スタジアム | ヤンマースタジアム長居 | 主審 | 上田 益也 |
入場者数 | 34,303人 | 副審 | 和角 敏之、馬場 規 |
天候 / 気温 / 湿度 | 晴 / 29.8℃ / 59% | 第4の審判員 | 上村 篤史 |
メンバー
- 監督
- 尹 晶煥
- 監督
- 宮本 恒靖
<監督・選手コメント>
セレッソ大阪 尹晶煥監督ガンバ大阪 宮本恒靖監督
セレッソ大阪 山口選手、山村選手、オスマル選手
ガンバ大阪 藤春選手、アデミウソン選手(Jリーグ公式)
前節は台風の影響で延期となったため2週間ぶりに行われるリーグ戦、明治安田生命J1リーグ第29節は本拠地ヤンマースタジアム長居で行われたセレッソ大阪対ガンバ大阪、今季2度目の大阪ダービーは、セレッソ大阪は前半に奪われた1点を返しきれず0-1でガンバ大阪の勝利に終わった。
■メンバー
セレッソ大阪のメンバーは、杉本が湘南戦での負傷、柿谷が体調不良の影響でベンチ外となっていることもあり1トップには山村を起用。山村も今週のトレーニングで左手を負傷したためギプスをしてのプレーとなるが、まだプレーできるという判断なのだろう。そしてシャドウには清武とリーグ戦では第20節の鳥栖戦以来のスタメンとなる水沼。ボランチ以下はソウザ、山口、丸橋、松田、オスマル、ヨニッチ、木本、キム・ジンヒョンといつものメンバーが並ぶ。
またFW2人がベンチ外となった影響で澤上がリーグ戦としては昨季の最終節以来のベンチ入りとなった。
一方のガンバ大阪のメンバーは、エースのファン・ウィジョが累積警告で出場停止となっているため先発で起用されたのはアデミウソン。ただしその他のメンバーは10人は前節と全く同じで、2トップを組むのは渡辺千真、SHには小野瀬と倉田、ボランチには遠藤と今野が入り最終ラインは藤春、ファビオ、三浦、オ・ジェソク。GKには東口が入る4-4-2となっている。
■WBを誰が見るか
長崎の高木監督がよくやるようにコイントスに勝ったガンバがエンドを変えてスタートした前半。立ち上がりからチャンスを作ったのはセレッソだった。立ち上がりのガンバの守備 |
ここでセレッソがボランチからWBにボールを出すと、ガンバのSHはWBに対してアプローチをかけてくる。ガンバの守備のスタート地点はここに設定されていた様だ。
しかし立ち上がりは、この時セレッソのWBが3バックの両サイドにボールを戻すと、ガンバのSHは2度追いをしてこの3バックの両サイドにまで出て簡単に喰い付いてしまう場面が見られていた。
逆サイドにフリーが生まれる |
この形で開始1分にならないうちに右サイドからの展開でフリーになっていた丸橋がボックス内に侵入。
2分には丸橋のクロスから逆サイドの大外からボックス内に入ってきた松田がフリーでシュート。このシュートは東口がセーブしCKにしたがビッグチャンスだった。
このCKのこぼれ球からソウザのシュートがゴールネットを揺らすもオフサイドポジションにいた木本がプレーに関与したとしてオフサイドの判定。立ち上がりの開始5分にならないうちからセレッソが何度もチャンスを作っていた。
2分の松田のシュートとなった大外にクロスをあげて逆サイドのWBが飛び込んでくる形はこの後何度も見られたことから考えると、この試合に向けてセレッソが準備してきたプレーだったのだろう。
ガンバの守備2 |
そうなると3バックの両サイドはフリーになってしまうのだがここはあくまで2トップに任せ、よほど自分のエリアまで入ってこない限りは放置するようになっていた。
ガンバの攻撃の狙い |
ガンバが準備してきたのは5分の渡辺千真が抜け出した場面のようなセレッソの3バックの間にFWを走らせる形だったのだろう。セレッソはボール保持の時に3バックの両サイドが起点になるために開いたり前に出たりしており3バックのサイドとセンターのヨニッチの間にはスペースが出来ている。そこをFWで狙う形はこの後何度も見られた。
■両チームの狙い
序盤はガンバの守備に混乱が見られたので少しごちゃごちゃしてしまったが両チームの狙いを整理すると、セレッソが狙っているのはWBを深い位置にまで侵入させそこから大外へクロス。そこに逆サイドのWBを飛び込ませるという形だった。一方でガンバが狙っているのは3バックの間にFWを走らせる形。ただそのためには中盤でボールを引っ掛ける必要がある。なぜなら押し込まれてしまうとボールを奪い返した時に前線との間が広がってしまいセレッソが3バックの間にあるギャップを埋めるだけの時間が作れるからだ。しかしだからと言ってガンバが高い位置から守備に行くと開始5分までの様に逆にセレッソが簡単にWBが裏を取ることになる。
前回のアウェイでのダービーがかなりインテンシティの高い試合だったのに対し、今回の試合がちょっと静かというかゆったりとしていたのは暑さだけでなくこのような微妙なバランスの上に成り立っていたからというのもあるだろう。
ここ数試合はガンバもボールを保持する場面は見られるようになっていたとはいえ、ポゼッションからの攻撃ではSHの動きがあまり整備されていないようで攻撃は単発。もちろん可能性が全く無いという訳では無いが、ボール保持から得点を奪うというよりもセレッソの攻撃回数を減らすということの方に意味があるような感じだった。
一方でセレッソのカウンター気味の攻撃も前線にストライカーが本職の選手がいないことや、ガンバの守備での切り替えが早く自陣に戻る意識がかなり高かったのでこちらも単発。
試合のポイントになっていたのはセレッソがボールを持った時にWBをサイドの奥に侵入させることができるかどうかになっていた。
セレッソが14分に迎えた清武のクロスに松田に変わって入った高木が大外から飛び込んだ場面はまさにセレッソが狙い通りに作った形だったのだがシュートは枠外。これはセレッソが決めておきたい場面だっただろう。
一方で22分にガンバが迎えた、アデミウソンのポストから倉田が抜け出した場面もガンバが狙い通りに作った形だったが、ここはキム・ジンヒョンがセーブ。ガンバからするとここは決めておきたい場面だったのだろう。
■松田の交代
14分〜 |
ベンチには田中裕介もいるので田中との交代も考えられたところだろうが、後ろに3枚置いていることもありWBにはアタッカーとしての能力を重要視しているのだろう。
またさらにこの試合ではWBはフィニッシャーとしても設定されていたのでなおさらだ。
また高木がこれまでWBに入っていたのは左で、右では水沼が入ったこともあるので水沼を右WBに入れて高木がシャドゥというのも考えられたが、あくまで高木をWBで起用したのもこの飛び込んでくるということを考えての事だったのかもしれない。
■失点
こうしてサイドの攻防がポイントとなっていたこの試合だったが、セレッソは放置されている3バックのサイドの持ち出すプレーや、ガンバの2トップがスライドしてくると確実に逆サイドに展開するという落ち着いたボール回しでボールを運ぶ場面もあり、決して内容的には悪くは無かった。また逆サイドのWBが飛び込む大外クロスに対しては、セレッソがクロスを入れようかというタイミングで遠藤がWBが飛び込んでくる場所をケアするポジションを取り始めるが、そうなると今度はDFラインの前が空いてくる。
そこを使ったのが39分にあったソウザのミドルシュートの場面。遠藤はその前のタイミングで最終ラインに入っていたことでソウザはシュートを打つスペースと時間を得ることができていた。
ただセレッソはボールを運ぼうとする分、ガンバの網をはって待つ形の守備も機能しやすくなる。そのためガンバが中盤でボールを引っ掛ける場面も多くなっていた。
そしてその結果生まれたのが45分のアデミウソンのゴール。
山村へのボールを今野に奪い返されると、遠藤、倉田とつなぎ3バックのギャップを狙うアデミウソンへ浮き玉スルーパス。キム・ジンヒョンの飛び出しも中途半端になってしまいループシュートをアデミウソンに決められてしまった。
■後半
後半に入っても試合の流れは変わらず。ガンバとしては網をかけて待ちカウンターを狙い、だめならボールを持ってセレッソの攻撃回数を減らす。セレッソとしてはサイドにボールを持っていきたい。前半は遠藤がケアしていたクロスの大外についてはSHを落とす形も見られるようになっていたが、高木をケアするという意味だったのか倉田に比べて小野瀬は遅れる場面も多く、54分には丸橋が大外クロスでチャンスを迎えたがシュートは枠外。ここも決めることが出来なかった。ここからは時間の経過とともにガンバはより自陣でブロックを作りカウンターを狙うという形を徹底させ、セレッソは前がかりに。
67分にソウザが遠藤に倒されたプレーはイエローカードが出る完全にファールだったがこれを流してしまったのでその後渡辺千真をオスマルが倒したプレーもイエローカードが出ても良さそうなプレーだったがノーファール。こういう事がおこるとダービーなので荒れてしまいがちなのだが、直後のスローインでアデミウソンがトラップミスをしてセレッソ側のスローインにしたのでそうはならなかった。ガンバはリードしているので荒れてもあまりメリットは無い。なのでこのプレーはアデミウソンがわざとやったんじゃないかと疑っている。
76分〜 |
一方でガンバは76分に倉田に代え米倉を投入。ブロックを維持したいという意識が見える。
セレッソは前がかりになることでガンバのカウンターを受ける回数も多くはなるが、山口がことごとくこれを阻止。しかし人数をかけて守るガンバに対してはどうしても攻めきれず、頼みのセットプレーもこの日はソウザのキックが不発。
89分〜 |
セレッソは89分に木本に代えて田中裕介を投入するもそのまま試合は終了。
ホームでの大阪ダービーは0-1で敗戦に終わった。
■その他
サッカー的なカウンターではなく、「後の先」というかお互い相手が出てきたところの裏を突きたい試合となった大阪ダービー。この展開は十分予想できたので先制点は許したくなかったのだがそうはいかなかった。
この試合の翌日から尹晶煥の今後の去就に関しての報道が出るようになったが、それについてはまた後ほど。
お疲れ様です。とうとう去就の話が出てきてしまいましたね。
返信削除どの道攻撃を個人のアイデア任せにしているようではリーグタイトルなんて夢物語でしかないので、本当に優勝を目指すなら監督交代は必要だと思ってます。
前線のコマが足りないのを不振の原因と語る人もいますけど揃っていても個人任せなんで大差ないでしょう。
いずれにしてもいつの日か監督交代はする事になります。その時フロントがまともな監督を連れてきてくれる事を祈るしかないですね。
コメントありがとうございます。
削除尹晶煥監督の進退問題については別に書きましたが、それ以上にクラブとして問題があるように感じてなりません。
この試合終わった後なんで高木がシャドーじゃなくてWBなんだとかなり疑問に思いましたが
返信削除成程4バックをWB+前3人で対応させて余った片方のWBにシュート打たせようという狙いだったんですか
非公開練習して何やったんだと怒りしかなかったけど、ちゃんと作戦準備してたんだなと感心しました。
ただ先制された時のことを想定してセットプレーでサインプレーを仕込んでほしかったかなと思いました。ストロングポイントはあるのにそれを生かしきれてないという印象がぬぐえないです。
ただ監督については続投希望で、この試合の仕掛けを見たらまだ引き出しがあるので期待はできます。
コメントありがとうございます。
削除尹晶煥監督の進退問題については別に書きましたので割愛にますが、非公開練習といっても1日だけなんで集中してトレーニングを行うためだけだと思いますよ(笑)
ダービー敗戦で色々言われてますが。今回の敗戦は指揮官の落ち度、失策に該当するのでしょうか?正規FWのほとんどが欠け、更にプレイエリアが広い松田の負傷交代。誰が準備しても、打てる手はそれほどなかったのではと思います。むしろ、完全なPKシーンをとって貰えなかったり、不運が重なっての敗戦と見るのが妥当かなと。
返信削除コメントありがとうございます。
削除今回の敗戦にも監督の責任はあるとは思います。まあでも勝つこともあれば負けることもあるわけで、だからといってどうこうってのは無いのが僕の意見です。