2022年2月28日月曜日

2/26 明治安田生命J1リーグ第2節 VS. 京都サンガF.C. @ ヨドコウ桜スタジアム


スタジアムヨドコウ桜スタジアム主審清水 勇人
入場者数9,766人副審西橋 勲、武田 光晴
天候 / 気温 / 湿度晴 / 11.7℃ / 34%第4の審判員日比野 真
VAR荒木 友輔
AVAR聳城 巧

セレッソ大阪C大阪

 

京都サンガF.C.京都

 
  • 監督
  • 小菊 昭雄
 
  • 監督
  • 曺 貴裁

新型コロナウイルス感染予防対策のため、制限付き

(入場者数上限「20000人以下」)での試合開催


<監督コメント>

セレッソ大阪:小菊昭雄監督

京都サンガF.C.:曺貴裁監督


<選手コメント>

セレッソ大阪:乾貴士、北野颯太

京都サンガF.C.:武富孝介、上福元直人


2022年のホーム開幕戦となった明治安田生命J1リーグ第2節、ヨドコウ桜スタジアムに12年ぶりのJ1復帰を果たした京都サンガF.C.との一戦は1-1で引き分け。勝ち点1を分け合う結果となった。


■メンバー

セレッソ大阪のスターティングメンバーは、開幕戦から2人入れ替え。進藤亮佑、ブルーノ・メンデスが外れ鳥海晃司、中原輝が起用された。ミッドウィークのルヴァンカップから継続してスターティングメンバーとなったのは、松田陸、鳥海、中原の3人となる。

ルヴァンカップでは松田と45分ずつプレータイムを分けあった進藤はベンチ外となったのはコンディション面か。そのためルヴァンカップでCBとしてプレーした舩木が控えCB枠としてベンチ入り、ルヴァンカップからは髪型が変わっていた。

鳥海と西尾がCBコンビを組むことになったため、開幕戦・ルヴァンカップとはそれぞれ左右が入れ替わりCBは西尾が右、鳥海が左という並び。これはそれぞれここまでの試合では進藤、舩木と組んでいたからで、昨季プレーしていたポジション通りに戻ったともいえる。

FWのブルーノ・メンデスが外れSHの中原輝が起用されたということで布陣は清武弘嗣がトップ下に入る4-2-3-1。試合前にTwitterにも書いたが、今季から清武がFW登録になっているのは、清武に対しての意識づけの問題だろう。昨季途中からチーム事情で下がってボールを受けるプレーを増やしたこともあってどうしても下がってボールを受けたがる。SHならまだ良いがトップ下で下がる頻度が増えると前線の枚数が減り、1トップは孤立しやすくなり、ポジショニングによる奥行きが作れなくなる。清武ができるだけ下がってこないためのFW登録。そして清武がCHの位置まで下がらなくてもチーム全体でどれだけボールを持てるかというのがポイントとなる。

また17歳の北野颯太も引き続きベンチ入り。北野は試合前日の2月25日にプロ契約を結び正式にトップチームのプロ選手となったので、今節からはこれまでの敬称や選手と付けた表記ではなく単に北野颯太とする。


京都サンガF.C.のスターティングメンバーは、開幕戦と全く同じ11人。左SBに浅田将吾が入り、3トップの左にはセレッソから移籍した豊川雄太が入る。ただしベンチには入れ替わりがあり、開幕戦の対戦相手だった浦和からの期限付き移籍ということで契約条項により出場できなかった荻原拓也と金子大毅がベンチ入り。一方で開幕戦の最後に負傷した大前元紀とミッドウィークのルヴァンカップで負傷交代した福岡慎平がベンチ外。また開幕戦では途中出場でデビューしルヴァンカップではゴールも決めた現在関西学院大学在学中で来季からの加入が決まっている特別強化指定選手木村勇大選手に変わって、同じくルヴァンカップではスターティングメンバーだった法政大学から加入のルーキー田中和樹が入る。


■プレスと中盤の枚数と

この試合の序盤は、セレッソ側から見ると「丸橋のところでプレスを受けている」という印象を持った人が多かったんじゃないかと思う。一方で京都側から見ると「全然プレスに行くことができていない」という印象を持った人も多かっただろう。

どちらも現象としては起こっており、セレッソは丸橋のところでプレスを受ける場面が多かったし、京都は開幕浦和戦と比べると高い位置からのプレスに全くいけずにセレッソがボールを運ぶ場面も多かった。

これは丸橋が悪かったわけでもなく、京都がホームで迎える12年ぶりのJ1での開幕戦で対戦相手は12年前に降格が決まった試合の対戦相手だった浦和というアドレナリンが出る要素がふんだんに詰まった状態からアウェイでの第2節となって落ついたというよりも、試合の構造的な部分によるものだったと思う。


それを表しているのがセレッソのビルドアップでの構図。


4-2-3-1/4-4-2のセレッソに対して京都は4-3-3。3トップでセレッソのディフェンスラインにプレッシャーをかけ、2CHには2IH。両SHとCF+トップ下に対しては4バックが対応し、トップ下が下がってきてもアンカーでカバー。セレッソが4-4-2ではなく4-2-3-1にしたことで京都の2IH+アンカー、セレッソの2CH+トップ下と中盤の枚数は合わされるが、それでも最終ラインで余ることができるので思い切って前からプレスをかけに行けるという算段である。

しかしセレッソはビルドアップで立ち位置をずらす。松田陸が最終ラインに残って3バック化。丸橋は前に出て、右のワイドは右SHの中原、そして左SHの乾は内側に入ってくる。

これに対して3トップで4バックにプレスをかけたい京都としては特に狙い目なのがSB。SBはタッチラインを背負っているので中央の選手に比べてボールの逃しどころが少ないからで3トップ右の武富は丸橋をケア。そして松田陸、西尾、鳥海の3人に対して豊川、ウタカでアプローチをかけ、丸橋にボールが出たところに武富がアタック、さらに右SBの白井も対面するはずの乾がいないので丸橋のところに思い切ってアプローチをかけることができる。

なのでセレッソは安易に丸橋のところにボールを逃してしまうと、そこで激しくプレスを受ける形となっていた。

ただ、この時白井も加勢できるということは、当初の予定ではマッチアップするはずだった乾はどうなっているのか?

試合の立ち上がりは、内側に入ってくる乾に対して右IHの武田が対応するという形がよくみられた。

そして先ほどのセレッソのボール保持で2CB+松田陸の3バックから丸橋のところにボールを出させるには、奥埜と原川の2CHにはボールを出されないようにしておかないといけないので、この2人は松田天馬と川﨑で捕まえる。

つまり京都は中盤の3枚で奥埜、原川の2CH+左から内側に入ってくる左SH乾の3人を捕まえる形になっていた。

ならば、トップ下の清武はどうするのか?

アンカーの川﨑はセレッソのCHを捕まえに前に出るので京都は中盤と最終ラインの間にどうしてもスペースが生まれる。

そしてここでボールを受けようとする清武。

セレッソは中盤に2CH+左SH+トップ下と4人いるのに対して京都はアンカーと両IHの3人。京都は中盤で人数が足りない状態に陥っていた。


すると10分ぐらいから京都は、右CBのアピアタウィアが前に出て乾を捕まえようとし始める。

乾をCBに見させて中盤の数的不利を解消しようという狙いである。

しかしそうなると乾は下がってきてボールを受けるようになる。となるとアピアタウィアもここまでは流石についてこれないのでIHが見るしかない。となると再び清武が空く。ならばと清武をCBで捕まえると、今度は清武と乾の段差を入れ替えるのでやっぱり京都は中盤の数的不利が解消されない。かつての3シャドゥ時代から彼らはこの辺りの駆け引きが抜群に上手い。


そしてこの構図の中で忘れてはいけないのが加藤陸次樹。

11分にクイックリスタートから抜け出した場面や、15分に清武のスルーパスから、そして16分、得点は決められなかったし、アピアタウィアとメンデスのスピードにカバーされシュートまで至らなかった場面もあったが、常に前向きに守備をしようとする京都の最終ラインの背後を狙っていた。これがあったので京都のCBも思い切って下がっていく乾や清武にアプローチに行けない。そして両SBはCBが前に出て最終ラインにできるスペースをカバーするために絞らざるを得ない。

だからこそ18分には最後は上福元に防がれたが、清武から加藤に出たときに左SBの麻田は内側に絞っており、そこに中原が飛び出してシザースからシュートという決定機を作っている。


セレッソがこの構造上で有利に立っていた時間帯で先制することができていれば、ここから先の展開がまた違っていたものになっていただろう。京都にとっては中盤で人数が足りないという難しい状態にありながらも前半ということもあり選手の運動量でカバーできたこと、そして上福元直人の素晴らしいセービングで0-0で乗り切ることができたのは大きかったと思う。


■京都の修正(仮)


このままでは厳しい京都は清武が川﨑に倒されてプレーが止まった27分に動く。

曺貴裁監督が麻田、メンデス、松田天馬を呼んで、麻田とメンデスの並びを入れ替え。ボールを持っているときのイメージとしてはただ麻田とメンデスのポジションを入れ替えただけで左CB麻田、左SBメンデスの4-1-2-3のままに近いが、セレッソのボール保持時には松田天馬が左サイドに出てWBとしてカバーする3-4-2-1/5-4-1に立ち位置を変える。


3-4-2-1にすることで前線をマンツーマンで捕まえられるようにしてきた。


ただしこれだと一人抜かれると一気に裏返されるので京都としてはあまり思い切って前からプレッシングを続けるのは得策ではない。

もちろん最初はボールホルダーにアプローチをかけ蹴らせることができればOK、しかし繋がれたら下がる。

ということで京都は少し撤退気味、そしてセレッソは最初のアプローチさえいなせればボールを持ちほとんどプレッシャーを受けることなくボールを運ぶことができるようになる。

ただし、セレッソはここまでのように加藤や中原が背後を抜け出して一気にチャンスを迎える場面は作ることができない、京都側からすれば作らせないようになっていた。


こうした京都にとってはいわば守備面でのテコ入れを行った中で生まれたのが京都の先制点。

34分CKからファーサイドでアピアタウィアのヘディングがクロスバーにあたり、そのはね返りを武富が押し込み京都が先制する。

アピアタウィア、メンデスが190cm超え、さらに麻田が186cmと京都の最終ラインには高さがあるのでセットプレーでの高さは京都の大きな武器。高いボールでセレッソの作るゾーンの一番奥を狙うという形だった。

また布陣変更を行った直後にもこの試合最初のCKを獲得しており、これが2本目のCK。ビルドアップやボール保持で改善されたわけではなかったが、守備面でのテコ入れによってピンチが減りセットプレーを取れるようになっていた。


直後にウタカがシュートを放つ場面はあったが、この京都の先制点によってここからよりセレッソがボールを保持し、京都が守るという展開が顕著になっていく。

もちろん守ることばかりを考えていたわけではないだろうが、何度も守備面のテコ入れと書いているように京都が行った修正の主な目的が守備面だったと思う。前半途中なので戦い方を大きく変えることは難しい。そこまでガラッと変えずに、なんとか前半を0-0のままで折り返す方法がこれだったのだろう。


セレッソはアタッキングサードまでボールを運ぶもののなかなかゴールは遠い。45分の中原の折り返しに乾が合わせた場面も上福元がセーブした。

攻め込む回数が増えたもののゴールが遠かったのは京都の守り方の影響もあって、京都はCBをほとんど動かさずに守るから。4バックの場合でも同じやり方をとるが、3バックになったこの時間帯ではアピアタウィア、麻田、メンデスの3バックがゴール前をしっかりと塞いでいた。

CBが動かないというのは本当に徹底されていて、サイドを取られもWBに任せっきり。結局シュートするのは中だろうという考え方である。なのでセレッソはサイドは取れるのだがそこからのクロスはことごとく跳ね返された。

この3バックで比較的動きやすいのは右に入るアピアタウィアで、セレッソもこのサイドには乾、丸橋、清武が人数をかけると何とかアピアタウィアを動かすことが出来る場面もあったが、サイドで人数をかけると当然ながら中の人数は減ってしまう。


■京都の修正(決定)


後半開始から京都は豊川に代えて長井一真を投入する。

本職はCBながらスピードがある長井は左WBに入り左WB気味のポジションを取っていた松田天馬は元の左IHへ。前線にはウタカと武富の3-5-2へと布陣を変える。

前半途中の仮修正から15分間のハーフタイムを使って本修正。中盤の人数足りなくなる問題があるので最終ラインの枚数は3枚/5枚で継続。

しかし1トップ2シャドゥだとセレッソのCBに対してプレッシャーをかけにくいので2トップに、そして中盤に3人置くことでCHにもプレッシャーをかけたいといったところだろう。

1点リードしているが、例えば5-4-1にして守りを固めるというよりも自分達のスタイルである前へのプレッシング、そしてボールを奪った後の前への勢いを貫きたいという曺貴裁監督の哲学や考え方がよくわかる修正である。


しかしスコアが動いたのは後半開始直後の48分。交代で入った長井からのパスミスでDFラインの前で加藤がボールを受けると清武へ。清武がdドリブルで時間を作ると麻田とアピアタウィアの背後のスペースに優しいスルーパス。これを外から斜めに飛び込んできた乾がついてきた白井よりも一瞬先にボールに触れゴールに流し込む。エースナンバー8番を背負った乾の今シーズン初ゴールでセレッソが同点に追いつく。

前半はサイドから仕掛けるも跳ね返され続けていたがここでは中央を割った。

京都にすれば3バック全員が揃っていて、乾と中原にもWBが間に合っていたので十分人数は揃っていた。なのでアンカーの川﨑もゆっくりと加藤に寄せていったのだろうが、自分の反対側にいる清武にボールを届けられ、清武が前向きでプレーできたことで中央を割ることに成功した。

相手のミスからの攻撃だったので相手の人数は揃っていたとはいえ前向きに仕掛けて狭いスペースをこじ開けたこのゴールはちょっと香川・乾の2シャドゥの頃を思い起こさせるゴールだった。


セレッソが同点に追いついた直後の52分に京都は川﨑に代えて金子大毅を投入。そのままアンカーに入る。

一方セレッソも57分に中原と加藤に代えて北野颯太とブルーノ・メンデスを投入。こちらもそのままそれぞれのポジション、北野は右SHに入った。


まず京都の川﨑の交代だが、今や京都の中心選手となった川﨑にとってはかなり早いタイミングでの交代。交代直前のプレーでもゴール前にまで入っていく動きを見せていたので負傷というわけでもないだろう。交代後の金子を見る限りおそらくこの交代の意図はポジショニングを修正したかったのだと思う。金子が入ってからのホール非保持時は、IH2人には前にアプローチに行かせるがアンカーの金子は3バックの前に常にポジションを取り続けていた。清武にここを使われているのがかなり嫌だったのだと思う。

そして後半立ち上がりの川﨑のプレーを見ると、前半よりもスタートポジションは後ろだった。なので川﨑にもその指示は出ていたのではないかと思う。しかしどうしても川﨑はボールホルダーにアタックに行きたがる。そして自分の後ろから脇のスペースを清武に使われ失点した。それを受けて曺貴裁監督は早いタイミングではあるが交代の決断を下したのではないかと思う。


一方のセレッソの交代だが、ピッチサイドにブルーノ・メンデスと北野が並んだ時点で交代は加藤と中原だろうというのは予想できた。

中原はミッドウィークにフル出場しているし、ブルーノ・メンデスを入れるなら加藤と代える以外は考えにくいからだ。

ただ、個人的にはこれで北野をFWに入れてブルーノ・メンデスとの2トップ、そして清武は右SHに入れるのかな?と思っていた。

これは北野がここまでFWでの出場を続けていたからというだけではなく、京都がアンカーを3バック前に固定する形をとったことで両SHが内側に入る4-2-2-2のような形にすれば再び中盤で数的有利を作れるのではないか?と考えたからである。京都の2IH+アンカーの3人に対してSCH+内側に入った2SHをぶつける形である。

しかし小菊監督は形は変えなかった。


ちなみに後半に入ってからキム・ジンヒョンのキックの精度が一気に下がってしまうのだが、こうなっていった最大の要因は後半1本目のパントキックでミスしてしまったからだとは思う。ここでキックの感覚がおかしくなりそれを戻せないままドンドンずれてしまったのだろう。

ただ、その兆候は前半の途中からあった。前半の途中というのは京都が5バックにしたタイミングである。

曺貴裁監督の試合後のコメントの中に「相手が後ろと前をわざと分離したビルドアップで・・・」と言っているが、セレッソは特にゴールキックの時にこのビルドアップをよくやる。具体的にはゴールエリアのわきにCB2枚、その両サイドの前にSBを立てて、ペナルティエリアのすぐ外にCH2枚。そして2SHとFWは前線に張らせる(左SBの丸橋までもが前に出ることもある)。


この立ち位置をとることで真ん中にあえて誰もいない大きなスペースを作り、ここに誰かがスペースの外から入ってきて、そこにキム・ジンヒョンからパスをつけるというやり方で、今や完全にマンツーマンで守るチームはほとんどないのでかなり有効になっている。

しかし京都は3バック/5バックにしてマンツーマンの意識を普段よりも強めたことで、前半の途中からついてくるようになった。

そうなるとここを狙うにはいつも以上の精度が求められるが、この状況で少しキックの感覚がずれてしまった。

なので後半はキックがずれたり、引っかかったりする場面が目立ったのだろう。

そうなればもう蹴ってしまってもいいし、近い選手につければいいんだけど。


話しを本題に戻すと、この辺りの時間帯から試合は徐々にオープンになっていった。

小菊監督は試合後のコメントで「オープンな展開になってしまったところは、攻撃、守備において、私たちの課題になってくるかと思います。」とし、一方で曺貴裁監督は「自分達は最後までカウンターの脅威として人数をかけていたし・・・」と語っていることから考えても、オープンになっていった展開は京都の土俵に乗せられたと言っていいだろう。

誤解の無い様に先に書いておくが、先ほど書いた「4-2-2-2にしていれば良かったんだ」と言いたい訳ではない。ただ、曺貴裁監督が様々な手を打って修正していくなかで、小菊監督は状況を有利に持っていくような手は打てなかった。なのでピッチ内で同点に追いついたセレッソがホーム開幕戦でさらに逆転にまで持っていくための方法は、オープンにするしかなかったのではないだろうか。


■オープンの先に立ちはだかった上福元直人


71分、セレッソは乾に代えて為田大貴を投入。投入時点ではまだ清武がトップ下にいたが、少し経った後に北野がFWに上がり清武は右に。4-2-2-2の形をとる。


これを受けて京都は75分に白井に代えて荒木大吾、松田天馬に代えて井上黎生人を投入。今季岡山から加入し昨季までの岡山ではCBでプレーしていた井上はアンカーに入り金子が一つ前に。そして右WBにそのまま荒木が入る。

セレッソが4-2-2-2になったことで中盤の強度を高める。そしてサイドは開きやすくなるので前で仕掛けられる荒木ということだろう。


そしてセレッソは79分に丸橋と奥埜に代えて山中亮輔と鈴木徳真を投入。

京都は86分に武富に代えて荻原拓也を投入。荒木が前に出て長井が右に回り、荻原は左WBに。カウンターの槍は残しつつ交代していない松田陸のサイドに前に出ることができる荻原を入れてきた。


オープンな展開の中で両チーム共にゴールの可能性を感じさせる攻防が続くが、決定機が多かったのはセレッソ。73分の北野のシュートは枠を外れたが、83分の清武、89分のブルーノ・メンデス、アディショナルタイムの北野のシュートにはことごとく上福元が立ちはだかった。

上福元の試合後のコメントにもあるように、最後の北野のシュートの場面はもし決まっていても得点には全てVARチェックが入るので最初の北野のFKをブロックしたところでファールを取られノーゴールとなる可能性が高いとは思うが、プロ11年目、大分、東京V、徳島で守護神を務めてきたキャリアを感じさせる開幕戦に続くビッグセーブ連発で、セレッソにゴールネットを揺らさせなかった。


試合はそのまま終了。1-1の引き分けに終わり、勝ち点1を分け合う結果となった。


■その他

チャンスの数や質ではセレッソの方が上回っていたので勝ちきれなかったとも言えるし、決定力不足に苦しんだとも言える試合となった。

しかし個人的に引き分けという結果に終わったのは監督による部分も大きかったと感じている。

序盤から構造で上回っていたことからセレッソは優位な状態でスタートできた。

しかし、そこから曺貴裁監督は様々な手を打つことで自分達の土俵に引き込んだ、不利な状況から始まった試合をワンチャンスありそうな展開に持っていき、引き分けという結果を引き寄せた。

それに対してこの試合の小菊監督は状況を再び優位に動かすような手は打てなかった。

もちろんこの1試合が全てではないのであくまで「この試合に関しては」ということではあるが、「単に決めきれなかった。」「上福元に止められまくった。」というよりも、試合中の監督の采配による影響を感じた試合だった。


1 件のコメント :

  1. 分析ありがとうございます、監督は完敗した去年のルヴァン決勝から変わらず駆け引きや修正力がないのだなと感じます。
    個人的なリクエストですが、去年と今年のチーム戦術の比較を分析中に交えてくれませんか。補強でチームの力(個人能力)は上がってるのかもしれませんが、マリノス戦1失点目のように守備面はかなり綻んできていると感じます。なんというかチームの共通認識となる規律が段々と薄れてきているような。

    返信削除

新着記事

人気の投稿

セレッソ大阪公式Twitter

楽天

楽天トラベル