2022年3月5日土曜日

明治安田生命J1リーグ 第3節 vs. FC東京 プレビュー

 2022年3月6日 16時00分:ヨドコウ桜スタジアム

予想スタメン

明治安田生命J1リーグ 第3節は本拠地ヨドコウ桜スタジアムにFC東京を迎える一戦。この試合がミッドウィークにルヴァンカップを挟んだ開幕5連戦の最後の試合となる。


■今季のFC東京

昨季終盤に退任したものの4シーズンに渡ってチームを率いた長谷川健太体制を終え、今季からアルベル監督を招聘したFC東京。

縦に速いスタイルのサッカーからスペイン式ポジショナルプレーの原則をもとにしたチームへと大きく舵をきった。


またこの路線変更を受けて数々の補強も敢行。主力クラスで抜けたのはベルギーのKVコルトレイクに移籍した渡邉剛とポルトガルのサンタクララに移籍した田川亨介ぐらいだが、昨季は大分でプレーしたエンリケ・トレヴィザン、鳥栖から山下敬大、名古屋から木本恭生、仙台からヤクブ・スウォビィクと派手なビッグディールではないものの確実に計算できる実力者を複数獲得。そして青森山田から松木玖生も加入した。


迎えた開幕戦、今季のJリーグ全体での開幕カードとなった金曜夜の等々力での川崎フロンターレ戦では結果的に敗れてしまったものの、王者相手に堂々とした戦いを披露。内容的にはFC東京が上回っていたのではないかと思わせるほどの試合だった。

注目の松木もこの試合で先発し74分までプレー。抜群のテクニックがあるわけでもなく、爆発的なスピードを持っているわけでもないので「わかりやすい選手」というわけではないのだが、チームの戦い方の中で任されたタスクを担いながら高卒ルーキーとは思えないおちついた素晴らしいプレーを見せていた。


しかしここからFC東京はチーム内に新型コロナウイルスの陽性者が続出しまったことでチームは活動停止に陥る。開幕戦でもキャプテン森重真人が欠場していたが、2月後半にはなんと陽性判定を受けた選手の数が20人にまで上ることとなった。

チームが活動を再開したのは2月27日。3月2日にはアビスパ福岡とルヴァンカップを戦い、この試合が再開後2試合目となる。


戦い方としてはいわゆるスペイン式の4-3-3。

2CB+アンカーの3人をベースにビルドアップを行うが、アンカーのポジショニングは相手の守備の1列目のやり方によって変化。CBに選手をぶつけてくるようならアンカーが下がって3バック化、FWがアンカーを消すように立つなら2-1の形は変えない。

そしてビルドアップの時に最初からSBは高い位置を取ることはあまりなく、CBからSBにボールがでたところからボール前進はスタート。SB+ボールサイドのIH+ボールサイドのWGの3人のコンビネーションがメインで、WGが内側に入りIHが背後に飛び出す形、IHが下がってSBは内側にWGは背後、と複数のバリエーションを使いながら、時にはSBがWGを追い越しCBからWGにパスを出す形や、IHがSBの後ろに降りる形なども使い分けてくる。

そしてこうした同サイドでのボール運びだけではなく、ここで詰まればアンカーや下りたIHを使ってサイドチェンジ。基本の立ち位置では幅をとっているがWGなのでサイドチェンジを高い位置で受けることが出来るし、そこにSBが後ろから飛び出しさらに加速する。

同サイドのWG・IH・SBのコンビネーションはアタッキングサードでも活用し、狙うのはハーフスペース一番奥のポケット。セレッソもロティーナ時代によくやっていた逆足WGによるファーサイドへのクロスという形もある。


守備では4-3-3からの4-1-4-1だけでなく、開幕戦では右WGのレアンドロを前に残す4-4-2も見せていたが、IHが前に出る4-4-2もある。

ただしここまでの2試合は共に0-1で敗戦。どちらも1失点しか喫していないがまだ得点はない。


ただ、それ以上に厳しいのはやはりコンディション面だろう。

20人も陽性者が出てしまったのだから当然である。

復帰戦となったミッドウィークのルヴァンカップ福岡戦でも登録メンバーはベンチを1人余らせた17人。しかもベンチのフィールドプレーヤー5人のうち4人が2種登録選手と高校生ながら内定が決まっている特別強化指定選手だった。

そしてさらにその福岡戦ではアンカーに入った青木拓矢が負傷交代となっている。


■メンバー

セレッソ大阪の予想スタメンだが、前節の京都戦がベースになるか。松田陸はここまで4試合連続で先発しているが、ルヴァンで初出場したものの毎熊晟矢のコンディションはまだまだの様子。

また中原輝も3試合連続で先発しているが、右SHで機能しているのが今の所中原だけなので継続となるのではないだろうか。

入れ替わりがあるとすればワントップのところだが、スタートは加藤陸次樹の可能性が高いのではないかと思う。

セレッソもコンディション面でプレーできない選手を抱えている。ただし、まだ今季出場がない山田寛人やルヴァンカップの第1節に出場して以降ベンチ外となった中島元彦の姿も見られるようになってきているので、ルヴァンカップでプレーしているメンバーも含めてベンチは何人かの入れ替えがあるか。


FC東京の予想スタメンだが、こちらは何人がどこまで戻っているかにかかっている。

水曜日のルヴァンカップ福岡戦のベンチを含めたメンバーを見る限りかなりプレーできる選手が制限されていたと思われる。

前日会見で「ほとんどの選手が復帰して、まだプレーできないのは3、4人ほど。」と語っているので多くの選手は戻ってきているようだが、先発できるほどのコンディションにまで戻っているとは考えにくいので、ルヴァンカップのメンバーをベースに多くの選手はベンチスタートにとどまるのではないだろうか。


■中盤の強度を外せるか?

新しい戦い方にトライしているFC東京だが、ビルドアップなど可能性は感じさせる場面はいくつもあるもののまだ2試合しか行っていないということもあり精度はまだまだ。発展途上感は否めない。

そんな中でも連敗とはいえ最小失点で抑えているのは長谷川体制からの財産である高い中盤の強度をキープしていることが大きい。中盤で先発しているのは、青木拓矢、安部柊斗、そして開幕戦では松木、ルヴァンでは渡辺凌磨である。

特に開幕戦では気まぐれにしか守備しないレアンドロがいながらもこの3人がカバーし、さらにはボールを持てば前にも出られていたし、ルヴァンカップ福岡戦でも活動再開から間がないにも関わらず強度の高い福岡相手に互角以上の強度を見せていた。

それだけに青木の負傷の状態が気になるところだが、セレッソが優位に試合を運ぶにはこの高い中盤の強度をポジショニングとボール循環でどう外すことができるかがポイントになるだろう。

セレッソとしては長いボールを織り交ぜることで相手の最終ラインを下げ、相手の中盤がカバーするエリアを広げたところを活用し、ビルドアップから優位に立ちたい。


またセレッソにも連戦で連続して出場している選手が複数いるというコンディション面の問題もある。

なのでそこは交代で入ってくる選手に期待したいところ。

前半に先制して逃げ切るというのが小菊監督の勝ちパターンとなっているが、もし0-0が続く我慢の戦いになったとしても焦れないことが大切だろう。


ルヴァンカップでは2連勝と結果を残しているが、リーグ戦ではまだ未勝利。

ホームゲームで今季リーグ戦初勝利を飾りたい。


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