2019年7月6日 19時00分:エディオンスタジアム広島
予想スタメン |
今節から折返しの後半戦、2巡目となる明治安田生命J1リーグ 第18節。セレッソ大阪は敵地エディオンスタジアム広島でサンフレッチェ広島と対戦する。
■前回の対戦
前回の対戦は3月9日に本拠地ヤンマースタジアム長居で行われた第3節。前半19分にミスからエミル・サロモンソンにゴールを奪われそのまま0-1で敗れている。この試合のセレッソは3-4-2-1。広島も3-4-2-1。当時のセレッソはボール保持のポジショニングで3-4-2-1の立ち位置を取りたいことから布陣は3バック。4-4-2をメインとしている現在もボール保持のポジショニングとしては基本的には同じなのだが、当時はまだチームに戦い方を浸透させることが出来ていなかったことからリスク回避のためにボール保持と非保持で布陣を変える必要が無い3-4-2-1を採用していた。
その中で前線は1トップに柿谷、2シャドゥに清武とソウザを起用。個の能力としては最も高い組み合わせといえるだろう。
また今となっては信じられないが、この試合が松田陸の今季リーグ戦初先発、松田と丸橋が今季初めて同時起用された試合。リーグ戦過去2試合は右WBは舩木でスタート。さらに直近のルヴァンカップ大分戦では松田は左WBで起用。つまりこの試合が左利きが左サイド、右利きが右サイドという順足WBが今季初めて起用された試合でもあった。
メンバー的に見ても幅、奥行きを作り間で清武、ソウザをプレーさせたいセレッソ。試合の立ち上がりは3-2-5の立ち位置で前にボールを奪いに来る広島ボランチの背後で清武・ソウザをプレーさせようとしていた。
がしかし、前半19分にヨニッチとキム・ジンヒョンの単純な連携ミスでエミル・サロモンソンにゴールを許してしまう。そしてこのゴールがこの試合の流れを大きく変えた。
広島にとってこの試合はドウグラス・ヴィエイラが移籍後初先発となった試合なのだが、その前の2試合は渡、パトリックが1トップで先発し2試合連続ドロー。まだ今季勝利が無い状態で迎えていた。そしてさらに広島は昨季9月15日の第26節以降の終盤戦は9試合勝利なし(2分7敗)でシーズンを終えていた。つまり広島はおよそ半年勝っていなかった。
そんな状態で今季初めてリードした状況を迎えた広島は、ここからボールを奪いに行っていた戦い方から自陣で5-4-1でブロックを作りスペースを埋める形に変更。ソウザ、清武がプレーしたいスペースを消されてしまったセレッソはそのまま広島のブロックを崩しきれず0-1で敗戦となった。
ちなみにこの試合でのエミル・サロモンソンのゴールは、今季セレッソが前半に唯一許した失点。
ここまでの17試合で11失点とリーグ最小失点を記録しているセレッソだが、前半の失点はこの1点しかない。
■現在のサンフレッチェ広島
前回の対戦は広島にとって大きな分岐点となった。ここから広島はリスクを負わず自陣でブロックを作ってしっかりと守備をする戦い方へとシフトチェンジしたのだ。
この戦い方で重要な役目を担ったのがドウグラス・ヴィエイラ。パトリックや渡と比べると前への推進力には欠けるが、ポストになって前線に起点を作るプレーはパトリックや渡よりも断然上手い。ということで1回の攻撃に多くの選手が関わることができるようになった。パトリックや渡では彼らの前への推進力を活かす以上、彼らが走るためのスペースもスピードも必要となり、得点を奪うには攻撃に回数が必要だった。がしかし、ドウグラス・ヴィエイラはボールを失わないのでそこまで回数に依存しなくなった。つまりコントロールしやすい状態で試合を進めることができるようになったのだ。
この戦い方で躍動したのがコパ・アメリカの日本代表にも選出された松本。ボール保持ではボランチから最終ラインに落ちる動きで試合を安定させ、ボールを奪われればすばやくポジションをきちんと埋めていた。
そしてこの戦い方により、前回のセレッソ戦から5連勝。首位にも立った。
がしかし、その後広島はなんと5連敗。深刻だったのがこの5試合で奪った得点は1点のみという得点不足。怪我人などの不運もあったが、リスクを負わず攻撃回数を減らそうとトランジションの機会を減らしているのでここからなかなか脱却出来なかった。
とはいえ、現在は復調傾向。第15節の湘南戦で勝利するとACLとリーグ戦による鹿島戦3連戦を1勝1分1敗という五分の成績で終了。
アウェイゴールによりACLでは敗退となったが、内容的にも手応えを感じさせる試合だったことは間違いない。
エミル・サロモンソンが怪我で抜けた右WBには2017年に川崎でもプレーした前への推進力の高いハイネルを起用。さらにシャドゥには森島と川辺もしくは柴崎。さらに吉野がボランチに起用されているように、少し前へのパワーがましていると言えるだろう。
そしてここに来て途中交代でパトリックを投入し4-4-2に変える形も定着。ACLセカンドレグでは途中出場のパトリックがアディショナルタイムの決勝ゴールを含む2得点を記録している。
■プレビュー
サンフレッチェ広島の先発メンバーだが、アディショナルタイムの柏のゴールで追いつき2-2で終わった前節鹿島戦のメンバーが中心になるだろう。コパ・アメリカに参加していた大迫、松本ではなく、GKには林、ボランチは吉野と柴崎となりそうだ。しかし今週のトレーニングでドウグラス・ヴィエイラが負傷したとの情報があり、1トップにはパトリックが入ることになりそう。
一方のセレッソ大阪の先発メンバーも前節の11人となることが濃厚。前節はデサバトが足の違和感でベンチスタートとなった穴を木本がしっかりカバーした。デサバトの状態次第だが、今節も木本がボランチで入ることになりそうだ。
試合のポイントとしてはまず広島がパトリックにどの様にプレーさせるのかだろう。走らせるのか背負わせるのか。どちらを選択するかで広島の戦い方は変わってくる。
そして広島の攻撃で外すことが出来ないのは柏。1人で試合を動かすことのできる数少ない選手である。
ここのところ左シャドゥに入ることの多い森島とのコンビネーションもなかなかよく、これまでの神出鬼没な動き、単騎突破だけでなく、森島が柏の入るスペースを空けたりもする。セレッソはこの森島の動きにも注意したい。
とはいえ、セレッソもこの対3バック連戦で2連勝中、さらに2試合連続複数得点と4-4-2での対3バックにかなり高い精度で戦うことができるようになっている。
この試合でもビルドアップから相手のWBを動かしチャンスをものにし、また3バックの両脇へのアプローチで広島の攻撃を窒息させたい。
あまりサイドチェンジを多用するチームではないがボランチに展開力はあるので、3バックの両脇へSHがアプローチをかけた時にブルーノ・メンデス、奥埜の1列目がボランチを消せるかどうかがポイントとなるだろう。
広島とは勝ち点2差でセレッソの方が順位は上だが、ACLの関係で広島は1試合消化が少ないことを考えるとほぼイーブン。ここで勝利し上位進出のための足がかりにしたい。
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