スタジアム | IAIスタジアム日本平 | 主審 | 岡部 拓人 |
入場者数 | 12,324人 | 副審 | 間島 宗一、林 可人 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴 / 29℃ / 71% | 第4の審判員 | 数原 武志 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 小林 伸二
- 監督
- 尹 晶煥
試合経過
-
90+1'
-
88'
-
86'
-
84'
- 76'
-
73'
- 65'
-
60'
-
51'
- 33'
-
31'
- 24'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 12 | 16 | 14 | 12 |
CK | 4 | 6 | 4 | 5 |
PK | 1 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 10 | 9 | 9 | 12 |
警告/退場 | 2/0 | 0/0 | 1/0 | 1/0 |
<監督・選手コメント>
清水エスパルス 小林伸二監督セレッソ大阪 尹晶煥監督
清水エスパルス 北川選手、金子選手、竹内選手
セレッソ大阪 山村選手、丸橋選手、山口選手、柿谷選手、水沼選手、杉本選手
前節から中3日で迎える明治安田生命J1リーグ 第21節 。セレッソ大阪が敵地IAIスタジアム日本平へ乗り込んでの清水エスパルスとの一戦は、前半に2点を先制するも、後半3失点を喫して今シーズン2度目の逆転負けに終わった。
■メンバー
セレッソ大阪のメンバーは、前節欠場となった山村と山下の2人が復帰しているが、山村は先発出場、山下はベンチ入りにとどまっている。また右SBに入るのは今節も田中裕介。さらに前節のリーグ戦初先発でゴールこそ決められなかったがチームを助けるプレーを見せたリカルド・サントスもベンチ入りとなり、一方で13節からベンチ入りを続けていた澤上はベンチ外となった。清水エスパルスのメンバーは、チアゴ・アウベスに引き続き鄭大世も怪我で離脱。さらに六平も累積警告で出場停止とメンバー的にかなり苦しい状況。
前線で公式戦3試合連続ゴール中に長谷川悠とコンビを組むのはリーグ戦初先発となる北川航也。またボランチには普段右SHでプレーしている枝村がまわり、右SHには普段は左SHのミッチェル・デューク、左SHには金子翔太が入る事となっている。
■今シーズン2度目の逆転負け
この試合は第19節の大阪ダービーに続いて今シーズン2度目の逆転負けを喫することとなった。前半戦2敗しかしていなかったが、シーズン後半戦に入って5試合で2敗。しかもその2試合ともが逆転負け。さらにいえば清水との前回対戦の第15節から8試合連続失点中。5試合中3試合は勝利して5試合で勝ち点9を奪えているので、勝ち点獲得ペースとしては依然かなり上々ともいえるが、今シーズンのベースとなっていた守備に綻びが見えているのは気になるところだ。この試合では0-2から逆転されるというかなり厳しい試合となったので、いつものように時系列というよりもどこに問題があってこうなっているのかという部分にポイントをあてて書いてみようと思う。
■2点先制
この試合はセレッソが24分と32分に2点を先制した。その2点ともがセットプレーで、CKとFKからだった。
先制点はソウザのCKから。
清水のセットプレーの守備はマンツーマンなのでニアに引っ張ったところで、後ろから田中が遅れてファーに入りそれを折り返したところを山村がボレーで叩いた。
ソウザのボールは低くて速く、また落ちるボールもあるので清水の守備陣は全く対応出来ておらずGK六反も被っているので折り返したところで勝負あり。田中のマーカーだった松原は隣にいたヨニッチがニアに走っていったのでマーカーでも無いのだが気になったのかスタートが遅れている。
清水の選手がアピールをしているが、そもそもニアで潰れていたので田中と松原をプレーを見ていた選手もほとんどいない。そのアピールも何人かはオフサイドで何人かはファールと、一貫していのも、対応できていなかった事を象徴している。
2点目は丸橋のFKからニアで木本が合わせた形。木本のマークは北川だったようだが、北川が被ってしまったので木本はフリーでヘディングが出来ている。
セットプレーは今シーズンのストロングポイントですので、そのストロングポイントで2点を奪ったというのは、展開に限って言うとセレッソにとって狙い通りといえる。
■中央に起点を作らせたくない清水
ここのところのセレッソの攻撃は中央で杉本と山村が起点を作り、スプリント力のある柿谷と水沼の両SHに展開するというパターンが多くなっている。
清水はこれに対して十分準備してきたようで、4-4-2の布陣をコンパクトにして中央に入ったボールに対してはカヌと二見のCBと枝村と竹内のボランチで素早く挟み込む場面が何度も見られた。特にダブルボランチによるプレスバックはかなり徹底されており、セレッソは中央で起点を作りきれない場面が続く。
しかし時間の経過と共にセレッソは清水のコンパクトな守備ブロックの背後を狙い始める。
主に狙ったのはセレッソの左サイド。鎌田はスピードがあってテクニックもある柿谷にボールをもたせたく無いので、ボールが入りそうになるとかなり距離を詰める。セレッソは後ろでボールを持つと両SHが開いたポジションを取るので、鎌田とカヌの間は広がっており、鎌田を引き出した裏のスペースに杉本が走り込むという形は何度となく繰り返された。
かたカヌは前への勢いはあるものの背後のスペースへのプレーはあまり得意では無いようでスペースに走り込む杉本を捕まえきれない場面も続く。
セレッソの先制点となったCKは杉本が左サイドに走り込んで起点を作ったところからの形となっている。
■自由にプレーする清水ボランチ
しかしこの前半、セレッソがセットプレーから2点リードしたものの、実際はセレッソが完全にペースを握っているというわけではなかった。
それは前半のスタッツを見れば明らかで、スコア上はセレッソがリード、ボールポゼッションもセレッソが60%近く握っている。しかしシュート数は清水の方が多かった。
そして前半のパス数を見ると、最多はセレッソの木本で36本。セレッソ側は31本の丸橋、29本のソウザ、26本の田中と続いていたが、清水側を見ると最多は枝村の31本と竹内の29本。
セレッソは木本や丸橋というプレッシャーをかけられにくい後ろの選手が多くパスを出しているのだが、清水はボランチがパスを出していた。
これはつまり、清水のボランチが比較的自由にプレー出来ていた事が現れている。
実はこの状態は最近ずっと続いている傾向で、札幌戦では兵藤、ガンバ戦では井手口、浦和戦では柏木、柏戦では手塚と大谷、のパス数が相手チームで最も多い。
これはセレッソの守備の問題で、2トップが2トップの両脇やプレスバックにいけなくなっており4-4-2の4-4と2の間や2の脇で簡単に起点を作られているです。
セビージャ戦でエンゾンジに面白いようにヤラれたのもここだった。
■押し込まれるセレッソ
立ち上がりに水沼が決定的な場面を迎えるがポスト。
しかしその後は2トップ周りから前向きのボランチが起点になってセレッソを押し込み始める。
前向きでボールを持つのでセレッソの守備陣はさらに下がる。そして押し込まれる。そしてボランチは高い位置でもフリーで前向きでボールを持てるようになり、セレッソは押し込まれた。
最初のピンチで長谷川悠にヘディングを決められるも何故かオフサイド。
セレッソにとっては助かったこのシーンだが、長谷川はオフサイドではなく、長谷川よりも外側の選手がボールに関与しているとは言えない。副審がオフサイドラインについていけていないので、単純にラインを見れていなかったか、それか清水の選手がブラインドになって田中が見えていなかったかのどちらかだろう。
がしかし押し込まれているのは必然なので、その後松原突破を田中が倒してPK。15分に清水が1点を返し1-2となる。
その後も修正できないまま押し込まれる展開が続き、スローインから北川に決められて60分に2-2の同点になる。
同点になった事で、ガンバ戦の様に柿谷が中に入ってプレーをするようになると、尹晶煥は柿谷を下げる事に。
65分〜 |
ボランチの後ろで長谷川が起点を作る場面も増えており、またソウザの足も止まり始めていたからだろう。
しかしこの交代では2トップ周りの問題点とボランチをフリーで前向きになられることは改善しない。
その結果73分に北川に逆転ゴールを決められる。
73分〜 |
76分〜 |
山村は逆転ゴールの前に痛めていた足首をさらに痛めてしまったので交代という事だろう。
ただこの交代の時に最初は右WBだった水沼がシャドウに移り関口が右WBになっていた。
83分〜 |
ただ、この4-4-2は攻撃の時に丸橋が前にでて水沼が右WB、関口が左シャドウに入る3-4-2-1に変化していた。
86分〜 |
この投入時にはセレッソの4-4-2から3-4-2-1に変わる形を把握出来ていなかったのか、一旦は竹内とフイイレのダブルボランチ、デュークが左SH、枝村が右SH、金子がトップ下の4-2-3-1になるが、すぐに4-1-4-1に変え、フイイレは杉本に当てるという形にしていた。
88分〜 |
80分ごろからセレッソはパワープレー気味になっていたので、守備固めという選択だろう。
90+1分〜 |
デュークが前にでて村田は右SH。
セレッソは放り込みを続けるも清水がこのまま逃げ切り3-1で清水の勝利に終わった。
■その他
残念な試合となってしまった。セレッソの4-4-2がかかえる4-4と2がバラバラになっている問題はどこかで書こうとは思っていたが、この試合では思いっきりそこから押し込まれ逆転に持って行かれた。
ここに問題を抱えているのはセビージャ戦でも明らかになっており、また実はこれまでの試合でも大事にはならなかっただけで、相手のボランチはかなり自由を謳歌している。
柿谷のプレスバック問題とそれに付随するソウザがそっちに行く問題もあって清水はデュークを普段の左SHではなく、右SHで起用する形にしてきたという部分もあるが、この試合ではそれ以上に4-4-2の2周辺で起点を作られる問題の方が直接的な原因になっていた。
ここ最近続いている失点を解決するには、人ではなくこの4-4-2の問題点を解決する必要があるだろう。
いつもよりお時間があったせいか動画までアップしていただいて大変わかりやすい分析ありがとう御座います。
返信削除ボランチ謳歌の問題は結構前からありましたよね。
それを真ん中締めてSBが一対一で対峙して勝ってたので大事には至らなかった印象があります。
すみません。あくまで記憶でものを言ってるので違っていればご指摘下さい。
ですから、トップは残してSB頑張れ戦術かと思ってましたが、それではまずくなってきましたね。ユンさんの次の一手はどうすんですかね。
コメントありがとうございます。
削除ボランチ謳歌として顕著化したのはここ最近ですけど、1列目と2列目の守備の問題はずっとでしたね。
Akiさん、いつもありがとうございます。
返信削除「4-4と2がバラバラになる」というのは、4-4が下がり気味になり、2との間にスペースを作ってしまうので、そこをつかれて攻撃を組み立てられてしまうという理解でもいいのでしょうか?
前の二人に「得点」という成功体験が増えると、シーズン当初のような守備への献身牲が弱くなるからかと考えてしまったのですが、この見方はあってますか
f(^_^;
コメントありがとうございます。
削除はっきりと現れるのはおっしゃる通りの状況です。
その理由は守備への献身性という部分も無いこともないとは思いますが、それ以上に2トップ周りについて、「誰がどこをどうやって守るのかが曖昧だから」です。
実はこれは開幕からずっとあった問題で、前に柿谷とソウザの間を狙われたのもここからでした。