2018年10月20日 19時00分:味の素スタジアム
予想スタメン |
2018年の明治安田生命J1リーグもいよいよ大台となる第30節。セレッソ大阪は敵地味の素スタジアムでFC東京と対戦する。
■前回の対戦
前回の対戦は4月14日の第8節。ヤンマースタジアム長居で行われた一戦は高木のゴールでセレッソ大阪が1-0と勝利している。この試合の前節、第7節はミッドウィーク開催となっており中2日で迎えたこの試合。
FC東京は長谷川監督が就任しゲームプランそのものが大きく変わった影響もあり、開幕直後は勝てない試合が続いていたが第4節から4連勝。ルヴァンカップと合わせると公式戦5連勝中という中でこの試合を迎えており、攻守の切り替えを重要視した長谷川監督らしい縦に速いサッカーにディエゴ・オリヴェイラと永井の2トップがマッチし始めたころだった。
一方のセレッソも、ACLとの兼ね合いもありシーズン序盤は勝てない試合が続いたが、第5節から3連勝中、ACLを含めると公式戦4連勝中でこの試合を迎えていた。
そんな中での東京の先発メンバーは、GK林、DFは室屋、チャン・ヒョンス、丸山(現名古屋)、小川。中盤には大森、橋本、高萩、東、2トップは富樫と永井。太田はポジションを失っている状態で、森重は離脱中、前節からは富樫とディエゴ・オリヴェイラが入れ替わっていた。
一方でセレッソの先発メンバーは、この試合の前川崎戦で6人を入替えていたため、この試合では再び6人を入替え。キム・ジンヒョン、ヨニッチ、丸橋、山口、柿谷の5人は連戦となり、トップで柿谷と並ぶのは杉本、中盤では水沼と高木、ボランチではソウザに加えてオスマルも離脱、さらに山村がベンチスタートとなったことで、山口と並ぶのは西本。最終ラインには松田、ヨニッチ、木本、丸橋が並ぶ4-4-2となっていた。
プレッシングから背後を狙う東京と、ブロックから長いボールも含めた縦パスを狙うセレッソ。
しかしお互いがそこから先を警戒している状態なので、立ち上がりから東京はミドルサードまではボールを運ぶがそこから先がなく、セレッソはアタッキングサードまではボールが運べるが敵陣30mには侵入できないというような膠着した展開となる。
試合に動きが出てきたのは後半開始から。東京が富樫を下げディエゴ・オリヴェイラの投入をきっかけに、よりハッキリと背後のスペースに2トップを走らせはじめたことで東京がセレッソゴールに迫る場面が見られるようになる。
しかしセレッソのSHが休養十分ということもあり4-4のブロックは広がること無く対応。
一見東京が押し込んでいるようには見えるが、セレッソの守備も精度を保っておりやはり拮抗しているという状態が続いた。
そんな状態の中東京にミスが出た。キム・ジンヒョンからのロングボールを交代で入ったヤン・ドンヒョンが頭に当てると、そのセカンドボールを巡ってチャン・ヒョンスと林がお見合い。
それを高木がかっさらいゴール。思わぬ形だったがセレッソが先制する。
その後東京は太田や久保(現横浜FM)を投入するも、セレッソも清武を投入し試合をコントロール。4-4-2の精度が最後まで落ちること無く、最後まで4バックのままで逃げ切りに成功した。
■現在のFC東京
前回のセレッソ戦で敗戦となったもののその後は再び負けなしでワールドカップの中断を迎え、リーグ再開後も第18節で長崎に敗れたものの勝ち点を重ね2位をキープしていた東京だったが、第21節でガンバに敗れると一変。第28節までの8試合で3分5敗と8試合勝利なしという厳しい状況に突入する。前節名古屋戦での勝利はなんと9試合ぶりだった。
こうなった要因はそもそも暑くなる夏場には厳しいスタイルであるということもあるが、戦い方を微調整したことによる影響もあったのだろう。
中断前から少しずつ見せていた、2トップを活かした縦への速さに加えてこの2人が起点となりそこにSHやSBが絡むという形を、中断期間を使ってさらにアップデート。
実際に中断あけ2試合目の第17節マリノス戦での5-2の快勝はここが活きたものだった。
しかし、この変更はフィニッシュを迎えようという場面では2トップにスペースが無くなってしまう。
その結果縦に速くボールを運ぶ分、シーズン折り返し以降のアタッキングサードでのプレー比率では30%を超え、さらに敵陣30m内でのプレー数も2位。内側も含めたペナルティエリア付近でのプレー数もリーグトップを記録しながらも、シュート数はリーグ8位、枠内シュートに至ってはリーグ17位と減少。
前線での手数が増えた分、いい形でシュートまで持っていけない。特に2トップはスペースがあるときに強みを発揮するタイプだっただけに得点力に問題を抱えてしまうことになったのだろう。
相手にはアタッキングサードまで簡単に侵入させない守備は健在で、後半戦での被シュート数、被枠内シュート数も2位と3位、失点数も4位と守備のスタッツは決して悪くないのだが、勝ち点を重ねられなくなっていた。
そしてこう勝てないとどうしてもバランスがおかしくなってしまうもので、第28節の清水戦では相手にボールを運ばれ、押し込まれたときにラインが下がりすぎる、押し上げられない場面も見られるようになっていた。
このあたりが前節の久々の勝利で改善されているのかどうかというところだろうか。
■プレビュー
セレッソ大阪のメンバーだが、Aマッチウィークに行われた練習試合では8月8日のスルガ銀行チャンピオンシップ以降続けていた3バックを止め4バックを採用。この試合では8月5日の第20節以来の4バックが濃厚となっている。4バックになった場合、おそらく外れるのはオスマル。前線には脱臼を保存療法で治療した杉本が復帰し柿谷との2トップ。2列目には清武と水沼。ボランチには山口とソウザ。4バックは肉離れの松田に代わって田中裕介、ヨニッチ、山下、丸橋でGKにはキム・ジンヒョンが入る4-4-2となりそうだ。
そして山村も離脱したことを考えるとベンチには澤上が入ることになるだ王。
続いてFC東京は、おそらく久々の勝利となった前節に続き、室屋、森重、太田や中盤には右に東で左に大森。ボランチには橋本と高萩、2トップにはディエゴ・オリヴェイラと永井というメンバーが並ぶだろう。
しかしこの試合ではキャプテンでもあるチャン・ヒョンスが累積で出場停止。CBで森重と並ぶのは第24節以来の先発となる丹羽となる可能性が高そうだ。
そしてこの試合にはポイントになりそうな点がいくつかある。
まずその1つがセレッソの4バック。メンバー的には昨季に4バックで戦っていた選手がずらりと並んでいるため、フォーメーションを変えたことが大きな問題にならない可能性も高い。
しかし、この4バックは以前と同じようなゲームプランで戦いに挑むのか。それとも新たなプランを導入するのかは注目が集まるところだろう。
次にポイントとなるのは相手チームの事情。東京がどういった戦い方を取るのかという部分だろう。攻撃で中心となるのは背後のスペースに2トップを走らせることにはなるだろうが、これをどこまで徹底してくるか。前節は低い位置でボールを繋ぎたがる名古屋の戦い方と東京のやりたいことがうまくハマり序盤から「らしいプレー」がみられたが、セレッソがこれまで4バックでやってきた戦い方では自然にはそうならない。
そんな時に一旦中盤で待つのか、それとも無理をしてでも前に出るのかは興味深い。
個人的に東京は清水戦で散々だったので前に出てくる可能性が高いと思っているが、そうなると柿谷が背後を狙う動きはチャンスに繋がるはず。ここから相手を押し込むことができるのではないだろうか。久々に柿谷と杉本の2トップが濃厚とのことで彼らの躍動に期待が集まる。
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