2017年10月29日 16時00分:キンチョウスタジアム
予想スタメン |
天皇杯準々決勝から中3日で行われる明治安田生命J1リーグ 第31節。対戦相手も会場も天皇杯と同じく、セレッソ大阪は本拠地キンチョウスタジアムで大宮アルディージャとの対戦となる。
■前回の対戦
直近の対戦となるとミッドウィークの天皇杯という事になるのだが、そこは割愛。リーグ戦で対戦したのは5月20日の第12節、敵地NACK5スタジアムでの試合で、後半にセットプレーからの2得点を含めた3点を奪ったセレッソが0-3で勝利している。
この試合の両者の布陣は共に4-4-2。セレッソは杉本と山村の2トップにSHは清武と柿谷。ダブルボランチをソウザと山口が組み、最終ラインは右から松田、ヨニッチ、山下、丸橋が入りGKはキム・ジンヒョンが務める。
一方の大宮だが、なかなか勝てずに苦労していた今シーズン序盤。様々選手や配置を入れ替えたりしていた中だったが、このセレッソ戦の前節、第11節のベガルタ仙台戦で、ようやく今シーズン2勝目を挙げたことでその試合で機能したメンバーが並ぶ形となっている。
2トップを組むのは瀬川と江坂。2列目は右にマテウス、左に大前が入り、ボランチには金澤と茨田。最終ラインは渡部、山越、菊地、和田が並び、GKには塩田が入っていた。
サイズは無いが機動力の高い選手を並べてきた大宮。
4-4-2同士のミラーゲームということで、大宮は迎撃型のプレッシングを採用。2トップはセレッソのCBにまでアプローチをかけることは少ないものの、そこから出たボールに対しては激しくアプローチをかけるという形が基本。そしてそこを外されるとブロックを落として4-4-2でしっかり守るというという形になっていた。
セレッソは長いボールを織り交ぜることで大宮の迎撃型プレッシングは回避していたものの、ブロックを落とされるとボール保持の形が整備されていない分、攻めきれないという時間が続いていた。
一方で大宮はビルドアップのときにSHを中に入れてSBを上げるという形はあるものの、その形は機能せず、シンプルに機動力の高い前線の選手がスペースに出た時にチャンスを作れていた。
その結果、CKから清武のゴールでセレッソが先制した直後の68分に2枚替え。後半開始早々に菊地の負傷交代で交代枠を1つつかっていたので、残り20分以上あるにもかかわらず交代枠を使い切っている。
変えたのは、大前、マテウスから、アーリアと大山へ。
江坂の1トップにアーリアがトップ下。右SHに大山、左SHに瀬川という4-2-3-1になった。
しかしその直後に再びCKから山村が合わせて追加点を決めると、最後は関口からのクロスを杉本が決めて0-3。
前半は少し硬直した試合だったが、後半にセレッソがセットプレーから奪ったゴールをきっかけに得点を重ね快勝した。
■最近の大宮アルディージャ
序盤から勝ち点を重ねられなかったお大宮は、前回対戦後の5月28日に渋谷監督を解任。また例年の様に外国人選手も入れ替えているので、ほぼ別のチームになっている。そしてミッドウィークの天皇杯で対戦したチームは、前節柏戦で出場停止だったマルセロ・トスカーノを除いてサブ組。最近の試合で先発しているメンバーはほとんどいない。
そんな大宮が最後に勝ったのは8月13日の第22節新潟戦。伊藤監督就任直後は、第14節鳥栖戦に引き分け、さらに同じく降格圏で苦しむ第15節新潟戦、第16節広島戦に連勝したものの、この連勝の後は先程の第22節新潟戦まで勝利が無く、そこから8試合勝利から遠ざかっている。
とはいえここ3試合は連続して引き分け中。特に前々節の横浜・マリノス戦、前節柏レイソル戦とセレッソにとってACL圏を争うライバルとなるチームにいずれも1-1で引き分けており、どうにもこうにもならない状態という訳ではない。
中心メンバーとして前回対戦時から残っているのが、江坂、横谷、茨田、マテウス、奥井、菊地、河本、加藤ら。ここに新外国人のマルセロ・トスカーノとカウエが加わっている。
そして伊藤監督就任直後は4-1-4-1などの布陣も使っていたが、現在の布陣は4-4-2。
天皇杯ではボランチだったマルセロ・トスカーノと江坂が2トップ。横谷とマテウスが2列目に入り、カウエは茨田と並んでボランチで起用されている。
カウエはその見た目通り身体能力が高い選手だ。
前回対戦時の様にCBに負傷者が出ていたりすることもなく、また負傷離脱していた瀬川も天皇杯で出場したように復帰している。
ただ、左SBの和田が離脱し、その後右には奥井がいるので右SBが本職の渡部を左で起用してきたが、その渡部も離脱。現在はCBが本職の高山を起用している。
前線に入るマルセロ・トスカーノが天皇杯でボランチをしていたように、ボールを配給したりもできる選手なのだが、スタートポジションはトップで起用されている普段でも、下がってボールを受けたり、ためを作って味方の追い越しを待ったりするプレーをする。
また2トップを組む江坂もトップや2列目、サイドなどなんでも出来る選手で、マテウスや瀬川は前に出ていくことが出来る。さらに右サイドでは横谷のワンクッションを挟んで後ろから奥井も出てくる。
その為前線は結構ポジションを変えながら流動的に動く。そして、このチームの根本はボールを持ちたいチームであることから、流動的な攻撃を特徴としているチームとも言われる。
ただ、ここ数試合はやはり守備に重点を置いていることもあって少し自重気味だ。
そして、天皇杯で見せたボランチだけはそのままで時計回りにポジションをグルッと動かす3バック変形について。
現在の大宮は、左SBがCBの選手、右SBは攻撃参加が得意の奥井という形になっている。
なので天皇杯の時とは逆回転、反時計回りにずれ3バックで奥井が前に出ているという形で、瞬間的にはそれに近い形を見せていた事もある。
しかしそれは、あくまで偶発的なものだろう。天皇杯の時の様にオートマチックに動き出すという事もなく、整理されている様子はうかがえない。
ただ、もしかすると大宮は天皇杯でこの形をテストした可能性がある。
直近の柏戦、マリノス戦は引き分けたものの、実際の内容は相手の高い位置からのプレッシングに苦しみほとんどボールを持てず、何もさせてもらえなかった。
そんな中でもブロックを落としてなんとか守り、そしてマリノス戦ではパワープレーで、柏戦ではマテウスのとんでもないFKでなんとか追いついたのがこの2試合だった。
現在の大宮は、残り4試合で残留圏との勝ち点差4。引き分けでは追いつけない、勝ち点3を取らないといけない状況に追い込まれている。
そんな中で、なんとか勝ち点3を奪うためのアイデアの1つが、グルッと回る3バック化ということなのかもしれない。
■プレビュー
セレッソのメンバーは、天皇杯で山村が復帰したものの、まだまだコンディション調整段階。なので天皇杯から10人を入れ替える形で、先発メンバーには前節と同じ11人が並ぶ形になるだろう。一方の大宮もおそらく同じ。マルセロ・トスカーノだけが残って、他の10人は柏戦のメンバー。柏戦からいうと長谷川アーリアジャスールとマルセロ・トスカーノが入れ替わる形になりそうだ。
伊藤監督は天皇杯での3バック化に手応えを感じているコメントを出していたので、この試合では逆回転の3バック化をしてくる可能性もある。
もしそうなった場合のポイントは相手のボランチに対する守備。3バック化でボールを持てるという手応えを感じていたのはボランチが空くから。ここを2トップのプレスバックと、ボランチの飛び出し、そしてそれに連動した最終ラインの押し上げで消しに行かないといけない。
一方攻撃では、天皇杯同様に変形の隙を突く攻撃は必ず効果がある。
3バック脇のスペースはもちろん、移動の隙間に入れるクサビはスペースを作る。大宮の守備陣は結構喰いつく傾向が強いので、特に効果的となってくるだろう。
今シーズンのセレッソは守備から攻撃への切り替えのスピードがリーグで最も速いチームとなっている。相手が変形するということはその強みを発揮しやすいということでもある。
そして、もし点が取れない時間が続いたとしてもバランスを崩さないこと。
ゴールはセットプレーからでも奪えるので、十分チャンスはある。
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