スタジアム | キンチョウスタジアム | 主審 | 家本 政明 |
入場者数 | 8,464人 | 副審 | 越智 新次、田中 利幸 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇 / 24.3℃ / 83% | 第4の審判員 | 渡辺 康太 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- 大熊 清
- 監督
- 長島 裕明
試合経過
-
79'
-
77'
-
76'
-
73'
-
70'
- 69'
- 67'
-
49'
-
25'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 17 | 18 | 13 | 13 |
CK | 4 | 4 | 5 | 4 |
PK | 1 | 0 | 0 | 0 |
シュート | 15 | 15 | 13 | 8 |
警告/退場 | 1/0 | 0/0 | 1/0 | 1/0 |
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 大熊清監督徳島ヴォルティス 長島裕明監督
セレッソ大阪 杉本選手、ソウザ選手、山下選手、リカルド・サントス選手、ブルーノ・メネゲウ選手、松田選手
徳島ヴォルティス 濱田選手
徳島ヴォルティス 内田選手、佐藤選手
久々のホームでの試合となる明治安田生命J2リーグ第19節、キンチョウスタジアムに徳島ヴォルティスを迎えての一戦は終盤に追い上げを受けながらも逃げ切り3-2で勝利。開幕4連勝以来となる3連勝を飾った。
■メンバー
セレッソの先発メンバーは前節と同じ。柿谷が負傷しているのでこれが現在のファーストチョイスです。また関口が離脱し、茂庭・橋本が前日のU-23に出場しているのでベンチには酒本、藤本、扇原、木本が入っている。一方の徳島はここ数試合で固まってきたメンバーがベースになっているが、前節と代わっているのが最終ライン。橋内が右、石井がセンター、左が冨田となっている。
また、スカパーの中継映像やマッチデーハイライトでは徳島のフォーメーションをなぜか3-1-4-2で表記してているが、確かに木村と山崎からなるシャドーは前に出て行く山崎と中盤的な仕事もする木村という関係にはなっているものの、カルリーニョス、岩尾、木村が3センターを組んでいるという事は全くなく、また守備時に左右でポジションをわけあっているのは山崎と木村の為、3-1-4-2とするには無理がありすぎる。ですから3-4-2-1として表記しています。
■ペースを握るセレッソ
試合の立ち上がりは徳島が攻めこむシーンもあり7分には山崎が徳島で1本目のシュートを放つというお互いに攻め合う姿勢をみせていましたが、徐々に徳島の攻撃回数が減り10分すぎぐらいからはセレッソが試合のペースを握る状態になっていきます。徳島攻撃時の形 |
この佐藤へのロングボールの落とし、セカンドボールを拾うのが山崎と木村のシャドー。ここで拾ったボールを高い位置で攻撃的なプレーを好む広瀬と内田の両サイドに展開。ダイレクトで落とすことが出来なければスグ後ろの岩尾やカルリーニョスに戻してから展開。詰まったら少し下がった位置にいるカルリーニョスから逆サイドにサイドチェンジが入ります。
木村がボランチに近づいて相手を引き出し、WBを高い位置に出すという形もありますが、それもまずボールを運ぶ事ができた上へのその変化でという形なので、まずは徳島のボールを運ぶ形としてはほとんどこのロングボールがメイン。それほどボールを運ぶ形にバリエーションがあるチームではありません。
なので徳島の攻撃は山崎と木村のシャドーが佐藤の近くでプレーできるかどうかにかかっています。
5-4-1に |
この5-4-1は去年も様々なチームが採用していた形ですが、とにかく最終ラインのスペースが埋めやすく、また最終ラインの前、バイタルエリアでボールを持たれた時に最終ラインに5人いる事から1人が前に喰いついても他に4人がまだ残っているので後ろの事を気にせず出て行きやすい。なので守備力を高めやすい形として特にJ2では人気を集めていました。
ただ、この形は守備力が高い反面、いざボールを奪った時に攻撃に持って行きにくいという問題点があります。というのも、守備の時にシャドーと1トップの距離が離れてしまうからですね。先ほど書いたように攻撃では佐藤の近くにいなきゃいけない山崎と木村が中盤の両サイドで守備をしなくちゃいけないわけですから大変です。いわゆる前線が孤立という状態になりやすいという問題点があります。
高い位置に3枚キープしたいが |
なので高い位置からDFラインを追いかけるようなプレーも見られます。
しかしきちんと整備されている訳ではありませんでしたので、丸橋から長いボールを使ったり、杉本のキープ、ボランチ周りに清原が降りてくる動きを見せながらこの前線3人の後ろにボールを運びだし、ブルーノ・メネゲウの推進力のあるドリブルや周りにスペースがあり、押し込まれていないので孤立していない状態になっているリカルド・サントスのポストプレーを使ってセレッソがボールを運びだすと、徳島の両シャドーは下がらざるを得ず5-4-1に。
前半17分の清原が抜けだしたシーンが決定的だったかもしれません。
なので徳島はかなりの時間1トップの佐藤が孤立した状態になっていました。
セレッソも頻繁に1トップが孤立しているのでイメージしやすいと思いますが、常にCBと1対2の状態でしかも先にそこにカバーに来るのは相手ボランチという孤立した1トップが味方が上がってくるまで時間を作るなんて並大抵の事ではありません。
そしてもう1つ、5-4-1で守る時のポイントとしては1列目の守備が1人になるので出来ることが限られているという事を踏まえなければいけません。
基本的には1列目が1人なのでその気になれば簡単に突破することができます。1人なのに何故かとにかく頑張ってむやみに追いかけさせるという岡田監督時代の日本代表の様な変わった戦い方を選択するチームももしかすると他にあるかもしれませんが、基本的にはその1人に何をさせるか、またそれ以外の人がどこからどうするのかが重要となってきます。
それが無い、つまり1列目が簡単に突破され、またどこからどうするかが曖昧だとそれはセレッソ守備の問題点でもあるのでセレッソの失点シーンの様に、例えばサイドでボールを運ばれた時に簡単に最終ラインが下がりすぎてしまうという事が起こってしまいます。
5-4-1にして人数をかけているのでスペースは埋めていますが、下がり過ぎると相手側にこぼれたのがたった1つだったとしてもその1つが即大ピンチにつながってしまいます。
セレッソの先制シーンはまさにそんな形で、ブルーノ・メネゲウのドリブルでボールを運びソウザがサイド深くでボールを受けて丸橋に戻してクロス。この状態で丸橋がフリー、そして徳島の最終ラインはゴールエリアのライン上でした。
クロスに飛び込んだブルーノ・メネゲウは合わせきれずにこぼれますが、そのこぼれ球を拾ったのはゴールエリアの中に入っている杉本。左足で決めてセレッソが先制します。
ただ、セレッソの攻撃は個々の思いつきに依存しているのでこの後は押し込みながらも崩すような場面は少なく、また一応ブルーノ・メネゲウはカルリーニョスをケアするように指示されていたようですが基本的に守備のルールが大声しかないので時折ボールも運ばれる。しかし佐藤は基本的に孤立しているので最も嫌な形は避ける事ができておりセレッソペースと言える前半でした。
■捨て身で前からくる徳島
メンバー交代なく始まった後半。両チームの戦い方云々の前にまず得点から。47分にキム・ジンヒョンの素早いスローを受けたブルーノ・メネゲウから山村、リカルド・サントスと繋ぎ右サイドを上がる清原に展開。清原がクロスを入れたタイミングで橋内がブルーノ・メネゲウを倒しセレッソがPKを獲得します。
このPKシーンは最初橋内の外側を走っていたブルーノ・メネゲウがクロスのタイミングで急激にコースを変え橋内の前に入ってくるのですが、この時にあわてて右手をかけ押してしまっています。前半にもボックスの外でしたが、岩尾が同じようなプレーをしてファールをとられているのに、簡単に前に入られた橋内のプレーはちょっと不用意でしたね。
このPK、1度はやり直しになるもののブルーノ・メネゲウが落ち着いて決めてセレッソが2-0とリードを広げました。
で、後半開始に話しを戻しますと、徳島は後半開始から5-4-1にならないよう、前線で3が高い位置から守備をしようとしてきました。
前半の最初もそうしようとしていたのですが、結局途中からリトリートを選択た、その最初のやり方をもう1度来ました。
その方法は特にプレスが整備されたようには見えませんでしたから、おそらくリード許しているんだからとにかく走ろう、このままでもジリ貧だから頑張れというものだったと思います。
先ほどのブルーノ・メネゲウのPKを獲得したシーン。きっかけはキム・ジンヒョンからブルーノ・メネゲウへのスローです。ここでブルーノ・メネゲウがボールを受けることができたのは元々ブルーノ・メネゲウが守備でマークしていた岩尾が飛び出した所で攻撃が終わったから。他の選手はそこから守備に入ろうとしているのでフリーのまま。つまりリスクを負ってでもとにかく積極的にサイドを高い位置に出そうという事だったんだと思います。
これは言ってみれば捨て身のやり方で、その分セレッソがボールを運ぶ事もできるのでお互いがボールを運びあうオープンな展開になっていきますが、どっちにしろ前半はボールを運ばれていたし2点を追いかける状況になっていた徳島にとっては前半よりも攻撃回数が増えたという事だけでもメリットがあったといっても良いかもしれません。
67分〜 |
シャドー2人との交代ですが入ったのはどちらも前をやっている選手。どう並べるかと見ていると、渡が1トップで佐藤と長谷川悠がシャドーに入りました。
徳島が左から攻撃すると |
徳島はWBが前線に上がってきます。なので例えば左サイドの内田が上がってくるとそこに松田が対応。すると前線のマッチアップが3対3。その時に大外で丸橋とマッチアップするのが長谷川悠になります。
右サイドからだと |
つまりシャドーに高さで勝負できる選手を置くことでSBとマッチアップさせる。
なのでサイドから大外めがけてクロスを入れていこうというのが狙いでした。
そして69分徳島の渡がゴールを決めます。
これは狙っていた形とは少し違ったと思いますが、サイドでボールを運ぶことでラインが下がりすぎてしまった徳島の最初の失点パターンと同じでした。
70分〜 |
カルリーニョスは消えかけてたのでサイドに展開出来る選手をという事でしょう。
一方の玉田は失点前から用意していたので元々は前線で落ち着かせたいという狙いだったんだと思いますが失点、しかし交代は代えずにそのまま玉田をトップ下にしてブルーノ・メネゲウを右にという形にします。
これでセレッソは右サイドの守備が落ちるのでちょっと厳しくなるかもと思っていた73分。FKをソウザが直接決め3-1リードを広げます。
結果的にはこのゴールはかなり大きかったです。
ただ、やはりその後トップ下よりもサイドの方が当然守備負担は大きいので攻め込まれる事も増えてきます。
そしてブルーノ・メネゲウがサイドで内田と追いかけっこになってしまいファール。
そしてそのFKを大外から長谷川悠に決められ77分3-2と1点差に詰め寄られます。
ブルーノ・メネゲウを右サイドにした意図がわからないまま失点してしまいました。
この時のFKも最初1枚浮いてるんですよね。それに気がついて玉田に指示、あわてて追いかけますが間に合いませんでした。相変わらずセットプレーの守備はグダグダです。
79分〜 |
なぜこの順番だった、なぜそんなにブルーノ・メネゲウを酷使してやるのかは不明。
オープンな展開になっている事からリカルド・サントスのキープから丸橋がクロスを上げ澤上がドンピシャヘッドもGKがセーブ。
徳島の勢いをそぐ様な事が一切できないセレッソはこの後もかなり攻撃を受けてしまうことになるがソウザがほぼ最終ラインに入る形で粘りきり試合終了。セレッソが3-2で勝利した。
■その他
何とか勝利しましたが、やはりいつものように厳しい展開となりました。相手の攻撃が続いていた状態に守備の事というよりもカウンターとかボールを持つ事で相手の攻撃を減らしたいと言ってるようですが、前半の徳島がそうだったようにそれはリカルド・サントスや玉田が…というよりもどういう形で守備をして相手からどうやってボールを奪うかだと思うんですけどね。
前線か孤立しているのに何かしろってのはちょっとかわいそうです。
現状は人の問題じゃないですからね。
まったく積み上げのないまま半分に近づいてきました。
お疲れ様です。
返信削除悪いなりに勝ってしまうことでズルズルと先延ばしになっている問題解決をこのままシーズン通して引きずるんでしょうかね。
蛍が戻ったことで、甘いプレスでも追い込んだ後に蛍がインターセプトっていう去年までよく合った形がでれば少しは守備も安定するでしょうが、セットプレーの課題含め他にも課題はあるし中々厳しいですね。
コメントありがとうございます。
削除守備に関しては去年よりもずっとヒドいですからね・・・
蛍が帰ってきてもそんなに変わらない気がします・・・
ここの分析を見て毎回思うことは、監督と選手にこのブログを見て欲しいということ。図解もあってすごく分かりやすいです。そして毎回このブログの内容が変わらないことに歯がゆさを感じています。まずは東京V戦ですが、柿谷もブルーノもいない、個の力すら発揮できない試合。チームプレー無しではどうしようもない試合かと思いますが、まず着手すべきは何とお考えですか?もちろん一週間でできることなどたかが知れてますが。
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