2016年6月14日火曜日

6/12 明治安田生命J2リーグ第18節 VS FC岐阜 @ 岐阜メモリアルセンター長良川競技場

第18節
2016年6月12日(日)13:00KO 長良川

スタジアム岐阜メモリアルセンター長良川競技場主審佐藤 隆治
入場者数8,087人副審佐藤 貴之、西村 幹也
天候 / 気温 / 湿度曇 / 24.8℃ / 71%第4の審判員山村 将弘
スターティングメンバー
FC岐阜岐阜
 
セレッソ大阪C大阪
 
  • 監督
  • ラモス 瑠偉
 
  • 監督
  • 大熊 清
FC岐阜岐阜
C大阪セレッソ大阪
今回対戦今季平均
データ項目FC岐阜セレッソ大阪FC岐阜セレッソ大阪
FK12161513
CK2245
PK0000
シュート97913
警告/退場0/03/02/01/0

<監督・選手コメント>

セレッソ大阪 大熊清監督
FC岐阜 ラモス瑠偉監督

セレッソ大阪 ブルーノ・メネゲウ選手、丸橋選手、キム・ジンヒョン選手、松田選手
セレッソ大阪 澤上選手、玉田選手、藤本選手ブルーノ・メネゲウ選手、ソウザ選手
FC岐阜 難波選手、田代選手

前節がミッドウィーク開催という事で中3日で迎える明治安田生命J2リーグ第17節。アウェイ連戦となるFC岐阜戦は攻め込まれる時間も長かったが前半5分の先制点を守りきり勝利。4/3の第6節、4/9の第7節以来2ヶ月ぶりとなる連勝を飾った。

■メンバー

セレッソのメンバーは、前節柿谷が負傷交代後のメンバーがベース。リカルド・サントスが1トップに入りブルーノ・メネゲウがトップ下、右SHに清原、左SHに杉本。また8年目にして初めてキム・ジンヒョンがキャプテンマークを巻いている。
ベンチには関口が少し痛めている事もあって、今シーズン初のベンチ入りとなる酒本と、前節に引き続き2試合目のベンチ入りとなる藤本というフレッシュなメンバーが入っています。

一方のFC岐阜は、前節東京ヴェルディ戦からさらにメンバーを入れ替え。出場停止の磐瀬に代わって右SBには阿部がまわり、CBには岡根、また前々節負傷交代となった高地はベンチ入りにとどまりボランチには水野と苅部、右SHに風間宏矢、左SHに田中パウロ淳一、前線にはレオミネイロと今季初先発となる難波が並ぶ4-4-2としてきました。

■開始5分の先制ゴール

この試合は開始5分にセレッソが先制する。
先制点に至る攻撃のスタート
その崩し方はは素晴らしい形。杉本のキープ力を活かして左サイドで基点を作ると丸橋とソウザのパス交換で4-4-2で守る岐阜のSH-DH-CB-SBで作る四角形の真ん中に杉本が入り込む。ここから丸橋が杉本をSB-CB間を走らせるパスを出す。
この丸橋のパスは少しズレていましたが、このパスで杉本を抜けださせた事で相手のCBとSBを釣りだす、そしてそのタイミングでボールウォッチャーとなって全く丸橋を確認出来ていない風間の後ろから丸橋がインナーラップ。杉本は一応中をカバーしているポジションをとっているつもりの水野の前に入ってきた丸橋に対してパスを出すと、あわてて飛び込んだ水野を丸橋がかわしてボックス内に侵入。
もうこの時点で勝負あり。
岐阜の残っている岡根と鈴木潤はDFはゴールをカバーすべく戻るが丸橋は落ち着いてフリーになっているブルーノ・メネゲウにマイナスのボールを入れると、ブルーノ・メネゲウも落ち着いて流し込みセレッソが先制します。
SB-CB間のスペースを狙う動きはこれまでも引いて守る相手を崩す効果的な方法として何度も書いてきましたが、この得点シーンははまさにその形。セレッソのボール保持からのシーンで効果的な攻撃を見せる事が出来ました。
ただ残念なのはこれはその瞬間に思いついた攻撃であること。
現在開催されているユーロを見てると、特にドイツ代表なんかは執拗にこの間を狙ってきますし、その為にチームでどうするかの準備・約束事ができています。
だからこそ攻撃がスピードアップするという言葉で片付けるのがもったいないほど、個々か素早く判断しとんでもないスピードで攻撃が繰り出されます。
攻撃の速い遅いはもはや個人のレベルでは解決しません。
セレッソの攻撃が遅く感じるのはこういう所に差があるからです。

■岐阜の攻撃を受けるセレッソ

先制した後のセレッソは岐阜の攻撃を受ける時間が増えていきます。
そうなった要因の1つは岐阜の守備が少し変わった事。
キックオフ直後の岐阜は、4-4-2の形ですが2トップが高い位置からプレッシャーをかけにいく事もほとんど無く、ボランチやSBが敵陣にいればそこまでは追いかけない。ただ、自陣に入ってくるとそこには迎撃してプレッシャーをかけにいくという形をとっていましたが、失点した後は全体に守備のスタート位置を前にしてきました。
前半の様な自陣は放置している状態だとセレッソの選手はおそらく他のJ2の選手よりもプレーエリアやパスの距離が広いのでそこを基点に空いている所にボールを動かし、清原やブルーノの動き出しのタイミングをみながらボールをつなげる事ができるのですが、その時間を削られるとボールを動かす形が決まってない分どうしても窮屈になる。というかそもそもその場その場で判断しているので、決められている時よりも全てにおいて時間がかかってしまう。それを最初が自由だとある程度までは時間を前に送る事ができますが、そこを削られるとかなり厳しくなってしまいます。

そして岐阜はボールを奪ってからの狙いは徹底されていました。
これはキックオフ直後からそういった動きは見せていたので、セレッソが得点する前にも狙われる可能性があったのですが、失点した後守備のスタート位置を高くしセレッソの時間を奪った事で攻撃回数が増え、その攻撃の狙いも効果的になったという事でしょう。
SBの裏を狙う岐阜
岐阜が狙っていたのはSBの裏。回数的に丸橋の裏が多かったのはこれは丸橋の裏というよりも左SHの田中パウロよりも右SHの風間の方が下がってきたり中に入ったりと変化をつけた動きをすることが多く、それによって丸橋の方が引っ張られやすかったからの可能性が高いです。
それを証拠に、難波は松田が前に出た時にはセレッソの右サイドでも裏を狙おうとしていました。

このセレッソのSBの裏はここ数試合ずっと狙われている場所です。
SHが下がってSBを上げ丸橋と杉本のポジションを入れ替えてしまうだったり、SHが中に絞ってSBを上げ6バック状態にするというのもここの狙い方の一例ですね。

そもそも守備の時にとりあえず人に喰いつく形になっているので、SBの裏は基本的に空きやすい状況にしたまま開幕以降ここまで何試合も続けているのですが、セレッソはこのSBの裏をどうするのかというのはおそらくハッキリ決まっていません。
CBかボランチ、その時々で行ける方が行こうという感じなのでしょう。
ここでボールを奪いきってしまえればまあそれでも良いのですが、困るのは奪いきれなかった時。ここにどちらが行ってるかによってボールと逆サイドのボランチやCB、SBはポジションが異なります。SBやCBは順を追ってスライドするだけなのでまだマシですが、困るのは中盤の特にボランチ。
どっちが行ってるかによってカバーすべきスペースが異なるからです。それが行ってみないとわからない。なので例えば前節奪われた永井のゴールの様にバイタルがすっかり空いてしまう事になったり、この試合の7分の風間から難波にクロスが上がったシーンや、12分に誰もいなくなったバイタルを経由されてレオミネイロにシュートを放たれるシーンが作られる訳です。
そしてそれが嫌だからCBは出て行くとしてもどうしても迷いながらや後ろを気にしながら出て行く事になる。
となるとどうしても判断が遅れる場面が見られるようになってしまい、この何試合も失点が続くような状況になっているんだと思われます。
バイタルスカスカで困るのはCBですからね。

あともう1つ、このSBの裏を狙われる原因は、これも開幕から続く1列目の守備問題です。
この日も10分頃から動きの決まっていないリカルド・サントスとブルーノ・メネゲウの裏にボールを入れられまくります。
どうしようもない2列目以降に迫られるのはは無理していくか、下がるかの2択。相手の状態が悪いとまだ前に行きやすいのですがセットした状態で外されるとそれも不可能。となるとどうしても下がるしか無く、それでいてSBの裏もあるのでもはやスコスコ。対峙した相手から個人でボールを奪えるかどうかと相手がミスするかどうかでしかありません。

守備がこの状態、SHが押し込まれているので前線は孤立します。となるとセカンドボールを相手に拾われる回数も増える。こちらが攻撃できるかどうかは、ボールを受けた選手が個人でその局面を打開できるかどうかにかかっています。
なのでブルーノ・メネゲウや杉本、清原なんかはもう無理してでも個人でその局面の打開を図るしか無いんですよね。もし相手の攻撃の時間が長くても狙い通りの守備ができているのなら別ですが、そもそも守備もスコスコ。となると攻撃の時間を作りたいですから。
ただ、その打開は当然毎回うまくいくわけではありません。というか強引に1人で打開しないといけないのでむしろ不利な状況の方が多い。けどやらざるを得ないんですよね。
この試合でもそうでしたが、これまでも中盤で強引に狙ってミスしたり、失敗して奪われてしまう状況が続くのはこれが原因です。またカウンターがほとんど出来ないのもそうです。

34分にキム・ジンヒョンのキックから杉本がスラしてリカルド・サントスが裏へ、折り返しをブルーノ・メネゲウに合わなかった場面は孤立している前線に杉本がその手前ですらすことで個人の能力を発揮しやすい状況を作り、そこからチャンスに結びつけるという個人爆発の典型的なパターンでしたがきめられませんでした。

そしてその少し後、37分に苅部からのパスでレオミネイロが抜け出し、折り返しを難波がシュートした場面はセレッソのバラバラの守備がきっかけで崩された典型的なパターンでした。
この場面はやられていてもおかしくない形でした。

■選手交代でもベースは変わらない

後半に入っても状況は変わらず。
47分には丸橋の裏を狙ったカウンターから田中パウロ淳一がシュートに持ち込もうとしますが、キム・ジンヒョンが距離を詰めて事なきをえます。
54分〜
54分、セレッソは清原に代えて澤上を投入します。
清原のコンディションの問題もあったようですが、基本SHはいろんな事をやらされているので疲弊しますからほぼ全てのゲームで途中交代をしています。
この交代は例えばこの状況を変えるために何かしようというものではなく、頑張って穴を埋めてくれという投入。なのでフレッシュな選手になった分頑張れるようにはなっていますが、根本的な解決はなされていないので状況にほとんど変化はありません。
64分〜
63分、岐阜は難波に代えてエヴァンドロを投入。一瞬はレオミネイロとエヴァンドロの2トップとなりますが、続けて64分に風間に代えて瀧谷を投入。前線を瀧谷とレオミネイロ、右SHにエヴァンドロ、左SHに田中パウロ淳一に変更。そしてセレッソもブルーノ・メネゲウに代えて玉田を投入します。
75分〜
さらに岐阜は71分に水野に代えて田中達也を投入。
田中パウロ淳一が右SH、田中達也が左SH、エヴァンドロがボランチの位置に。
そしてセレッソも試合中のプレーで違和感を感じていた山村に代えて藤本を投入

玉田はボールを落ち着かせようと色々な位置に降りてボールを受けるプレーをみせますがセレッソはその構造に問題を抱えているので残念ながら根本的な解決には至りません。
前半から岐阜のボランチは動きすぎるところがあるので結構スペースがあり、そこを使う事ができればもっとチャンスを作れたと思うんですが、なかなかそうも行きません。
というか相手にボールを握られている時間が長く押し込まれているので、まず個人で局面を打開しないといけないので、そこまで至らないんですよね。

試合終盤になり岐阜はエヴァンドロも前に出しますが、そのまま試合が終了。
セレッソの勝利に終わりました。

■その他

勝利したものの内容的にはかなり厳しい試合でした。
勝ったもののこの試合に限った事ではありませんが攻守にグッチャグチャです。
ラモス監督が試合後のインタビューで悔しがっていますが、岐阜にとってはかなり厳しい結果でしたね。
SBの裏を狙うという所まではかなりできていたし、岐阜のペースで試合をすすめることができていましたが、岐阜のその先が個々が何とかという形だったので助かりました。
しかしいつまでこの調子で続けていくんでしょうか…




http://www.j-league-store.jp/j-league/

8 件のコメント :

  1. Akiさん、いつもありがとうございます。
    先日の土曜日、舞洲へ行って、試合前の練習を見ました。大熊監督の指導で攻撃練習をしていましたが、中で細かくつないで、機を見てサイドに開き、折り返しのクロスというパターンが監督のイメージのように感じました。
    時折、「ナイス!」という監督の大きな声が響くのですが、素人の私には何がナイスだったのかわからないことが多かったです。
    SB裏への侵入、ダイアゴナルラン、パスというようなプレイは見かけなかったなあ。試合前の公開練習ではしないものなのですかね。
    毎回、長い時間、イライラ、ハラハラ、ドキドキさせられるので、ストレス解消のためのサッカー観戦がストレスになっています。何とかならないものでしょうかf(^_^;

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      見られたのは前日練習とかでよくやってる中のパスからサイドに出してクロスに2人入って合わせる練習ですかね?
      あれはおそらく戦術的なものじゃなく、コンディション調整的なものだと思います。
      ただ、まあ他に何があるわけでもありませんが(苦笑)

      削除
  2. 分析ありがとうございます。
    ずっと続くSBの裏問題。それを解決するには、①そもそもSBを上げて攻撃参加させない、②4231自体をやめてSBを上げてもカバーしやすいフォーメーションにする、③前線で複数人による裏抜けを主戦術にしてSBを上げずに攻撃を機能させるようにする、のいずれかを取るべきなのではないかと思いますがいかがでしょう?今のままですと、工夫したところでSBの裏は空いてしまうのではないかと思います。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      SBの裏問題はまず誰がどうやってカバーするかを決めることだと思いますよ。
      SBを上げないのは現実的ではありませんから。

      削除
  3. いつ見ても面白くないサッカーしかしてないので録画して早送りで見てしまいます笑

    前線にクリア放り込み多々の攻撃と、ボランチ、CB動かされまくりの守備とホンマに勝ててもストレスです。
    SB、SHはセットの状態でもほんますぐ引っ張られますね。あれを見てて何で放置できるのか??ビデオでも見返さないの?
    ぼこぼこにやられて連敗とかしないと解任されないんですかね。今の状態だと勝っててもサポーターが減ってしまう泣
    橋本先生にJ初のプレイングマネージャーしてほしいです笑
    曜一朗が復帰して個人技見せて貰うのが楽しみです。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      「自分を見つめて、自分の力を出し切る選手」になってほしい的なことをよく言ってるんで、
      おそらくですけど選手が成長?する事を期待してるんじゃないですかね。
      そんな考えでプロの監督やられても迷惑極まりないですが。。

      削除
  4. 岐阜戦、面白かったですね。
    戦術<個の力 のチーム同士の対決。
    個の差がそのまま結果につながった感じでしたね。
    岐阜相手にチャンスは作らせないが1点取る力しかない。
    それのぐらいの差しか作れないのが大熊監督の限界なのでしょう。
    組織的なチームを崩せない&取りこぼすなんて当たり前ですね。
    いつ切ってくれるのでしょうね、フロントは。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      結果でしか判断できないならフロントは人である必要がないんですけどね。
      困ったものです・・・

      削除

新着記事

人気の投稿

セレッソ大阪公式Twitter

楽天

楽天トラベル