2018年10月5日金曜日

明治安田生命J1リーグ 第29節 vs ガンバ大阪 プレビュー

2018年10月6日 14時00分:ヤンマースタジアム長居

予想スタメン

台風の影響で第28節が延期となったためセレッソ大阪にとって2週間ぶりのリーグ戦。明治安田生命J1リーグ 第29節は本拠地ヤンマースタジアム長居でのガンバ大阪戦との「大阪ダービー」が行われる。


■前回の対戦

前回の対戦は4月21日にパナソニック スタジアム吹田で行われた第9節。
開幕から降格圏で苦しんでいたガンバ大阪に対してセレッソ大阪は怪我人、過密日程に苦しみながらもリーグ戦4連勝中で3位としていた中で行われた一戦は、PKで奪った1点を守りきりガンバ大阪が勝利。セレッソ大阪のリーグ戦連勝は4でストップした試合だった。

両チームのメンバーだが、ガンバは直前のリーグ戦長崎との試合でSBの背後を徹底的に狙われ完敗を喫したこともあり、SBにオ・ジェソクと復帰したばかりの藤春を起用。さらにボランチにはマテウスとリーグ戦初先発となる高江を起用。遠藤はトップ下になり藤本と倉田の両SH、ワントップにファンウィジョという4-2-3-1を採用。
一方のセレッソは、清武は途中出場で徐々にプレーを再開していたもののオスマルとソウザに加えて木本も離脱というかなり厳しい状態。ボランチには山村と山口、CBには山下、両SHは水沼と高木、2トップは杉本と柿谷が入る4-4-2となっていた。

この時点でのチーム力を考えると、インテンシティを高め局地戦に持ち込みたいガンバは立ち上がりから遠藤が1列前に出て4-4-2でハイプレスが仕掛けるが、セレッソがロングボールからのセカンドボール争いに持ち込んだ事で不発。さらにロングボールの処理に手間取ったことから東口と三浦の味方同士で交錯してしまい東口が負傷交代となる。

しかしこの負傷交代をきっかけにガンバは4-4-2でブロックを作る迎撃型のプレッシングに変更。さらにビルドアップもマテウスが最終ラインに落ちる3バック化を取ることでガンバも徐々にボールを運ぶことができるように。そんな展開からファンウィジョがPKを獲得してガンバが先制する。

そして先制してからのガンバはさらに4-4-1-1の布陣に変更。前線にファンウィジョだけを残して4-4+1(遠藤)でブロックを作りボールを奪うとファンウィジョをめがけてひたすらロングカウンター。その結果ガンバは狙い通りの局地戦に持ち込むことに成功。そして藤本、遠藤を下げ米倉、中村敬斗を投入し高いインテンシティを最後まで維持。
これに対してセレッソは清武、片山、ヤン・ドンヒョンと投入するも有効な形は作れずそのまま敗戦。ある種ダービーマッチらしい試合だった。

■現在のガンバ大阪

レヴィー・クルピを解任しちょうどシーズン折返しの後半戦となる第18節から宮本監督が指揮を採っているガンバ大阪。宮本監督就任後も第21節でようやく初勝利を挙げたものの第24節まで1勝3分3敗と思うように勝ち点を積み上げられず降格圏から抜け出せずにいたが、第25節から4連勝。名古屋が2試合未消化、セレッソ、磐田、湘南が1試合未消化という暫定順位ながらも13位にまで順位を上げている。

宮本監督が就任してからのデータを見ると、特徴的なのは守備の数字。
ディフェンシブサードでの相手チームのプレー数、プレー比率がワースト2位。自陣30M以内での相手プレー数もリーグワースト3位。自陣ペナルティエリア内での被プレー数もリーグワーストとなっている。
つまりこれはかなり低い位置で守備を行っているという事。
高い位置で制限をかけることはあまりせずに自陣に相手を引き込んで守備を行っている。
そのためボール保持率も50%を切っており、考え方としては相手に攻めさせることで敵陣にスペースを作りそこを使って攻撃するというスタイルだと言えるだろう。
ただ、引き込む以上はリスクもある。もっといえば引き込むとしてもボックスの外まで。ボックス内への侵入も許しているのはさすがに引き込みすぎだとは思うが、これでまだ何とか成立しているのはリーグ屈指のシュートストッパーである東口がいるからこそだろう。東口の1試合あたりのセーブ数3.9はリーグトップだ。

そして現在の4連勝の最大の立役者は連勝と復帰のタイミングがピタリと一致している今野であることは間違いないだろう。
宮本監督が就任した第18節から今野が復帰する前の第24節までの平均失点が1.7点。これはクルピが率いていた前半戦よりも悪い。しかし今野が復帰し連勝が始まった第25節からの平均失点は0.5点となっている。
ガンバは下がって守る分、相手にするとスペースが無い。そんな状況の中でCB+今野を外すのは至難の技。被シュート数、被枠内シュート数は元々かなり多かったため大きく下げることは出来ていないが、被枠内シュート数はリーグ平均に近い4.0本におさめている。(それまではリーグワーストを名古屋と争っていた)。
また今野が効いているのは単純にボックス周辺での守備だけではない。
ボールを奪った後のプレーにも特徴を見せている。
今野が復帰する前までボランチには高が起用されること多かった。
ボランチというポジション柄、高もチームでは上位のパス数を記録していたのだが今野に変わって大きく変化したのは縦パスの数。高は1試合平均53.0本のパスの内16.25本の約30%が縦パスであったことに対して、今野は平均61.8本のパスの内25.75本の約41.7%が縦パス。
これによりガンバはこれまでよりも効率的にアタッキングサードへボールを運ぶことができるようになる。つまり相手を守備で引き込んだ裏のスペースを使えるようになっている。
これで活きているのがボールをおさめる渡辺千真と裏を狙うファン・ウィジョの2トップ。そこに小野瀬と倉田、さらに後ろから藤春が絡むことにより、リーグ平均以下だった左右のペナルティエリア脇侵入回数も、ここ4試合はリーグ平均を大きく上回る数字へと増加。サイドアタックが機能しはじめていると言えるだろう。

■プレビュー

大阪ダービーに向けて木曜日に珍しく非公開練習をおこなったセレッソ大阪。とはいえここまでリーグ戦で27試合戦っている積み重ねもあり、たった1日の非公開練習で特別なことを行うということは考えづらく、おそらくこの非公開練習は集中力を高めることが一番の目的。メンバー的な部分では大きな変化は無いだろう。
杉本が負傷、柿谷がコンディションに問題を抱えている中では前節杉本が負傷交代した後の布陣、1トップに山村、シャドウに清武、高木。ボランチには山口とソウザ。両ワイドに松田と丸橋。3バックは木本、ヨニッチ、オスマルと並び、GKにはキム・ジンヒョンが入る3-4-2-1となりそうだ。
変化があるとすればシャドウで水沼が入るとの情報もある。柿谷はコンディション次第だろうが入ってもベンチスタートとなるだろう。

一方のガンバ大阪だが、エースのファン・ウィジョが累積警告で出場停止。変わりの選手はアデミウソンか一美かというところだが、ここはアデミウソンか。今季はコンディションの問題や戦い方の問題もあるが能力が高い選手であることは間違いない。渡辺千真との相性も悪くはないだろう。
ということで渡辺千真とアデミウソンの2トップに小野瀬と倉田のSH。ボランチは遠藤と今野が入り、最終ラインにはオ・ジェソク、三浦、ファビオ、藤春。GKに東口という普段どおりの4-4-2となるだろう。

試合展開としてはガンバが引き込む守備、セレッソが後半戦ではリーグ4位の54.7%を記録するボール保持という戦い方を採っていることを考えると、基本的にはセレッソが3バックの両サイドを起点としてボールを持つ時間を作る展開になるだろう。
そこからガンバは0-0の間は引き込んだ後前線に起点を作り両サイドの裏を狙い、ファーストチョイスはそこから手数をかけずにフィニッシュに、攻めきれない場合はボールを持って逆サイドへという形を作りたいと考えているはずだ。

それを踏まえてセレッソはどこまでボールを運んで、どこでボールを失うかということが重要になってくるだろう。
ガンバの攻撃で怖いのはやはり守備から攻撃に切り替わった瞬間。それを避けるためにはボールを失う時の位置、形をコントロールすることで、それができればそこからの相手の攻撃は十分準備できるのでそれほど怖くはない。
準備出来た中でのガンバのボールを持った攻撃であれば人数を揃えて中央を固めて守備をすることができるのでそれほど危ない場面も作られないだろう。

そしてガンバの狙いを最も簡単に崩してしまうの方法は先制点を奪うことだ。
先制点を奪うことができるとガンバはボールを取り返さなくてはいけないので相手を引き込んで待っているわけにはいかなくなり、セレッソが狙えるスペースも増えてくる。
しっかり守ってカウンターという手も出てくるだろう。

しかし一方でガンバは相手が攻めてくると活きるという形で戦っているので、ガンバに先制点を奪われると苦しくなる。
ガンバはこの4連勝の内、川崎戦、清水戦で10分にも経たないうちに先制。広島戦でも優勝争いの為に勝利が必須の広島に対して0-0のまま試合を進めることができたという展開を作り上げたことが勝利に結びついた要因の1つだったことを考えると、先制点を与えないというのはいつも以上に重要だ。
ただ、もし先制点を奪われたとしても慌てないことだろう。
ガンバは宮本監督になって以降、与えたCKはリーグで5番目に多く、ディフェンシブサードで与えたFKもリーグワースト3位。リーグで2番目にゴール近くでセットプレーを与えることの多いチームだ。焦らなくてもセットプレーからチャンスは作れるはずだ。

とはいえ、しっかりと試合をコントロールして勝ち切るだけの力はあるはず。
前回対戦では不覚をとったがホームでのダービーは是が非でも勝ちを奪いたい。


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