシュートが1点、スルーパスなどの裏抜けが2点となっておりクロスからの得点が最も多い。
しかしそのクロスからの得点は、後ろから飛び込んでヘディングで決めたものが2点、残り6点は止まってボールを呼び込んだものと、誰かが前で潰れてくれていた形ばかりだ。
これは今シーズンにかぎらず、これまでも杉本のゴールの特徴で、サイズも強さもスピードもあるのだがそういう競り合いがあまり好きじゃないらしく、どちらかというとテクニカルなものが多い。この特徴はプレースタイルにも現れていた。
しかし、このゴールはそれとは異なる非常にストライカーらしい形。今後もこの形でゴールが奪えるようになればさらにゴールを量産する事になるだろう、ストライカーとして大きな成長を感じさせるゴールだった。

■後半

後半開始〜
後半開始から磐田は左WBの宮崎に代えハーフタイム中のミニコーナーでマグロ漁船に乗りたかったと語っていた小川大貴を投入。
小川は宮崎に比べ自分でもしかけられる選手。前半の途中からそうだったが試合展開としてはセレッソのブロックを崩す形が磐田にはあまり無さそうなので、セレッソの守備は4-4-2でスライドを必要とすることから両サイドを大きく使ってサイドから仕掛けてクロスという形を狙っての事なのかと思っていたが、宮崎がぎっくり腰の様な症状が出ていたので代えざるを得なかったという事だそうだ。

先制したセレッソのゲームプランとしては4-4-2のブロックを作ってのカウンターはもちろんだが、まだまだ時間があるため得点シーンでも狙った形は継続。
この形は先制後の39分にも、最終的には川辺が素晴らしいカバーを見せたためクロスは上がらなかったが、ボランチと水沼、松田が絡んで最終ラインとGKの間に速いクロスを入れようという形は見せていた。
そして、この後半の立ち上がりの時間帯で可能性のある攻撃を見せていたのはセレッソの方。
リカルド・サントスが前向きでボールを受ける事に成功し、迫力あるドリブルでボールを運んだ52分のカウンターはチャンスになりかけたが、磐田の必死のカバーにシュートまでは持っていけなかった。

セレッソの先制点の場面も含めてだが、前半途中からクロス攻撃が多くなっていた両者。
しかしそのクロスからの攻撃で可能性を感じさせるものだったのはセレッソの方。ジュビロのクロス攻撃はどちらかというと力技に近く、あまり可能性を感じさせるものではなかった。
この両者のクロス攻撃による可能性の違いは、実際にゴールにつながるかどうかという部分では単にクロスの精度の問題でもあるのだが、それよりも両者のクロスを入れるまでの手順が異なる事によるものだった。

得点シーンのところでも触れたが、セレッソのクロス攻撃は磐田の守り方がもつストロングポイントとウイークポイントを見極め、それを活用した形になっていた。(もしかすると偶然の可能性もあるが・・・)
サイドの突破の仕方、クロスボールを入れるコース、クロスの質のいずれもが、ほぼ毎回同じパターンで、得点につながるかどうかはキックの精度と、シュートの上手さによってくるが、磐田がこの形を守るためには川辺がかなりの広範囲をカバーしなければいけない。それが出来なければクロスが入るという形になっていた。(そこまでの形でありながら、それほど多用できていた訳ではないのが、もしかするとにつながる部分だが。)
しかし前半の途中から磐田に増えていたクロスはそうではなく、セレッソがブロックを作っている外側をつかって、待ち構えているとことにボールを入れるという形がほとんどだった。

なので磐田は攻めきれないという印象の攻撃が多くなる。その結果後半の早い時間帯でありながら、結構リスクを負ってくる場面もあって、それが52分のカウンターにつながっていた。

そして57分に磐田が迎えた決定機。
この場面は、ごちゃごちゃしたところから押し込もうとしたアダイウトンのシュートはセレッソディフェンスにあたりクロスバーに跳ね返されるという形だったが、この場面はCBの大井がセレッソのゴール前に残っている。
最初に大井が上がっていったのは、その数分前のセットプレーだったのでこれは十分理解できるが、ここからセレッソがボールを跳ね返し一旦スローインになっても、まだ大井は前線に残っており、同じくCBの高橋がクロスを入れるという、この時間帯にしてはかなりのリスクを負っている。
59分〜
この磐田を見たセレッソは、直後の59分にリカルド・サントスに代えて木本を投入。
杉本を1トップに置いた5バックに変更する。
このシステム変更は試合後の監督会見をみると早いんじゃないかという意見もあるようだが、微妙なところだろう。
4-4-2のままの方がカウンターがしやすい事は間違いない。がしかし磐田がかなり前がかりになっていたので押し切られて失点の可能性もある。尹晶煥としてはここ数試合失点が続いていた事もあって早めの決断となったのだろう。
まあただ、1ついえる事はこのシステム変更とこの試合の結果はあまり関係なかった。
それ以上に大きかったのは、この直後にあった63分の決定機を決められなかったこと。
セレッソはボールを前進させると、フォーメーションは4-4-2から5-4-1に変わったが先制点から続く形で完全に右サイドを崩し、磐田のディフェンスラインとGKの間をついた松田のクロスで杉本がヘディングシュートが放つが惜しくもゴールポスト。
これが決まっていれば試合の流れは決定的なものとなっていただけに、セレッソにとっては悔やまれるシーンだった。

セレッソが5バックになった事でスライドの距離が少なくなり、マッチアップも合う。
なのでさらに攻めてが厳しくなる。
75分〜
という事で磐田はまず64分にアダイウトンに代えて松浦、さらに75分には櫻内に代えて荒木を投入。セレッソが5バックにしブロックを下げてスペースを消して守るようになったため、アダイウトンが活きる様なスペースを使った攻撃は出来ない。なので動きの変化でスペースを作る事ができる松浦をという事なのだろう。
またその後の荒木の投入は、マッチアップがあっているのでサイドから崩すには対面のセレッソのWBをかわせるかどうかがポイントとなる。しかしここまで櫻内は丸橋をはずせていない。
なので本来はアタッカーである荒木を入れて個人の突破をという狙いなのだろう。
81分〜
セレッソは81分に柿谷に代えて関口を投入。カウンターはもちろん狙っていくが、それ以上に柿谷よりも守備で走れる関口を入れてより守備を強固なものにという狙いが伺える。
試合展開としては磐田がボールをもっていろいろなアイデアを出そうとしているが攻めきれない。セレッソとしてははっきりと守りきろうという姿勢がうかがえた。
しかし、この直後に磐田にトラブル発生。荒木が芝に足を取られる形で倒れてしまいそのままピッチ外に。ピッチに戻る事ができずそのまま磐田は10人に。右WBには松浦が移動する。

磐田が10人になり、また攻めきれないという時間が続いていたのでセレッソはこのまま逃げ切るかと思われた88分。中村俊輔のミドルシュートでえたCKをショートコーナーで川辺につなぐと再びリターンを受けた中村俊輔がガンバ戦で決めたFKの様にゾーンで守るセレッソに対して前に入りすぎない柔らかいボールを入れると、それを川又が頭でねじ込んでゴール。磐田が1-1の同点に追いつく。

この場面で、試合を見ていた時に不思議だったのがショートコーナーに対してセレッソが全くケア出来てなかったという事。
相手CKをゾーンで守るセレッソに対してショートコーナーは有効な手段なので相手は狙ってくる。がしかしそれはセレッソもわかっているはず。なので普段はきっちりとケアできているのだがこの場面では全くそれに対応できていなかったからだ。

試合を見返してようやくなぜこうなったかが理解できた。
1つはその直前の中村のミドルシュートのあと松浦とヨニッチが交錯し、ヨニッチが座り込んでいたので、キム・ジンヒョンはこのままだとヨニッチがピッチ外に出されてしまうと考えたのか引き起こしている。つまり周りを見ている余裕は普段よりもなかった。
そしてもう1つはこの暑い中での試合終盤なので両チームの選手共にゴール近くにある水をのんでいた。
このCKの前はこういった状況だった事は無関係では無いだろう。
がしかし、本丸はここではない。
この時、実はキッカーの中村俊輔以外に、川辺だけが他の選手とは全く違う場所にいた。
川辺のいた場所
なのでおそらくセレッソの選手はここに川辺がいる事に誰も気がついてなかったんだと思う。
88分〜
同点に追いつかれたセレッソは直後に水沼に代えて澤上を投入。2トップにする。
しかしここから磐田は引き分けでもOKという戦い方に対してセレッソはチャンスを作りきれずそのまま試合終了。1-1の引き分けに終わった。

■その他

結果としてはもったいない試合だったといえるだろう。
まあでもセレッソは追加点を奪えなかったし、あの1回を決めてきた中村俊輔のキックと川又のヘディングが素晴らしかったので、しょうがないとも言えるかも知れないが。
ただ、もしこの試合で杉本が決めたゴールが偶然じゃなく、これからも繰り返す事ができるのなら今後も得点は期待できるし、また得点に繋がった右サイドからのクロスも偶然じゃなく相手を見てそのやり方を選択したのだとすれば、チームとしての成長は感じられる。
なので、ここで失った勝ち点2はそんなにネガティブになる必要はないんじゃないかと思う。





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