2018年5月2日 19時00分:パロマ瑞穂スタジアム
予想スタメン |
■名古屋グランパス
一昨年に初のJ2降格を経験。昨季は風間八宏監督を就任させ1年でのJ1復帰に成功した名古屋グランパス。川崎フロンターレ躍進の基盤を作った風間監督2年目。さらにブラジル代表経験を持つスジョー、ドルトムントにも所属していたランゲラク、デカくて強いCBホーシャ、長谷川アーリアジャスール、など大型補強も敢行。そして開幕2連勝、3試合負け無しと好調なスタートを切ったことから、2014年のガンバ、昨季のセレッソの様にもしかすると昇格1年目から躍進を見せるのか?とにわかに注目を集めた名古屋だったが、その後4節から8連敗。現在は最下位に沈んでいる。
普通に考えると、昨季もJ2では飛び抜けた戦力を持ちながら3位に終わりプレーオフでの昇格。そんな中、昨季の同じ立場だったセレッソは監督を代えたが、今季の名古屋は同じやり方で戦っているので、スタート時点でのJ1で18番目のクラブという立ち位置から考えると、シーズン序盤にこの成績であることはそれほど不思議なことでもないのかもしれない。
ただ、やはり戦力的なものを加算して考えるとこの順位ではないし、風間監督の実績も十分。そう考えると、今後順位を上げていく可能性は十分あるとも言えるだろう。
そしてここ最近の名古屋だが、シンプルに失点がとにかく多い。
第5節以降、ここ6試合の失点は20。8節の鹿島戦の2失点以外は全て3失点。同じ期間の得点数は7で一応1試合平均で得点は1以上はあるものの、流石にこの失点数では厳しい。
失点の原因になっているのはボールを失った時のポジショニングが悪いこと。
実はこの問題点は風間監督が率いていた当時の川崎フロンターレでも見られた傾向で、これが当時の川崎がタイトルに手が届かなかった原因だったと個人的には考えている。
ボールプレーヤーを重用する風間監督のチームは、川崎フロンターレがそうであるように狭いエリアでも複数の選手が絡んでどんどんボールを繋ぎ相手を崩していこうとする。
しかし、その状態をもう少し広い視野で見ると局面に多くの人数が集まっているということ。つまりピッチ上での各選手のポジションバランスは崩れている。
なのでそこでボールを奪われると大きなスペースが出来ているところが存在している。
最近ヨーロッパサッカーを中心によく使われているポジショナルプレーなどでは、ポジショニングで優位性を作り、そのポジショニングはアプローチのかけ方や誰がどこに行くかなどボールを失った時のことも考えられているのだが、風間監督のチームは「止める蹴る」に特化している分、そこに弱点を抱えているのだろう。
とはいえ、その問題点は風間監督も把握している。風間監督はメディアの使い方が上手いので決してそのようなことは発言しないし、「ボールを失わなければ良い」「ミスが起こったからだ」と言うが、ここまでの戦い方を見るとそれを何とかカバーしようとしている姿は見られる。
その一例がフォーメーションの変遷。開幕当初は攻撃時はアンカーのいる4-3-3、守備時はインサイドハーフが1人前にでて4-4-2という形で戦っていたが、ボールを失った時にインサイドハーフが前にアプローチに出たところでアンカー脇を使われたので、最初から4-4-2で戦う形に変更。
さらに前節のFC東京戦では3バック+ダブルボランチにしてきた。(しかし上手くいかなかったので前半で4-4-2に戻した。)
またこの守備面での問題が攻撃面にも現れるようになったのが、現在の8連敗と苦しい状況になっている一番の要因だろう。川崎時代も同じように守備面での問題を抱えていたが、それを攻撃力でカバーしていたのでタイトルには届かないものの勝ち点は積み重ねることができていた。
しかし現在はそれが出来なくなっている。
守備面で問題を抱えているため、ボールはサイドでつなぐ形が増えている。しかし名古屋は先に書いたように局面に人数をかける形が多いので、そこで結局攻撃が詰まってしまう。そして奪われるという形がかなり増えている。
先程、「直近6試合での得点数は7で一応1試合平均で得点は1以上はある」と書いたが実はこのほとんどがセットプレー。今季名古屋の得点者は3人しかいないのだが、その半分時を記録しているのが高さのあるジョーとホーシャ。あと1人は4得点を記録しているガブリエル・シャビエルなのだが、このガブリエル・シャビエルも得点は5節の鳥栖戦が最後。直近2試合はキッカーとしてアシストを記録しているのみとなっている。
■プレビュー
名古屋グランパスのメンバーだが、前節のスタート時点では3バックを採用したもののさっぱりだったので、おそらくスタートから4-4-2に戻してくるだろう。それを踏まえてのメンバーだが、前線のジョーとガブリエル・シャビエルの2トップ、ボランチの小林、CBのホーシャは不可欠なメンバー。そしてSHで前節復帰した青木が戻ってくるのも間違いないだろう。
その他のメンバーに関しては様々なパターンが考えられるが、ビルドアップのことを考えると長谷川アーリアジャスールがボランチに入り、秋山が左SH、和泉が左SB、宮原が右SBという形が濃厚か。また17歳にして開幕から全試合フル出場を続けていたCBの菅原は前節はHTで交代となった。ここも4バックだと後半そのポジションを務めた櫛引に代えてくるのか、それとも菅原のままで行くのか。どちらにも可能性はある。
一方のセレッソ大阪のメンバーだが、嬉しい情報としてはオスマルが復帰濃厚というものがある。前節は中2日ということもありあきらかにボランチには疲労が見られた。今節はオスマルがコンディション的にスタートから使える状態であるなら、いきなりの先発が濃厚だろう。
しかしその反面、前節の試合でヤン・ドンヒョンが離脱したとの情報もある。状態は深刻ではないとのことだが中3日なのでベンチ外が濃厚。2トップは前節に引き続き柿谷と杉本になるだろう。
SHに関してはターンオーバーをするなら福満と高木という組み合わせになるが、コンディション度外視で面白そうなのは福満と清武。個人的にはバイタルエリアを突く2人を見てみたい。
試合のポイントとしては、セレッソが攻守の切り替えで名古屋のCBとボランチの間をいかに使えるかというところだろう。ここには間違いなくスペースができる。なのでボールを奪った後にトップへの縦パスや、杉本へのロングボールからのセカンドボールでここに2列目の選手が入り込み一気に名古屋ゴールを陥れたい。
守備としては、ガブリエル・シャビエルや青木など名古屋には細かいプレーができるボールプレーヤーがかなり多い。しかしボールを基準としたポジショニングでしっかりとブロックを作ることができれば十分対応出来るはず。
前節の様に自陣でのシンプルなミスや、名古屋得意のセットプレーを避けるため安易なファウルには注意したいが、相手にボールを持たれてもスペースさえ埋めることができれば対応可能。そしてそこからのカウンターを狙えるだろう。
前節のFC東京戦、そして今節のセレッソ大阪戦と次節の横浜F・マリノス戦と長谷川アーリアジャスールは古巣3連戦としてかなり気合が入っているようだが、前節の引き分けを大きなプラスにするためにもこの試合はセレッソも負けられない。
そしてセレッソにとってそれだけのチャンスは十分あるはずだ。
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