スタジアム | ベストアメニティスタジアム | 主審 | 飯田 淳平 |
入場者数 | 5,391人 | 副審 | 権田 智久、亀川 哲弘 |
天候 / 気温 / 湿度 | 曇り / 25℃ / 74% | 第4の審判員 | 塩津 祐介 |
メンバー
スターティングメンバー |
- 監督
- マッシモ フィッカデンティ
- 監督
- 大熊 清
試合経過
-
75'
- 71'
-
66'
- 58'
-
52'
- 45'
-
34'
- 31'
- 16'
データ
今回対戦 | 今季平均 | |||
データ項目 | ||||
FK | 11 | 17 | 11 | 14 |
CK | 1 | 4 | 3 | 7 |
PK | 1 | 0 | 1 | 0 |
シュート | 10 | 15 | 10 | 23 |
警告/退場 | 0/0 | 2/0 | 1/0 | 1/0 |
公式記録(pdf) http://www.jfa.jp/match/emperorscup_2016/schedule_result/pdf/m72.pdf
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 大熊清監督サガン鳥栖 マッシモ・フィッカデンティ監督
セレッソ大阪 山口選手、ソウザ選手、清原選手、リカルド・サントス選手、丸橋選手、杉本選手
サガン鳥栖 福田選手、キム・ミヌ選手
サガン鳥栖 富山選手、福田選手
第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会3回戦、セレッソ大阪は敵地ベストアメニティスタジアムで直近2試合は浦和・広島に連敗したもののセカンドステージに入って調子をあげているJ1サガン鳥栖と対戦し、前後半1点ずつを奪われ2-0で敗戦。第96回天皇杯は3回戦で終了となった。
■メンバー
セレッソのメンバーは、直近のリーグ戦から5人を入れ替え。いつもと同じ3-4-2-1の布陣で1トップには玉田に代えてリカルド・サントス、シャドゥには清原と関口、右WBには椋原、最終ラインには茂庭が入っている。またベンチにはその先発から外れた内の3人、松田、酒本、ソウザが入り、先発か?との報道もあった澤上もベンチスタート、さらに負傷明けの杉本や久々のトップチーム帯同となった丸岡もベンチ入りしている。
ただこのメンバー構成を見ている限り丸岡が出場するケースはちょっと考えにくく、それならCBの庄司をという感じなのですが、どういう想定でこのメンバーを選んだのかは知りたい所です。
一方の鳥栖ですが、豊田、エル・カビルの2トップが中2日で迎える次節が出場停止という事でこの試合に起用できる条件が揃っているだけにどのようなメンバー構成で来るのかが気になる所でしたが、フィッカデンティが選択したのは先週末のサンフレッチェ広島戦と全く同じベストメンバーと言える先発メンバー。
FC東京の監督時にも使用していた4-3-1-2で、2トップには豊田とエル・カビル、トップ下には鎌田、インサイドハーフの右にキム・ミヌ、左に福田、アンカーに高橋義希が入っている。
鳥栖との対戦は2年ぶりとなるセレッソにとって初対戦となる選手は、新外国人のエル・カビル、トップ下の鎌田、大卒2年目の福田、ベンチにいる左SB三丸、2種登録選手の石川ぐらいでしょうか。
ただ福田は特別強化指定選手だった2013年のベストアメニティスタジアムでの鳥栖対セレッソの試合で出場はありませんでしたがベンチ入りしていました。
■攻守にセレッソを圧倒する鳥栖
試合は立ち上がりから鳥栖ペースとなりました。鳥栖のビルドアップ |
ただこの日の鳥栖はCB2人とアンカー1人。なので相手がダブルボランチの時とは勝手が違うのですが、それでも同じように行われていました。
そのセレッソの前線3人の守備に対して鳥栖はシャドゥの間にアンカーの高橋が入り2人の動きを止め、1トップのリカルド・サントスを2CBで外す事で後ろの優位性を確保する。
そして左右のインサイドハーフがセレッソのダブルボランチ脇のスペースにでて上がったSBと2人でセレッソのWBに対して2対1の状況を作る。ここに対応しようとセレッソのダブルボランチが動かされるとCBがボールを持っている時には前線の2人と並ぶぐらい高い位置をとっていた鎌田がボランチの間や動いた後の空いたスペースに顔を出してボールを受けてきます。
この形に対してセレッソは立ち上がりから全く対応出来ずに面白い様にボールを動かされ、ただひたすら後追いするしかないシーンが続出。
鳥栖の選手が最終的に狙うのはインサイドハーフとSB+FWもしくは鎌田でWBの裏で、立ち上がりからここを何度も攻略されていました。
インサイドハーフに入る福田とキム・ミヌの2人と、遅れて出て来ることの多い鎌田のポジショニングは秀逸で、山口と山村のダブルボランチは例えば1対1など個人レベルでは対応出来る事も多いのでしょうが、そもそも個人レベルで対応できる状況を作らせてもらえず、動かされっぱなし。さらにWBの裏に抜ける動きも見せる事で誰も捕まえきれない状況が続きます。
高橋が最終ラインに降りる場面も |
そしてハマったとしても、そうなると今度はアンカーの高橋が最終ラインに降りて3バック化する事でそのプレッシャーを回避、さらにインサイドハーフが降りてきてビルドアップの出口になるところまで準備できているので、セレッソは何とか後ろで身体をはって止めるしかないような状態になっていました。
鳥栖の守備 |
もしここが遅れると、セレッソはサイドチェンジを使って空いてる方空いてる方にボールを動かし何とかやり様があったのでしょうが、鳥栖の陣形はコンパクトで選手間の距離が近くなっているので、一気に人数を集められてしまいそれだけの時間を与えてもらえない。
また最終ラインと使わずに中盤、ボランチの所に一気にボールが入れば鎌田は前線に出ずに中盤で守備をする。
この形に対してセレッソは特に何も準備できていないので、最終的には最終ラインやSBに出た一瞬で前線にロングボールを蹴るぐらいしか出来なくなり全くボールが運べない、またそんな中で慌てて蹴ったロングボールに精度を求める事はできず、せいぜい何か事故が起こればいいのに程度の攻撃しかできなくなっていました。
この展開はおそらく鳥栖にとっては立ち上がりから攻守に狙い通りの形で戦う事が出来ている状況。もしセレッソが何か起こせるとしたらこの展開の中でも何とか粘って相手をノーゴールに抑えること。実際鳥栖は内容で上回っているにもかかわらずゴールが奪えないまま苦労するゲームもあるのでそういう展開になればまだ可能性があったのでしょうが、31分に左サイドからのクロスのシーンでファーサイドで競り合っていた丸橋がペナルティエリア内で豊田に対してホールディングを犯してしまいPK。一旦はおそらく鎌田がキックの前にペナルティエリアに侵入してしまいやり直しとなりますが、やり直しのキックも豊田が決めて鳥栖が先制します。
■優位と修正
後半開始〜 |
前半に鳥栖が先制した事で全体の守備を少し下げた事もあって、この試合の立ち上がりよりはボールを持てる時間も増えていたセレッソでしたが、効果的な形はやはり作れない。
またセレッソが少し前がかりになる事で後ろにスペースができ、ボールを奪われた後にエル・カビルがそのスペースを使おうとする場面や、さらに高い位置からボールを奪おうとするセレッソの1トップ2シャドゥを引き出しセレッソのボランチと前線の間にスペースを作って攻撃を仕掛ける場面が続出。
そして前半から見せているインサイドハーフとSBでサイドを攻略し決定機を作る場面を作り出します。
58分〜 |
鳥栖は52分鎌田に代えて早坂を投入。セレッソは58分茂庭に代えてソウザを投入。
鳥栖は同じポジションで選手の入れ替わりだけでしたが、セレッソはこの交代で4バックに変更。ソウザがトップ下に入る4-2-3-1になります。
システム変更による効果 |
セレッソは2CBが鳥栖の2トップと同数で対峙する形になっているのですが、この時間帯になるとここまでプレッシャーをかけに来ない。そしてその2トップの脇にボランチが出て行く事で交代でトップ下に入った早坂の3人目のアプローチも間に合わないし、動けばトップ下のソウザが降りてくる。するとそれまで椋原と丸橋を苦しめていたインサイドハーフのアプローチも近くにボランチがいる事でかんたんに叩かれる状況になっているので寄せきれない。
その結果ボールサイドを限定して中盤3人でボールサイドに寄せて守備をする鳥栖に対してセレッソは逆サイドで空いているSBにサイドチェンジが出せるようになっていきます。
60分過ぎからこの形で押し込める様になり、杉本からのクロスをファーでリカルド・サントスが頭で合わせる場面、そしてさらにSBとCBの間を攻略し山口のクロスをリカルド・サントスが足下で合わせる決定機を2つ続けて作りましたが残念ながらこの2つの決定機にリカルド・サントスはシュートをミスしてしまい決められず同点のチャンスを逃してしまいます。
66分〜 |
71分〜 |
この交代ですが、セレッソベンチとしてはどういう考えだったかちょっと聞いてみたい所です。
というのは、酒本への交代がダメという訳ではなくこの交代が鳥栖のシステム変更を理解できてのものだったのかどうか。
鳥栖が4-4-2に変えてからも、それまで同様ピッチ内の選手たちは4-2-3-1に代えて上手くいっていると感じて押し込む場面が続いていました。
しかしサイドに展開しても鳥栖が4-4-2に変更した事ですぐにSHとSBで2対2の状況にして対応されるので、変更前に比べていい形は出来なくなっていました。
そして酒本の投入直前、椋原はそれまで自分の場所に向かって出て来る事が多かった左SBの吉田と左インサイドハーフの福田の2人の関係に対応しようとした所で、その外側にもう1人キム・ミヌがいる事でちょっと混乱してしまい少し危ない場面を作られていました。
もしかするとこの場面を状況が変わった事で混乱したのではなく、単にこの試合が久々のトップでの試合となる椋原が疲れてきたと判断したのではないかと感じる場面があるからです。
その場面は73分頃の場面、主審の飯田淳平さんが田中に対してファールの笛を吹いたのでプレーが切れましたが酒本が田中のヘルプでプレスバックした時に左SHのキム・ミヌの存在を把握できていないかの様子で裏に飛び出されるシーンがあり、さらに75分にも同じように左サイドにでてきた高橋とその外側にいるキム・ミヌとの関係がボランチの選手と把握しきれておらず、左サイドに基点を作られると、吉田からのパスをそのまま前線にでていた高橋がヒールで落としそれに反応した富山がゴール右隅に流し込む形で鳥栖が追加点を決めました。
そしてさらに、ここからは前がかりになっていたからかもしれませんが、その後も何度も同じような状態が見られます。
その後セレッソは杉本のミドルシュートがクロスバーを直撃するシーンもありましたが、4-4-2にした事でサイドで対応できる人数をそろえた鳥栖の守備を上回るようなものは見せる事が出来ずそのまま試合終了。
2-0で鳥栖が勝利しセレッソの第96回天皇杯は3回戦で終了することとなった。
■その他
試合後のコメントでは後半のチャンスを立て続けに作った時間帯があった事で手応えを感じる様なものがあったり、チャンスに決めていればというものもありましたが、試合を通じて見れば普通にやって普通に負けたという内容だったと思います。リカルド・サントスが迎えた2つのチャンスは決定的でしたから決めて欲しい所ではありましたが、冷静に考えるとしっかりと整備されたチームが状況を見ながら的確な判断で的確に戦ったチームが勝ったという妥当な結果だったかと。
それだけに個人的にはちょっと差を感じてしまいました。
前半
Live Streaming Services
後半
Live Streaming Services
Akiさん、試合配信とレビューありがとうございます。
返信削除フィッカデンティ監督と大声監督のコメントの差にすら泣けてきますね。
富山に対して得点だけじゃなく意図を持って送り出したと言ってるのに
鳥栖のカウンターから頑張りが必要だと感じたとしか言えないなんて・・・
鳥栖の頑張りを評価したのも、後半は鳥栖の吉田選手が自分の目の前でプレーしてるから
余計にそう感じて発言してそうですし、本当に何も把握出来て無さそうですね。
コメントありがとうございます。
削除抽象的な言葉ってあえて使う事もありますけど、この人はそれが全てですからね。
困ったものです・・・(苦笑)。